WEB SNIPER's book review
日活100周年記念出版
日活そして日本映画100年の歴史において、一時代を築いた日活ロマンポルノ。その中でも絶対的な存在感を残した"ヒロイン・谷ナオミ"。映画『花と蛇』(監督:小沼勝)から始まった谷ナオミにしか演じられない"SM"。そのSMの女王の魅力満載の引退写真集が34年ぶりに完全復刻――。
谷ナオミという名前を口にするだけで、なんとも言えない思いが胸に溢れる世代となると40代以上になるだろうか。日活ロマンポルノのSM作品を中心に活躍し、「SMの女王」と呼ばれた谷ナオミが引退して、もう34年の歳月が流れている。
その引退を記念して発売された写真集が『さよならナオミ』である。今では古書店で万単位のプレミア価格で取引されている。その貴重な写真集が、日活100周年記念として復刻されることとなった。
引退時、谷ナオミは30歳。その理由は結婚だった。引退記念作品と銘打たれた『縄と肌』を最後に谷ナオミは銀幕から姿を消した。人気や容貌の衰えがあったわけではなく、テレビ界や映画界からもオファーがあったというが、谷ナオミはそれに応えることはなかった。最後までポルノ女優としての生き様を貫いたのだ。
この写真集には、そんな谷ナオミの最後の輝きが収められている。カメラマンは女優撮影に定評のある河合孝雄。原作者として黄金コンビと言われた団鬼六はもちろん、西村京太郎、中山あい子も文を寄せている。
SMの女王の引退写真集にふさわしく、ほとんどのカットで谷ナオミは緊縛されている。むっちりとした肉体には厳しく食い込む縄が、あまりにもよく似合う。グラマラスなそのボディは、今の目で見ても十分に魅力的だ。
しかし、緊縛された谷ナオミの最大の魅力は、その表情だろう。羞恥、怒り、無念、諦念、そして被虐の興奮。様々な感情が、その表情から浮かび上がる。そこには、物語が感じられるのだ。一枚の写真から、その背景にあるストーリーが見えてくるのだ。
谷ナオミは女優なのだな、ということがこの写真集を見ていると、はっきりとわかる。艶かしい肌の質感が感じられるカラー写真も、もちろんいいのだが、ざらついた粒子のモノクロ写真のほうが、そうした表情をより楽しめるような気がして、個人的には、好きだ。
タテ104センチ・ヨコ74センチという超ビックサイズのポスター(絵柄は実物大以上のサイズの谷ナオミの縛られた上半身)や、日活ロマンポルノ以前のピンク映画時代の作品までも収録した女優生活12年の全出演作品リストもファンに嬉しいだろう。
あの憧れの谷ナオミに会えるとファンにはたまらない聖地であった熊本でのクラブ経営も、この期に引退してしまうとこのこと。そうなると、谷ナオミにはこの写真集で会うしかないのだろうか......。
文=安田理央
『【復刻版】谷ナオミ引退記念写真集 さよならナオミ 』(マガジンランド)
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