The
ABLEFE November 2009
窮屈な毎日に縛られて気持ち悪くならないためのゆるやかな処方箋
黒い恥毛の奥深く、まばゆい女陰から迸る黄金色のオシッコを百薬の長と崇める稀代のネクタール(神の酒=おしっこ)愛飲作家が、自由闊達、繊細至極、奇々怪々、博覧強記の知性に加えて、百花繚乱の体験談を交えて読者諸兄からの質問・相談に答える新連載。内容・ジャンルは自由。ネクタール+言葉の免疫で、貴方が今を生きるためのヨスガを紡ぎます。
第3回の受付案件
09、「陰毛判断」
10、「名前の由来」
11、「結婚披露宴」
12、「浮気」
13、「好きな漫画」
9、「陰毛判断」
「陰毛が濃い女は情も濃い」と聞いたことがあります。本当でしょうか。また、先生の経験上、身体的特徴から女性の内面を推し量ることはできると思いますか? できるとしたらどんな特徴が挙げられるでしょうか。(無職/真木)
――「陰毛の濃い女は上が深い」といいますね。
そのおかげで、私のひ弱い息子は、豊饒の恥毛にからみつかれ、豊満なお尻のうねりにつれ、無惨にも血まみれになったことがいくたびか……かわいそう……。
毛切れデス。
陰毛の断面は円とお思いでしょうが、残念でした。三角形で鋭利な形状をしているのだそうです。
それを長いからといって、ハサミや剃刀でカットしようものなら、ますます鋭利さをまして、どっぷりとくわえこんだあわれな陰毛の囚人を、面白いように切り刻むのでございます。おそろしい。
ところで、江戸時代には「下刈り屋」という、遊女などの恥毛を手入れする職業がありました。うやましいでしょう。
なるべく薄毛短毛にしたのが、上品とされたよし。おわかりですか。
歌川国貞の「初霞廊の寿」(はつかすみくるわのことぶき)には、大股開きでひっくりかえっている遊女の恥毛を同輩が毛抜きで抜いている図があります。イタソウー。
江戸の湯屋には、手入れ用の毛切れ石がかならず用意してあった。軽石を重ね合わせて擦り切ったのでしょう。
こうすれば線香の火で焼き切るのといっしょで、陰毛の先端は丸みを帯びて男根にやさしくなった。
一般の婦女子でさえ恥毛のお手入れを怠らなかったわけです。身だしなみとして心得ておかれよ。
密林陰毛の熟女がいましてね、お舐めしているのか陰毛を食べているのかよくわからないのですよ。それでね、お手入れしましょうというわけで、線香の火で燃やそう……ああっ、山火事!
あわててもみ消しましたよ。ビックリしたのなんのって!
部屋中煙もうもう、くさいことくさいこと、窓を開けたり、山火事に水をぶっかけたり、いそがしいったらありゃしない。
かくして密林陰毛が、無惨にもチリチリ点々とあいなってしまった。このままでは見苦しい。
というわけで、密林熟女が、スベスベのかわいい無毛の童女になっちゃった。
やっとお舐めしやすくなった。ヨカッタ。
陰毛がモサモサだって、アワアワだって、長かったり、無毛だったり、陰唇がピンクだったり、そんなこと、SEXが強いか弱いか、感度がいいかよくないのか、すべて全く関係はございません。
女体はそれぞれ奇々怪々で、内面を推し量るなんてとんでもない。
それでは隆慶一郎の名作『捨て童子松平忠輝」より。
於江の方は転倒し、おまけに脚が割れて下半身を露呈することになった。秘所もあらわになった。
辰千代は於江の方の秘所を面白そうに見て言ったのである。
「わあ、母上のより真っ黒けだぁ」
秀忠が笑いころげた。
「殿」
於江の声が怒りにとがった。
『捨て童子松平忠輝」(講談社文庫)より
著者=隆慶一郎 出版社=講談社 発売=1992年
著者=隆慶一郎 出版社=講談社 発売=1992年
10、「名前の由来」
「芳野眉美」というお名前は先生のご本名でしょうか、それともペンネームでしょうか。最初は女性なのではないかと思ったりしつつ、つくづく「綺麗な名前だなぁ」と思っておりました。お名前の由来を教えて下さい。(無職/秋口)
「ペンネームが女名ですね」
「高校生の頃の恋人の名前なんです。スミマセン」
「どういたしまして」
「それで、私のことお女性だと思っていらっしゃるファンの方が多くて困っているのです」
「マギラワシイペンネームをつけるからですよ」
「スミマセン」
『奇譚クラブ』(曙出版)昭和40年3月号
芳野眉美「濡れにぞ濡れし」より
芳野眉美「濡れにぞ濡れし」より
11、「結婚披露宴」
私は近々結婚を控えている28歳の女です。今は式の準備に追われているところなのですが、彼が結婚披露宴を上げることを嫌がっていて、まったく協力してくれません。彼は結婚自体を嫌がっているのではなく、結婚披露宴が嫌なのだそうです。確かに人前に出るのが苦手な人なので分からないわけではないですが、私にとっては一生に一度の晴れ舞台です。このまま行くと結婚そのものがダメになってしまいそうで……悩んでいます。私はどんな態度をとるべきなのでしょうか。(販売員/ちと)
――一生に一度の晴れ舞台はよくわかるのですが……
派手な結婚披露宴をして、アッサリ離婚してしまう芸能人がいますよね。アレなんか、猿芝居だよ。
愛する二人だけで、遠くの小さな教会で、ひっそりと、あたたかく、結婚式をあげた。そのホヤホヤから、そこの記念すべき土地の風景絵葉書で、結婚を披露されたことがあります。
うれしかった。
そのままが新婚旅行じゃないの。うらやましいったらありゃしない。
晴れ舞台か、彼か……どんな態度をとるにせよ、御自分できっぱりと決断なさいませ。
12、浮気
恋人に浮気がバレた時、男としてとるべき態度とはどんなものでしょうか。(会社員/かもめ)
――土下座しなさい。
13、漫画
芳野先生は相当な読書家だと思われますが、漫画も読まれますか? 好きな漫画、最近読んでいる漫画雑誌はありますか?(学生/U・K)
――明治大正昭和へかけての政治漫画の大家北沢楽天邸がご近所でして、兄が楽天最後の門下生でもあったので、楽天漫画(というより戯画)が私の漫画ことはじめ。
好きな漫画家が多すぎまして……。
『フクちゃん』の横山隆一先生、政治漫画の那須良輔先生とは、鎌倉の常連の酒家でお話をうかがいました。
手塚治虫医学博士の学位論文はタニシの「異型精子細胞における膜構造の電子顕微鏡的研究(奈良県立医科大学 1961)」で東大の医学図書館にあるそうですよ。
今手元に置いてあるのは、小泉吉宏の『ブッタとシッタカブッタ(2)そのまんまでいいよ』『ブッタとシッタカブッタ(3)なあんでもないよ』(メディアファクトリー)。面白い。
(つづく)
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