『宝島30』1994年11月号/宝島社
「大島清インタビュー 性は生なり、性は脳なり」(インタビュー/構成・青山正明)収録
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「東京公司」は最初は受験情報誌『TORU』など、おおよそアンダーグラウンド/サブカルチャーとは関係のない雑誌の編集を行なっていたが、流石にこれだけではダメだと悟ったのか、『エキセントリック』の特集部分だけを掘り下げた海外旅行ネタで一冊できないかと、自分達から宝島社に企画を売り込みに行く。
これは1992年7月に『別冊宝島EX タイ読本』としてまとめられた。内容のいくつかは『エキセントリック』の最終号とかぶっているが、タイの裏社会的・実利的な部分のみを抽出した「本格的な」ガイドブックとしては本邦初で、何十刷も重ねた大ヒット作となった。翌93年には『別冊宝島EX 裏ハワイ読本』というハワイ版のガイドブックを出し、こちらもよく売れた。
宝島社のヒットメーカーとなった東京公司は、同時に「別冊宝島」のムックシリーズや、『宝島30』の企画編集を行うようになる。別冊宝島で関わっているものは「(172)決定版!エイズを生きる本」「(173)気持ちいいクスリ」「(191)薬のウラがわかる本」「(197)裏ギャンブルの世界」などドラッグ・裏社会路線。宝島30では「ロリータの時代」「性は生なり、性は脳なり」などアダルト寄りな印象である。『宝島』がヘアヌード・ブームにのっかりエロ本化していった時に、旧来の『宝島』が担っていた若者/サブカルチャー路線を代わりに保持していたのが『別冊宝島』と『宝島30』で、どちらも90年代サブカルチャー史を辿る時に重要な存在だろう。
なお東京公司は途中で一度バラけてしまったそうだが、やはり一人一人で仕事をするよりはまとまって仕事を受注した方が効率がいいということで再び集まり、宝島社以外のメイン・クライアントを探すことになったそうだ(註・この辺りの前後関係は曖昧)。その時に候補として上がったのが、のちのち長い付き合いになるデータハウスだった。
『別冊宝島WT タイ読本 絶対保存版!』
1992年8月22日発行/宝島社
1992年8月22日発行。最初は別冊宝島EXだったが、人気だった為に旅行に特化したWTシリーズにも収録された(改訂なし)。本書掲載の東京公司のプロフィールは以下。「青山正明・吉永嘉明・門脇秀臣・和田啓志の四人からなる企画・編集・ライター集団。元々、幻のカルト雑誌『エキセントリック』の編集メンバーだったが、バブル崩壊とともに廃刊。以後、別冊宝島などを中心に企画・編集・取材・執筆に日々奔走する。単行本、雑誌、テレビなど媒体を選ばず仕事をこなすが、この不況で広告関係などの(おいしい)仕事が減り、コストパフォーマンスの悪さに四苦八苦。得意ジャンルはアンダーグラウンド・カルチャーと格闘技。でも、学年誌、ビジネス本、エロ本からテレビの企画までよろず承りますので業界のみなさん、お仕事よろしくネ♥」。
『宝島30』1994年9月号/宝島社
特集「ロリータの時代」の企画・編集協力クレジットに東京公司の名前がある。芸能・映画・音楽・コミック・パソゲーなど多ジャンルにおけるロリータネタを横断的に紹介。以下見出し。「鼎談・受験と女権とロリータ文化(青山正明・志水一夫・斉田石也)」「芸能ロリータの正しい鑑賞法(宝泉薫)」「安達祐実人気に日本的ロリータ趣味の王道を見た!(ナンシー関)」「銀幕の麗しきロリータたち(吉永嘉明)」「コミックス・ロリータBEST10(山田高志)」「巨乳ロリータは、ガキ・カルチャーのシンボルだ!(永山薫)」「ロリータ・ポップスの魅惑(吉永嘉明)」「少女性と大きなブレスが基本(サリー久保田)」「ロリータ・イン・エキゾティカ(五庵保典)」「ロリータをめぐる冒険(青山正明)」「真正ロリコン列伝(青山正明)」。
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新宿アンダーグラウンドの残影 〜モダンアートのある60年代〜
【プロローグ】 【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【本文註釈・参考文献】
「大島清インタビュー 性は生なり、性は脳なり」(インタビュー/構成・青山正明)収録
