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小林電人、書き下ろし官能羞恥小説の決定版 交錯する物語が急展開!
羞恥の教室 第2部
第九章 羞恥地獄に身を焦がす少女 【3】
著者=小林電人
第1部の登場人物とあらすじはこちら>>
第九章 羞恥地獄に身を焦がす少女
III 忍 23
「使い方、ですか?」
店長は、少し驚いたような顔をした。忍は真っ赤な顔で頷く。
「簡単ですよ。容器のキャップを取り外して、先端を肛門に挿入するんです。肛門ってわかりますよね。お尻の穴のことです」
「は、はい......」
「そして容器を押しつぶすようにすると、薬液が腸内に注入されます」
その時、店長も周囲の客も、この可憐な少女がお尻を丸出しにして、自らの肛門へと浣腸しているあられもない姿を想像していた。
「すぐに便意を感じますが、すぐには出さないで、3分以上は我慢して下さい。我慢すればするほど効果は高いですからね。少しお腹が痛くなるかもしれませんが、出してしまえばスッキリしますよ」
そして彼らの想像の中で、少女は排便という決して他人には見せることのない行為を晒していた。
こんな可愛らしい女の子でも、排泄をするんだよな......。
店長は知らず知らずのうちに好色な表情を浮かべていた。
「あ、ありがとうございます。それじゃあ、これを下さい」
消え入るような声で、忍は言い、そして1ダースもの浣腸を購入した。周囲の好奇の目に晒されながら、早足で店を出る。歩いて、スカートが揺れる度に、自分が下着を穿いていないことを思い知らされる。ノーパンで、浣腸を1ダースも買うなんて、変態女以外の何者でもない。そんな自分の状況を考えると、恥ずかしさで身体の奥がカッと熱くなる。
忍が店を出るのと同時に、メールが届いた。
北口の映画館とは、成人映画専門の映画館であり、その周辺は風俗店やラブホテルなどが立ち並ぶいかがわしいエリアだった。通称ピンク通り。そこにそうした場所があることは知ってはいたが、これまで忍は一度も足を踏み入れたことはなかった。真面目な女子高生には、全く無縁の場所なのだ。
いよいよ、そこにあるラブホテルへと連れ込まれてしまうのだろうか。覚悟はしていたものの、恐怖に足が震える。
まだ日の高い夕方から風俗店の下品なネオンが輝き、ピンク通りは不健康で猥雑なムードを醸し出していた。その入り口で忍は立ち止まる。通行人は、このエリアには不似合いな少女をいぶかしげに眺めながら通り過ぎていく。
そしてメールが届く。
これから、どんな店でどんな命令を下されるのか。考えても無駄だ。どうせこの男たちに逆らうことは出来ないのだ。どんな恥ずかしい命令であろうとも、従わなければならない。
忍は自分にそう言い聞かせながらピンク通りへと足を踏み入れる。キョロキョロと指定された「プレジャードーム」という店を探す。目に入るのは風俗案内所や、ピンクサロンの毒々しい看板ばかり。忍は自分があまりにも場違いな世界へ入り込んでしまったことを実感する。
目指す店は、ピンク通りのやや外れにあった。「アダルトストア プレジャードーム」という看板が掲げられている。入り口には、メイドの服装の女性のマネキンが、アイマスクと口枷、そして手枷と足枷をつけられて立っていた。入り口から地下へと向かう階段は蛍光ピンクの妖しいネオン管に彩られている。普通の人間なら、足を踏み入れることをためらうような雰囲気だ。
忍は勇気を振り絞って、階段をゆっくりと下っていく。地獄へ一歩一歩堕ちていくような気持ちだった。
階段の突き当たりにドアがあり、忍はそれを開ける。大音量の激しい音楽が押し寄せてきた。忍は一瞬だじろぐが、それでも気を取り直して店内に足を進める。
メタリックな輝きを放つ奇妙な器具やセクシーなコスチュームなどがギッシリと並んでいた。大音量の電子音と真っ赤な壁と床が現実感を奪い、まるで悪夢の中にいるかのような錯覚を起こさせる。
ここがアダルトグッズ、つまりセックスをより楽しむための道具や衣装を売っている店だということは忍にもわかった。棚に並んでいるいくつかの器具は、忍も藤井に使われたことがあった。しかし、その時は自分を強烈な快楽に導く素晴らしい道具に思えたが、今の忍には、ただただ恐ろしいものにしか見えなかった。
