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『S&Mスナイパー』1986年11月〜1987年1月号 読者投稿手記
「元女王様、マゾ転向を遂げる」
「元女王様、マゾ転向を遂げる」
M性に目覚めた女王様がとった行動、それはSM雑誌の編集部に電話かけて、自らマゾのプレイモデルに志願することだった――。戸惑いの中で縄を受け入れ、初めて責められる立場になった女性の心と身体に起きた変化とは。『S&Mスナイパー』1986年11月〜1987年1月号に3度に分けて掲載された体験告白を再編集の上でお届けしています。
待ちに待った3度目のプレイの日が来ました。もう正直に言ってしまいます。私は、あのたった2回のMプレイで、骨の髄までM女になり果ててしまったのです。
その証拠に、前日までの私は以前の私とはまるで別人。いつものようにMの彼が部屋に来て、その体に痣がつくほど鞭をふり下ろしても、あの次から次へと湧き起こるはずの昂ぶりが、どうしても感じられないのです。
それを彼に悟られないために一層過激なプレイに走ったりもして……。
でも、敏感な彼が、そんな私の変化に気が付かないはずはありません。レイプ小説ならいざ知らず、“信頼”という基本的な線上でSMプレイを楽しんできた私たちにとって、これはまさに崩壊の序曲。3カ月前に編集部に電話をかけた時には全く考えてもみなかったことでした。
Xさんが私の目の前に立ちはだかります。背の高いXさんに鋭い眼光で射すくめられながら、私は一枚ずつ、着衣を自らの手で脱ぎ捨てていきました。
肌がヒヤリと粟立ち、首から胸の谷間へと無言のままに縄を受けていく私は、その場に凍りついたかのように動けませんでした。急所急所に喰い込むように計算されつくした亀甲縛り。きりきりと固い結び目が肉を痛めつけ、私は言葉にならない声を上げます。
そして早くも、じわじわと這い上がってくるあの快感。
Xさんは、恥ずかしさからそむけようとした私の顎を押さえ、レンズの前に引き立てます。
「フラッシュで燃えるんだろう? 見られたがり、見せたがりのオマ○コは。殊勝なふりをしたって、もうあの匂いがプンプンしているんだ。ご主人様によーくアソコを見せてみろ!」
Xさんの容赦のない指が、縄に貼りついたパンテイを引き下ろし、刹那「ああっ」と悲鳴を漏らした私は、次の瞬間蹴られて床に転がります。
「牝犬! 這いつくぼって何をして欲しいのか言ってみろ」
「もっと……もっと叱ってください、お願いします。私は悪い女なんです」
私はいざりのようにXさんの足先ににじり寄り、奉仕の術を求めます。
「起き上がったらケツの穴が見えないだろう」
Xさんは再度、私を転がします。私は「いやです。こんな格好、いやです……」と繰り返しながらも、俯せになったまま、発情した牝大のように、剥き出しのお尻をXさんの前に掲げていきました。
「ほう、女王様は自分のアヌスをご使用になったことはないらしい。おい、カメラ、ここ1枚」
「あ、いや、そこは!」
身をよじる間もなく、閃光が走り、私は全身の血が逆流するような羞恥を覚えました。
Xさんは私のお尻の肉を無造作に掴み、双丘に隠れたアヌスを晒しては、カメラに収めさせていきます。
「女王様。他人にやるばっかりじゃあ、本当の快感とは言えないだろ?」
もちろん、私にはXさんが何をしようとしているのか、手に取るように判ります。いつも自分がしていること。でも、でも、この私があれを我が身に受けるなんて……。
ヌルリとした冷たい感触が、ポトリ、ボトリとアヌスに垂れ落ちてきます。
「ああっ、やめてください、いやっ!!」
私は這いつくぼりながら、Xさんがニタニタ笑いつつ乳液を落としている姿を想像し、悲鳴を挙げました。
その時です、私の耳にヴィンヴィンという、あの忌わしい電気音が響いてきました。
恐る恐る振り向いてみると、そこにあるのは黒い鎌首をくねくねとうねらせた、バイブレーターの卑猥なてかり。
「ヒ、ヒイッ!」
私は今度こそ逃げようとしました。絶対に痛いに決まっているのです。
「や、やめて、お願い、あ、ああ……」
私は髪をグイと引っ張られ、もんどり打ってXさんの足元に倒れ込みます。
「恐いのか? そうじゃないだろう? 恐い恐いと言いながら、一度は試してみたいとウズウズしているんだろう? え?」
Xさんにピシャリと言い放たれて、私はハッと気が付きました。そう、私は男の尻にバイブレーターを突っ込む時、彼らの身悶える姿に嫉妬を感じていたのです。
それは私には未知の快感でした。自分の知らない快感にのたうち回る男たちの姿は、私に知らず知らず“一度はアヌスを試してみたい……私も……”そう思わせるようになっていたのです。
ただ、今まではチャンスがなかっただけ……。
私はXさんの視線が、そんな私の心の奥を見透かすようにこちらの瞳を覗き込んでいることを知って、心ならずも狼狽しました。
「い、いやで……」
小さく首を振った私の声は、ほとんど力がなく、もう全て認めているも同じこと。それでもXさんはバイブレーターを弄びながら、「何が嫌なんだ? どうされるのが嫌なんだい?」と意地悪く問いつめてきます。
ああ、その瞬間です。私はなんということを口走ってしまったのでしょう。
「パイブなんかいや! あなたの、あなたの生のモノが欲しいんです!」
ああ、そうなのです。一度、口に出してしまったら、その言葉でまた次の炎が燃え上がってしまうのがマゾというもの……。私が求めているのは、Xさんの生の感触。最初の約束通り縛りだけのソフトSMで、服を脱ごうともせずに私をいたぶり続けるXさんが、いつしか狂おしいほどに欲しくなっていたのです。
この後の出来事は、敢えて書くまでもないことです。ただ、一言、Xさんと私の名誉のためにつけ加えるとすれば、Xさんは本職のモデルではない私との約束を忠実に守り、結局最後まで自身を剥き出しにすることはありませんでした。
逆にそのせいで、私は性の業火に投げこまれ、じらされ、いやというほどM女の悦びを刻み込まされてしまったのですが……。
こうして、私の3回に渡るM体験は幕を閉じました。数年、Sの女王として君臨し、SMプレイに関してはエキスパートであるかのように自負していた私。それがいかにSMの半面しか見ていなかったのかと、今更ながらおののかされるのです。
考えてみれば私の性は、そんなことの繰り返しでした。17歳での処女喪失から21歳の春まで、ただがむしゃらなだけのSEXしか知らなかった私は、14歳年上の、女の体を知り尽くした男に出会い、あっさりと恋人を捨てました。
その男とも7年間の夫婦生活の末、結局不倫相手に教えられたSMプレイに溺れて別れることになりました。
ひとつ、またひとつと目新しい刺激に触れるたび、色を全て塗りつぶして変わっていき、今またM女の悦びを新たに知ってしまった私。貪欲なまでに性を追求してしまう私は、いったい、どこへ行くのでしょう――。
文=木原玲子34歳(仮名)
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