THE ABLIFE October 2015
浜不二夫式・常識ある大人の為の肉筆紙芝居 第5弾
あるお店でのアブノーマルな体験をきっかけにディープな変態快楽に溺れこんでいく青年・珍太。悪夢とも淫夢ともつかないその世界で、珍太が最後に見る光景とは......。「女囚くみ子」シリーズの浜不二夫氏が描く大人に向けた紙芝居。「ねぇママ。マンションの掃除、珍太を連れて行ってもいいでしょう?」
千尋様がママにねだっています。近くに、パーティなどで使うマンションがあって、従業員が交替で掃除をするのです。
私は胸がドキドキしていました。千尋様の使役は、ママ以上に厳しく辛いのです。鞭も、容赦なくお使いになります。ママは少し渋っていましたが、千尋様は強引にママの許可をとって、私を呼びました。
「珍太、今日はマンションのお掃除に行くんだよ。マッパダカで手錠嵌めて、首輪を曳いて行きたいけど、さすがに昼間だし、私のほうも恥ずかしいしね。荷物を全部背負っておいで」
たくさん荷物を入れた大きなリュックを背負わされ、手錠こそ嵌められませんが、目立たぬように腰縄をつけられた哀れな姿で、明るい町へ出ます。
「フフフ、やっぱり私が恥ずかしいわ。少し後ろからついて行くから、先にお歩き。勝手なことしたら、後で鞭だからね」
帽子とサングラスで顔を隠した千尋様に後ろから見張られながら、トボトボと歩きました。
ひと駅ですが電車に乗ります。大きな荷物を背負ったヘンな格好の私を、周囲の人間がチラチラ見ます。身を縮めながらマンションへの道を歩いたのです。
着いて、玄関に入った途端、千尋様の鋭い声。
「珍太! 奴隷のくせに、いつまで服を着てるの? サッサと全部お脱ぎ!」
恥ずかしさになれることはありませんが、もう諦めはついています。私はパンツまで脱いでマッパダカになり、玄関のコンクリートに正座しました。
「両手をお出し!」
手錠と首輪を嵌められ、いつもの珍太の姿です。
「これも、ないと寂しいだろう?」
オチンチンに、あの惨めなお願い札を結ばれました。
「掃除機をかけて、モップで拭くんだよ。サッサとおやり。リビングがすんだら、台所とお風呂場とトイレだよ」
千尋様は、もちろん何もなさいません。手には、いつの間にか鞭をお持ちになって、時々床にピシリと鳴らして、私を追い立てます。時には、その鞭が、私の背中にピシッと鳴ることも......。私は、大急ぎで、寝室とリビングを掃除し、床を磨きました。
突然、玄関のチャイムが鳴りました。千尋様が行かれて、
「遅かったじゃない」
入ってきたのは、一、二度お店でも見たことがある、千尋様の彼氏の若い男でした。私は床に正座し、手錠の両手を突き、床に額をすりつけて平伏しました。
「エッ? 何だい、こいつ。アア、お店にいた珍太じゃないか」
「フフフ、そうよ。今日は、マンションの掃除につれて来たの。掃除は珍太に任せて、私たちは、ネッ!」
「フーン、いいのかい?」
「珍太だから構わないわよ。珍太! ママには黙っているんだよ! 余計なことを言ったら、あとで、死ぬほど鞭を喰らわせるからね」
「ハ、ハイ。判っております」
「トイレの掃除が終わったら、報告をおし。寝室にいるから。チャンとノックするんだよ。お前にだって、見られたら恥ずかしいからね。フフフ」
お二人は、寝室に入られました。私は、大急ぎで、台所、浴室の掃除をすませ、トイレも磨きました。手錠の嵌った手は不自由ですが、前手錠ですし、手錠のままの使役にも、ずいぶん慣れました。
汗だくで掃除も終わり、手首の痛さを噛みしめながら、寝室へ伺います。
跪いて、ドアをノックしてから、膝で歩いて寝室に入り、床に平伏してお言葉を待ちます。お許しがないのに、ベッドの上のお二人を見たりしたら、血が出るまで、お尻に鞭を頂戴するでしょう。
「顔をあげていいよ。終わったかい?」
ベッドのお布団から、お二人のハダカの上半身が見えます。彼はむこうを向いていますが、千尋様は、お乳ムキ出しで、体を起こしていらっしゃいました。
上気した頬で、額にうっすら汗をかいて......。
「掃除、終わったのかい?」
「ハイ、全部済みました」
「ヨシ、点検してやろう」
ベッドから下りられた千尋様は、全裸でした。
私もスッパダカ、オチンチンにお願い札をブラ下げた滑稽な姿で、千尋様をご案内して台所、浴室を点検して頂きます。
「フン、まあいいだろう。トイレの便器は磨いたね」
「ハイ、ちゃんとやりました」
「じゃ、手をお出し」
千尋様の手には手錠の鍵が。外して頂けるのかと、喜んで両手を差し出しました。確かに手錠は外されたのですが......
