毎週土曜日更新! The dancing girls are in full bloom at their best.
咲きほころぶ踊り子たちの肖像 舞姫爛漫 第7回 「金城ちさと」 【1】
写真・文・インタビュー=インベカヲリ★
モデル=金城ちさと
ストリップ劇場でのストリップショー。黄金時代は過ぎたといえ、根強いファンはいまも劇場に通っています。そして踊り子たちもまた踊り続けているのです。そんな彼女たちの姿を追う「舞姫爛漫」第7回となる今回からは、金城ちさとさんが登場です!
人と喋るときは、話をする前に頭の中に活字が浮かぶんですよ
それを読んでからじゃないと言葉を発せられない
それを読んでからじゃないと言葉を発せられない
小麦色のいじめられっ子
「小学校でいじめられてた理由は、色が黒かったからですね」
そう言われて驚いた。 金城ちさとの肌は小麦色で、こんなに綺麗に焼けているのは、きっと日焼けサロンに通っているからなんだろうと思っていた。
「お爺ちゃんお婆ちゃんが沖縄の人なので、隔世遺伝ですね。家族でも地黒は私だけ。夏場になるともっと黒くなりますよ」
沖縄の血を引きながら東京で育った金城ちさとは、色黒なことでクラスメイトからいじめられた。「インド人、インド人」と言われ、気付けば一人ぼっちになっていた。
「言い返す根性がなかったから、だまって口つぐんじゃうみたいな。だから中学生になるまでは、クラスでも仲の良い子とかあまりいないし、友達を作らなかったようなところがある。自分はちょっと違うラインにいるんだって、自ら線引いてはみだしちゃうみたいな」
「人と一線を置くスタンスを取ってたんですよ。アニメオタクも叩かれてた時期だから、だったら私はオタクになってやる!みたいな」
そう言うと、金城ちさとはエヘヘと笑い、カルーアミルクを飲んだ。さっきからずっと、軽いお酒を注文し飲み続けている。
「中学でもいじめられてて、高校に入るときになんとか頑張ろうと思ったけど、やっぱりコミュニケーションを上手いことやってこなかったから、そんなに友達は作れなかったですね。仲が良かったのは、同人誌を作ってた女の子とかで(笑)。今もコミュニケーションは苦手だけど、昔はもっと酷かった。人と喋るときは、話をする前に頭の中に活字が浮かぶんですよ。それを読んでからじゃないと言葉を発せられない。ここに書いた台詞を言うぞ、みたいに気合入れないと」
彼女は持参してきたメモを広げると、「わかんないんですよ私も。自分がどうやって生きてきたんだか」とつぶやいた。メモには今までの人生でやってきたことが羅列されていた。
(続く)
金城ちさと
新宿TSミュージック所属。2003年08月21日デビュー。小麦色に焼けた肌と親しみやすい笑顔で、タッチショーも行なっている。自身のルーツが沖縄にあることもあり、沖縄地方でお盆の時期に踊られる「エイサー」を演目に取り入れ、ステージ上で大きな太鼓を用いることもある。
香盤情報
諏訪フランス座
6月1日-10日
ナニワミュージック
6月11日-20日
新宿TSミュージック
8月1日-10日 撮影=インベカヲリ★
モデル=金城ちさと
取材協力=新宿TSミュージック
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インベカヲリ★ 東京生まれ。編集プロダクション、映像制作会社勤務を経てフリー。写真、文筆、映像など多方面で活動中。著書に「取り扱い注意な女たち」。趣味は裁判傍聴。ホームページでは写真作品を随時アップ中。 インベカヲリ★ http://www.inbekawori.com/ |
08.06.07更新 |
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