忍は店員の姿を探す。入り口のすぐ右側にカウンターがあり、その中に一人の女性が座っていた。
異様な女性だった。腰まで伸びた黒髪と真っ黒なワンピース。真っ黒な口紅。黒いアイライン。それと対照的な白い肌。何よりも異様だったのは、顔の右半分にびっしりとピアスが埋め込まれていることだった。耳はもちろん、瞼、鼻、頬、唇と、いくつものピアスがシルバーの鈍い輝きを放っている。
その女性は忍と目があうとニッコリと微笑んだ。意外に若いようだ。もしかすると、忍とそう変わらない年齢かもしれない。
「忍ちゃんね」
初対面の女性にいきなり名前を呼ばれて、忍はたじろぐ。
「ど、どうして名前を......」
女性は微笑みを崩さない。しかし、その目は笑っていない。どこか恐ろしいものを感じさせる薄っぺらい笑顔だった。
「木村さんから全部聞いているわ。アナルを責められるのが大好きなのよね。こんなに可愛い顔をしているのに、変態ちゃんなのね」
藤井以外に知られたことのない性癖を初対面の女性に指摘され、忍は愕然とする。得体の知れない恐怖に足が震える。
「ふふふ。まだ何もわかっていないのね。可哀想に」
異形の女性は立ち上がりカウンターから出てくると、忍の横に立つ。スラリとした長身だった。高いヒールを履いていることもあり、小柄な忍とは20センチ以上も身長差があるようだった。女性は怯えて立ちつくす忍の頬を、そっと撫で上げる。
「私はレッド。木村さんからあなたをよろしくって頼まれているの。たっぷり可愛がってあげるわ。ほら、あそこのカメラから、あなたの様子は全部、木村さんに見られているのよ」
レッドと名乗った女性は、店の天井に取りつけられたカメラを指さした。
「き、木村って、誰なんですか?」
忍は、レッドに尋ねる。
「そうか。まだ何も知らないんだもんね、忍ちゃんは。そのうちわかるわよ。面白い人よ。私は大好き」
レッドは意味深な笑顔を浮かべる。
「その木村という人は、どうして私たちにこんなにひどいことをするんですか?」
「さぁ......。私は頼まれただけだから。でも、たぶんあなたが可愛らしいから、苛めたくなっただけなんじゃないの?」
「そんな......」
レッドはカウンターの方を向き、大きな紙袋を取り出した。その中に入っている道具をカウンターの上に並べる。
「はい。これが木村さんに頼まれているもの。これがアナルバイブ、アナルプラグ、アナルスティックに肛門鏡。それから500ミリリットル入る浣腸器。浣腸液は、もう買ってきているのよね」
レッドが並べていく器具は、すべて肛門を責めるための道具だった。そのいくつかは藤井とのプレイで使われていて、忍にも見覚えがあった。
しかし、これほど大きな浣腸器は見たことが無かった。いつも藤井が使う100ミリリットルの浣腸器とは全く違う凶悪なまでの大きさだ。こんなものを使われたら、いったい自分はどうなってしまうのか。忍は思わず想像して震え上がった。
「あら、この浣腸器が気になるの? 大きいでしょ。でもあなたは浣腸マニアだから、これくらい入るものじゃないと満足できないんじゃないかって木村さん、言ってたわよ」
「そ、そんな......」
「本当に清純そうな顔してるのにね、忍ちゃん。でも人は見かけによらないっていうか、大人しそうな人ほど、すごい変態なのがこの世界の常識なのよね。だから、私みたいのが意外にまともだったりするのよ」
そう言いながらレッドは指先で忍の顎を持ち上げ、いきなり唇を重ねた。
「んんっ」
不意打ちのキスだった。同性の柔らかな唇の感触。突然のことに忍は頭が混乱し、身体が動かなくなってしまった。
レッドは舌先で忍の唇をなぞった。そして忍の唇を割って、中へと侵入させてくる。衝撃で固まってしまったかのような忍は、もうなすがままだった。頭の中が真っ白になり、何がなんだかわからない。レッドは強引に忍の舌を吸った。甘く妖しい味が忍の口の中に広がった。柔らかでヌメヌメとしたレッドの舌の感触は忍の魂を吸い取ってしまう。
え、私、どうなっているの? 頭の奥でもう一人の自分が慌てているのだが、身体は痺れてしまって全く動かない。
レッドは左腕で忍を強く抱きしめてキスしながら、右手で頬をなで続けている。長い爪の先を肌の上で滑らす。その絶妙なタッチが忍の官能を刺激する。