「両手を後ろにお回し!」
アア、後ろ手錠にされるのです。外して頂けるのかと喜んだ分、本当にがっかりしますが、ご命令には、一秒の遅滞もなく従うように、厳しく調教されている私です。
後ろを向いて跪き、両手を背中に回しました。再び手首に、固い手錠の感触が......。
千尋様が含み笑いをしなからおっしゃいます。
「綺麗に磨いたって言ったんだから、便器の中だって舐められるだろう? さあ、お舐め!」
あまりのことに目が眩みました。いくら綺麗に磨いたからといって、便器の中を舐めるなんて......でも、いつの間にか千尋様は、手に鞭をお持ちになっていらっしゃいました。
裸の背中やお尻に弾ける鞭! 観念した私は、トイレの床に跪き、そして、もう一度お尻に鞭を浴びて、便器に顔を突っ込みました。唇に舌にヒンヤリと当たる陶器の感触。アア、私は便器を舐めたのです。
「縁の裏もお舐め。底の水だって綺麗だろう? お飲み! 犬みたいに、ピチャピチャ音をさせて飲むんだよ」
後ろ手錠を嵌められて、便器に顔を突っ込んでいるのです。どうしたって高く突き上げるほかない裸のお尻に力任せの鞭を頂きながら、私は、惨めに便器を舐め続けなければなりませんでした。
いつの間にか千尋様の彼もやって来て、浅ましい私の姿をゲラゲラ笑いながらご覧になっています。嬲る二人と嬲られる一匹、三人ともスッパダカの私たちでした。
ヒイヒイ泣きながらタップリと便器を舐めさせられ、便器に溜まった水もお腹いっぱいに飲まされて、やっとお許し頂いた私は、お二人がお使いになった寝室を掃除し、ベッドを直し、そしてその間にお二人がお使いになったトイレと浴室を、もう一度掃除しなければなりませんでした。
ヘトヘトになってお店に戻った私は、当然、すぐにハダカにされました。
背中やお尻にタップリと付いている新しい鞭痕。私がどんな目に遭ったか、ママにも判っているでしょうが、ママは、千尋様に何もおっしゃいませんでした。私は珍太だから仕方ないのです。
少しお優しい美代子様
今日も私は、首環だけのスッパダカにされ、立ちもならず、座ることも出来ない中腰の姿勢で縛られていました。
皆さんで私を、嬲り者、笑い者にして、お遊びになるのです。今日は、オチンチンにピール瓶をブラ下げられていました。空とはいえ、かなり重いビール瓶、中腰の姿勢の辛さに腰をよじるたびにオチンチンを引っぱられて、その痛さと惨めさに、私はウーウーと嵌口具の中で呻きながら泣いていました。
「美代子チャン。たまにはあなたが珍太を責めておいでよ。いつも私が苛める係で、憎まれ役ばかりやらされてるんだから」
千尋様が、同じフロアレディの美代子様に、棘のある声でおっしゃっています。千尋様はいつだって私を苛める仕事を喜んでやってらっしゃるのに。
美代子様は、口調もオットリしているし、動作も少し遅いので、千尋様は、少し軽んじておられるみたいです。
美代子様が鞭を持って私の前に来られます。私は、体を固くしていました。しかし、美代子様は、棚にあった大き目の食材の缶を一つ手に取ると、ちょっと周囲を見回してから、私がオチンチンにブラ下げているビール瓶の下に入れてくださったのです。
缶に支えられて、ビール瓶がオチンチンを引っぱる痛さが消え失せた嬉しさ。美代子様は、私の耳もとで、
「痛そうに唸るのよ」
