special issue for special-effects adult video company GIGA. WEBスナイパー総力特集! 他に類を見ない特撮系AVメーカー『GIGA』に迫る マニアックAVメーカー「GIGA」って何だ!? インタビュー・取材・文=安田理央 |
読者の皆さん、「GIGA」というAVメーカーをご存知でしょうか。「GIGA」はいわゆる「特撮系」のAVメーカー。
コスプレに代表されるアキバ系AVや芸能人専門メーカーなど多様化する昨今のAV事情。しかし「GIGA」は90年代から特撮AVを作り続けている筋金入りのマニアックなメーカーなのです。
本日からWEBスナイパー特集記事として「GIGA」が作り出す独特の世界観に迫ります。まずは安田理央さんによるイントロダクションです!
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ここ数年、アキバ系AVといって、アニメやゲーム、特撮ドラマなどをモチーフにしたいわゆるオタク向けAVが注目を集めているが、90年代から特撮ヒロインAVを数多くリリースしているメーカーがGIGAである。
GIGAのAVは、かなり特殊だ。まず、いきなり高らかに鳴り響くオープニングテーマに驚かされるだろう。勇ましい主題歌に乗って、異形の戦闘員や怪人と闘うヒロイン。どうみてもテレビの特撮番組のオープニングそのものだ。
本編が始まってからも、そのノリは続く。世界征服を企む悪の組織の犯罪行為が展開され、それを防ぐべく変身ヒロインが颯爽と立ち向かう。まったくもって特撮番組そのものだ。怪人や変身したヒロインなどの特殊造形もテレビ番組にひけをとらない本格的なものである。しかし、これはAVのはず。それなのにいつまでたってもエッチなシーンは出てこない。せいぜいヒロインのパンチラくらいだ。
やがてヒロインは怪人たちの卑劣な罠によって捕らえられてしまう。普通の特撮番組なら、ヒロインは多少殴られたりするくらいで、すぐに仲間が助けに来るのだが、GIGAの作品ではここからが本番。ヒロインは性的な拷問を受け、恥ずかしい姿を晒さねばならないのだ。
さぁ、ようやくAVらしくなってきた! と思うのだけれど、ヒロインはなかなかコスチュームを脱がされない。胸や股間が剥き出しになることはあるけれど全裸にはされない。そして多くの場合はレイプシーンすらないのだ。中には全く裸にされず、いや、それどころか最後までマスクのままで女優の顔すら画面に登場しないという作品まである。
現在主流のアキバ系AVが、いざセックスシーンに突入すると普通のAVになってしまうのとは対象的だ。GIGAの作品は、最後までトーンが変わらないのだ。ここが他のメーカーのアキバ系AVとの大きな違いだ。
「シルバースター」 女優:山城美姫 監督:坂田 徹 収録時間:66分 定価:10,500円(税込) 商品番号:GXXD-13 ←以上の画像はこちらの作品。巨大化したヒロインがバックで犯される衝撃のシーンが満載! |
「いや、ウチのお客さんは女優を脱がせると怒りますから」
GIGAの黎明期から関わってきたプロデューサーのジョニー小倉氏は笑って言う。
「みんなウチの作品はAVだと思ってないんじゃないですか。僕も普通のAVって作ったことないんですよ」
GIGAは最初から特撮AVのメーカーとして誕生したわけではない。1995年の設立当初はスカトロやゲイといったマニアックな作品ばかりをリリースしていた。
「最初は別のメーカーにいて、熟女物を撮っていたんですよ。その頃はレンタルメーカーのビックモーカルが『おふくろさん』シリーズを撮ってるぐらいでセルでは熟女ってジャンルがなかったんですよ。社長にも、そんなババァ撮っても売れるわけないだろうって言われたんですが、これが大当たりしたんです。マニアックなものって受けるんだなと思って、じゃあ次はスカトロを撮ろうと思ったら、社長が乗ってこない。それなら自分でやろうということでGIGAを作ったんです」
そんなわけで黎明期のGIGAはスカトロ作品がメインだった。
「おもらしドキュメント3」 女優:羽田舞子 監督:宇那月 収録時間:60分 価格:10,000円 商品番号:DXO-03(DVD)/XO-03(VHS) ←現在スカトロ系作品は「ZEUS」レーベルで発売中。また過去の作品の受注生産も受け付けている。 |
