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毎週日曜日更新!
短期集中連載
永山薫×安田理央
対談『アダルトメディアの現在・過去・未来』【5】


構成=編集部
アダルト写真雑誌、AV、エロマンガ……その内部に様々な文化的要素を包括しつつ、その商業形態を劇的に変化させているアダルトメディア。出版不況とインターネット産業の相克の中で、今、見据えるべきポイントはどこにあるのか。漫画評論家・永山薫氏とアダルトメディア研究家・安田理央氏が、素肌と脳で感じているアダルトメディアの状況を縦横無尽に語り尽くす! 大ボリュームの短期集中連載、毎週日曜更新です。

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永山薫
1954年大阪生まれ。近畿大学卒。80年代初期からライター、評論家、作家、編集者として活動。エロ系出版とのかかわりは、ビニ本のコピーや自販機雑誌の怪しい記事を書いたのが始まり。主な著書に長編評論『エロマンガスタディーズ』(イーストプレス)、昼間たかしとの共編著『マンガ論争勃発』『マンガ論争勃発2』(マイクロマガジン社)がある。

安田理央
1967年埼玉県生まれ。美学校考現学教室卒。エロ系ライター、アダルトメディア研究家、パンク歌手、ほか色々。メディアとエロの関係を考察することがライフワーク。主な著作に『エロの敵』(雨宮まみとの共著 翔泳社)、『日本縦断フーゾクの旅』(二見書房)『デジハメ娘。』(マドンナ社)など。趣味は物産展めぐり。でも旅行は苦手。
今のライターというか、モノ書きのプロを目指す人の道っていうのは、
一つはブロガーになって注目を集めて、一本釣りされていきなり新書とか。(永山)

エロ雑誌ではライターってなぁ……。難しいよなぁ……。
AVレビューくらいしかないもん、今仕事。 (安田)
安 エロ漫画のジャンルでも、あんまりエロくないものってどうなんですか。たとえばナンセンス漫画とか。

永 今でもありますよ。あるけど、どうなのかなぁ。あることはあるけどなかなか単行本にならないんで。ページ数少ないですから。一冊分溜まるまでに二年とか三年とかかかっちゃう。

安 そういう意味で昔みたいにエロ漫画誌でデビューみたいなことあるんですかね。本来はエロ漫画の人じゃないんだけど、エロ漫画誌でデビューみたいな。昔はそういうことあったじゃないですか、とりあえずって感じで。

永 エロがそれほど本番のページ数を要求されない時代はわりと出やすかったですね。一般誌の延長で考えられるんで。だからラブコメ的な枠組みで最後はセックスとか、学園ものの枠組みで最後はセックスとかっていう形でしのげたから。そんなにエロに興味がない、エロ書きたくない人でもできた。今みたいに過激に……ページ数もそうだし、表現も要求されるっていうふうになってくると、かなり工夫も必要になってくるし。僕の知り合いなんかでも、売れない漫画家がエロのほうやろうと思って、エロ本とか買ってきて、描こうと思ったんだけれども、どうしても無理だって。

安 (笑)。

永 向いてないっつって。

安 ぜんぜんエロじゃない漫画ってあります?