さっきからの異様な体験で高ぶっていた忍の身体は、少しの刺激でも激しく反応してしまう。下腹部が熱くなっているのが自分でもわかった。
忍が自分を受け入れ始めたことを確信したレッドは、さらに激しく舌をからめた。忍の口内を舌が這い回る。忍にとって愛する藤井とのキスもとろけるような甘美なものだったが、レッドのキスは、それとはまた違った麻薬のような快楽を与えてくる。身体から力が抜けてしまう。ぐったりとする忍の身体をレッドは強く抱きしめる。
レッドの舌先にもピアスが埋め込まれている。彼女は、その異物を上手に使った。柔らかな舌の感触と、ピアスの冷たい硬さを刺激として操り、忍の官能を高めていく。
そして、唾液とともに忍の口内へと送り込んだ媚薬の効果もあった。レッドの店で販売している東欧から輸入した薬物だ。科学的にはその効果は怪しいとも言われているが、少なくともレッドはこの媚薬を使って、これまでに失敗したことがない。
忍の意識が朦朧としてきたことを確認したレッドは、素早く手枷を取り出して、忍の両腕に巻き付けた。
「え、何を、するんですか......」
忍は抵抗しようとするが身体に力が入らない。レッドは手枷で繋いだ忍の両腕を高く持ち上げ、天井からぶら下がっている鎖に繋いだ。
「あ、いやっ」
忍はプレジャードームの店内で、両腕を揃えて掲げた姿勢で吊られてしまった。自分の身に何が起こったのか理解できない。ただ両腕を吊られる痛みだけがあった。
「さぁ、ショータイムの始まりよ」
レッドは忍に気づかれないようにカウンターの中のスイッチを押した。地上の階段外の看板の「OPEN」の文字が「CLOSE」に変わった。これでプレジャードームの店内は、密室のプレイルームとなったのだ。
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著者=小林電人
第1部の登場人物とあらすじはこちら>>
第九章 羞恥地獄に身を焦がす少女
III 忍 23
「使い方、ですか?」
店長は、少し驚いたような顔をした。忍は真っ赤な顔で頷く。
「簡単ですよ。容器のキャップを取り外して、先端を肛門に挿入するんです。肛門ってわかりますよね。お尻の穴のことです」
「は、はい......」
「そして容器を押しつぶすようにすると、薬液が腸内に注入されます」
その時、店長も周囲の客も、この可憐な少女がお尻を丸出しにして、自らの肛門へと浣腸しているあられもない姿を想像していた。
「すぐに便意を感じますが、すぐには出さないで、3分以上は我慢して下さい。我慢すればするほど効果は高いですからね。少しお腹が痛くなるかもしれませんが、出してしまえばスッキリしますよ」
そして彼らの想像の中で、少女は排便という決して他人には見せることのない行為を晒していた。
こんな可愛らしい女の子でも、排泄をするんだよな......。
店長は知らず知らずのうちに好色な表情を浮かべていた。
「あ、ありがとうございます。それじゃあ、これを下さい」
消え入るような声で、忍は言い、そして1ダースもの浣腸を購入した。周囲の好奇の目に晒されながら、早足で店を出る。歩いて、スカートが揺れる度に、自分が下着を穿いていないことを思い知らされる。ノーパンで、浣腸を1ダースも買うなんて、変態女以外の何者でもない。そんな自分の状況を考えると、恥ずかしさで身体の奥がカッと熱くなる。
忍が店を出るのと同時に、メールが届いた。
件名:調教開始#5
「よくできました。マゾであるあなたにはたまらない刺激だったでしょう。今日はその浣腸をたっぷりとあなたのお尻の穴に注いであげますからね。続いて、北口の映画館の裏に移動して下さい」
北口の映画館とは、成人映画専門の映画館であり、その周辺は風俗店やラブホテルなどが立ち並ぶいかがわしいエリアだった。通称ピンク通り。そこにそうした場所があることは知ってはいたが、これまで忍は一度も足を踏み入れたことはなかった。真面目な女子高生には、全く無縁の場所なのだ。
いよいよ、そこにあるラブホテルへと連れ込まれてしまうのだろうか。覚悟はしていたものの、恐怖に足が震える。
まだ日の高い夕方から風俗店の下品なネオンが輝き、ピンク通りは不健康で猥雑なムードを醸し出していた。その入り口で忍は立ち止まる。通行人は、このエリアには不似合いな少女をいぶかしげに眺めながら通り過ぎていく。
そしてメールが届く。