「マニアックなジャンルを狙おう、人がやらない、人が嫌うものをやろうと思ったんです。それでスカトロとホモをやった。最初の頃はスカトロよりもホモの方が売れましたよ。ホモ専門メーカーになろうかと思ったくらい。おもらし物をやるようになってから、スカトロも人気が出てきましたね」
おもらし物、なかでも野外放尿物が人気を集め、GIGAの運営も安定してきたが、真似をするメーカーも増えてきたし、野外撮影に対する当局の取締りも厳しくなってきた。GIGAは、野外放尿に替わる新しい柱を見つけることを余儀なくされた。今から10年ほど前の時期のことだ。
「ある問屋の社長がコミケというのがあって、そこでは素人の女の子がコスプレをして人気があるんだ、それを撮影したら売れるんじゃないかって教えてくれたんですよ。でも、コミケの女の子じゃ裸にするわけにはいかない。じゃあ、AV女優にやらせてみたらどうだろうって考えて始めたんです。最初は『ヒロイン拷問』。当時人気があった格闘ゲームの○ュンレイてキャラをパクって撮ったんです」
「DVD版 ヒロイン拷問2[復刻版]」 収録時間:70分 価格:7,800円(DVD)/10,000円(VHS) 商品番号:CGM-02(DVD)/GM-02(VHS) ←当時としては革新的だったキャラモノのコスプレ凌辱AV。このヒロイン拷問シリーズは計10作品製作され、初期のVHS作品はDVDで復刻もされている。 |
お手本もなく、試行錯誤で撮ったこの「ヒロイン拷問」が当たった。この頃、シャトルジャパンなどのメーカーもアニメやゲームのキャラのコスプレでぶっかけ物で人気を集めていたので、人のやらないことをやるがモットーのGIGAとしては、重ならないように特撮キャラ路線にした。
「僕自身は特に特撮マニアというわけではなかったんですが、子供の頃ってみんな特撮ものを見ていたじゃないですか。小学3年生くらいまでは夢中で見てましたね。仮面ライダーだとV3、ウルトラマンだとAくらいですかね。4年生になると野球を始めたんで、離れちゃったんですが、基本的にああいう世界は好きなんです。そういえば、子供の頃に遊園地か何かで怪獣のミニチュアセットを見て、こういうのを作る仕事っていいなぁって思ったことを覚えてますよ。まさかそれが現実になるとはね(笑)」
「ヒロイン拷問」も最初は地下牢のあるスタジオで撮影していたが、それでは経費がかかるということで、五反田にスタジオを借りてセットを組んでしまった。本格的に特撮AVの制作を開始したのだ。
「専用のスタジオを作っちゃった方が、その度に借りるより安く済むんですよ。毎回セットを組み直すのも大変ですしね」
現在GIGAは五反田、大森、横浜など4カ所に専用のスタジオを持っている。
ところで、売れたからと言って、スカトロから特撮ヒロイン物へのシフトチェンジは唐突に思えるが、作り手側としては共通点が見えるのだと言う。
「スカトロも自分の恋人や夫には見せない恥ずかしい行為ですよね。そしてウチのヒロイン物も、敵に捕まって凌辱されるという恥辱がテーマなんです。どちらもSMの延長上にある流れだと思うんです」
どちらも恥辱が根底にあると小倉氏は言う。確かにGIGAのスカトロ物も、他社の明るいスカトロとは違って、排泄する女性が羞恥に苦しむという描写がある。またヒロイン物とスカトロ物をかけあわせたシリーズもある。
さて、特撮AVというジャンルを開拓し始めたGIGAには熱心なファンがつき始める。その多くが小倉氏と同世代の30代〜40代。イマ風の萌え系アニメよりも、東映特撮物を愛する世代である。
「お客さんもどんどん注文を付けてくるんですよ。今度はこういうコスチュームで、とか、こういうヒロインで、とか。ある時、ユーザーが「この企画をやってくれないか」って新潟から訪ねてきたんです。その企画を見たら、完全なオリジナルの設定のストーリーだったんです。それまではすでにある番組をモチーフにしたものばかりで、それじゃないと売れないと思っていたんですが、ストーリーがしっかりしていて、面白かった。なら一回やってみようかということで作ったのが『サイバー戦隊ジャスティオン』です」
「サイバー戦隊スーパージャスティオンACT.01」 女優:三井エリ、坂口華奈 収録時間:90分 価格:10,000円(VHS) 品番:GOR-25(VHS) ←こちらは続編。GIGA初のオリジナルヒロイン作品はTOP画像として掲載した『サイバー戦隊ジャスティオン』。 |
ここからオリジナルの設定を持ったGIGAの特撮AVがスタートする。スタッフも特撮の経験者などが少しずつ集まり、作品のクオリティも上がっていった。造形専門のスタッフを抱えているAVメーカーなど、GIGA以外にはあり得ないだろう。