永 ぜんぜんエロじゃない漫画ってのは、ほぼない。

安 たとえば昔だと、蛭子さんとか、裸は出てくるかも知れないけど……。
『蛭子漫画』 蛭子能収著 発売=1993年 発行=辰巳出版


永 こんなもんで抜けるかっていう。

安 まったく関係ないじゃないですか、エロ本に。でも当時ってエロ本にしか載らないですよね、あれは。ガロかエロ本しかないですから。

永 あと杉作J太郎さん。

安 そう(笑)。ああいう人たちは、今そういうオルタネイティブな雑誌があるから、そっちで吸収する感じになってるんですかね。

永 吸収されていくし、杉作さんはどっちかっていうと文章のほうが。

安 そうですね。

永 蛭子さんはタレントっていうか、そっちのほうになっちゃうし。そういうオルタナ系とか、変な系っていうのはもう場所なくなっちゃいましたね。

安 エロ本にはないですね。

永 ないです。もう、『アックス』で書くしかない(笑)。
『アックス vol.69』 発売=2009年6月30日 発行=青林工藝舎


安 少し一般的にして、『ビーム』か、『イッキ』で書くとか。

永 『ビーム』とか『イッキ』になると、とたんに敷居高くなるから。

安 その間の人たちはどうしてるんですかね。

永 いや、同人しかないでしょ。

安 でも同人誌もエロとかないと売れないんじゃないですか。エロか萌えがないと。

永 一般系、創作系の同人誌ですよね。こないだのコミティア(※26)に行って来たんですけど、それはそれで盛況ですよ。あそこは多少エロも入ってるけど基本的に創作系で、パロディとかなし。オリジナルなんです、全部。結構いっぱい人来てるし、会場のビッグサイトの、東館の1、2を使ってやったんですよね。集客力が凄い。そこへ行くとエロ抜きの萌えとかは当然ある。エロも一部、オリジナルのエロもあるし。他は本当に創作。

安 ライターで言うと、それは文学フリマ(※27)とか、そんなんだろうけど。
『第8回 文学フリマ サークルカタログ』 開催=2009年5月10日 主催=文学フリマ事務局


永 それくらいしかないでしょうね。

安 ただネットがあるから。

永 ブロガーになるか、ブロガーになって文学フリマに出すかっていう路線でしょ。いいか悪いかは別として、一番マイナーなプロの部分で揉まれることがないのは可哀想だなとは思いますね。

安 僕、ライターってプロしかいないと思ってるんですよ、基本的に。仕事としてやる人がライターだと思ってるので、そうすると出づらいですよね。

永 出づらいです。だからそれだけで食えないとしてもね、対価として原稿料もらって……。

安 仕事という責任を持って。

永 そうそうそう。そこで経験するわけじゃないですか。本当は俺はこれが書きたいのに、これじゃあ編集長が通してくれないとかさ。じゃあそこでどう裏かこうとかさ、ここまでは妥協できるけどなぁとかさ、いろいろあるわけじゃないですか。

安 それにイヤなことをやらされても、自分の枠が広がるじゃないですか。そういうのがないですよね。裏モノ系くらいかな、そういうことやりやすいのは。それも最近落ちてますけどね。そういったライターが出てくる雑誌って、今あるのかなぁ。

永 裏モノ系とも関わってくるかも知れないけど、前だったらいわゆる、P2P系の雑誌とか、違法改造系の雑誌とか、『ネットランナー』的な……。

安 その辺はまあちょっと、アンダーグラウンド的な香りが。

永 するんだけど、それももうどんどん少なくなってきてて。だってネットで調べればわかるもん(笑)。

安 ライターになるのも、難しくなってきたんですね。

永 そうですね。自分で発信はできるんだけれども。

安 ブロガーしかないですよね。

永 ないですよ。だから今のライターというか、モノ書きのプロを目指す人の道っていうのは、一つはブロガーになって、注目を集めて一本釣りされていきなり新書とか。

安 エロ雑誌ではライターってなぁ……。難しいよなぁ……。AVレビューくらいしかないもん、今仕事。

永 だから風俗ライターも大変だなぁ、今。

安 あ、風俗ライターも仕事ないですよ、今。風俗記事のニーズがなくなっちゃった。風俗も変わっちゃったんですよね。デリヘルがメインになっちゃって、お店っていうものがないから。女の子のことしか書けないから面白くないんですよね。

永 取材のしようがない。
『フーゾク王』 第4巻 山崎大紀著 発売=2004年 発行=双葉社


安 あとは裏風俗の話とかになっちゃうし。なかなか面白いものが書きづらいですね。あとやっぱ読者のニーズも変わってきてて、平口広美じゃなくて山崎大紀なんですよね。

永 ああ、そうなんですか?

安 ええ、求められるのは。

永 ああ、平口さんじゃだめ?

