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『S&Mスナイパー』1984年1月号 読者投稿小説
「オフィス・ラブは縄の味」
作= 飛鳥健
中年サラリーマンが体験する女性部下との禁断不倫体験。サディスティックな欲望を容赦なくぶつけて欲望の限りを尽くす男と、秘めていた欲望を否応なしに引き出されて懊悩する女。そのせめぎ合いの果てにあるものは……。『S&Mスナイパー』1984年1月号に掲載された読者投稿小説を、再編集の上で全6回に分けてお届けします。
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第一段階「落ちる……もうダメッ」

私の勤めるクレジット会社は業界でも中堅クラス。事務所の中には男女含め三十人ほどの人間がいる。

男女同数の割合である。私の部署は経理課だ。今年の春、やっと係長になれた。平社員だった頃は自分の机上の仕事に追われ、社内を見わたすこともできなかったが、係長になると結構余裕をもって眺められるものだ。

「係長、伝票の検印お願いします」

そう言って私のデスクまで歩いてきたのは、去年の春に新卒で入った遠藤由美。経理課に配属されてから三カ月目になる。中肉中背の、まあどこにでもいる女子事務員という感じの娘だ。

私は伝票を見て彼女のミスを指摘した。些細なミスではあったが、私の立場上のこともあり少し強めに注意すると、彼女は目に涙を浮かべて謝りだした。たちまち私の中に罪悪感が湧いてくる。そう言えば最近、彼女はずっと元気がないし、顔色も悪いので気にはしていたのだった。

注意を終えて彼女を机に返す時、そっとメモを手渡した。

「何か訳があるのだろう? 退社後、△△で待つ、必ず来るように」

これで果たして、来るであろうか。悩みつつ水割りを二杯空けたとき、心配が杞憂だったことが分かった。

「係長、遅れてすみません」

やはり心なしか元気がない。飲みながら何回も謝ってくる。酔うことを義務にしているように、立て続けにグラスを空ける。

「係長、聞いて欲しいことがあるんです」

やっぱり何かあったな……と私は内心でほくそえんだ。聞けば四年間付き合い、結婚を約束していた男に裏切られたとのこと。

「私も、もう25歳だし、そろそろと思っていたのに、もうだめだわ」
「まあ、過ぎ去ったことは早く忘れることだね、何も男は一人だけじゃないんだから……」

と、一応上司風の口をきいて肩に手を回す。私自身、いつから彼女に下心を抱き始めたのかよく分からなくなっていた。ただ、目の前で消沈している彼女を見ているうち、メラメラと征服欲が胸に湧き上がってきたのである。

その夜のことは、わざわざ事細かく書かなくてもご想像いただけるであろう。しとどに酔った彼女を「介抱」の名のもとにホテルへ連れ込み、おきまりのキス、おきまりのシャワー、そしておきまりのセックスをして、私と由美とは上司と部下の関係を超えて男女の仲になったのであった。

その後、何回か二人で飲みに行く機会を作り、セオリー通りに肉体関係を深めつつ、私は自分本来の欲望をそろそろ叶えたいと思うようになっていった。先に「征服欲」と書いた通り、私はごくノーマルなセックスだけで満足する男ではないのである。

最初のチャンスが訪れたのは、ちょうど由美の体の癖がおおむねわかってきた頃だった。

「私、最近便秘気味なの」

好機到来。私はかねてよりバッグに入れておいたイチヂク浣腸を取り出すと、由美に普段通りの愛撫をほどこしながら、隙を見てそれをアヌスに注入した。自分でもやや強引かと思われたが、私はもう我慢の限界にきていたのである。

「何入れたの!! なにをしたの」
「いやあ、由美が便秘気味と聞いたから、薬を入れてやったんだよ。少し我慢すると、便秘が治るよ」

そう言いながら、体をよじって自分の尻を確認しようとしている由美にもう一本注入してしまう。

「ちょっと待ってよ……んー、苦しい、苦しい! 早くトイレへ行かせて」

私は喘ぐ由美に全体重をかけて彼女を押さえつける。

「浣腸は我慢しないと、薬が効かないんだ。まだまだ行かせないぞ」
「だって出ちゃう。苦しいから早く行かせて」

内腿やお腹がブルブルと震えはじめ、顔は苦悶の表情、額からは脂汗が滲みだした。私はだんだん、悪魔のような気持ちになってきた。

「苦しいだろう由美。よく分かるよ。トイレに行かせてあげるから、一つ約束してくれないか?」
「や、約束ってなんですか? あぁ、もう我慢できない……」
「私の奴隷になると誓うんだ」
「ど……奴隷……ですか?」
「そう、奴隷だ。この意味が分かるね?」

由美も子供ではない。SMという言葉はもちろん知っていようし、その世界で言われる「奴隷」の意味もわかっているだろう。問題は彼女にマゾ性があるかどうかだが、私は恐らく「ある」だろうと踏んでいた。