件名:調教開始#6
「プレジャードームという店に入り、木村の使いで来たと言って下さい。あとは店員の指示に従うように。あなたの行動は全て把握していますので、くれぐれも命令に背くようなことのないように」
これから、どんな店でどんな命令を下されるのか。考えても無駄だ。どうせこの男たちに逆らうことは出来ないのだ。どんな恥ずかしい命令であろうとも、従わなければならない。
忍は自分にそう言い聞かせながらピンク通りへと足を踏み入れる。キョロキョロと指定された「プレジャードーム」という店を探す。目に入るのは風俗案内所や、ピンクサロンの毒々しい看板ばかり。忍は自分があまりにも場違いな世界へ入り込んでしまったことを実感する。
目指す店は、ピンク通りのやや外れにあった。「アダルトストア プレジャードーム」という看板が掲げられている。入り口には、メイドの服装の女性のマネキンが、アイマスクと口枷、そして手枷と足枷をつけられて立っていた。入り口から地下へと向かう階段は蛍光ピンクの妖しいネオン管に彩られている。普通の人間なら、足を踏み入れることをためらうような雰囲気だ。
忍は勇気を振り絞って、階段をゆっくりと下っていく。地獄へ一歩一歩堕ちていくような気持ちだった。
階段の突き当たりにドアがあり、忍はそれを開ける。大音量の激しい音楽が押し寄せてきた。忍は一瞬だじろぐが、それでも気を取り直して店内に足を進める。
メタリックな輝きを放つ奇妙な器具やセクシーなコスチュームなどがギッシリと並んでいた。大音量の電子音と真っ赤な壁と床が現実感を奪い、まるで悪夢の中にいるかのような錯覚を起こさせる。
ここがアダルトグッズ、つまりセックスをより楽しむための道具や衣装を売っている店だということは忍にもわかった。棚に並んでいるいくつかの器具は、忍も藤井に使われたことがあった。しかし、その時は自分を強烈な快楽に導く素晴らしい道具に思えたが、今の忍には、ただただ恐ろしいものにしか見えなかった。
忍は店員の姿を探す。入り口のすぐ右側にカウンターがあり、その中に一人の女性が座っていた。
異様な女性だった。腰まで伸びた黒髪と真っ黒なワンピース。真っ黒な口紅。黒いアイライン。それと対照的な白い肌。何よりも異様だったのは、顔の右半分にびっしりとピアスが埋め込まれていることだった。耳はもちろん、瞼、鼻、頬、唇と、いくつものピアスがシルバーの鈍い輝きを放っている。
その女性は忍と目があうとニッコリと微笑んだ。意外に若いようだ。もしかすると、忍とそう変わらない年齢かもしれない。
「忍ちゃんね」
初対面の女性にいきなり名前を呼ばれて、忍はたじろぐ。
「ど、どうして名前を......」
女性は微笑みを崩さない。しかし、その目は笑っていない。どこか恐ろしいものを感じさせる薄っぺらい笑顔だった。
「木村さんから全部聞いているわ。アナルを責められるのが大好きなのよね。こんなに可愛い顔をしているのに、変態ちゃんなのね」
藤井以外に知られたことのない性癖を初対面の女性に指摘され、忍は愕然とする。得体の知れない恐怖に足が震える。
「ふふふ。まだ何もわかっていないのね。可哀想に」
異形の女性は立ち上がりカウンターから出てくると、忍の横に立つ。スラリとした長身だった。高いヒールを履いていることもあり、小柄な忍とは20センチ以上も身長差があるようだった。女性は怯えて立ちつくす忍の頬を、そっと撫で上げる。
「私はレッド。木村さんからあなたをよろしくって頼まれているの。たっぷり可愛がってあげるわ。ほら、あそこのカメラから、あなたの様子は全部、木村さんに見られているのよ」
レッドと名乗った女性は、店の天井に取りつけられたカメラを指さした。
「き、木村って、誰なんですか?」
忍は、レッドに尋ねる。
「そうか。まだ何も知らないんだもんね、忍ちゃんは。そのうちわかるわよ。面白い人よ。私は大好き」
レッドは意味深な笑顔を浮かべる。
「その木村という人は、どうして私たちにこんなにひどいことをするんですか?」
「さぁ......。私は頼まれただけだから。でも、たぶんあなたが可愛らしいから、苛めたくなっただけなんじゃないの?」
「そんな......」
レッドはカウンターの方を向き、大きな紙袋を取り出した。その中に入っている道具をカウンターの上に並べる。