現在はZENピクチャーズとして、非アダルトの特撮番組を制作。テレビ放映も果たしている。
「グラビアヒロイン アイドル退魔師SHIZURU」 女優:森下悠里 監督:佳本周也 収録時間:70+14分 価格:7980円 品番:CGAD-07(DVD) ←こちらがZENピクチャーズの作品。出演しているのは森下悠里さん、皆さんご存知バリバリのグラビアアイドルです。当然アダルトなシーンはありませんので、あしからず。 |
「正義のヒロインが憎い敵に捕まって、一番見られたくないところをまさぐられて、自分の意に反して感じてしまう。そういうシチュエーションにウチのお客さんは萌えるんです。でも、どこに一番萌えるかは人それぞれによって違うんですよね。最後まで服を脱がせちゃダメだとか、やっぱりセックスしてくれなくちゃとか、痛めつけるだけがいいとか。だから今は細かくシリーズ分けしてるんです」
例えば「ヒロイン討伐」は、捕らえたヒロインを肉体的、精神的に痛めつけるというもので、性的な表現はほとんどない。さらに流血するほどのハードな責めの「HARDヒロイン討伐」、肉体を切り刻むまでに至る「ヒロイン残酷物語」とシリーズごとにエスカレートしている。また精神を操ってしまう「ヒロイン洗脳」やスカトロと組み合わせた「ヒロイン排泄地獄」と言ったシリーズもある。いずれも裏パッケージやサイトの紹介文に詳しい内容が記されているので、ユーザーは自分の趣味に合った作品を選べるというわけだ。
(注:「ヒロイン残酷物語」「ヒロイン排泄地獄」はスカトロ・マニアック専門の姉妹レーベルZEUSからの発売)
しかし直接的なエロとは無関係な部分はどんどん削り落としていくという今のAVのトレンドと、GIGAはあまりにも逆行しているように思える。GIGAはどうして、ここまで凝った作品作りに執念を燃やすのだろうか?
「だって他のメーカーと同じことをやっても勝てないじゃないですか。ギャラの高い女の子使ったって大手にはかなわない。競争はしたくないんですよ。人が来ない市場を独占したいんです」
しかし最近では他社も特撮AVというジャンルを狙ってきているように思える。
「でも、そんなにユーザーがいる市場じゃないですからね。うちはお金をかけないで作っているから成り立つんです。スタジオ持ってたくさん撮って、そしてスタッフに頑張ってもらう。お金はかけないけど、手間はかけてますよ。どんな作品も一日で撮るんです。ZENピクチャーズの作品も一日ですよ。Vシネマ撮ってるスタッフとか、あり得ないっていいますね。同じ条件でやったら、日本中のどんな映画監督もうちのスタッフにはかなわないと思いますよ。普通は一日じゃ撮れませんからね(笑)」
その小倉氏の言葉にはスタッフへの厚い信頼が感じられた。
「映画とかドラマって、お金がかかるじゃないですか。特に最近はリスクを分散させようと制作委員会方式で作るから、面白いと思っても、自由には撮れない。でも僕らは制作費が安いから、これ面白いと思った時にすぐ作ることが出来るんです。今は市場にはないけれど、もしかしたら潜在的にニーズがあるかもしれないって物でも、とりあえず作れる。はずれても、それほどリスクはないですからね。でもそれが当たった時に快感は大きいですよ」
いくらお金をかけることができても不自由な映画やテレビ、あるいは大物女優を起用したメジャーなAVよりも、GIGAは面白いものを作っている。そんな意志が小倉氏の言葉から感じられた。
GIGAの作品は一枚一万円と決して安くはない。超一流の女優が出演しているAVが2〜3千円で買える時代に、ありえないと思えるほどの価格設定だ。
しかし、2千円で気軽に買って、あっさりと見てそのまま捨ててしまうような普通のAVユーザーよりも、本当に自分の見たい物はこれなのだと1万円を払って見るGIGAのファンの方が、幸せなのではないかという気がするのだ。
文=安田理央
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安田理央 エロ系ライター、アダルトメディア研究家、パンク歌手、ほか色々。この夏、ついに四十代に突入ですよ。もう人生の折り返し地点かと思うと感慨深い。主な著作に「エロの敵」「日本縦断フーゾクの旅」「デジハメ娘。」など。趣味は物産展めぐり。でも旅行は苦手。 |
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