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小林電人、書き下ろし官能羞恥小説の決定版 交錯する物語が急展開!
羞恥の教室 第2部
第九章 羞恥地獄に身を焦がす少女 【1】
著者=小林電人
第1部の登場人物とあらすじはこちら>>
第九章 羞恥地獄に身を焦がす少女
I 忍 22
杉村東女子高では学校に携帯電話を持ってくることは校則で禁じられているのだが、実際には、ほとんどの生徒がこっそりと所持していた。学校内で携帯電話を使っているところを見つければ教師も注意はするが、基本的には黙認していた。今の若者にとって、携帯電話は最も生活に密着したツールであり、完全に禁じようとしても、こっそり持ってきてしまうだろう。
忍も携帯電話を学校へ持ち込んでいる。学校では完全に他人となっている藤井と、唯一つながっている実感を持てるのが、この携帯電話だと忍は思っていた。学校内でメールをやりとりすることは、まずないが、忍はときどき人目のない場所で、藤井からもらっている過去のメールや画像などを、こっそり見ては幸せな気持ちになっていた。
二人の関係を隠さなければならないことは十分に理解しているのだが、それが寂しく思えることもあった。藤井の授業などで、あまりに他人行儀な態度を取られると、自分との関係は妄想だったのではないかという気持ちになるのだ。そういう時は、忍はこっそりと携帯電話で藤井からのメールや、過去のプレイ写真などを見て、それが夢ではないことを確認する。もちろん、それらのデータは藤井に指示されたようにパスワードをかけて、万が一にも他人には見られないようにしてある。
しかし、今の忍の携帯電話には、それらのデータは一切入っていなかった。謎の脅迫者のメールの後、藤井は忍と携帯電話とパソコンから、二人の関係に関するデータを全て消去するように命令したのだ。
「何かあった時のためだ。おれの携帯とパソコンからも、全部消去しておく。大丈夫、そのデータは全部バックアップして、別のところに厳重に保管しておくから、この状況が解決したら、元に戻せるよ」
この状況が解決したら......。藤井はそう言ったが、忍には、もうあの幸せな日々は二度と戻っては来ないような気がしていた。
藤井との絆のように思えたこの携帯電話も、今の忍には何よりも恐ろしい物となっていた。メールが着信する度に、脅迫者からの指示ではないかと、ビクビクしていたのだ。
昨日、教室の机の中に入れられていた脅迫者からの手紙には、今日の放課後に彼らの元へ出向くようにという命令が書かれていた。時間と場所は追って連絡するということ、そしてこのことは藤井には一切漏らしてはならないと脅迫者は言っていた。
恐かった。一体自分はどうなってしまうのか。脅迫者たちは本当に自分を「アナルマゾ奴隷」にしようというのか。
昨夜は藤井からのメールにも返信しなかった。全ての行動を全て見張っているという脅迫者の言葉は嘘だとは思えなかった。何しろ彼らは教室の中にまで、入ってくるのだ。メールの文面も全て彼らに見られているのかもしれない。そう思うと藤井にメールすることもはばかられた。それが脅迫の件に触れないメールだとしても、抵抗があった。
返信がないことを心配して、藤井からは何度もメールがあった。忍は、それを読む度に心が痛んだ。
学校でも忍は携帯電話から意識を逸らすことが出来なかった。いつ、脅迫者からのメールが来るかわからない。そしてそのメールが来たら、自分は地獄に墜ちるのだ。
昼休みに、メールの着信があった。それに気づいた時、忍は心臓が凍るような恐怖に襲われた。しかしそれは脅迫者からではなく、藤井からのものだった。
「昨夜、メールの返事がないから心配したけど、とりあえず元気そうで安心した。もし、何かあったら逐一連絡して欲しい」
自分のことを心配して不安そうにしている藤井の顔が浮かんだ。気づかなかったが、藤井はどこかで自分の姿を見かけたのだろう。
心配させて、ごめんなさい、先生......。忍は心の中で藤井に謝った。おそらく今日、自分は脅迫者たちに凌辱されることになるのだろう。汚されてしまった後、藤井の顔をまともに見ることが出来るのだろうか。そして、藤井は自分を許してくれるのだろうか。
全ての授業が終わるまで、脅迫者からの連絡はなかった。もしかしたら、あれはただの脅しだったでは。そんな都合のいいことを考えながら忍は昇降口の下駄箱から自分の靴を出そうとして、その中の一枚のカードに気づいた。名刺ほどの大きさのそのカードには「N駅 緑屋書店前」とだけ書かれていた。