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「東京公司」は最初は受験情報誌『TORU』など、おおよそアンダーグラウンド/サブカルチャーとは関係のない雑誌の編集を行なっていたが、流石にこれだけではダメだと悟ったのか、『エキセントリック』の特集部分だけを掘り下げた海外旅行ネタで一冊できないかと、自分達から宝島社に企画を売り込みに行く。
これは1992年7月に『別冊宝島EX タイ読本』としてまとめられた。内容のいくつかは『エキセントリック』の最終号とかぶっているが、タイの裏社会的・実利的な部分のみを抽出した「本格的な」ガイドブックとしては本邦初で、何十刷も重ねた大ヒット作となった。翌93年には『別冊宝島EX 裏ハワイ読本』というハワイ版のガイドブックを出し、こちらもよく売れた。
宝島社のヒットメーカーとなった東京公司は、同時に「別冊宝島」のムックシリーズや、『宝島30』の企画編集を行うようになる。別冊宝島で関わっているものは「(172)決定版!エイズを生きる本」「(173)気持ちいいクスリ」「(191)薬のウラがわかる本」「(197)裏ギャンブルの世界」などドラッグ・裏社会路線。宝島30では「ロリータの時代」「性は生なり、性は脳なり」などアダルト寄りな印象である。『宝島』がヘアヌード・ブームにのっかりエロ本化していった時に、旧来の『宝島』が担っていた若者/サブカルチャー路線を代わりに保持していたのが『別冊宝島』と『宝島30』で、どちらも90年代サブカルチャー史を辿る時に重要な存在だろう。
なお東京公司は途中で一度バラけてしまったそうだが、やはり一人一人で仕事をするよりはまとまって仕事を受注した方が効率がいいということで再び集まり、宝島社以外のメイン・クライアントを探すことになったそうだ(註・この辺りの前後関係は曖昧)。その時に候補として上がったのが、のちのち長い付き合いになるデータハウスだった。
『別冊宝島WT タイ読本 絶対保存版!』
1992年8月22日発行/宝島社
1992年8月22日発行。最初は別冊宝島EXだったが、人気だった為に旅行に特化したWTシリーズにも収録された(改訂なし)。本書掲載の東京公司のプロフィールは以下。「青山正明・吉永嘉明・門脇秀臣・和田啓志の四人からなる企画・編集・ライター集団。元々、幻のカルト雑誌『エキセントリック』の編集メンバーだったが、バブル崩壊とともに廃刊。以後、別冊宝島などを中心に企画・編集・取材・執筆に日々奔走する。単行本、雑誌、テレビなど媒体を選ばず仕事をこなすが、この不況で広告関係などの(おいしい)仕事が減り、コストパフォーマンスの悪さに四苦八苦。得意ジャンルはアンダーグラウンド・カルチャーと格闘技。でも、学年誌、ビジネス本、エロ本からテレビの企画までよろず承りますので業界のみなさん、お仕事よろしくネ♥」。
『宝島30』1994年9月号/宝島社
特集「ロリータの時代」の企画・編集協力クレジットに東京公司の名前がある。芸能・映画・音楽・コミック・パソゲーなど多ジャンルにおけるロリータネタを横断的に紹介。以下見出し。「鼎談・受験と女権とロリータ文化(青山正明・志水一夫・斉田石也)」「芸能ロリータの正しい鑑賞法(宝泉薫)」「安達祐実人気に日本的ロリータ趣味の王道を見た!(ナンシー関)」「銀幕の麗しきロリータたち(吉永嘉明)」「コミックス・ロリータBEST10(山田高志)」「巨乳ロリータは、ガキ・カルチャーのシンボルだ!(永山薫)」「ロリータ・ポップスの魅惑(吉永嘉明)」「少女性と大きなブレスが基本(サリー久保田)」「ロリータ・イン・エキゾティカ(五庵保典)」「ロリータをめぐる冒険(青山正明)」「真正ロリコン列伝(青山正明)」。
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ばるぼら ネットワーカー。周辺文化研究家&古雑誌収集家。著書に『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』『ウェブアニメーション大百科』など。なんともいえないミニコミを制作中。
「www.jarchive.org」 http://www.jarchive.org/ |
08.07.13更新 |
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