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かつて神田に実在した古書店主夫婦による性の猛特訓は、経験した若者たちにとって、とても有益なものでした。もちろん独自の生化学理論に基づいた身体的向上だけでなく、なんと、金銭的な見返りもあったのです。まさに恐るべきは古書店主夫婦の深き闇です。古書店のお姉さんの言った「その気になれば、ビルくらい直ぐ建つ......」との言葉、何のことかよく分かりませんでしたが、法科学生の北川正泰君の顔の上に肛門を掲げて、ボトン、ポトンと直腸に入れたバナナをその口の上へ切って垂れ落している芳枝さんの態度が随分と落ち付いているので、少し気になって、お姉さんに「どうしでですか」と聞いてみました。
すると驚くべきことが分かりました。芳枝さんは北川正泰君と違って、夫妻による調教が進み、なんと、「浣腸ショー」に出演し、すでに高額の出演料を得たことがあるというのです。その出演料というのは芳枝さんのデパート・ガールとしての月給の半年分になるというのです。
芳枝さんはデパート・ガールとはいえ、都内でも指折りの一流百貨店の、「花」ともいうべき案内嬢です。一晩でそれだけのお金を稼げるショーとは、それは当時、マニア誌として知られていた『奇譚クラブ』の「読者通信」という投稿欄に寄せられた『浣腸研究会』のことです。
雑誌『奇譚クラブ』の読者通信欄は、言わば書き棄ての一方通行で、同時期の類似誌『風俗奇譚』と違って、読者欄に手紙を寄せても(編集室に手紙を書いても)回送の労は一切してくれないところなので、本当ではない、読者の空想による嘘の話も多く、信じ難い記事もありましたが、この浣腸研究会は本当に有った会です。
これは東京と千葉、神奈川の一部の薬局・製薬関係者の間で密かに作られた同好会的な会で、浣腸薬の販売促進を目的に薬局経営者を集めて、新薬の説明の名目の下に、若い女性に浣腸を施すことを目的とする助平な店主たちの欲望を満たす会です。
この会の会員になるためには、薬剤店経営者であることが絶対条件で、部外者は一切入れないので、他と違って完全極秘が続いてきたのです。
浣腸を施されるモデルは、勿論出演希望者など、今と違って皆無ですから、初めのうちは製薬会社の従業員の中から、若い女の子が極秘裡に頼まれて、高額の出演料と秘密の厳守を保証されて出演したものでした。
素人の若い女の子ですから、初めは、上半身は洋服のままで、下半身はスカートは脱がず、ズロースだけ事前に脱いでおくという約束でした。会員の集まっている座敷の真ん中に女の子を呼んで、そこに四つん這いになってもらい、くじに当たった幸運者がその娘のスカートを捲って脱がせ、浣腸器を手に背後に廻り、二番くじを当てた会員がモデルの女の子のお尻の肉を脇から両掌でパックリと割り拡げ、先ず浣腸の一発を注入し、後は全員が次々と交替するのです。
会員の写真の撮影は禁止されていました。同業者同士で、同じ秘密を共有しているという一体感から、安心して参加出来るとして好評でしたが、この会の最大の泣きどころは、モデル志願者が捜し難いことでした。
初めの頃は「モデル紹介所」で頼んだ絵画や彫刻や写真の女性裸体モデルの中から、内容を話さず、来てもらった現場でモデルさんと直接交渉して、改めて承知してもらえた場合にだけ出演してもらえるのです。
裸身や、まして排泄する姿やその局部を衆目に晒すことは、中々落ち着いて演じ切れないことです。それも美しい若い女性が演じるのですから、誰もが大金をはたいてでも見たいと願うものです。
そのような訳ですから、会の面々と古書店々主夫妻とが出会うのは、まさに仕組まれた運命のようなものでした。
芳枝さんを始め、私たちの仲間が、「浣腸研究会」の主役を占めるのは「あっ」と言う間のことで、芳枝さんにはたちまち熱烈なファンが何人も出来ました。
(続く)
15.04.08更新 |
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