脅迫者からの指令だ。遂にその時が来てしまった。忍は恐怖で、その場に崩れ落ちそうになった。
N駅は、藤井と忍が最初に待ち合わせた繁華街のある駅だ。緑屋書店は、駅前にある大型書店でランドマーク的存在だった。
時刻は指定されていなかったが、靴の中に入れてあったと言うことは、放課後になったらすぐにここへ来いということなのだろう。忍は震えながらも、電車でN駅へ向かう。永遠に電車が到着しなければいい、忍はそう思っていた。忍はギュッと携帯電話を握りしめ、藤井のことを思った。
先生、助けて......。
忍の思いとは裏腹に、電車はN駅に到着し、忍はよろよろと緑屋書店の前へと歩いていく。その店頭は、よく待ち合わせに使われていることもあり、多くの人がたむろしていた。この中に、恐ろしい脅迫者がいるのか。忍はキョロキョロと見回す。
その時、忍が握りしめていた携帯電話が震えた。メールの着信だ。
「え......?!」
脅迫者は、忍に下着を脱いでくることを命令して来た。今どきの女子高生とは違って、忍の制服は全く改造しておらず、スカートの丈も野暮ったく長いままだが、それでも下着なしで街を歩くなどとは、考えただけで羞恥に胸が凍りつく。
しかし、忍に拒否権はないのだ。いったいどこから自分を見ているのか。忍は周囲を見回すが、それらしい人はいない。あきらめて忍は書店の中に入り、トイレへと向かった。
書店のトイレは混雑していることが多いのだが、たまたま空きがあり、すぐに個室へ入れた。
スカートをたくし上げて、下着に手をかける。普段、トイレの個室に入ったら、当たり前に行っている動作が、なかなか出来ない。この姿すら覗かれているのではと、個室の天井や下の隙間などを、つい見回してしまう。
怪しい視線や盗撮カメラなどはないようだった。忍はため息をつくと、のろのろとショーツを下ろした。脱いでからショーツが少し濡れていることに気づいた。
え、どうして......? 無意識に自分の股間を触る。そこはあきらかに湿り気を帯びていた。
「ああ......」
忍は哀しい声を漏らした。自分のマゾ性が恨めしかった。こんなに嫌で恐ろしいと思っているのに、自分の体の奥の淫らな獣は、何かを期待しているというのか。恥ずかしいことをされて快感を得るのは、藤井にされる時だけだと思っているのに。
こんなことを脅迫者に知られたら大変だ。忍は脱いだショーツを学生鞄の中に慌てて入れると、スカートを整えてトイレを出た。
下着を穿いていないということが、こんなにも頼りなく、恥ずかしいものなのだと、忍は初めて知った。股間が外気に触れるということよりも、自分が下着を穿いていないということが、周りの人にばれてしまうのではないかという恐怖感が強かった。そんなこと、誰にもわかるはずがないと自分に言い聞かせながらも、他人の視線が自分の下半身に集中しているような気がして仕方ないのだ。
客の多い店内を歩いているだけで、羞恥で体が熱くなっているのが自分でもわかる。そしてそれが股間を湿らせていることも。
ああ、いやだ、私......。
自分の淫らさを呪いながら、忍は店頭へと歩いてゆく。風も階段もないのに、ついスカートを手で押さえてしまう。
忍は最初の指令があった書店の前に戻った。同時に携帯電話が振動してメールの着信を知らせる。
濡れてしまったことまで見透かされて、忍は真っ赤になる。また周囲を見渡して、どこかで観察しているはずの脅迫者を探すが、わかるはずもない。
あきらめてサンジョー前へと歩いていく。サンジョーは、大型ドラッグストアだ。化粧品や日用品なども扱っていて、この市内の女子高生たちの御用達ショップとなっている。忍もよくここで買い物をしていた。
今度は、ここで何をさせようというの。店内には同世代の少女たちが溢れている。こんなところで何か恥ずかしい行動を命令されたら......。忍は震え上がる。
すぐにメールが届いた。
「そ、そんな......」
同世代の少女たちが並んでいる売り場で、浣腸を下さいなどと言えるはずがない。その言葉を口に出した時に、店員、そして店内の客の好奇の視線が目に浮かぶ。
忍は行動に移すことが出来ず、店の前で立ちつくしていた。するとメールが来た。
命令から逃れる術はない。最初からわかっていたことではある。忍は己の置かれている状況を受け入れるしかないのだ。
力なく店内に入り、レジ前に並ぶ。夕方の店内にはいつものように女子高生が溢れ、嬌声と独特の匂いを充満させていた。
忍の順番が来てしまった。
「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」
