読者投稿不定期連載 北陸在住マニア画家の美少女羞恥緊縛図絵
Specially selected abnormal maniac exhibitionl
あぶらいふコレクション
新・淫マニア異端ノ図 【責めの設計図】
作=魚清
北陸在住のマニア絵師が描く背徳的な鉛筆画と掌篇バックストーリー。責められる肉感美女たちの恥じらいと諦観は、どこまでもあいまいで広大深淵なファンタジーを紡ぎだす――<< 前回の記事を読む
妄想家である私にとって、「責めの設計図」を描くことほど楽しいことはない。描くというのは、まず、頭の中で描くのである。
人体を、どう責めるか。人体とはすなわち女体である。膝や肘を始めとして各間接の折れる方向を思い、縄への体重のかかり具合を思い、内面の羞恥や屈辱を思う。実際にも想像上にも責め方は無限にある。縛り姿の好きな私だが必ず縄を使うとは限らない。
責め方は意地悪であればあるほど楽しい。肉体的な、また精神的な逃げ道を、頭の中で一つ一つ塞いでいく。責めの構造はその過程で次第に複雑になっていく。そしてシステマチックになっていく。
ありとあらゆる反応を考慮する。楽しみながら対応し、相手を型に嵌めていく。これは暗い発明である。人間を装置の一部にしてしまう。しかし利己的な支配を空想する楽しみは私だけに特有のものではないだろう。ファンタジーである以上、とことん残酷にしてみたいと思う。
私はとりわけ「永久機関」という言葉に弱い。胸が躍る。
永久機関とは、外部からエネルギーを受け取ることなく仕事を行ない続ける装置のことであるが、装置の一部にされた女性の人力をエネルギーの「数に入れないで」勘定するという意地悪が、まず楽しい。
そしてもう一つ、そこで生みだされたエネルギーがまったく何の役にも立たないようにするのが楽しい。本人を責めること以外には全く何の役にも立たない装置、その一部に女体をあつらえる、つくづく暗い遊びである。
実際に絵にしてしまうよりも、頭の中で連綿と考えているのが楽しい。だから空想だけで満足してしまって描きださないことも多い。
今回の絵は、そんな中でも比較的容易に形することができた拷問装置の一つである。解説は不要なほどに単純、そして原始的な、しかし私にとっては捨てがたいモチーフである。
幼稚と言ってもいいかも知れない。こんなものを「永久機関」呼んでしまう自分を今、とても恥ずかしく思う。しかしその恥ずかしさの奥に疼くような楽しみがある。マニアの好むファンタジーとは往々にしてそういうものではないだろうか。
昼となく、夜となく、私は責めの設計図を頭の中で描き続けている。
作=魚清
関連記事
美少女羞恥緊縛図絵 『北陸の秘画礼賛』
嗚呼、赤満講猟奇譚 絵と文=大園喜八郎
ABLIFE INFORMATION 『あぶらいふ』が貴方からの投稿を待っています!
魚清 北陸在住のアマチュア画家。 学生時代に読んだSM雑誌『裏窓』で椋陽児の絵に触れ、緊縛画の魅力を知る。その後数十年を経て自らも鉛筆による緊縛画を書き始め、5年ほど前に『S&Mスナイパー』内にあった「あぶらいふ」に作品を投稿、連載 を始めた。 責めの情景の中に少女が秘めた憂いや葛藤をエロティックに描きだす。 |