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(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED

WEB SNIPER Cinema Review!!
全世界1億5,000万回再生の実在する恐怖映像を『死霊館』『ソウ』監督が映画化!
ひとり暮らしのレベッカは、幼い弟から「電気を消すと、何かが来る」と打ち明けられる。実はレベッカが数年前に家を出たのも、"それ"が原因のひとつだった。レベッカは脅える弟のため、今度は逃げずに"それ"の正体を突き止めようと決意する。が、母が隠していた残酷な秘密が明らかになった時、ひとつ、またひとつ、電気が光を失っていく──。

シネマート新宿、シネマート心斎橋 他 全国にて上映中​
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TVから髪の毛垂れ下がった女が出てきたら怖い!でかくてエプロンつけたやつがチェンソー持って追っかけてきたら怖い!怖さのアイディアは今まで色々試みられてきたが、電気を消した時に何かがいる?つけるといない(気のせいか......)。消すとやっぱり何かがいる!?つけるといない(気のせいだよね......)。次に消した時、それが目の前にいたら!?(ギャー!)というのが本作のアイディア。よく考えたら「だるまさんがころんだ」の変形バージョンだし、たわいもないな~!と必死に思い込もうとしても、全然ムリなくらい怖いです。

『死霊館 エンフィールド事件』、『ワイルド・スピード SKY MISSION』の監督を務めたジェイムズ・ワンが製作。監督は、『アナベル 死霊館の人形』(仮題:17年全米公開予定)のデヴィッド・F・サンドバーグ。テンポのいい本作は、映画が始まるとあれよあれよとやばいことになり、タイトルが出るころにはもうひとり死んでいる。
弟が学校で居眠りばかりしているという児童相談所の通告を受け、主人公のテリーサ・パーマーは彼を連れて、久しぶりに実家の母(マリア・ベロ)を訪ねて行く。すると、うつ病の彼女の様子は明らかに悪化し、独り言も増えていた。弟はテリーサ・パーマーの家に居候することになるが、モンスターも弟と一緒にやってきてしまい......と、恐怖の幕が切って落とされる。

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本作を支配しているルールは「ライトを消したらやばい」というもの。だけど予告編を見たときから当然思いましたよ、「じゃあ、消さなきゃいいじゃん」と。ところがこの映画、ありとあらゆるライトの消え方で攻めてきて、たとえば人感センサー型節電ライトが登場。トイレで便座に座っていると、突然真っ暗になって超焦るやつだが(手とか振るとまたつく)、これが倉庫の天井についているとしたらどうだろう。早速「消さなきゃいいじゃん」とか言ってる場合じゃなくなってくるのが、お分かりいただけるだろうか! さらにはアパートの横で点滅している、タトゥーショップのネオンサイン。主人公が眠っているその部屋が、差し込んでくるネオンの点滅で赤く染まったり、暗くなったりしている。も、ち、ろ、ん、消えるたびにあいつの影が浮かび上がる......。映画が進むにれ、ロウソク、懐中電灯から、iPhoneの待受け画面の光に、必死こいてぐるぐる回さないと光らない手回し充電式のライトetc......と、暗闇に発生するモンスターvs日常の明かり総動員体制になっていくのがおもしろい。
このモンスター当初は影だけなのだが、やがて巨大なかっぱ感のある外見が明らかになり、名前も判明する。実はただの寂しんぼでは!?みたいな意外とかわいいエピソードもありつつ、出し惜しみせず、どんどん画面に出てくるあたりお得感と恐怖感があった。さらにL.A.ポリスとの直接対決まであるのがいい。『シン・ゴジラ』よろしく、虚構(モンスター)により強い現実(行政機関)がぶつかることで、モンスターの輪郭はより強固に固まっていくのだ。

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そして、本作でもう一つ不気味さを発揮しているのがうつ病の母親。彼女は一見普通にみえるが、二人しかいないのに「私たち三人で」と言ったり、独り言をよく聞いてみると誰かと会話している風だったりして、じわじわと恐怖を掻き立ててくる。『ヴィジット』(M・ナイト・シャマラン監督)に出てきた、夜になると異常行動にはしるおばあさんのような、「まだら奇行」だ。
そんなお母さんと二人暮らしの弟ちゃんは、ドアの隙間から爪を差し込まれたり、ベッドの下に引きずり込まれたり、本作でもっとも大量の恐怖体験にあっておりトラウマ間違いなし。あまりにいじめられるので笑ってしまったが、そんな彼を果敢に守りまくる主人公のテリーサ・パーマーの顔が強そうなのがいいんだよね。もう最初に登場して長髪バンドマンといちゃいちゃしているときから目つきが鋭く、モンスターを前にしても「この状況でそこ入って行きますか~!」みたいな行動を多発する。行った先の地下室には、無駄に怖い人形がそこらじゅうにあったりして、我々観客の精神は限界を迎えることになる。

暗闇が怖い。誰もが子供の頃は持っていたのに、いつの間にか忘れてしまうこの恐怖を、モンスターで復活させた『ライト/オフ』には喝采を送りたい。そして本作を反芻しながら、逆に子供のときには感じなかったのに、大人になってから新たに出現した暗闇に潜むモンスターを思い出した。みなさんもオナニー中や、楽しく映画を観ているときなどに遭遇して、心臓が止まりそうになったことがあるのではないか。スマホやパソコンの、不意に消えた画面の中......、光のない液晶が突如つきつけてくる、アホ面でこちらを見つめてくる自分の老け顔というモンスターに! 私は本作に敬意を表し、この恐怖体験に『ディスプレイ・ライト/オフ』と命名したい。

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文=ターHELL穴トミヤ

電気を消したら"それ"は来る。
オフィス、夜道、そしてあなたの部屋まで。
どこへ逃げても、そこに暗闇がある限り──。


『ライト/オフ』
シネマート新宿、シネマート心斎橋 他 全国にて上映中​

(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED
原題 =Lights Out
監督=デビッド・F・サンドバーグ
出演=テリーサ・パーマー、ガブリエル・ベイトマン、ビリー・バーク、アレクサンダー・ディペルシア、マリア・ベロ
配給=ワーナー・ブラザース映画
宣伝=アティカス/フロンティア・エンタープライズ​

2016年│アメリカ│81分│シネスコ│デジタル

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ターHELL 穴トミヤ  ライター。マイノリティー・リポーター。ヒーマニスト。PARTYでPARTY中に新聞を出してしまう「フロアー新聞」編集部を主催(1人)。他にミニコミ「気刊ソーサー」を制作しつつヒーマニティー溢れる毎日を送っている。
http://sites.google.com/site/tahellanatomiya/
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