店長:島本と書かれたネームプレートを白衣の胸につけた中年男が、笑顔で忍に尋ねる。
「あ、あの......」
忍は言えない。
「はい、何ですか?」
恥ずかしいが、言わないわけにはいかないのだ。忍は勇気を振り絞って、そこの言葉を口にする。
「か、浣腸を下さい」
店長は、エッと言う顔をした。周りにいた少女たちも、チラリと忍を見た。
「ええと、浣腸も色々あるんですが、普通だと、このフルーツ浣腸ですね」
「はい、それを......1ダース下さい」
顔を真っ赤にして忍は言う。
「1ダース、ですか?」
この清純そうな少女が一ダースもの浣腸を買いに来るというのは、店長にとっても驚きだった。そしてそれを聞いていた周囲の客も、ヒソヒソ話を始めた。
「すごいね。1ダースだって。よっぽど便秘してるんじゃないの?」
「きっとあれよ、SMプレイするのよ」
「えー、あんな大人しそうな子が?」
そんな声が耳に入ってきて忍はいたたまれなくなる。何度、このまま逃げ出してしまおうかとも思う。
「一ダースね。ああ、それなら、この大きな業務用のケースがありますよ」
店長は「フルーツ浣腸 12個入り」と大きく書かれた紙箱をレジ台の上にドンと置いた。それはさらに店内の注目を集める。
「なになに、あの子が使うの?」
「信じられなーい。普通は便秘薬使うでしょ。それじゃ効かないって、よっぽどの便秘ってことかな」
耳まで赤くなりながらも、忍はさらに言葉を続けなければならない。
「あ、あの、これはどうやって使うのですか? 使い方を教えて下さい」
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著者=小林電人
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第九章 羞恥地獄に身を焦がす少女
I 忍 22
杉村東女子高では学校に携帯電話を持ってくることは校則で禁じられているのだが、実際には、ほとんどの生徒がこっそりと所持していた。学校内で携帯電話を使っているところを見つければ教師も注意はするが、基本的には黙認していた。今の若者にとって、携帯電話は最も生活に密着したツールであり、完全に禁じようとしても、こっそり持ってきてしまうだろう。
忍も携帯電話を学校へ持ち込んでいる。学校では完全に他人となっている藤井と、唯一つながっている実感を持てるのが、この携帯電話だと忍は思っていた。学校内でメールをやりとりすることは、まずないが、忍はときどき人目のない場所で、藤井からもらっている過去のメールや画像などを、こっそり見ては幸せな気持ちになっていた。
二人の関係を隠さなければならないことは十分に理解しているのだが、それが寂しく思えることもあった。藤井の授業などで、あまりに他人行儀な態度を取られると、自分との関係は妄想だったのではないかという気持ちになるのだ。そういう時は、忍はこっそりと携帯電話で藤井からのメールや、過去のプレイ写真などを見て、それが夢ではないことを確認する。もちろん、それらのデータは藤井に指示されたようにパスワードをかけて、万が一にも他人には見られないようにしてある。
しかし、今の忍の携帯電話には、それらのデータは一切入っていなかった。謎の脅迫者のメールの後、藤井は忍と携帯電話とパソコンから、二人の関係に関するデータを全て消去するように命令したのだ。
「何かあった時のためだ。おれの携帯とパソコンからも、全部消去しておく。大丈夫、そのデータは全部バックアップして、別のところに厳重に保管しておくから、この状況が解決したら、元に戻せるよ」
この状況が解決したら......。藤井はそう言ったが、忍には、もうあの幸せな日々は二度と戻っては来ないような気がしていた。
藤井との絆のように思えたこの携帯電話も、今の忍には何よりも恐ろしい物となっていた。メールが着信する度に、脅迫者からの指示ではないかと、ビクビクしていたのだ。
昨日、教室の机の中に入れられていた脅迫者からの手紙には、今日の放課後に彼らの元へ出向くようにという命令が書かれていた。時間と場所は追って連絡するということ、そしてこのことは藤井には一切漏らしてはならないと脅迫者は言っていた。
恐かった。一体自分はどうなってしまうのか。脅迫者たちは本当に自分を「アナルマゾ奴隷」にしようというのか。