安 平口さんじゃダメ。平口さんはひどい目に遭うから。ババアが出てきたとか。山崎大紀はそういうことないですから。いい話が欲しいってことなんですよ。

永 夢を売るわけだ。

安 僕、風俗ライターやってて、もうだめだなーって思った頃、編集者にもっと読者の得になること書いて下さいって言われたんですよ。僕はどっちかっていうと、ひどい目に遭ったほうが……。

永 面白い。
『元祖フーゾク魂―平口広美のアポナシ潜入日記 』 平口広美著 発売=2007年 発行=青林工藝舎


安 そうなんですよ(笑)。たまに良い目にあうような、それが風俗ライターだなぁって思ってたとこがあったんで。平口さん系なんで、僕。なんか読者の得になること書いて下さいって言われて、ああ、これはダメだって思ってやめたんですよね。

永 それ嘘じゃんっていう感じ。

安 そうそう。そんないい思いできるわけないじゃんっていう。でもそっちのほうが喜ばれる。

永 だから平口さんと木村さんが組んだ仕事とかさ、面白かったですよ。

安 面白かったですよね。

永 でも絶対あの人たちが仕事してるとこには行きたくないと思いましたけどね(笑)。

安 でもたまにいいことがあったりすると、これは凄いって思う(笑)。

永 リアルにいいんだと。

安 だからその辺が、ニーズが変わってきちゃったなと。

永 ホントに業界が、どんどんどんどん知らないうちに変わっちゃって。雑誌業界全体なんですけど、今日だってカメラマン連れて来てないわけじゃないですか。

編 はい。

永 デジカメで一眼でもあったら、大抵のことは物撮りでもなんでもできてしまうし、その場で確認もできるっていう。

安 カメラマンが大変みたいですね、今。新人カメラマンのやる仕事がないから。

永 そうそう。昔はインタビューとか対談についてって、プロフィール写真撮るだけの仕事とかあったじゃないですか。今はもうみんな、下手したら携帯で撮りますからね(笑)。

安 十分ですからね。

永 そう、十分ですから。これくらいの写真だったら。

安 それこそネットのやつだったら640×480で十分みたいな。

永 そうそう。

安 そういうこと考えると、新しい人が出づらいですよね。

永 昔は複写でもなんでもね……。

安 ありましたね、複写(笑)。

永 複写仕事とかあったんですよね、カメラマンでも。ホントに駆け出しの子だったら。

安 一時期ゲーム雑誌の仕事やってた時あったんですけど、ゲーム画面撮る仕事とかありましたもんね。

永 ありましたね。

安 真っ暗ん中で、カメラマンがわざわざそんなことをしてるっていう(笑)。

永 シャッター速度優先で。

安 ゲームをしてて、横でカメラマンが撮ってるっていうね。カメラマンも可哀想だなとは思ってたんですけど。でもそれも仕事なわけじゃないですか。お金になったし。

永 そう。だからそういうのがいまは全部編集でできちゃうんで。

安 編集がデザインまでやりますからね。

永 DTPまでやりますから。

安 ただ編集者自体の仕事っていうのは凄く増えてるんですけど、クリエイティブな部分は減ってる。今エロ本の編集者はAVメーカーに電話かけて、写真をもらって、組んで、自分でデザインしてみたいな仕事ですからね。撮影しないし、現場組むことができない編集者とか、ザラにいますから。やっぱそこでもう、ある種のスキルが落ちてるし、もう編集能力自体が落ちゃってるんじゃないかなと思いますね。デザインまでできるけど。

永 昔はもっと体育会系みたいなところがありましたよね、編集の現場って。一般誌のほうなんですけど、漫画家と編集のトラブルって凄い表に出てきてる(※28)。もうひどい話がいっぱい出てて、でも無理ないかなと思うのは、ホントに電話一本で済んじゃうんですよ。漫画家さんに電話して、例えば16ページお願いします、締切いつまでです、ギャラはこれだけです、あと宜しくみたいな。それで済んじゃうんですよ。

安 僕も、連載とかで一回も声聞いたことない編集者とかいますよ。全部メールで。だから男なのか女なのかも分かんないみたいな(笑)。

永 それはありますよ実際。名前女だから女なんだろうなって。

安 逆に僕のこと女だと思ってるんじゃないかなとか(笑)。永山さんも(笑)。

永 全然話ズレるけど、昔ありましたよ。ある美術家がうちに電話かけてきて、留守電入っててて、こっちからかけ直して、すみませんもしもし永山ですけどって言ったら、「ああん?」みたいなノリなんです。誰コイツみたいなノリで。だから永山薫ですけど、先ほどお電話いただいた……「はっ、女の人だと思ってました!」って(笑)。

