『DEEP SPECIAL』1986年6月号(No.15)/ 発行=大亜出版
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『DEEP SPECIAL』における青山正明
以前触れたかもしれないが、『DEEP SPECIAL』(大亜出版)というエロ本でも青山は定期的に登場している。『DEEP SPECIAL』は1985年に創刊した海外ポルノ情報誌で、同出版社から出ている『BACHELOR』が洋物巨乳専門誌であるのに対し、より網羅的な情報が中心となっている。横書きのエロ本というのはなかなか新鮮だ。今回はそれをかいつまんで見ていきたい。
『DEEP SPECIAL』1986年1月号
「幼児ポルノ&幼児嗜好」という3ページの記事を執筆。「現在世界中で問題になっているチャイルド・ポルノ(幼児ポルノ)とペドフィリア(幼女嗜好)について考える!」と題した、米国・欧州・日本におけるチャイルド・ポルノの歴史と実態を解説。いたってまじめな(普通な)内容。「栄養摂取量の欧米化に伴い、肉体的には14〜15歳で大人という高校生も多い昨今、受験の抑圧と、豊富な自慰材料(カキネタ)によって、彼らのオナニーは、性向以上の快楽として完成されてしまっている。しかし、大学に入り、実際の女性と付き合おうと思うと、その術が全く分らない。そして、カキネタのごとく、我が意の思うままになる子供へと、欲望の対象を下げて行く……」。(青山の初登場はこの号ではないので注意)
『DEEP SPECIAL』1986年5月号
青山による連載「sexology」が掲載されており、何回目かは不明だが(4回目?)この号は「口唇はすべてに通じる濡れた扉」というコラム。様々なフェチ的題材を取り上げ、歴史や実態を解説していくスタイルで、何かの資料の引き写しなのかは判らないが、力が入っている。「私も以前、家で飼っていたシャム猫(雌)に亀頭を舐めさせた事がある(略)だが、猫の舌はザラザラしているので少々痛い。この次は雌犬で試してみよう……」。
『DEEP SPECIAL』1986年10月号
「研究:彷徨する異種性愛者たち/第三の性の実態を探る」。トランセクシャル、トランス・ジェンダー、シーメイル、女装などを4ページにわたって解説。現在からするとマジメすぎて面白みにかけるかもしれない。
『DEEP SPECIAL』1987年12月号
「ビデオ・ファナティック遊撃レビュー/Jaywalker's SIGNAL」という1ページ連載でビデオを紹介している。「独自のリフレクション・ワールドを貫き通すマルコ・フェレーリの異能問題作!」として、『最後の晩餐』と『未来は女のものである』のビデオ2本を紹介。青山は「世の趨勢に迎合することなく、30余年一貫して独自の問題意識とスタイルにのみ創作の源を求め続けてきた稀な映像作家である」とそのオリジナリティを高く評価している。
『DEEP SPECIAL』1988年11月号
この号でも「ビデオ・ファナティック/Jaywalker's SIGNAL」のビデオ紹介連載は続いており、「ズズーンと落ち込む“悲惨な作品”を紹介してみたい」とデニス・ウィーバー主演作『ブラフィング・イット』を紹介。ほとんどストーリー紹介で原稿が埋まっているが、「欠点を隠し続けることの苦労と愚かさ」という本質的なテーマにはきっと心を動かされるはずだ」となかなかの評価。
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新宿アンダーグラウンドの残影 〜モダンアートのある60年代〜
【プロローグ】 【1】 【2】 【3】 【4】 【5 】 【6】 【7】 【8】 【本文註釈・参考文献】
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『DEEP SPECIAL』における青山正明
以前触れたかもしれないが、『DEEP SPECIAL』(大亜出版)というエロ本でも青山は定期的に登場している。『DEEP SPECIAL』は1985年に創刊した海外ポルノ情報誌で、同出版社から出ている『BACHELOR』が洋物巨乳専門誌であるのに対し、より網羅的な情報が中心となっている。横書きのエロ本というのはなかなか新鮮だ。今回はそれをかいつまんで見ていきたい。
『DEEP SPECIAL』1986年1月号(No.10)/大亜出版 |
「幼児ポルノ&幼児嗜好」という3ページの記事を執筆。「現在世界中で問題になっているチャイルド・ポルノ(幼児ポルノ)とペドフィリア(幼女嗜好)について考える!」と題した、米国・欧州・日本におけるチャイルド・ポルノの歴史と実態を解説。いたってまじめな(普通な)内容。「栄養摂取量の欧米化に伴い、肉体的には14〜15歳で大人という高校生も多い昨今、受験の抑圧と、豊富な自慰材料(カキネタ)によって、彼らのオナニーは、性向以上の快楽として完成されてしまっている。しかし、大学に入り、実際の女性と付き合おうと思うと、その術が全く分らない。そして、カキネタのごとく、我が意の思うままになる子供へと、欲望の対象を下げて行く……」。(青山の初登場はこの号ではないので注意)
『DEEP SPECIAL』1986年5月号(No.14)/大亜出版 |
青山による連載「sexology」が掲載されており、何回目かは不明だが(4回目?)この号は「口唇はすべてに通じる濡れた扉」というコラム。様々なフェチ的題材を取り上げ、歴史や実態を解説していくスタイルで、何かの資料の引き写しなのかは判らないが、力が入っている。「私も以前、家で飼っていたシャム猫(雌)に亀頭を舐めさせた事がある(略)だが、猫の舌はザラザラしているので少々痛い。この次は雌犬で試してみよう……」。
『DEEP SPECIAL』1986年10月号(No.19)/大亜出版 |
「研究:彷徨する異種性愛者たち/第三の性の実態を探る」。トランセクシャル、トランス・ジェンダー、シーメイル、女装などを4ページにわたって解説。現在からするとマジメすぎて面白みにかけるかもしれない。
『DEEP SPECIAL』1987年12月号(No.33)/大亜出版 |
「ビデオ・ファナティック遊撃レビュー/Jaywalker's SIGNAL」という1ページ連載でビデオを紹介している。「独自のリフレクション・ワールドを貫き通すマルコ・フェレーリの異能問題作!」として、『最後の晩餐』と『未来は女のものである』のビデオ2本を紹介。青山は「世の趨勢に迎合することなく、30余年一貫して独自の問題意識とスタイルにのみ創作の源を求め続けてきた稀な映像作家である」とそのオリジナリティを高く評価している。
『DEEP SPECIAL』1988年11月号(No.44)/大亜出版 |
この号でも「ビデオ・ファナティック/Jaywalker's SIGNAL」のビデオ紹介連載は続いており、「ズズーンと落ち込む“悲惨な作品”を紹介してみたい」とデニス・ウィーバー主演作『ブラフィング・イット』を紹介。ほとんどストーリー紹介で原稿が埋まっているが、「欠点を隠し続けることの苦労と愚かさ」という本質的なテーマにはきっと心を動かされるはずだ」となかなかの評価。
(続く)
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ばるぼら ネッ
トワーカー。周辺文化研究家&古雑誌収集家。著書に『教科書には載らないニッポンのイ
ンターネットの歴史教科書』『ウェブアニメーション大百科』など。なんともいえないミ
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09.07.05更新 |
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