「どうだい?」
「……」

たとえお腹が苦しくとも簡単には頷かない。ここで諦める男はサディストになることはできない。女に恥ずかしいことを言わせるには、やむを得ず言わざるを得なかったという言い訳ができるように、心の逃げ道を作ってやるのがS紳士というものである。

「誓わないと、こうだぞ」

私は由美のお腹を押して苦しみを倍化させた。

「あっ、あぁん、言うから押さないで、出ちゃうっ」

由美はかぶりを振りながら言い「わ……私は……係長の奴隷に……なります……」と真っ赤な顔で誓った。

「係長のいじわる。もう少しで出ちゃうとこだったわ」

トイレから戻ってきた由美の顔が上気している。

「でも、すっきりしたろ。三日分くらいたまっていたんだろうから。さ、約束を守ってもらおうか」

私はワセリンクリームを取り出した。由美の菊の蕾はピンク色の未開地である。ご主人様である私がそこをどうしようと文句は言わせない。

ヌプッ……と蕾の中心に押し当てた指を内部にまで押し込んでいく。その不思議な感覚に戸惑う由美は、腰をよじって指の侵入を妨げようとした。

「言うことを聞かないと、縛るぞ」
「だってそこは汚いないのよ……だめっだめっ」
「さっきの浣腸できれいになっているから大丈夫だよ。縛られたいのか?」

縛ると聞いて、由美も観念したらしく、しばらく目を大きく見開いた後、ガクリと体の力を抜いた。

クリームを付け直し、入念にアナルマッサージを施していく。まだ固い蕾をほぐすように指の腹で揉み込んでいくと、由美は「あっ、あっ」と可愛らしい声をあげた。

「由美、いやだいやだと言いながら、あっちのほうはビショビショだぜ。何だこのざまは」
「おねがい、お尻はもう許して。するんだったら前のほうでして」

息も絶え絶えに訴えてくる。そんな由美を後ろ向きにさせ、四つん這いにして腰を上げさせた。由美の顔は布団の中にうずもれている。

さすがにいきなりアヌスを犯すわけにもいかない。私は「いくぞ」と言い置いて、由美の秘花に怒漲を突き入れながら、同時に指でアヌスを貫いた。

「あ、あっゆるして、そこは……いやあっ」

叫ぶ由美に構わず腰を突き入れ、同じリズムでアヌスの指も出し入れしていく。その指は柔襞一枚で怒漲とこすれあった。

後背位そのものは由美と何度もしていたが、この時の由美の乱れ方は違った。背中にびっしょりと汗をかき、胴をよじり背をそらせて、腰ごと私の体にぶつかってくる。

溢れた愛液はもう下股を通りこして、膝までベトベトに濡らしている。私はその反応を見てアヌスの指をゆっくりと抽送しながら、さらに直腸粘膜を揉み込んでいった。

「あぁ……落ちる……落ちる……もうダメッ……」

由美の腰がひきつけを起こしたように痙攣し、そのままガクガクと崩れた。そこでアヌスの指を抜くと、今度は怒漲の入っている秘花がギュウッと締まってペニスが圧迫された。それでも尚、怒張を深く律動させると、亀頭の先に子宮を感じ、それが私から水分を絞り取るように強く締めつけてくるのが分かった。

「ああっ……もうっ、もうっ……くうぅ……」

やっと由美の腰の動きが止まったので、今度は仰向けに横たえると、由美の全身は桜色に上気しきっていた。瞳には涙を浮かべている。私は肩で息をしている由美の両脚を肩にのせ、未だ発射していない怒張をアヌスの蕾にあてがった。

この日にここまでするつもりはなかったのだが、由美の反応を見て気が変わった。事実、由美は観念したのか、諦めたのか、あるいは期待しているのか、目をつむったまま何も言わずに息を乱している。

私はまだ硬い蕾の頂点に亀頭を少しずつめり込ませ、カリ首がすっぽり埋まったところで抽送を開始した。

「あっ……痛いっ、痛いっ、止めて、ああ……」
「由美、お尻の力を抜くんだ。少しは痛くなくなる」
「だめ、だめ、ああっ……」
「さすがにすごい締めつけだ。爆発しそうだよ」

由美は蕾をメチメチと軋ませ、苦しそうに呻く。抽送するたびに顎をつき上げ、咽喉の奥から声を絞り出す。怒漲全体が完全に埋まると、熱く締つける直腸襞の圧迫が私を次第に追い込んでくる。

「由美、もう全部入ったよ。どうだお尻を犯される感想は」
「あっあっもう、だめっ」

由美がそう答えた瞬間、私は熱い樹液を内部に放った。そして肩から由美の両脚を落とすと、恍惚然とした由美の唇を貧った。

(続く)

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