WEB SNIPER's special DVD information.
美人女子大生シリアルキラーがひ弱な男子を蹴散らす、セクシー・ヒロイン・アクション超大作!!
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『ゾンビランド』、『サバイバル・オブ・ザ・デッド』、『バイオハザード』シリーズなど未だ人気の衰えないゾンビアクションに強力な最新作が登場! 今度の主役は女子大生、しかも本当は連続殺人鬼! ジャンルを軽々飛び越える究極のエンターテインメント大作がここに誕生した――。エロスとバイオレンスととんでもない世界観で構成される超ユニークな映画がDVD化。そのインパクト満点な内容をターHELL穴トミヤさんにいち早くレビューしてもらいます!!
なぜなら、とすればその範囲を狭めると「やはり人類も色々な奴がいるのが大切、人類多様性って奴だよな!」と言えるからで、もう一歩理論を進めて「多様性を実現する人間こそ、人類にとって最も価値があるのだ!」となると、そこで話は私が長年温めてきた「ボンクラ機関説」に行き着くのである。
これは一見社会にとって最も無用な人間であり、こと日本社会においてはまさにパブリックエナミーNo.1に見える無能・無職・ニート=ひっくるめて「ボンクラ」こそ「最も純粋に多様性を守っている、その実、真に重要な人間なのである! ボンクライズ、ビューティフル!」というボンクラ至上主義で、何を隠そう私はこれこそ人類文明進歩のカギ、人間存在の原理だと固く信じている(自分を正当化するためでは断じてない!)。なので昨今の「生物多様性」云々には、やっと時代が追いついてきた(ということにしたい)ただならぬシンパシーを抑えきれないのだ(将来的にはボンクラパワーを信じる者達による政治結社『ボンクラパンサー党』を結成する予定。党首はクラコムXだ!)。
ところでこの理論に従えば、逆にボンクラを排除する社会は早晩衰退し、滅びる運命にある。しかし、実際のところボンクラは勝手にどんどん生まれてくるし、ほっといても絶滅などしないという気もする(そして『ボンクラパンサー党』なんかいらないという気もする)。フラメンコを舞い、闘牛と戯れる。そんな情熱の国スペインにも、ボンクラがいる。87分(ボンクラミニッツ)で終わる本作には、そんなどこにでも自然発生するボンクラの気配が満ち満ちていた。
主人公は女子医大生のサイコキラー。冒頭、冷蔵庫を4回開け閉めする間に、殺人がいかに彼女の日常に馴染んでいるか、生首と他の食材の位置関係で表現するカットはまさに天才的だ。
物語はそんな彼女と、童貞の研修医との誤解から始まる恋を中心に進んでいく。もちろんその間にも主人公による殺人は繰り返され、悪口を言った同級生やむかつく教授、セックスが下手な彼氏(トル下手なセックスは多様性に認められない)などは次々と快楽殺人の餌食になる。
一連の殺人は、ボンネットに手を串刺しにされた男への問わず語りという入れ子状の設定なっており、この話が全て終わった後その男は殺されるのか?!という監督が頑張って入れたサスペンス要素も入っている。『インセプション』が理解できなかった人も、これくらいの入れ子構造なら大丈夫だ。
さりげなく、スタートレックマニア(もちろん童貞)との熱い友情シーンなども取り込まれ、根底に流れる監督のルーザームービーへの熱い思いも感じられる。目と目が合えば即セックスの情熱の国「スペイン」にもSFマニアの童貞がいる……。目頭を熱くして、このまま童貞サイコスリラーで行くのかなと思っていると、なんと映画は最後の最後でゾンビものになってしまう。これには驚いたが、その理由はと言えば「監督が、どっちも好きだから」で間違いないだろう。
決して傑作ではないが、監督のホラームービーへの愛は存分に伝わってくる本作。名古屋の生物多様性会議会場にもぜひお勧めの一本だ。
文=ターHELL穴トミヤ
平和な医大を脅かす連続殺人鬼は、女の子だった!?
蘇った「被害者ゾンビ」とセクシー・キラーの死闘は必見!!
FLV形式 5.50MB 1分43秒
『セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッド』(DVD)
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