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追悼 団鬼六
『真剣師 小池重明 』
著者=団鬼六
発売日:2011年5月28日
出版社:イースト・プレス

追悼 団鬼六
高スペックダメ人間の魅力を描いた傑作『真剣師 小池重明』
日本人のSM観に多大な影響を及ぼした小説家・団鬼六氏。それは団鬼六というひとつのジャンルであり、日本における官能という文化を語る時、避けては通れない歴史の分岐点でもあるでしょう。去る5月6日に永眠された氏を悼み、WEBスナイパーでは「追悼 団鬼六」と題した特集記事を掲載して参ります。第5弾は「やる夫がSM風俗に興味を持ったようです」でおなじみのライター・田口こくまろ氏が、異色の評伝『真剣師 小池重明』を紹介。官能とは別の角度から団鬼六氏の魅力を伝えます。
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WEBスナイパーという媒体でこんなことを書くのは気が引けるが、僕は『花と蛇』をはじめとする団鬼六の官能小説はほとんど読んでいない。と言っても特に理由はなく、単にタイミングがあわなかっただけなので、もちろん今後機会があればぜひ読んでみたいと思っている。

さて、今回は官能小説の巨匠の別の顔に惹きつけられた1人の読者として、団鬼六が1989年に行なった断筆宣言を撤回して1995年に発表した『真剣師 小池重明』という作品について少しだけ書かせてもらうことにする。
 
この作品は小説ではなく、愛知県名古屋市出身のアマチュアの将棋指しである小池重明という実在した人物の一生を描いた、伝記・評伝である。団鬼六は彼を将棋の指南番の1人として、また専属ドライバーとして雇い世話を焼いてきた、言わば小池のパトロンの1人だ。

もちろん小池はただのアマチュアではない、アマ最強と謳われ、賭け将棋で生計を立てる真剣師としても伝説的な強さを誇り、「新宿の殺し屋」、「プロ殺し」、「最後の真剣師」などの異名をとった天才である。
本作は小池の常識外れな強さを、アマ強豪やプロとの名勝負(その多くは小池が勝利する)を通して余すところなく描写している。

将棋・囲碁、ポーカーや麻雀などゲームを題材に取った優れた作品の多くは ルールなどに明るくない読者にも問題なくその楽しさを伝えることができる。そのことは『麻雀放浪記』や『マルドゥック・スクランブル』などを読んだ人にはおわかりだろう。
本作でもそれは同様で、辛うじて駒の動かし方と「矢倉」や「美濃」などの囲い、「居飛車」、「振り飛車」といった初歩的な戦法程度しか将棋の知識がない僕でも、まったく問題なく実戦描写を楽しむことができた。
特に当時日本最強の真剣師と言われていた大阪の加賀敬治を下し日本一の名を手に入れた一局や、アマチュア名人田尻隆司やアマ王位鈴木英春との「果たし合い」、そしてクライマックスの一つとなる、プロ棋士伊東能三段との三番勝負などはまさに手に汗握る勝負の世界と、そこで圧倒的な輝きを見せる小池重明の持つ天賦の才を、抑えてはいるがところどころに熱さを垣間見せる団鬼六の筆によって思う存分堪能できる。もちろん将棋の深い知識があれば、さらに楽しめたであろうことは言うまでもない。

しかし僕にとってこの小説の最大の魅力は将棋勝負そのものではなく、小池重明という男のキャラクターだ。 

賭け事で渡世を送るといった特殊な生業につく人物となれば、『哭きの竜』や『アカギ』、『麻雀放浪記』のドサ健のような修羅場をくぐり抜けてきた寡黙で鋭い、もしくはギラギラと熱い、どちらにしても極端なキャラクターを想像する。そういえば浪速の真剣師を描いた阪本順治監督『王手』の赤井英和演じる主人公は後者だったか。

だが、小池重明はそのようなイメージとはかけ離れた人当たりのいい、場合によっては卑屈とさえ言える人物だ。飲み会では率先してビールをついで回り、周囲の人間を巧みな話術で笑わせる。勝負に勝った時も奢るそぶりなど見せず「いや、拾わせていただきました」と敗者に対して追従笑いをする始末でどうにも格好よくない。

そしてなにより、将棋に関しては紛れもなく天才でありながら、それ以外のことに関しては徹底的にだらしない人間なのだ。
 
とにかくだらしなさが半端ない。
「酒にだらしない」、「金にだらしない」、「女にだらしない」のダメ人間必須条件がパーフェクトに揃っている。

「酒にだらしない」
金があればスナックで毎晩ウィスキーを潰れるまで飲む。大事な対局の前夜ですら朝まで飲む。これが原因で40代にして重度の肝硬変になり、数年で命を落とすことになる。

「金にだらしない」
江戸っ子でもないのに入った金は飲みかギャンブルですぐに使ってしまう。すぐにお金がなくなる。知人に無心をする。それも使ってしまう。職場の金を使い込み続ける。

「女にだらしない」
極めつけは女、と言っても風俗方面ではない。純愛の人である。とにかくすぐ恋をする。そしてそのほとんどが人妻だ。当然駆け落ちということになり、多くの人に迷惑をかけ最終的には捨てられるのが常。

この3つを複合させた典型的なパターンはこうだ

真剣勝負で勝って小金が入る
      ↓
スナックで豪遊
      ↓
ホステス(子持ち人妻)に恋をする
      ↓
職場の金を使い込んでホステスに貢ぐ
      ↓
会社の金庫から金を持ち逃げして駆け落ち
      ↓
新しい街でしばらくはまじめに働くがすぐに酒に溺れる
      ↓
女に逃げられる
      ↓
元の街に舞い戻り土下座して許しを請う

小池重明という男は懲りることなくこれを何度も何度も繰り返すのである。
無頼なんてかっこいいものではない。どう見ても破滅にむかってまっしぐらのアナーキーさである。
僕はこれを読んで大好きな金子光晴や平野威馬雄を想起した。2人ともダメ人間の条件三拍子揃った逸材であるうえ、小池の将棋の才に相当するだけの文学・詩の才がある。女にもてまくるというところも同様だ。つまり彼らは超高スペックのダメ人間なのである。『ルパン三世』や『コブラ』なんかもその系譜だよな。

僕自身はダメ人間の三要素は揃っているものの、肝心の才能がまったくない。若い頃はそのことに苦しみ続けてきたが、さすがに40超えて諦めた。自分は彼らのような化け物にはなれるわけがない。そんなの当たり前である。だからおもしろいのだ。

そして、仮に実社会で小池のような人間に出会い迷惑をかけられたとしても「あの野郎しょうがねえよなあ」と許してしまうであろう。
そう、この作品の隠れたもう1つの魅力は、何度騙されようとも小池を見捨てることのできない周辺の人々の描写だ。とにかく小池の周りの人たちは全員飛びっきりのお人好しなのである。
その中でも、何度も裏切られ「いいかげんにしろよ」とそのたびに怒りながらも、落ちぶれた晩年の小池の面倒を最後まで見続けた最高のお人好しこそ団鬼六その人なのである。

『真剣師 小池重明』は、小池重明という魅力的な人物の一生を丹念に描いただけではなく、懐の深い快楽主義者である団鬼六という人物の魅力も十全に語っている傑作なのである。

文=田口こくまろ

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