と囁かれて、ピシッと床に鞭を鳴らしました。
「珍太。お前は私をバカにしてるだろう。今日はタップリ苛めてやるよ」
大きな声でおっしゃった美代子様は、私に目くばせしながら、ピシーッと床に鞭を鳴らされるのです。私も心得て、
「ウーッ、ウグーッ!」
と嵌口具の中で、精一杯泣き喚きました。
「時々は本当にぶたないと、バレるわね」
いきなり、ビシーッと裸のお尻に鞭が当たりました。美代子様の鞭だって、鞭は痛いのです。
「ギャッ!」
と叫んで大きく腰を振った途端に、ビール瓶を支えていた缶が外れ、オチンチンがグイと引っぱられて、私は、今度は本気で、
「グワーッ。グエーッ!」
と悲鳴を上げていました。
「ホホゥ、美代子ちゃんも手厳しくやっているじゃないか。珍太がギャアギャア泣いてるぜ」
向こうでお客様の声がします。
美代子様は、急いで缶をビール瓶の下に入れてくださって、何度か床に鞭を鳴らしてから、
「少し唸ってなさい」
と私に囁いて、向こうへ行かれました。その後ろ姿を、私は伏し拝んだのです。跪くことも手を合わせることも出来ない姿にされている私には、目で拝むことしか出来ませんでしたが。
「ウウ......ウウウ......」
わざと唸り声をあげながら、私は、長い時間放置されていました。後ろ手に縛られて壁の金具に繋がれ、中腰の姿勢を強制されているのですから、もちろん苦しくないはずはないのですが、重いビール瓶でオチンチンを引っ張られる苦痛がないだけ、前に比べたら本当に楽でした。
その時、突然、ママが、何か取りに入って来られたのです。私は体を固くしていました。自分でしたのではありませんが、私は、オチンチンにブラ下げられたビール瓶を缶で支えて、奴隷のお勤めをサボっているのです。
私の姿を上から下までじっとご覧になったママは、何もおっしゃらずに私のほうへ歩いて来られると、靴の爪先で、ポンとビール瓶を支えた缶をお蹴りになりました。反動をつけた瓶にオチンチンを思い切り引っ張られて、私は、
「ギャアーッ!」
と悲鳴をあげていました。引き伸ばされたオチンチンを靴先でグリグリと踏みにじられてから、ママは、無言で戻って行かれました。
戻って来た股間の苦痛に、今はお芝居ではなく呻き悶えていた私は、自分の奇妙な感覚に戸惑っていました。
痛い、苦しい、惨め、でも、なぜかホッとしたような安心感と、これでいいのだという充足感があるのです。さっき、美代子様のお陰で、奴隷のお勤めの苦痛が軽くなったときに感じた、何か後ろめたい空虚な思い。どういうことなのでしょう。苦痛や屈辱が嬉しいとか気持ちいいとか感じたことはないのですが、苦しく浅ましい珍太のお勤めをしているときに、私は、皆さんに可愛がられ、私の存在を楽しんで頂けることを実感出来るのだということが、おぼろげに判ってきました。それでいいのです。
ママ、そしてお客様やフロアレディの方々。どうぞ、もっと私珍太を辱め、鞭で叩き、丸出しのオチンチンをお靴で踏みにじってヒイヒイ泣かせてください。
スッパダカで後ろ手に縛られて壁に繋がれ、丸出しのオチンチンを引っ張るビール瓶の苦痛に腰をよじりながら、私は、ママや皆さんが戻って来られて私を嬲り物にして、ギャアギャア泣き喚かせる時を、心から待ちわびていました。今、私は、心の底から奴隷の珍太になったのです。
(続く)