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通称「妹ちょ(いもちょ)。」兄妹で恋愛しないと死んじゃう!?
累計75万部超の大人気コミックがまさかの映画化!
母の再婚で義兄・夕哉(小林ユウキチ)と暮らすことになった神前美月(橋本甜歌)は、幽霊を自称する謎の少女・日和(繭)に憑依され、下半身に貞操帯をはめられてしまう。生きて貞操帯を外すための条件は、義兄妹でラブラブし、日和を成仏させることだという。美月は激しく戸惑うが......。テレビアニメ化もされた松沢まりの人気コミック通称「妹ちょ(いもちょ)。」を実写映画化。累計75万部超の大人気コミックがまさかの映画化!
2014年5月17日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国公開
本作は「月刊ドラゴンエイジ」で連載されている松沢まりの同名コミックを原作に、写真集「スクールガール・コンプレックス」の写真家・青山裕企が共同監督・脚本に伊基公袁を迎えて初の監督を務めた青春映画だ。
伸びかけ坊主がイケてない男子高校生、神前夕哉(小林ユウキチ)に、ある日突然かわいい妹の美月(橋本甜歌)が現われ同居することになる。父親の再婚相手の連れ子だ。
血の繋がらない妹、そう、童貞が夢見る王道シチュエーションの一つだ。
よくあるハーレム系作品ならいきなり「お兄ちゃん」とデレられることになるのだが、実際はそんなことは絶対にありえない。会話どころか最初は目も合わせてくれないのが普通だろう。
その現実をこれでもかと突きつけてくれる橋本甜歌の演技がすばらしい。デフォルト不機嫌な顔で「なんでこんな男を兄と思わなきゃなんないんだろう」と他人行儀で兄貴を無視しまくるのだ。
だが、ここに第二のヒロインとして夕哉に恋をしたまま死んでしまった幽霊少女ひより(繭)が現われる。
夕哉とイチャイチャすることで成仏できるという都合のいい設定の彼女は、ツンツン妹美月の体を乗っ取り夕哉に猛アタックをかけるのだ。
以下ドラマは
ひよりに乗っ取られて美月が兄貴を誘惑
↓
美月、我にかえって兄貴をガン拒否、自己嫌悪
↓
またもひよりに乗っ取られて兄貴を誘惑
という展開が繰り返される。観客から見れば理屈はわかるのだが、兄貴にしてみれば無視してみたり誘ってみたり怒ってみたり泣いてみたり、本当にわけがわからない妹だろう。ツンデレと言えばいい感じだが、実際はメンヘルに近い。
もしオレがこの立場だったら、後先かんがえずやっちゃうか、もしくはさわらぬ神にたたりなしと距離を置くしか対応が思いつかない。
だが、兄貴はそのどちらでもない。
どんなに美月がエロく迫ってきても「いやいや、それはありえないって」と自分から否定してしまうし、どんな理不尽なことをされても「不安定なんだろう」と優しく許し、辛抱強く兄妹としてのコミュニケーションを試み続ける。
そして最終的には美月も夕哉を兄として認めるようになっていく。血の繋がりはなくても家族の絆は作ることができることを身を挺して証明するのだ。うーん、かっこいいぜ兄貴!!
実はこの作品、同時期にアニメ化もされているのだが、そちらでは美月のエキセントリックさだけが目立ってしまい、いわゆる「萌えアニメ」的快感がスポイルされ、いまいちキャラの魅力が伝わってこなかったのだが、映画のほうはツンツンしながらも本当は兄に甘えたいという美月の微妙な気持ちや、欲望に耐える兄貴の気持ち、どちらも演技や表情から汲み取ることができた。アニメと実写の情報量の差を実感した次第だ。
と、なかなかに感動する物語ではあるのだが、それはそれとしてエロい!
いくらR15+指定とはいえ、ストーリー的には若年層を対象とした青春映画のはずなのに、惜しげもなくフルヌードシーンがバンバン出てくる。
妹役の橋本甜歌は、スタイルはさほどいいわけではないのだが、それがかえってリアル妹感を強めており背徳感が半端ない。対照的に幽霊役の繭はグラドルだけありスタイル抜群。その二人が惜しげもなく脱ぎまくる。
また、ストーリー上の重要度は低いが、幼なじみ役のポチャ爆乳矢野未夏もエロい。特に後半の露天風呂で迫るシーンは迫力抜群、兄貴よくがまんしたなあと感心を通り越して呆れる。
さらに、成仏するにはイチャイチャだけではなく性的興奮も必要という理屈で、二人のガチレズシーンまで用意されている。アニメではおもちゃっぽかったドラマの中でポイントとなる小道具TST(貞操帯!!)も生々しくて興奮した。
もちろんアニメにはアニメの良さもあるし、実際アニメ版の出来も終盤に近づくにつれてどんどんよくなっていくのだが、こと微妙な心理描写と直接的なエロに関しては実写版に軍配を上げざるをえない。
精緻なフェティシズムと叙情性の青山裕企、童貞&エロパワーの伊基公袁というダブル監督制も功を奏し、童貞マインドを持つ男なら間違いなく楽しめる作品となっている。
文=田口こくまろ
まさかのW初フルヌードで魅せる2人の女優の体当たり演技!!
『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』
2014年5月17日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国公開
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