「はい。これが木村さんに頼まれているもの。これがアナルバイブ、アナルプラグ、アナルスティックに肛門鏡。それから500ミリリットル入る浣腸器。浣腸液は、もう買ってきているのよね」
レッドが並べていく器具は、すべて肛門を責めるための道具だった。そのいくつかは藤井とのプレイで使われていて、忍にも見覚えがあった。
しかし、これほど大きな浣腸器は見たことが無かった。いつも藤井が使う100ミリリットルの浣腸器とは全く違う凶悪なまでの大きさだ。こんなものを使われたら、いったい自分はどうなってしまうのか。忍は思わず想像して震え上がった。
「あら、この浣腸器が気になるの? 大きいでしょ。でもあなたは浣腸マニアだから、これくらい入るものじゃないと満足できないんじゃないかって木村さん、言ってたわよ」
「そ、そんな......」
「本当に清純そうな顔してるのにね、忍ちゃん。でも人は見かけによらないっていうか、大人しそうな人ほど、すごい変態なのがこの世界の常識なのよね。だから、私みたいのが意外にまともだったりするのよ」
そう言いながらレッドは指先で忍の顎を持ち上げ、いきなり唇を重ねた。
「んんっ」
不意打ちのキスだった。同性の柔らかな唇の感触。突然のことに忍は頭が混乱し、身体が動かなくなってしまった。
レッドは舌先で忍の唇をなぞった。そして忍の唇を割って、中へと侵入させてくる。衝撃で固まってしまったかのような忍は、もうなすがままだった。頭の中が真っ白になり、何がなんだかわからない。レッドは強引に忍の舌を吸った。甘く妖しい味が忍の口の中に広がった。柔らかでヌメヌメとしたレッドの舌の感触は忍の魂を吸い取ってしまう。
え、私、どうなっているの? 頭の奥でもう一人の自分が慌てているのだが、身体は痺れてしまって全く動かない。
レッドは左腕で忍を強く抱きしめてキスしながら、右手で頬をなで続けている。長い爪の先を肌の上で滑らす。その絶妙なタッチが忍の官能を刺激する。
さっきからの異様な体験で高ぶっていた忍の身体は、少しの刺激でも激しく反応してしまう。下腹部が熱くなっているのが自分でもわかった。
忍が自分を受け入れ始めたことを確信したレッドは、さらに激しく舌をからめた。忍の口内を舌が這い回る。忍にとって愛する藤井とのキスもとろけるような甘美なものだったが、レッドのキスは、それとはまた違った麻薬のような快楽を与えてくる。身体から力が抜けてしまう。ぐったりとする忍の身体をレッドは強く抱きしめる。
レッドの舌先にもピアスが埋め込まれている。彼女は、その異物を上手に使った。柔らかな舌の感触と、ピアスの冷たい硬さを刺激として操り、忍の官能を高めていく。
そして、唾液とともに忍の口内へと送り込んだ媚薬の効果もあった。レッドの店で販売している東欧から輸入した薬物だ。科学的にはその効果は怪しいとも言われているが、少なくともレッドはこの媚薬を使って、これまでに失敗したことがない。
忍の意識が朦朧としてきたことを確認したレッドは、素早く手枷を取り出して、忍の両腕に巻き付けた。
「え、何を、するんですか......」
忍は抵抗しようとするが身体に力が入らない。レッドは手枷で繋いだ忍の両腕を高く持ち上げ、天井からぶら下がっている鎖に繋いだ。
「あ、いやっ」
忍はプレジャードームの店内で、両腕を揃えて掲げた姿勢で吊られてしまった。自分の身に何が起こったのか理解できない。ただ両腕を吊られる痛みだけがあった。
「さぁ、ショータイムの始まりよ」
レッドは忍に気づかれないようにカウンターの中のスイッチを押した。地上の階段外の看板の「OPEN」の文字が「CLOSE」に変わった。これでプレジャードームの店内は、密室のプレイルームとなったのだ。
(続く)
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著者=小林電人 長年夢見ていた自分の「理想のSMビデオ」を自主制作したことがきっかけで、AV&SM業界のはじっこに首をつっこむことになった都内在住の40代自営業。ひたすら羞恥責め、アナル責めを好み、70年代永井豪エッチ漫画の世界を愛する。これまでの監督作品として「1年S組 高橋真弓のおしおき」「同2」「穴牝奴〜町内会人妻肛虐倶楽部 」がある。以前、永井漫画をモチーフにした小説をネットに発表したことはあるが、オリジナルは本作が初めて。 |