WEB SNIPER Cinema Review!!
話題のニューウェーブアイドルグループ"ゆるめるモ!"映画初主演!
清掃会社YMMクリーニングでバイトをする、「もね」「けちょん」「しふぉん」「ようなぴ」「ちーぼう」ら平凡な5人の女の子たち。鬼のような女社長にこき使われながら惰性で日々を過ごしていた彼女らは、ある日、森の中で美しい少女「あの」の死体を発見、儀式によって死体をよみがえらせることに成功するが......。10月31日(土)よりシネマート新宿
11月14日(土)よりシネマート心斎橋にて上映
以降全国順次公開予定!
かつて宮崎駿は言った、作品にはそれぞれがもつ嘘のラインがある。そのラインを保っている限りにおいて、その作品には一貫性があるのだ。映画で重要なのは、リアルかどうかよりこの一貫性である。そして、本作は全編がゆるふわで貫かれているめるモ? ときどき、「そのセリフなんか、台本読んでる感あるめるモ!」と思ったりするめるモも、直後に「でも、まあいっか」となるめるモ。無茶苦茶な展開に、「そりゃねーだろ!!」と突っ込んでもすぐに「まぁいっか」となるめるモー! なぜなら、本作に流れる「ゆる演出」の範囲をどちらも逸脱しないから、そこに本作の嘘ラインの設定の見事さがあるめるモ。これは発明だめるモ! ゆるふわ少女たちにとっての死体、死、ヤクザ、それがゆるふわボイスで語られるスラッシュ映画が登場めるモー! ニッサンのハイエースで出勤するとなぜかいつも連続暴行殺人犯の出てきそうな霧の立ち込める森の一本道に差し掛かってしまうんだめるモー!
出演するのはアイドルグループ「ゆるめるモ!」のメンバー。もね、けちょん、しふぉん、ようなぴ、あの、ちーぼうの6人。うち1人は冒頭で早速射殺されるめるモ! 射殺されるのは「あの」ちゃんだめるモー!!かわいそうめるモー! 残る5人は、クリーニング・お片づけ派遣業をやっていて、いつも社長の鬼ばばあに追い立てられながら、ハイエースで仕事に向かっている。一瞬、美人姉妹が死体クリーニング業をはじめる『サンシャイン・クリーニング』(クリスティン・ジェフズ監督)展開!?と思ったけど、さすがに死体清掃はしなかった。でもある日5人は林のなかで......、死体を発見してしまうめるモ~!(冒頭の射殺体) でもそこで「キャー!!」とかならずに、「したいだー」とかフラットに対応するところがめんどくさくなくていいめるモ。
死体を見つけてしまってどうしようかと相談する5人が、ゆるいまま北欧デスメタルバンドの曲を使って悪魔降臨の儀式を始めるところが面白いめるモー!そして復活した「あの」が、比較的簡単にバラバラになったりして、グロ描写が増えていくめるモ。でも血とかは出ないめるモ!(出てたかもめるモ) あくまで漫画っぽい、生々しさのないバラバラ喋る死体めるモ! 言ってみれば人形になってしまった、身体性を失った少女めるモね。本作の朝倉加葉子監督は『クソすばらしいこの世界』で、日本人のかわいい留学生を斧で半分にしていたけど、あれがウェット系女子人体破壊だとしたら、今回はドライ系女子人体破壊めるモね!! Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅ、バラバラ人形のあの、少女はロボットや、お人形さんになって、かわいいを獲得して、身体性を捨て去ることに成功しためるモ!それがつまりは腐らない死体であるということを看破したのが、本作の朝倉監督めるモね!
やがて映画は、「あの」が死んでいないことに気づいた悪いヤクザと、主人公たちとの、対決へとつきすすんでいく。果たしてどっちが勝つめるモ!?関係ないけど、ヤクザ事務所が映った時に、背景に出てきた「夢」と書いてある木の板が気になっためるモ~。あれはなんだめるモ~!でも実際のヤクザ事務所にも案外ありそうめるモ~!謎の説得力あるめるモ~!
でもこの映画で大事なのは、対決よりも復活した少女の希望「自分でちゃんと死ぬこと」。そのためには、ちゃんと生きなきゃいけない、映画は腐らない死体として、身体性を否定した少女のままで生きていくことをゆるさないめるモ!死、それは生身の、腐りゆく、血の吹き出す者にしか許されていない特権めるモー!観ながら俺も自問せざるを得ないめるモ。俺は自分でちゃんと死ねるめるモか!?身体の中の少女が激しく、スクリーンと交感しはじめるめるモ! そこで5人と、死体で、別れの前に修学旅行の夜みたいな感じで腹を割ったトークをするシーンがアツいめるモ!そして、曲を演奏するめるモー!踊るめるモー!
それにしても最近、『女の子よ銃を取れ』(雨宮まみ著)とか『女の子よ死体と踊れ』とか、女の子に檄を飛ばす題名が多いめるモ。銃をとったり、死体と踊ったり、物騒めるモ! 『女の子よ銃を取れ』は、世間の女の子へのさまざまな圧力(主に『かわいくあれ圧力』)に、雨宮まみさんが「ですます調」で激怒する本めるモ。やがてその矛先はみずからの中に巣食う世間、内面化された女の子へと向かうめるモ!一方の『女の子よ死体と踊れ』は、世間の「かわいい」圧力と戦わず受け入れているように見えるめるモ。ゆる演出のまま受け入れて、それを楽しんで、踊って受け流して、でもやっぱり最後に彼女らは自問するめるモ。女の子たちは、「かわいい」に疑問を持ち始めているめるモ! 「かわいい」をめぐる戦いは激化していくのだめるモ! 俺もそんな女の子たちに檄をとばしたい!何がいいめるモか!? 近い将来、戦いが終わったあとにはゴミとなった世間からの圧力のカスが残るめるモ。それを埋める穴が必要になるめるモー!銃を取り、死体と踊り、自分を取り戻した後は、穴にゴミを捨てるめるモー!だから俺は「女の子よ穴を掘れ!」と言うめるモー!ターHELL穴トミヤと一緒に穴を掘るめるモー!あー!俺はちがうめるモ!俺を埋めないでめるモ!ちがうめるモ!あー!あー!
文=ターHELL穴トミヤ
朝倉加葉子監督×TRASH-UP!!が贈る
ファンタジック・ガーリーホラー映画誕生!
『女の子よ死体と踊れ』
10月31日(土)よりシネマート新宿
11月14日(土)よりシネマート心斎橋にて上映
以降全国順次公開予定!
【ゆるめるモ! セカンドアルバム『YOU ARE THE WORLD』発売中!!】
【12月20日(土)ZeppDiverCityでワンマンライブ開催!】
ゆるめるモ!が今年5月の伝説の赤坂BLITZワンマンに続き、12月20日(土)にZeppDiverCityでワンマンライブを開催する。全17曲入りのフルアルバム『YOU ARE THE WORLD』を引っさげて、箱庭の室内楽、JOJO広重(非常階段)、三島想平(cinema staff)ら、豪華ミュージシャンによる極上の生演奏をたっぷりとお届けする予定!
■チケット情報
・チケットぴあ
TEL:0570-02-9999 (Pコード274-453)
・ローソンチケット
TEL:0570-084-003 (Lコード73135)
・イープラス
■ワンマンライブに関するお問い合わせ
HOT STUFF PROMOTION
TEL:03-5720-9999
関連リンク
映画『女の子よ死体と踊れ』公式サイト
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