安 僕はAV監督で仕事した作品で、出演者で名前が出てたことがありますよ(笑)。ナイスバディのリオちゃんがみたいなことが書いてあって「お前観てねぇだろ!」って。




誰に対して僕は書いてるんだろうって考えちゃうんですよ。
AVを買う人なのか、買わないけど読んで喜んでくれる人なのか。
どっちに向かって書いてるのかなぁって思っちゃいますね。
読んで買ってくれる人が一番いいんですけど、
読んで喜んでくれる人のほうを向いちゃうじゃないですか、つい。
そうするとプロとしてもよくないのかなとかね。
ブロガーならいいかも知れないけど。 (安田)
永 AVライターやってる頃、『ビデオ・ザ・ワールド』でやってる時はとにかく観て書かないとダメじゃないですか。とりあえず途中早送りはするとしても全部観て、善し悪しをしっかり書こうってやってたんですよ。それやってたらですね、一緒にやってた人が他所のビデオ雑誌の仕事でAVレビューやって下さいって言われて編集室行ったときに、「じゃあビデオ貸して下さい」って言ったらパッケージだけ渡されたと。中身は?って言ったら「え、観るんですか?」って言われたって(笑)。
『ビデオザワールド』 1988年10月号 発行=白夜書房


安 でもね、今ちゃんと観てらんないですよ。だって四時間とかあるんだもん。四時間のビデオどうしようっていうね。

永 そういうのでもスキップしてでも観ないとね。

安 一応、全編観るようにはしてるんですけどかなり早送りになっちゃいますね。

永 それはそうなっちゃいますね。

安 しかも、大体内容はあんまりないから書くことないんですよ、四時間あっても。

永 そういう意味では、AVなんかでも評論が育たなかった……。

安 育たないし……AVで原稿書いててホントに絶望的な気持ちになるのが、ライターが褒めた作品ってまず売れないんですよね。

永 うん。

安 なんかこう、何を僕らはやってるんだろうっていう気になるんですよ。「AVオープン」とか、AVのイベントみたいなのか何年か前に盛んに行なわれましたけど、
『恥ずかしいカラダ 元芸能人 ゆうこ』 監督=カンパニー松尾 製作=2009年 メーカー=HMJM
ライターの票を集めた作品は絶対売れない。たとえばカンパニー松尾の作品って、ライター票はいつも一位なんですよ。売り上げは最下位(笑)。なんだろうこれって。あまりにも僕らはユーザーとかい離しすぎちゃってる。だからAVについて書くことってなんだろうって思っちゃうんですよね。

永 それはね、エロ漫画評をずーっとやってた頃言われました。エロ漫画誌の編集者に、永山が褒めるのって、売れねぇからなぁって(笑)。だからこの人とこの人、売れてんじゃないですかって、言うんだけど。

安 最近僕は面白いのを観たりすると原稿とは別にブログに勝手に書いちゃって、もの凄いアクセスきたりするんですよ。たとえばデマンドの変なAVとか紹介すると、ニュースサイトで取り上げられて一日で何万とかアクセス来たりするんです。凄いんですけど、売れないんですよ(笑)。そんなに話題になってるのに売れないってなんだろうと。『全裸巨大少女』っていうのがたとえばあって……。

永 全裸巨大少女(笑)。

安 いや、面白かったんです。僕が紹介したからじゃないと思うけど、ネットでは凄く話題になってたんですよ。でも全然売れなかった。話題になるのと売れるのはまた違うんですよね。

