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WEB SNIPER Cinema Review!!
ヒュー・グラント、マリサ・トメイ、J・Kシモンズ豪華競演!
若くしてオスカーを手にし、ハリウッドのトップの座に君臨した映画脚本家のキース(ヒュー・グラント)。だけど成功したのは1本だけ。長いスランプに陥った彼は、田舎町の大学でシナリオコースの講師を務めることに。様々な失敗を繰り返しながら人生をやり直そうと奮闘する男が、人とのつながりの中で学んだ人生のシナリオとは......。ラブコメの帝王、ヒュー・グラントの新境地!

11月より、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
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ラブコメっていい、ラブコメって善良な感じがする。昔、「ラブコメ観とけば女の子とセックスできるチャンスがアップしそう」と思ってたんだけど、10年以上観続けてもまったくセックスチャンスがアップすることはなかった。でもラブコメは好きだ。なにしろ、どの主人公もかならず孤独っていうところがイイ。
本作は、監督マーク・ローレンス、主演ヒュー・グラント、このコンビでは4作目だ。『ラブソングができるまで』('07)も『噂のモーガン夫妻』('09)も超おもしろかったし、今回もかなり期待していたら、やっぱり最高だった。ヒュー・グラントのお相手をつとめるのはマリサ・トメイ(『アダルトボーイズ青春白書』『ラブ・アゲイン』)、子供を育てながら大学の生協でバイトし、創作クラスに通うシングルマザーを演じている。対するヒュー・グラントは、ハリウッドの元・売れっ子脚本家。いつも通りのにやけたスマイル、ひょこひょこ歩き。彼の軽さっていうのは、背の高すぎる人が猫背になるような、ハンサムすぎる自分を押さえ込んでるような不自然さがあって、そこがいい。

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いよいよ仕事に窮したヒュー・グラントが昔馴染みのマネージャーに電話をかけると、紹介されたのは大学の創作クラスの講師だった。現役でいるつもりの彼からすれば、創作コースの講師なんて引退勧告もいいところ。けど背に腹はかえられず、家を引き払い、田舎の大学へと越していく。このしょぼくれたヒュー・グラントが乗る車がヒュンダイというところ、芸が細い。後半には、車を一晩路上にほったらかすなんてと心配する彼が、「ヒュンダイでしょ、誰も盗らないわよ」と返されてしまうシーンも出てくる。ここは字幕だと「盗まれるような車じゃないでしょ」とニュアンスがぼかしてあって、日韓関係の緊迫する昨今、配給会社の優しい配慮を感じたのだった。
ともあれ渋々講師を引き受けたヒュー・グラント。さあどうやってマリサ・トメイと出会うのかなと思っていたら、いきなりもう生徒のベラ・ヒースコートとヤッちゃってる。しかも生協で働いてるマリサ・トメイはダルダルの服に、輪ゴムでまとめたみたいな髪型、見るからに魅力のないとこを突いてくる。ベラ・ヒースコートは若いし、かわいいし、才気活発だし、こりゃもうどう考えてもマリサ・トメイとくっつきようがない! でも、人付き合いの中でほだされていくヒューの移り変わりとともに、マリサ・トメイがだんだん美しくなってくる、その撮り分け方が面白い。
ヒュー・グラントのクラスにいるのは、スター・ウォーズオタクとか、元いじめられっ子とかイタい奴らばかり(女子は顔で選んでるからかわいいこばかり)。でもまあ生徒に手を出したりして楽しめばいいか、みたいな感じで授業が始まるんだけど、サバけていたはずのベラ・ヒースコートはやがて地雷化の様相を見せ始める。さらには学内の権力者、「ジェーン・オースティン研究家」のお局教授(アリソン・ジャネイ)ともフェミ論争でもめてしまい、彼は懲戒免職待ったナシ状態へと突入していくのだった。

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しかし、こんな軽薄ヤリチン野郎のどこに孤独があるのか。この「孤独ポイント」の演出がラブコメの腕の見せ所で、それは彼が自宅でふと心に隙間風を感じたときに、離婚して疎遠になってる息子に電話をしようとして、でもできない、そんなシーンでやってくる。するとヒュー・グラントのチャラさが、みじめさや弱さと化学反応を起こしてとつぜん輝きだす。いつの間にか、誰もが「ヒューがんばれよ!」状態になっている!やっぱりヒュー・グラントには落ちぶれ男がぴったりだ!
そんな彼をささえる脇役として、『メリーに首ったけ』で変態を演じていたクリス・エリオットが同僚役で(今回もバッチリ変態っぽい)、『セッション』の怪演も記憶に新しいJ・K・シモンズが、上司の学科長役で登場してくる。このJ・K・シモンズが素晴らしくて、またもやスキン・ヘッドにシモンズ・スマイルで登場(剥げてしまってそもそも髪型を変えようがないのかもしれない)。どうしたって『セッション』のサイコパス教授を連想してしまうのを、「家族の話をすると必ず泣き出す」というアホ設定で見事に洗い流していた。

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映画の後半、学生たちに心を開き始めたヒュー・グラントは、自分の家族とも向き合えるようになっていく。『ラブソングができるまで』といい本作といい、やっぱりこういうダメ男再生モノが月に1本は観たい!(いや、やっぱり4本は観たい!)その過程で、生徒たちに「観るべき映画」を伝えはじめるのだが、このラインナップが50年代の古典から、80年代のガールズ・ムービーまで、思わずメモしたくなってしまう本作のもう一つの見どころとなっている。
中でもびっくりしたのは、彼がフェミスニスト論争であげていた、エレイン・メイ監督・脚本・主演の『おかしな求婚』('71)。この映画は、『グランド・ブダペスト・ホテル』で引用されていたり、ジョナ・ヒルが『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のインタビューで「マーティン・スコセッシから受けた映画の授業で、最も印象に残った1本」として挙げていたりする、アツそうなカルト・クラシック。観たい観たいと思っていたら、この映画にも出てきた! でも日本では未だソフト化されていないんだよ! ウェス・アンダーソンも、マーティン・スコセッシも、ジョナ・ヒルも、ヒュー・グラント先生もお気に入りのラブコメ、すごく気になるじゃないか!こんど出たブルーレイは英語字幕入りみたいだし、クリスマスはもう、一人『おかしな求婚』ナイトしちゃおっかなー!!(というわけで一緒に観てくれる女の子を募集します)。

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文=ターHELL穴トミヤ

本当の自分と出会うための人生の書き直し方を教えてくれる感動作!!


『Re:LIFE~リライフ~』
11月より、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー


原題=The Rewrite
監督・脚本=マーク・ロレンス
出演= ヒュー・グラント、 マリサ・トメイ ベラ・ヒースコト、J・Kシモンズ、クリス・エオット

配給=キノフィルムズ

2014年│アメリカ│107分│5.1ch│シネスコ

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ターHELL 穴トミヤ  ライター。マイノリティー・リポーター。ヒーマニスト。PARTYでPARTY中に新聞を出してしまう「フロアー新聞」編集部を主催(1人)。他にミニコミ「気刊ソーサー」を制作しつつヒーマニティー溢れる毎日を送っている。
http://sites.google.com/site/tahellanatomiya/
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