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The ABLIFE April 2013
窮屈な毎日に縛られて気持ち悪くならないためのゆるやかな処方箋
黒い恥毛の奥深く、まばゆい女陰から迸る黄金色のオシッコを百薬の長と崇める稀代のネクタール(神の酒=おしっこ)愛飲作家が、自由闊達、繊細至極、奇々怪々、博覧強記の知性に加えて、百花繚乱の体験談を交えて読者諸兄からの質問・相談に答える連載。内容・ジャンルは自由。ネクタール+言葉の免疫で、貴方が今を生きるためのヨスガを紡ぎます。

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Consultation of life to drink delicious urine. For boys and girls.
第44回の受付案件
211、「キスとタッチだけで眠る男」
212、「チームプレイ、どうしたらいい?」
213、「別れた相手に3年も経ってからの連絡は......」
214、「女の30歳は男の50歳だという説」
215、「気のない相手からのプレゼント」


211、「キスとタッチだけで眠る男」
芳野先生に相談です。私は20歳の女で、フリーターをしています。相談したいことというのは、バイト先の先輩で、2コ上の男性のことです。彼とはお付き合いしているわけではなく、時々メール(シフトの相談とか、バイト仲間でする飲み会の話とかの事務的なやり取り)をしたり、仕事の後で何回か2人で飲んだことがある程度の関係です。向こうがかなりモテるタイプ、私はどちらかというと3枚目のキャラなので、こっちから付き合いたいと思ったことはありませんでした(どうせムリだと思っていましたし、気のあるそぶりをされたこともありません)。ところが先日飲んだ後、彼が急に「このあと部屋行っていい?」と言ってきたんです。どういうつもりだろうと真意を知りたく思ったのですが、私みたいな女がそれを聞くのも恥ずかしいし、たぶん「もう少し飲みたいけど部屋飲みのほうが安いから」とかの理由だろうと勝手に決めてOKすると、部屋に上がった彼がコンビニで買ったビールを飲んだ後、「一緒に寝ようか」と言ってキスをしてきました。私は驚きましたが、もう部屋に入れてしまっている状態ですし、それが彼の気持ちなら嬉しいという思いもあって、彼に身を任せることにしました。すると彼は濃厚なディープキスを1分くらいしてきて、少し興奮した様子で私の胸を服の上から揉んできたりしていたのですが、2人でベッドになだれ込むと、「風邪ひかないようにね」と言いながら掛け布団を綺麗に直して、そのままスーッと寝てしまったんです。私は何がなんだか......。これって、男性の側から見ると、よくあることだったりとか、説明のつくことだったりしますか? キスをしている間に何かイヤな思いでもさせてしまったのかと思うと不安ですし、今後彼とどう接していいのかも分からなくて。教えて下さい。(フリーター/miu)

むかし、むかし、私の知人との会話。
「今夜も彼女のところにとまるの」
「とめてくれるからね」
「美人か」
「フツー」

「いつもベロベロでさ、それでもデキルの」
「しない」
「――」
「彼女とやったこと一度もない」
「ただとまるだけなの」
「そう」
「ネムルだけか」
「そうだよ」
「ホントに何もしないの」
「一度キスしたら、酒くさいっておこられた」
「あたりまえだ」
「彼女のインモーさ......」
「なんだ」
「フワフワしていて気持ちいい」
「オサワリしたな」

「彼女のそばにいると安心するんだ」
「――」
「居心地がいいんだ」
「彼女はゆりかごか――」

しばらくして、彼は、彼女のマンションにとまらなくなった。
彼女が、彼にまとわりすぎてきて、居心地がワルクなり、逃げ出したらしい。
別の安心ゆりかごをさがしているのかもしれない。

