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マスターズ博士の研究が素晴らしく意味深いものであることは前回お話しした通りです。しかし、日本でも博士の発案した「マックス君」に劣らぬ性具が誕生していたのです。その開発者が博士の報告書を知らないとしたら、我が国も捨てたものではありませんね。マスターズ博士がその研究に使用した全自動式人造チンボ、通称「マックス君」は、博士の報告書からヒントを得て作られた映画に登場しただけで、その後注意していましたが、アダルトショップには未だに登場していません。
マックス君は、重機関銃の台座(足)に、製図の図面を入れる筒くらいの大きさの金属の胴が付き、その胴の先から、取り替えのきく張り形が、スイッチの操作で強弱自在にピストン運動を繰り返す、疲れ知らずのタフなチンボです。
マックス君が世の中に流布すれば、全世界の女性はもとより、ホモ・レズ・SM者たちには歓呼の声で迎えられるでしょうに、未だにマックス君は姿を見せません。
マックス君が表に出られないのは、チンボの代用品として、猥褻物とされたからです。
今でこそアダルトショップへ行けば、シリコンゴム製で色も形も並の男よりはるかに立派な、怒張した、玉付きの張り形(人造チンボ、ディルドオ)が堂々と売られていますが、東京オリンピックから昭和四十年代中頃までは、チンボの形をした張り形は、猥褻物とされて、公然の売買は不可能だったのです。
そのために当時の張り形は、細長い砲弾型やアイヌの酋長と熊の形をしていたり、ボクサーの腕の形をしていたので、今でもその時の名残を留める物があります。
当時も、悩める独身婦女のために、象牙やセルロイドや、ゴムやエボナイトで、並の男性の実物よりはるかに優れた物を作る、志のある人達は幾人かおりましたが、情け容赦のない官憲の手で、それらの人々の企ては潰され続けてきたのです(この間のことは、日本のフロイトと称された、性学者高橋鐵氏の著作に、秘具として数多く写真紹介されています)。
あれは昭和四十年代の末頃か、五十年に入った頃だったでしょうか。テレビの番組に「11PM」というのがありましたが、ある時、その中で、全自動の人造チンボが出てきたことがありました。
これの発明者は日本人で、その役目は、男のいない成人女性のために、男の役目を果たす機械ということです。
出演者はこの機械の発明者の男性と、三人の女性です。
女性は三人共銀座や赤坂のクラブの経営者で、すべてが独身です。
そこへ出現した機械は、胡座をかいた、狸の縫いぐるみで、大きさは成人男子よりやや小振りで、中学生くらいにしてあります。
さてその狸の、どこが人造チンボなのかというと、その股間に先に言った砲弾型の張り形を取り付け、スイッチを押すと、その張り形が、大きく前後にピストン運動を始めるのです。なるほど、これは全自動のチンボ機械です。
さあ、そこで三人のマダムにこれを見せると、二人は「いくらよく出来ていても機械は嫌、生の男のほうが良い」と言い、一人は「機械でも欲しい」と言いました。
股間に付けた張り形は、好みの長さや太さの物に替えられ、標準として直径三・五センチから四センチの物がよく売れるが、中には直径五センチとか八センチの物を欲しいという注文もあり、どうやってそんな大きなのを使うのか不思議だと言う作者の話があり、三人のマダムたちも驚いていました。
どうして狸の縫いぐるみの形をしているのか、もっとリアルな成人男性の形には出来ないのかという司会者(男性アナウンサー)の質問に対して、作者は、女性のための御道具(夜の友)だから、裸身の男性像にして、張り形もリアルなチンボにしたいのはヤマヤマだけど、それでは陰具・性具として猥褻物とされるので、触法上不可能なので止むを得ずこの形にしたのだと言っていました。
この狸は、股間のチンボを外せば、唯の縫いぐるみですから、居間に置いていて、客が来ても平気なようにしてあるのです。客はまさかこの狸が、背中にあるボタンを押せば、人間の男よりはるかにストロークの大きい力強い股間のピストン運動をするタフマンだとは想像も出来ないという訳です。
皆さん、これでお分かりでしょう、昭和四十年代五十年代ですら、性具はまだ官憲の眼を忍ぶ、日陰の身であったのです。
この狸ちゃんとマックス君との間には、繋がりはなく、狸ちゃんの発明者も司会者も、マスターズ博士やマックス君のことは一言も触れてはいませんでしたが、流石は日本人、独自に全自動人造チンボを発明するとは天晴です。
余談ですが、狸ちゃん用に直径八センチ余の巨大な張り形を注文する女性がいるという話に、三人の女性出演者が、揃って「とても信じられない......」と言っていました。そして二人は、「いくらよく出来ていても、私はこんな機械は(性処理の対象として)相手にしたくありません......」と言っていましたが、あれは全部嘘です。本心は「まあ八センチて太いわ、私もそんなの欲しい!!」、「これ本物の男より頼もしいわ、私、男二、三人では足りないもん。これだったら夜中から朝まで休まず動いてくれるもの......欲しいわ」と言っているのが顔に書いてありました。
さぁ皆さん。皆さんは今、とてもよい時代に生きているのです。この私の青春時代は皆さんより何十年か前(昭和十七年生まれ)ですが、当時、性具は日陰の身で、よく出来た物を発明した者ほど官憲に眼の敵にされ、投獄までされた時代があったのです。
そんな時代背景の中で、マスターズ博士は学問研究のための器機としての形で、マックス君を世に出し、日本の某氏は狸君を発表したのです。
何もかもが当時とくらべ物にならぬくらい自由になった現今、彼ら以上の物が出現していないのは、淋しい限りです。
マックス君も狸君も、今ならもっとリアルになって、独身女性のためだけではなく、半公然になって市民権を得た、SMクラブや体育ジムなどで、もっと広く愛用されてしかるべきではないのでしょうか。
善良なる市民は、他人に危害を及ぼさない限り、自らもっと快感を深く追求する権利を有し、それは完全に保障されるべきです。
(続く)
13.10.16更新 |
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