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Alice who wishes confinement
私の居場所はどこにあるの――女児誘拐の不穏なニュースを観ながら倒錯した欲望に駆られた女子高生が体験する、エロティックでキケンで悩み多き冒険。理想と現実の狭間で揺れ動く乙女心とアブノーマルな性の交点に生まれる現代のロリータ・ファンタジー。オナニーマエストロ遠藤遊佐の作家デビュー作品!!全裸で後ろ手に縛られ、ちんまりとうつむいているまゆりの隣で、タナベは黙々と夕飯を食べている。
コンビニの幕の内弁当に缶ビール。大の男の胃にはそれだけでは足りないらしく、テーブルの上にはあんパンとメロンパンも置いてある。
昨日からまる一日以上食事をとらせてもらっていないまゆりは「もしかしたらどちらかのパンは自分の分かもしれない」と淡い期待を抱いたが、タナベはそんなの知ったことかと言わんばかりに弁当をがっつき、見せつけるかのように2つのパンにかぶりついた。
ゆっくり味わうこともせず食物をビールで胃袋に流し込む仕草が、いかにも寂しい独身男といった感じだ。きっとまゆりがこの家に来る前は、こんな食事風景が彼の日常だったに違いない。
帰宅は10時過ぎだった。酒に酔っているわけでもないところを見ると、珍しく残業だったのだろうか。それとも昨夜の怒りが治まらず、どこかで時間をつぶしてきたのか……。気になったけれど、こちらから尋ねるのはためらわれた。なぜなら、帰ってきてからタナベは一度もまゆりの顔を見ず、黙りこくったままだからだ。
彩りのない食事を10分ほどで終えると彼はビールをもう一本開け、食べかすを片付けることもしないまま床に横になった。身につけているのは、いつも会社から帰ると着替える胸元全開シャツではなく、ゴムの伸びきったスウェットパンツにヨレヨレのTシャツ。こんなだらしのない姿は今まで見たことがない。
昨夜言っていたとおり、まゆりを“大切なお客様”として扱うのはやめたということなのだろう。
ほろ酔い加減になりリラックスしてきたのか、ビールをちびちび飲みながらタナベはようやく口を開いた。
「……しかし、君もバカだよなあ、今になって逃げようとするなんて。あともう少し猫をかぶっていれば全てうまくいったのに」
――え?
まゆりは顔を上げたが、タナベの視線が自分の胸元にじっと注がれているのに気づき、あわてて目をそらす。
「僕は4月の頭には、仕事の都合でここを引き払って遠くへ行くことになってるんだ。それまで大人しくままごと遊びを続けていれば、何事もなくそのまま解放されてたんだよ。そりゃあ最初は調教して肉奴隷にしたいと思ってたけど、なかなかうまくいかないし、最近はセックスなんてしなくても若くて可愛い女の子と一緒に過ごせるだけで幸せだって気持ちになりかけてた。そうなれば君にとっては好都合だったんだろうけど、そうはいかなかったってことさ。ふふ、ご愁傷さま」
――ち、ちょっと待って。何よそれ。掲示板の書き込みでは「一生監禁してやる、逃がさない」って言ってたじゃない。だからこそあなたに監禁されようと思ったのに……結局は、ほんの一瞬欲望が満たせればいいってこと?
泣きそうな顔で唇を噛むのを見て、調子に乗ったタナベはさらに続ける。まゆりが無傷で解放されるチャンスを逃してショックを受けたと思っているのだ。
「タイムリミットまであと3週間だったのにな。残念だけど仕方がないよ、君が悪いんだからね。覆水盆に返らずってことわざを知ってるだろ? バカにされてたってわかったからにはもう我慢しない。こうなったらやってみたかったことを全部やらせてもらうから覚悟しておくんだな。まあ、大事にされてもオモチャにされても、4月になればオサラバなんだから同じことだろ?」
――結局、男なんてみんなこうなんだ……。お姉ちゃんがよく「男の言うことなんて話半分で聞いとくくらいじゃなきゃ」って言ってたけど、ほんとだわ!
タナベが、グビリと大げさに喉を鳴らして缶ビールを煽る。
「それじゃ、今日は何をして遊ぼうか。そうだ、オナニーしてみせてくれないかな」
「イヤです!」
まゆりは即座に答えた。そんな恥ずかしいことできるわけがない。確かに一人でいるときは昨夜のことを思い返して甘い興奮に浸っていたけれど、それとこれとは話が別である。
タナベの思いがけない言葉も、彼女を頑なにさせていた。そりゃあ、ひきこもりの自分が現役女子校生のフリをして監禁されたのは騙していたことになるのかもしれないけれど、だったらそっちだって同じじゃないか。
――4月までの腰掛け監禁だなんて聞いてなかったわ。一生面倒見るって言ってたくせに!