昨夜は藤井からのメールにも返信しなかった。全ての行動を全て見張っているという脅迫者の言葉は嘘だとは思えなかった。何しろ彼らは教室の中にまで、入ってくるのだ。メールの文面も全て彼らに見られているのかもしれない。そう思うと藤井にメールすることもはばかられた。それが脅迫の件に触れないメールだとしても、抵抗があった。
返信がないことを心配して、藤井からは何度もメールがあった。忍は、それを読む度に心が痛んだ。
学校でも忍は携帯電話から意識を逸らすことが出来なかった。いつ、脅迫者からのメールが来るかわからない。そしてそのメールが来たら、自分は地獄に墜ちるのだ。
昼休みに、メールの着信があった。それに気づいた時、忍は心臓が凍るような恐怖に襲われた。しかしそれは脅迫者からではなく、藤井からのものだった。
「昨夜、メールの返事がないから心配したけど、とりあえず元気そうで安心した。もし、何かあったら逐一連絡して欲しい」
自分のことを心配して不安そうにしている藤井の顔が浮かんだ。気づかなかったが、藤井はどこかで自分の姿を見かけたのだろう。
心配させて、ごめんなさい、先生......。忍は心の中で藤井に謝った。おそらく今日、自分は脅迫者たちに凌辱されることになるのだろう。汚されてしまった後、藤井の顔をまともに見ることが出来るのだろうか。そして、藤井は自分を許してくれるのだろうか。
全ての授業が終わるまで、脅迫者からの連絡はなかった。もしかしたら、あれはただの脅しだったでは。そんな都合のいいことを考えながら忍は昇降口の下駄箱から自分の靴を出そうとして、その中の一枚のカードに気づいた。名刺ほどの大きさのそのカードには「N駅 緑屋書店前」とだけ書かれていた。
脅迫者からの指令だ。遂にその時が来てしまった。忍は恐怖で、その場に崩れ落ちそうになった。
N駅は、藤井と忍が最初に待ち合わせた繁華街のある駅だ。緑屋書店は、駅前にある大型書店でランドマーク的存在だった。
時刻は指定されていなかったが、靴の中に入れてあったと言うことは、放課後になったらすぐにここへ来いということなのだろう。忍は震えながらも、電車でN駅へ向かう。永遠に電車が到着しなければいい、忍はそう思っていた。忍はギュッと携帯電話を握りしめ、藤井のことを思った。
先生、助けて......。
忍の思いとは裏腹に、電車はN駅に到着し、忍はよろよろと緑屋書店の前へと歩いていく。その店頭は、よく待ち合わせに使われていることもあり、多くの人がたむろしていた。この中に、恐ろしい脅迫者がいるのか。忍はキョロキョロと見回す。
その時、忍が握りしめていた携帯電話が震えた。メールの着信だ。
件名:調教開始
「ようこそ、忍様。いや、私たちのアナルマゾ奴隷・忍。これから調教を開始します。まずは緑屋書店のトイレで、パンティを脱いで、またここに戻って来て下さい」
「え......?!」
脅迫者は、忍に下着を脱いでくることを命令して来た。今どきの女子高生とは違って、忍の制服は全く改造しておらず、スカートの丈も野暮ったく長いままだが、それでも下着なしで街を歩くなどとは、考えただけで羞恥に胸が凍りつく。
しかし、忍に拒否権はないのだ。いったいどこから自分を見ているのか。忍は周囲を見回すが、それらしい人はいない。あきらめて忍は書店の中に入り、トイレへと向かった。
書店のトイレは混雑していることが多いのだが、たまたま空きがあり、すぐに個室へ入れた。
スカートをたくし上げて、下着に手をかける。普段、トイレの個室に入ったら、当たり前に行っている動作が、なかなか出来ない。この姿すら覗かれているのではと、個室の天井や下の隙間などを、つい見回してしまう。
怪しい視線や盗撮カメラなどはないようだった。忍はため息をつくと、のろのろとショーツを下ろした。脱いでからショーツが少し濡れていることに気づいた。
え、どうして......? 無意識に自分の股間を触る。そこはあきらかに湿り気を帯びていた。
「ああ......」
忍は哀しい声を漏らした。自分のマゾ性が恨めしかった。こんなに嫌で恐ろしいと思っているのに、自分の体の奥の淫らな獣は、何かを期待しているというのか。恥ずかしいことをされて快感を得るのは、藤井にされる時だけだと思っているのに。
こんなことを脅迫者に知られたら大変だ。忍は脱いだショーツを学生鞄の中に慌てて入れると、スカートを整えてトイレを出た。
下着を穿いていないということが、こんなにも頼りなく、恥ずかしいものなのだと、忍は初めて知った。股間が外気に触れるということよりも、自分が下着を穿いていないということが、周りの人にばれてしまうのではないかという恐怖感が強かった。そんなこと、誰にもわかるはずがないと自分に言い聞かせながらも、他人の視線が自分の下半身に集中しているような気がして仕方ないのだ。
