ショーSM界のパイオニア長田英吉を師匠に持つドイツ人緊縛師長田スティーブ。金髪碧眼、その大きな体で見せるショーは非常にダイナミック。また流派などにこだわらず熱心に緊縛術を学ぶことでも知られるが、はたしてそんな彼にはどんな時代が見えているのだろうか。 |
師匠を失った長田スティーブ。
いまも独りで緊縛を探求し続けている。
――2004年の春、明智さんから教えを受けていたとのことですが。
長:年末までね。体調が悪くなってしまったから。実は長田先生が生きていた頃にも、明智先生に教えてもらう機会があったんだ。でもそのときは豚に真珠(笑)。もの凄く細かい縄で訳がわからなかった。だから自分が進歩したらもう一回キチンと習おうって思ってたんだ。その後、自分が進歩してるのはわかってたけど、ついていくのが大変だった。明智先生の縛り方は本当に細かくて複雑で難しいんだよ。先生のショーでも、お客さんは女の子の表情や体を見てるんだろうけど、裏で先生は非常に細かい仕事をしてるんだ。だから吊りでも長時間吊っていられる。お客さんから見えない部分が、全体的なパフォーマンスにとって非常に大事なんだよね。
――明智さんから学ぶことに限らず、あなたは色んな人とセッションしてますよね。そうすることでいったい何を探してるんですか。そして何を手に入れたんでしょうか。
長:やっぱり第一は勉強することだ。乱田さんも観察したよ。ある時期はほとんどのショーを見てたんじゃないかな。10年前の自分には形だけが見えた。オッパイと縄しか見えなかった(笑)。でも長く勉強すると、それ以外のことがわかってくる。前は建物全体しか見えなかったけど、今はレンガが見える。ひとつひとつの細かい部分が見えるようになったんだ。観察が上手になると、誰の縄を見ていても楽しいよ。たとえアマチュアの縄でもね。だから色んなところに行って勉強してるんだ。
(続く)
インタビュー=編集部・五十嵐彰 通訳=alice liddell
※この記事はS&Mスナイパー2006年1月号に掲載された記事の再掲です。
長田スティーブ ドイツ出身。1988年にフォトジャーナリストとして来日。1998年、長田英吉氏と初めて出会い、その後師事。2001年、長田英吉が永眠すると、生前伝えられていた師匠の希望通り長田性を襲名、緊縛師・長田スティーブとしての活動を開始して現在に至る。
関連リンク
長田スティーブ公式サイト=http://www.osadasteve.com/