彼と彼女が、SEXしたのかどうか、知らない。


212、「チームプレイ、どうしたらいい?」
芳野先生、こんにちは。社会人2年目のニーノと申します。相談にのってください。昨年までは、自分たちが一番の若手だったということもあり、先輩方の後をついていくだけでよかったのですが、今年からは自主性を求められるようになり、僕の不得手な部分が目立ってきました。職場がチームプレイで動くところなのですが、僕は昔からチームプレイより個人プレーのほうが得意です。一人だったら辛いことも黙々とやって技術を磨いていくことも苦になりません。でもチームプレイとなると途端に萎縮してしまったり、他の人の思惑や動きやすさを気にする余り、腰が引けてしまって、チームの力になれる気がしなくなってしまいます。チームプレイであっても、ある程度の自己主張が大事なのかな......と思ってはいるのですが、今のところ上手く動けず、自分だけ仲間から浮いてしまい、それを気にしてますます萎縮するという悪循環に陥ってしまっています。芳野先生は、チームプレーは得意ですか? チームの一員として、上手に機能できるようになるためのアドバイスを頂けたら幸いです。(会社員/ニーノ)

日本人は、右といえば右、左といえば左という、従順素朴、何も考えない、寄らば大樹の陰、みんなそろってチームプレイという、おとなしい国民性の持ち主なんですが......
そこに、勝手な個人の「自己主張」が入り込むと、チームプレイがこわれてしまう。
ですから、会社では「自己主張」を殺してひたすら仕事をするだけを要求される。
さて――
君のいっている「自主性」がどういうことなのか、私にはよくわからないのですが......。
仕事をあたえられても、ただオロオロしていて、「少しは自分で考えて仕事をしろ」とか、「みんなの仕事のじゃまをするな」とかいわれているのでしょうか......。
それなら、単に仕事ができないだけの話ですから、どうしようもありません。
リーダーなら、それこそ自主性というか、リーダーの条件はある。
なんたって、仕事のできる人、できない人をまとめて、ひとつの仕事を完遂しなければいけませんから。

「個人プレイが得意」でしたらサラリーマンにはむいていませんネ。
日本人の大好きな「和」を乱す。
なんたって聖徳太子ですからね。「和を以って貴しとなす」、十七条憲法。
会社の命令一下のチームプレイを第一とする。
ですから「個人プレイが得意」な人は、ひとりでする仕事をしていますヨ。
君は、そのひとりでする職業を選ぶべきでしたネ。ザンネンデシタ。

私は中高6年間バスケットをしていましたから、チームプレイにはなれていました。
おかげさまで、サラリーマン時代もそれほどチームプレイを苦にしておりません。
仕事をあたえられたら、それなりに自主的に考えて仕事をしていたつもりです。
一生懸命やればいいというものじゃネェ、少しは考えてくれって、何も考えない部下にイライラしたおぼえはあります。
そんなものじゃないのかしら......。
もっとも、ひとりでする小説を書いてハッサンはしていましたケド。


213、「別れた相手に3年も経ってからの連絡は......」
はじめまして。私は33歳の女で、独身です。3年前に破局して、その後ヨリを戻そうとしてきた彼を拒絶。ひとりになった後、だんだん拒絶したことを後悔し始め、でもどうしても気持ちがまとまらなくて、連絡をとることをしないまま3年が経ちました。やり取りがなくなった後も、去年までは彼から年賀状が来ていたのですが、返事は一度も出していません。そんな中でも、破局を後悔する気持ちは波のように寄せたり返したりしていて、時々凄く大きくなることがありました。そして去年の暮れくらいにかつてないほど大きくなって、年が開けたらこちらから連絡をとってみようか、どうしようか......と強く思い悩むようになりました。ところが年が開けてみると、今年は彼からの年賀状がなく、遅かったのか......と落ち込んでいる状態です。破局の原因は、彼の浮気でした。私の気持ちの流れとしては、3年という時間が流れたことでようやく許してもいいかなと思えるようになったということなのですが、その流れを先方に伝えていた訳ではありません。今さら連絡を取りたいなんて......ましてヨリを戻そうだなんてと自分の変化の遅さを責めながら、最近は彼のことを考えて何も手につかなくなってしまっています。3年という時間は、一般的に見てどういう時間でしょうか。2年ならいいのか、1年ならいいのか......あるいは逆に5年でも10年でも、連絡を入れてみるくらいのことはしてもいいのか......。自分がどうすべきなのかまるで分からなくなってしまいました。(ショップ店員/茜)