なぜか結婚詐欺師にでもあったような気分になっているまゆりをよそに、タナベはニヤニヤしながら続ける。
「いいじゃないか、減るもんじゃなし。どうせ家じゃ毎晩やってたんだろ? 昨夜だってあんなにグチョグチョに濡らしてたじゃあないか。欲求不満なら早く言ってくれればよかったのに」
「……もうやめてください!」
「ああ、そうか。タダで見せるわけにはいかないって言うんだね。ははは、さすが売女だ。よし、じゃあ、君の得意な交換条件方式でいくとしよう。家でやってるのと同じようにオナニーして見せてくれたら、明日の朝には朝食を用意してあげる。プレイの後にすぐがっつかれたんじゃあんまり露骨でムードがないからな。それでどうだい?」
「……い、イヤです……」
まゆりは声を振り絞るようにして答えた。魅力的な申し出だったが、それをすれば自分が本当に惨めになる。
「ふん、強情な女だな。今さら恥ずかしがることもないだろうに。ははぁん、もしかして昨夜みたいに僕にしてほしいのかい?」
「……」
悔しさと恥ずかしさとで、声も出ない。返事のかわりにキッと睨みつける。
「自分でするか、してほしいのか、どっちなのかはっきりしろよ! 僕はロリコンの変態だけど一応社会人なんだ、家で一日中寝っ転がってる君と違って明日も朝から会社に行かなきゃならない。いつまでも悠長に遊んでる暇はないんだよ」
僕は社会人なんだ……一日中家にいる君と違って……。
偶然発せられた言葉だったが、ひきこもり少女の小さな胸を傷つけるには十分だった。ダメ、このままじゃ大声で泣いてしまいそう。そんなみっともないこと耐えられない。まゆりは心を決めた。
「ほら、どっち?」
「……して……ください」
「ふふふ。聞こえないよ、はっきり言いなさい。どうして欲しいって?」
「昨日みたいに、気持よくしてください……」
「違うだろ。『昨日みたいに私のいやらしい処女マンをペロペロしてください』だろ」
いやらしいグチュグチュの処女マンをペロペロしてください。
欲しがってるスケベなオマンコ見てください。
おじさまの舌でたくさんイカせてください。
Sっ気全開のロリコン男に何度も卑猥なおねだりをさせられた後、昨夜と同じように足を大きくM字に開いたポーズでクンニされ、乳首を吸われた。耳の穴から首筋、脇腹まで全身をねっとりと舐め回され、まゆりはたまらず喘ぎ声をあげる。気持ちよくて怖くなるほどだ。
ロリコンの変態といいながらも、タナベの舌遣いは驚くほど巧みなのだ。
羞恥心を煽るのもやけにうまく、アソコを舐めている最中に自分の目を見ろと指示したり、嫌がる少女の手をとって濡れた股間を無理矢理触らせたりする。
「ほぅら、いくらキレイに舐めとってもいやらしいヌルヌルが次々出てくる。まるでオシッコ漏らしたみたいだぞ」
恐る恐る触ると、確かにお尻のほうまで愛液が滴っている。こんなことは初めてだった。顔から火が出る思いだったけれど、そうしているうちに、この男と秘密を共有しているという甘い思いも芽生えてくるのだ。
まゆりが激しい絶頂を迎え“今日の遊び”が終わると、タナベは満足したように「明日も早いからな」と言いながらテーブルの上の食べかすをそそくさとゴミ袋に捨て始めた。
しかし、ふと思いついたように動きを止めると、
「これ、食べろよ」
と幕の内弁当を目の前に置いた。ご飯が3分の1ほどと、きんぴらや漬物が少し残っている。
「……ありがとう」
あんな恥ずかしい思いをした後なのに、思わず感謝の言葉が口をついて出る。冷たいご飯ときんぴらの甘辛い味が口の中に広がり、少し幸せを感じた。
監禁されて、こんなひどい目にあわされてるのに――。まゆりは自分がわからなくなった。
背中を丸め、食べ残しのコンビニ弁当をボソボソと口に運ぶ少女の姿を見て、タナベはなぜか今まで感じたことのない不思議な安心感を覚えた。
案外淋しい子なのかもしれない。そう、自分と同じように。
裏切られたことにカッとなり、ずる賢い小娘だと決めつけてしまったけれど、何か訳があるんじゃないかとふと思った。確かに、これまでの監禁生活を思い返してみても、彼女が逃げようなんてそぶりを見せたことは一度もない。いくら好みの食事や大型地デジテレビを与えたからといって、あの年頃のまともな女の子が誘拐されたまま家に帰りたがらないなんてことがあるだろうか――。
しかし、そんな情け心も、鼻先に残る甘酸っぱいまゆりの愛液の匂いを嗅ぐといっぺんに吹き飛ばされてしまう。
――もう、優しいだけのいい人に戻るなんてできるものか。
20年以上もの間、焦がれてきた美少女の肉体がすぐそこにある。死ぬまで叶えられることはないだろうと思っていた欲望を満たすチャンスなのだ。余計なことは考えるな。そう自分を奮い立たせる。
ひどい男だと思われてもいい。今はこの瞬間を味わうだけだ。
二階の書斎には、あてもないまま密かに収集していたオモチャやSMグッズが山のように眠っている。
――明日は何を使ってやろう。アソコの毛を剃って楽しむのもいいかもしれない。
そう考えただけで下半身に力がみなぎってきた。どうしたってあと3週間でオサラバなのだ。夢の時間をフル活用しなくては罰が当たるというものだろう。
タナベは頭の中に卑猥な形のバイブや最新型のローターをずらりと並べると、これからの楽しい夜遊びの計画を立て始めた。
(続く)
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