永 そうですね。
『全裸巨大少女 着る服がないの…〜隠しきれない強制露出〜』 監督=石川欣 製作=2003年 メーカー=SODクリエイト


安 そういうかい離が、あまりに大きすぎて、凄く空しい気持ちになるんですよね。

永 でも最悪の事態っていうのは、話題にもならないってことなんで(笑)。

安 そうなんですよね(笑)。

永 そういう意味では貢献してる。少なくとも作ってる側は嬉しいだろうから。次の活力になるので十分貢献はできてると思いますけど。

安 売り上げに繋がって欲しいなって思うんですけどね。こんな面白いんだから見てよって思うんですけど。

永 たとえばね、ワールドやってた頃はちょうど村西さんがデビューした時期で、最初は酷評の嵐だったんですよ。

安 最初はドラマっぽいの作ってらしたんでしたっけ。

永 そうそう。あと村西さんの声だけはするけど、村西さんは出てこない。例の甲高い声で。その甲高い声がうるさいし、面白くないし、なんだこれって。村西さんは後で聞いたら結構悩んでたらしくて、なんで褒めてくんないのみたいな(笑)。ただハメ撮り始めたりとか、一歩踏み出してから凄く面白くなったんで、評価が180度変わったんですよ。
『恥辱の女』 監督=村西とおる 製作=1985年 メーカー=クリスタル映像


安 あれで大賞とってましたもんね。立川ひとみ(※29)か。

永 二つマンコ。意味ないんだけど、二つマンコあったって(笑)。

安 あれ面白かったですね。

永 面白かったですよ。

安 ライブ感が凄くあるし。

永 結局AVの強みってライブだと思うしね。まあライブ感行きすぎてゴールドマン(※30)になっちゃうと、見てて乗りもの酔いになりそうになる。

安 そうですね(笑)。漫画評書いててもそういうこと感じますか? 自分が評価したものが売れないって言われちゃうっていう。

永 それはぜんぜん平気。というのは売れるものは黙ってたって売れるわけですよ。逆に俺が評価したから買うのをやめるっていうのは、そんなにはないだろうと思う。プラスマイナス考えたら、多少なりとも売上には貢献してると思うし。それは気にしてなかったですね。俺の価値観に近い奴は買うだろうと。
『ゴールドマンの現役バレリーナとなまでダラダラやってます』 監督=ゴールドマン 製作=2009年 メーカー=AV難民


安 分かってくれる人に分かってもらえればいいやって気持ちもあるんですけどね……。

永 売れないっていっても、安田さんが褒めることによって何本かは絶対売れてる。

安 何本か(笑)。

永 だから安田さんが褒めなかったら、もっとひどいセールスだったかも知れないわけですよ。あとはね、さっきの話なんだけどビデオ評とか喜んで読んでる奴らと、買う奴ってまた別だと思うんですよね(笑)。

安 誰に対して僕は書いてるんだろうって考えちゃうんですよ。AVを買う人なのか、買わないけど読んで喜んでくれる人なのか。どっちに向かって書いてるのかなぁって思っちゃいますね。読んで買ってくれる人が一番いいんですけど、読んで喜んでくれる人のほうを向いちゃうじゃないですか、つい。そうするとプロとしてもよくないのかなとかね。ブロガーならいいかも知れないけど。

永 そこ難しいんだけどなぁ……。でもさっき俺が行ったように、批評家が口出ししないでも売れるものは売れますから。可愛い子が出てて、しっかり本番やってて、綺麗に撮れてれば黙ってても売れますよ。


(続く)


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nagayama-yasuda-boppatsu-plof.jpg 永山薫 1954年大阪生まれ。近畿大学卒。80年代初期からライター、評論家、作家、編集者として活動。エロ系出版とのかかわりは、ビニ本のコピーや自販機雑誌の怪しい記事を書いたのが始まり。主な著書に長編評論『エロマンガスタディーズ』(イーストプレス)、昼間たかしとの共編著『マンガ論争勃発』『マンガ論争勃発2』(マイクロマガジン社)がある。

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nagayama-yasuda-eronoteki-prof.jpg 安田理央 1967年埼玉県生まれ。美学校考現学教室卒。エロ系ライター、アダルトメディア研究家、パンク歌手、ほか色々。メディアとエロの関係を考察することがライフワーク。主な著作に『エロの敵』(雨宮まみとの共著 翔泳社)、『日本縦断フーゾクの旅』(二見書房)『デジハメ娘。』(マドンナ社)など。趣味は物産展めぐり。でも旅行は苦手。

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