The
ABLIFE January 2013
窮屈な毎日に縛られて気持ち悪くならないためのゆるやかな処方箋
黒い恥毛の奥深く、まばゆい女陰から迸る黄金色のオシッコを百薬の長と崇める稀代のネクタール（神の酒＝おしっこ）愛飲作家が、自由闊達、繊細至極、奇々怪々、博覧強記の知性に加えて、百花繚乱の体験談を交えて読者諸兄からの質問・相談に答える連載。内容・ジャンルは自由。ネクタール＋言葉の免疫で、貴方が今を生きるためのヨスガを紡ぎます。
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Consultation of life to drink delicious urine. For boys and girls.
第41回の受付案件
196、「もうお前では勃起しないと言われた」
197、「若い彼女の性欲を満たすには」
198、「親の余生」
199、「口説かれ上手と呼ばれたい」
200、「酒場での振る舞い」
196、「もうお前では勃起しないと言われた」
芳野先生、初めてお便りいたします。私は45歳の主婦で、二児の母。三つ年上の主人と暮らしています。相談したいことと言いますのは、夫婦の夜の生活についてです。年々、主人のモノが勃起しにくくなっていることは年齢から言って仕方のないことと思っておりましたが、先日、「お前のその体じゃあ、いくら頑張っても勃起はムリだ」と言われてしまい、私のせいだったのかとショックを受けました。確かに、二人目の子供を産んで以降、私は自分の体を美しく保つ努力をしてきませんでした。そのため、体型はほっちゃりとしていますし、肌の張りも若い頃とは比べようもないほどです。でも、一応まだ女盛りのつもりですし、性欲はあるのです。ダイエットなどをしてみようとも思いましたが、あの時の主人の言い草からすると、もう頑張ってもムリなような気もします。年を経た夫婦が、倦怠期となり、相手を（今回の場合は主人が私を）性の対象として見られなくなった場合、元の新鮮な気持ちを取り戻すことは難しいでしょうか。（主婦／里未）
夫婦で、妻が「性の対象」といわれても、ちょっとピンとこないんですケドね。
「性の対象」だなんて思ったこともなかったので戸惑っております。
私の場合は、妻以外の女人が「性の対象」。
いつも見ている顔にはボッキしませんが、新しい顔にはすぐボッキしてしまいましたからネ。
私の詩友（ファン）の御夫婦は、かなり御夫婦べったり型なんですが、それでも、奥様をほったらかしにして、人妻や若い子など新しい顔を追いかけて外でボッキしていましたもの。
そんなものなのです。どうしようもない現実なんですネ。
だから、奥様だって、御主人はボッキしないかもしれませんが、すばらしい熟女にピンピンになる男だっているわけで、少しも心配することはないと思いますヨ。
さて――
ボッキしない御主人も男でなくなったわけですから、中性同士、これが世間の夫婦というものでしょう。
男でもない女でもない、そんな二人がくっついたままはなれない。それが夫婦。
「新鮮な気持」はSEXから生まれるだけではないでしょう。
毎日が新鮮と思えば新鮮。
197、「若い彼女の性欲を満たすには」
芳野先生こんにちは。私の悩みを聞いて下さい。私は42歳の男で、現在、26歳の女性と交際しています。仲は大変よく、年内には結婚することになるかも知れません。ただ、一つだけ心配なことがあって、悩んでいます。それは私の精力です。女性は30代くらいから本格的に性欲が強くなるらしいですが、私は今現在ですらタジタジの状態で、今後、年をとるごとに彼女を満足させられなくなることが明白です。そこで、バイブレーター等の大人のオモチャを性生活に導入することを考えていますが、これは間違ったやり方でしょうか。不安です。少し前に若い女性と結婚した加藤茶さんも"（子作りのための行為が）ぜんぜんできていない"ということをテレビで仰っていましたが、こういう年の差婚における男の活路について、良き方法があったらご教示願いたく存じます。（会社員／T・D）
ソーニューだけがSEXではありません。
SEXはなんでもありで「間違ったやり方」などございません。
大人のオモチャは面白い品がたくさんありますから、バイブだけでなく、いろいろと御使用なさり、彼女をヒイヒイさせればよろしい。勝手になんでもやって下さい。
それに、オチンチンはダメでも、舌や指は「タジタジ」にはなりません。
私の知人の老人の方々は、若い彼女のやさしい指にいじられて、アヘアヘとチビッております。
メンドーだからといって、バイブでゴリゴリやる彼女もおりますが、その御老人がバイブマニアでした。
なんでオチンチンにこだわるのでしょう！
198、「親の余生」
39歳、男性で、独身の巽と申します。芳野先生よろしくお願いいたします。昨年、老いた母を病気で亡くし、足の悪い父（70歳）だけが実家にいるという状態となり、妹か私かどちらかの家へ父に来て貰おうと兄妹で話し合いました。妹は結婚しており、子供もいて大変ですので、私が自分の家に引き取ることを主張し、了解を得ました。しかし、父に話すと「大丈夫だから心配するな」の一点張り。いざとなったら老人ホームに行く、それくらいの蓄えもあると言い、「子供の世話にはならないよ」と笑っています。親子ですから、父のその気持ちは私にも分かります。が、独りでいることが、寂しくないわけがありません。足もかなり悪いですから、心細くないわけがありません。私は、強引にでも父を私の家に呼ぶべきでしょうか（経済的には問題ありません）。それとも、父の意思を尊重するべきでしょうか。私のところの親子の話なのにすみません。芳野先生のご意見を伺いたく、メールさせて頂きました。（自営業／巽）