くよくよと、くだらないことを考えていないで、彼が好きだったら、さっさと彼のところに行ってしまえばいいではありませんか。
それだけのことです。

それができないのなら、さっさと彼を忘れてしまい、新しい彼をみつれればいい。

秋の夜は
思ふて
詮(セン)の あるべしや
室町今様

214、「女の30歳は男の50歳だという説」
芳野先生、聞いて下さい。私は今年30歳なった女で、ひと回り年上の彼と交際しています。その彼が先日、どうしても聞き流せないことを言いました。それは「女の30歳は、男でいうと50歳と同じ熟れ具合」という発言です。よく、小学生くらいだと女の子のほうが男の子より体が早熟で、精神年齢も高いということを言いますが、大人になってもそういうことが言えるんでょうか。この発言をした時の彼はニヤニヤした感じで、要するに私のことを「おばちゃん(おばあちゃん!?)だと言いたいようなのです。30歳という大台にのったばかりで、そういうことを気にしていただけにショックですし、もしかしたら本当にそういうことが言えるのかも!?という不安もあります。彼は何か科学的な根拠を持って発言したわけではなさそうですが......芳野先生はこの説、どう思われますか?(団体職員/popi)

男は50から枯れ木になります。アワレです。
女は30から「熟れ具合」最高の熟女になります。御安心下さい。

それでは、室町今様と古今和歌集にて――

女(め)は佳(よ)や めでたきや
添い寝れば 花野(はなの)に臥(ふ)する
香(か)をかおる

来る来る来るとは
枕こそ知れ
のう枕
                                
いざ寝なむ
夜も明けがたになりにけり
鐘も打つ
宵よりいねたるだにも
飽かぬ心をいかにせむ
各、室町今様

東雲の
ほがらほがらと
明けゆれば
己がきぬぎぬ
なるぞ悲しき
古今和歌集より

215、「気のない相手からのプレゼント」
悩み相談に応募いたします。私は22歳の大学生です。三カ月ほど前から英会話スクールに通っているのですが、そこで知り合った30歳の男性(日本人の会社員で、私と同じ時期に入った生徒です)から時々プレゼントをいただきます。決して押し付けがましい感じではなく、また品物がオシャレな匂い袋や髪留めなどの小さなもので、極端に高額なものではなかったので有難く頂いていたのですが、恋愛感情もない(私がその人を恋愛対象として見ることは今後もないと思います)のにプレゼントを何回も頂くのは、よくないことだったでしょうか。私だけにプレゼントをくれている以上、やはり好意をもって下さっているということだと思うので、最近、心配になってきました。明らかに高額と分かるようなものなら断わり易いのですが、社会人でもない私が遠慮しすぎるのも失礼かと思って、つい何回もいただいてしまったのです。次にまた小さなプレゼント(たとえば「ご家族でどうぞ」と渡されるディナーチケットとか)をされそうになったら、どうしたらいいですか? ちなみに、その人はストーカーになったりするような変な人ではないと思っ下さい。私としては、彼を傷つけないように受け取るのを拒否したいのですが......。(大学生/北村)

むかしむかし、私の知人の女人との会話。
「キライなんだけど」
「まとわりつかれたか」
「いろいろくれるのよ」
「古い手だな」
「ことわるのがメンドーだからもらっているのだけど......」
「君にキョーミがあるんだ」
「そうかしら」
「君が好きなんだ」
「イヤダ」
「プレゼントを受け取ると、男はその気になってしまうぜ」
「もうその気になってしまったのよ」
「――」
「ホテルに行こうって」
「――」
「ことわったわ」
「――」
「それから、なんにもくれなくなった」

その時、決断して下さいませ。

(続く)



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WEBスナイパー編集部「あぶらいふ」係

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芳野眉美 作家・ネクタール愛飲家。1952年、『奇譚クラブ』に高校3年生の時に書いた小説「孤独なFANTASY」が掲載され、デビュー。翌年2月号の「硝子便所」で評価が固まり、以後ネクタール(神の酒=おしっこ)を題材にした小説の元祖として多くのマニア読者に指示される。また「あぶいらいふ」での連載「芳野流神酒譚」で綴られたファンタジックなまでに刺激的な実体験は、数多のファンに衝撃を与えた。現在は『SMマニア』(マイウェイ出版)にて不定期に新作を発表している。
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