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(C)子宮に捧げる愛の詩・女体拷問研究所の真実

WEB SNIPER Cinema Review!!
噂のAVメーカーによるヒットシリーズ「女体拷問研究所」が遂に映画化!!
女性に対するトラウマを抱える青年テツヲが出会った美しき女・榊原鈴。彼女は凶悪な犯罪組織「女体拷問研究所」を追う女性捜査官だった。やがて鈴と共に事件へ巻き込まれていくテツヲは、謎の機関「女体拷問研究所」の真実へと肉薄していくことに――。WEBスナイパーでもおなじみのAVメーカー"ベイビーエンターテインメント"の人気作品、衝撃の映画化です。

12月8日(土)横浜ニューテアトル 期間限定緊急レイトショー決定!!
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(C)子宮に捧げる愛の詩・女体拷問研究所の真実

この映画の存在を知って最初に思ったのは「いやあ、思い切ったことするなー!」ということ。
だって劇場公開される一般映画で"女体拷問研究所"って......。一昔前の『東京ディープスロート夫人』や『徳川セックス禁止令 色情大名』とかってのと同じレベルの衝撃ですよ! しかも原作(というか元ネタ)は、WEBスナイパーでもたびたび紹介しているベイビーエンターテイメントのヒットAVシリーズ『女体拷問研究所』だというんだから、なんかもういろんな意味で怖い! 観たことないという人のために説明しておくと、ベイビーエンターテイメントは女を拘束し媚薬や電マ、果てはドリルバイブなんてものまで駆使してイカせまくるという"イカセ物"というジャンルを確立したメーカー。女が我を忘れてヨガる姿、特に子宮でイク"ポルチオ性感"というものに真実とロマンを見いだしている先駆者なのである)
映画館の大画面でそんなもの見せちゃって大丈夫なの?とか、一般客は観に来るの??とか、いつもベイビーエンターテイメントの作品を観ているAVユーザーとしては身構えずにはいられません。

(C)子宮に捧げる愛の詩・女体拷問研究所の真実

とはいえ、蓋を開けてみたらなんだか妙な雰囲気。至って真面目な青春エロス作っぽいんですよねえ。
主人公は、少年期のある体験から女性に対してトラウマを持ち、愛あるセックスができなくなってしまったナイーブな青年・テツヲ。そしてヒロインは、そんな彼の前に突如現われた謎多き女性捜査官・鈴。
コンビニのバイトで生計を立てているテツヲは店の客に頼まれて豪華マンションの留守番をしているのだけれど、実はそこは今世間を騒がせている"女体拷問研究所"のアジトだった。そこに単身乗り込んできた鈴は、ちょうど帰ってきた怪しい男たちに捕えられ、テツヲの目の前で電マ責め(!)にされて痴態を晒してしまう。
行動をともにすることになった2人は互いに好意を抱き始め、やがてテツヲの「女に愛を感じると吐いてしまう」という奇妙なトラウマの正体も明らかになってくる――。おお、なんとセンシティブでファンタジックでサスペンス!
「うーん、こりゃAVとは別物なのかな」と思いきや......『女体拷問研究所』の名を冠にしている作品がこのまま終わるわけがない。後半になると、本家AV版のエッセンスがズドーンとブチこまれるって寸法です。

(C)子宮に捧げる愛の詩・女体拷問研究所の真実

鈴は"女体拷問研究所"の怪しげな男たちに拉致されてしまい、テツヲは男たちがマンションに置いていった新開発の媚薬と引き換えに彼女の元へ連れていくよう要求する。
暗い地下室で手足を拘束された鈴を女体拷問にかけようとするのは、こわもてのAV監督ばば☆ザ☆ばびぃにAV男優・辻丸耕平(怪人ぽい雰囲気がマジでヤバイ!)。
落武者みたいな風貌で人差し指と中指をクイクイさせながら「女は快楽と幸福が直結している生き物なのだ、私たちは心の奥で望んでいることに応えようとしているだけなのだ~。ポ、ポルチオオーガズムゥ~!!」と叫ぶ姿は「なんとなく面白そう」と思って本作を観てしまったOLさんの目にはどう映るのか......ちょっと心配......。
結局、テツヲがある行動に出ることによってAVみたいな状況にはならず穏やかなラストを迎えるんですが、そうはいってもこの辻丸耕平のシーン、AVファンにとっては「キタキタキター!!」ってなもの。
いやあ、これを一般映画でやる勇気を褒め称えたい! トンデモ映画好きな方にも、是非チェックしていただきたいところであります。

(C)子宮に捧げる愛の詩・女体拷問研究所の真実

そして、ナイーブな青春エロス映画である本作のもう一つの見どころは、やっぱり"女体拷問研究所とは何か"という部分。
どうやってできたのかとか何を目的とする団体なのかとかいう具体的なことは語られないけれど「女体拷問ってのは、女の身体に生命の躍動を出現させるための儀式だ!」とか「レディファーストってのは子宮に対する敬意なのさ」とか、名言てんこ盛り。
そもそもkoolong監督は「女体に秘められた本当の凄さを証明するために"女体拷問研究所"を創作した」んだとか。
女体拷問というショッキングな言葉の裏に、女性という性への疑問や尊敬が潜んでいるとわかると、本作の見方がちょっと変わってくるかもしれません。

しかし正直なところを言うと、AV版のファンとしては具体的に女体拷問研究所の真実を明らかにしてほしかったのも事実。
主人公2人の初々しい演技ももちろんよかったけど、個人的には5年ぶりに本格復帰を果たした伝説のAV男優・太賀麻郎や、AV版にも出ている姫川亜由美の存在感のほうにグッとくるものがありましたね。
続編を制作する際は、オールAVキャストで"女体拷問研究所の真実"を明らかにしてほしいところです。所長・辻丸耕平の真実も是非!

文=遠藤遊佐

『子宮に捧げる愛の詩 女体拷問研究所の真実』
12月8日(土)横浜ニューテアトル 期間限定緊急レイトショー決定!!
(C)子宮に捧げる愛の詩・女体拷問研究所の真実

監督= Koolong
出演= 飛坂光輝、江波由実子、姫川亜由美、塩入正章、大塚真弓、他

配給=studio great hope +生駒隆治

日本|2012年|90分|R18+

関連リンク

映画『子宮に捧げる愛の詩 女体拷問研究所の真実』公式サイト

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遠藤遊佐(C)花津ハナヨ
(C)花津ハナヨ
遠藤遊佐 AVとオナニーをこよなく愛するアラフォー女子。一昨年までは職業欄に「ニート」と記入しておりましたが、政府が定めた規定値(16歳から34歳までの無職者)から外れてしまったため、しぶしぶフリーターとなる。AV好きが昂じて最近はAV誌でレビューなどもさせていただいております。好きなものはビールと甘いものと脂身。性感帯はデカ乳首。将来の夢は長生き。
遠藤遊佐ブログ=「エヴィサン。」
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12.12.13更新 | レビュー  >  映画
文=遠藤遊佐 |