経済的に問題のないうらやましいお話なので、父上の「意思尊重」としか申し上げようがございません。
父上には父上の、子供の知らない世界がありますから、父上のお好きなようにさせて、外から、あたたかく見守ってさしあげていれば、何もいうことはございません。
皆様の御多幸をお祈りいたします。
199、「口説かれ上手と呼ばれたい」
生まれてから一度もモテたことがない23歳の女です。容姿は並だと思うのですが、とにかく男にモテません。そんな私が、モテる女のイメージとして前々から思い浮かべているのが「口説かれ上手」です。前に別の方の質問で「床上手」のお話がありました。それもすごく参考になったのですが、「口説かれ上手」についてもレクチャーをお願いできないでしょうか。よろしくお願いいたします。（公務員／koto）
春心発動す 佳人の姿
眼底情を寄す 揚柳の眉
粉面紅潮し 耳輪赤し
笑いを含んで 詞（ことば）無し
【訳】
眼底情を寄す 揚柳の眉
粉面紅潮し 耳輪赤し
笑いを含んで 詞（ことば）無し
口説かれ上手の美しい女は
美しい眉をひそめ 濡れたような眼で訴えかけてくる
お化粧した顔が紅潮し 耳が火照っている
何も言わないで ただ笑っている
いにしえの詩にて説明いたしました。
誰の詩だか知りません。
200、「酒場での振る舞い」
25歳の男です。芳野先生、僕はダメな人間で、怖くて美容院に行くこともできません。お洒落な美容師と会話をすることに気後れを感じるだけでなく、客として注文を出すことにさえ尻込みをしちゃいます。ファストフード店での注文すら挙動不審な感じでしかできません。そんな僕ですが、部屋で一人で飲むウイスキーが好きで、バーでお酒を飲める男に憧れています。そこで芳野先生にお聞きしたいのですが、男が、独りでバーに行った時に気をつけるべきこと、あるいはこれだけはしちゃいけないことって、ありますか？ 「芳野流」で結構ですので、というより是非「芳野流」で男の酒場での振る舞い方を教えて下さい。主にコミュニケーションの部分について知りたいです。（アルバイト／ハイボール）
私は、昭和34年2月、日本バーテンダー協会、東京コクテール教室専科を卒業しました。
その年のくれ「私のバーでの会話」や「濡れにぞ濡れし」の舞台になる小さなカウンターバーが登場します。
「私のバーでの会話」「濡れにぞ濡れし」
芳野眉美 奇譚クラブ
「三月中旬京都で個展を開く葉山啓氏（40年7月号シナリオ＜いちぢくの実を持つ女＞の作者）と同行する予定だったが、彼が仕事の都合で夜行になったので、早朝一人で新幹線にのった」
「濡れにぞ濡れし」昭和41年6月号
葉山啓氏、昨年おなくなりになりましたが、高林陽一郎監督の、若い頃の奇クでのペンネームです。
私のパーに来店して下さり、奇クの話などし、東京の自宅で愛らしい奥サマにもおめにかかりました。
個展と書いてありますが、8ミリの自主映画の発表会で、御実家のある京都の会場の大ホールには圧倒されました。
それにしても難解な映画でしたヨ。
08年「涯（は）てへの旅」でモナコ国際映画祭の監督賞を受賞なさいました。合掌。
これでは、酒場の思い出になってしまいました。
さて――
たくさんのお客様とお会いしました。
たくさんのお話をうかがいました。
不倫の御夫人が中絶するために、御主人にないしょで代理夫になり、病院に付き添いました。
彼のかわりに彼女をつれて中絶したこともあります。
アレヤコレヤで、どのくらい私の子供がいたのか、私は知りません。
その頃から「人生相談」をしていたようなものでした。
というわけで、いろいろ、さまざなまふれあいがありました。
『大いなる幻影』でドイツ将校シュトロハイムが、直立不動のまま、ブランデーを飲む有名なシーンがあります。
それをマネして、ウイスキーをダブルで、直立不動のまま、グイと飲んで、サッと帰るヘンなお客サンもおりました。
まあ、これも「振る舞い」でしょうねえ。
（続く）
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WEBスナイパー編集部「あぶらいふ」係
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芳野眉美 作家・ネクタール愛飲家。1952年、『奇譚クラブ』に高校３年生の時に書いた小説「孤独なFANTASY」が掲載され、デビュー。翌年２月号の「硝子便所」で評価が固まり、以後ネクタール（神の酒＝おしっこ）を題材にした小説の元祖として多くのマニア読者に指示される。また「あぶいらいふ」での連載「芳野流神酒譚」で綴られたファンタジックなまでに刺激的な実体験は、数多のファンに衝撃を与えた。現在は『ＳＭマニア』（マイウェイ出版）にて不定期に新作を発表している。