客の多い店内を歩いているだけで、羞恥で体が熱くなっているのが自分でもわかる。そしてそれが股間を湿らせていることも。
ああ、いやだ、私......。
自分の淫らさを呪いながら、忍は店頭へと歩いてゆく。風も階段もないのに、ついスカートを手で押さえてしまう。
忍は最初の指令があった書店の前に戻った。同時に携帯電話が振動してメールの着信を知らせる。
件名:調教開始#2
「ちゃんとノーパンになってきましたね。きっとあなたの股間は興奮でぐっしょりと濡れていることでしょう。さて、次はサンジョーの前に移動して下さい」
濡れてしまったことまで見透かされて、忍は真っ赤になる。また周囲を見渡して、どこかで観察しているはずの脅迫者を探すが、わかるはずもない。
あきらめてサンジョー前へと歩いていく。サンジョーは、大型ドラッグストアだ。化粧品や日用品なども扱っていて、この市内の女子高生たちの御用達ショップとなっている。忍もよくここで買い物をしていた。
今度は、ここで何をさせようというの。店内には同世代の少女たちが溢れている。こんなところで何か恥ずかしい行動を命令されたら......。忍は震え上がる。
すぐにメールが届いた。
件名:調教開始#3
「それでは、ここでフルーツ浣腸を一ダース買って下さい。買う時に、使い方をしっかり聞くように」
「そ、そんな......」
同世代の少女たちが並んでいる売り場で、浣腸を下さいなどと言えるはずがない。その言葉を口に出した時に、店員、そして店内の客の好奇の視線が目に浮かぶ。
忍は行動に移すことが出来ず、店の前で立ちつくしていた。するとメールが来た。
件名:調教開始#4
「何をしているのですか? あなたには拒否権は一切ありません。これができないようならば、こちらにも考えがあります。それとも、そこでスカートをまくり上げるという命令の方がお好みですか?」
命令から逃れる術はない。最初からわかっていたことではある。忍は己の置かれている状況を受け入れるしかないのだ。
力なく店内に入り、レジ前に並ぶ。夕方の店内にはいつものように女子高生が溢れ、嬌声と独特の匂いを充満させていた。
忍の順番が来てしまった。
「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」
店長:島本と書かれたネームプレートを白衣の胸につけた中年男が、笑顔で忍に尋ねる。
「あ、あの......」
忍は言えない。
「はい、何ですか?」
恥ずかしいが、言わないわけにはいかないのだ。忍は勇気を振り絞って、そこの言葉を口にする。
「か、浣腸を下さい」
店長は、エッと言う顔をした。周りにいた少女たちも、チラリと忍を見た。
「ええと、浣腸も色々あるんですが、普通だと、このフルーツ浣腸ですね」
「はい、それを......1ダース下さい」
顔を真っ赤にして忍は言う。
「1ダース、ですか?」
この清純そうな少女が一ダースもの浣腸を買いに来るというのは、店長にとっても驚きだった。そしてそれを聞いていた周囲の客も、ヒソヒソ話を始めた。
「すごいね。1ダースだって。よっぽど便秘してるんじゃないの?」
「きっとあれよ、SMプレイするのよ」
「えー、あんな大人しそうな子が?」
そんな声が耳に入ってきて忍はいたたまれなくなる。何度、このまま逃げ出してしまおうかとも思う。
「一ダースね。ああ、それなら、この大きな業務用のケースがありますよ」
店長は「フルーツ浣腸 12個入り」と大きく書かれた紙箱をレジ台の上にドンと置いた。それはさらに店内の注目を集める。
「なになに、あの子が使うの?」
「信じられなーい。普通は便秘薬使うでしょ。それじゃ効かないって、よっぽどの便秘ってことかな」
耳まで赤くなりながらも、忍はさらに言葉を続けなければならない。
「あ、あの、これはどうやって使うのですか? 使い方を教えて下さい」
(続く)
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著者=小林電人 長年夢見ていた自分の「理想のSMビデオ」を自主制作したことがきっかけで、AV&SM業界のはじっこに首をつっこむことになった都内在住の40代自営業。ひたすら羞恥責め、アナル責めを好み、70年代永井豪エッチ漫画の世界を愛する。これまでの監督作品として「1年S組 高橋真弓のおしおき」「同2」「穴牝奴〜町内会人妻肛虐倶楽部 」がある。以前、永井漫画をモチーフにした小説をネットに発表したことはあるが、オリジナルは本作が初めて。 |