WEB SNIPER Cinema Review!!
柳沢きみおの人気コミックを映画化したダイナマイト☆セクシー・ラブ・アクション!!
『特命課長・只野仁』などで知られる柳沢きみおのコミックが実写に! 冴えないサラリーマンが東京を守る犯罪検察組織「市民ポリス」に選ばれたことから、自分の中の欲望と向き合うことになっていく……。個性派バイ・プレーヤー酒井敏也の熱演の他、“ももいろクローバー”の早見あかりとセクシー女優・原紗央莉の共演も話題に!!全国順次公開中
原紗央莉ちゃんと元ももクロの早見あかりちゃんが競演、『市民ポリス69』が公開です!ということで押っ取り刀で駆けつけて来た本作だったが、いざレビューを書こう!と思って「原紗央莉」で何となくググったりするとついついオナニーしてしまい、そうこうしてる内にすっかり公開が始まってしまった。現代社会は罠に満ちている! 恐ろしい!
原作は『特命係長・只野仁』で有名な柳沢きみおのマンガ。あの独特のタッチを思い出しつつチラシを見ると、美女に挟まれ正座しているのはナニコレ珍百景でいつもボソボソレポートしている酒井敏也。その顔面はまさに生ける柳沢きみおタッチ! 原作の絵と見比べるうち、どちらが写真でどちらがマンガか分からなくなるハマり具合だ。
映画の舞台は、治安が大幅に悪化した東京。TVからは「治安の維持は市民の義務です」というCMが流れ、選ばれた市民は30日間犯罪を取り締まらなければいけない。そんな中、小心者の主人公、芳一もまた『市民ポリス』に選ばれていた。返り討ちが怖く、目の前で犯罪が起きても見て見ぬふりをする苦悩の日々。しかし、ある日成り行きからついに初仕事をやりとげてしまった彼は何かが吹っ切れる。麻酔銃と覆面、権力の行使に思わぬ快感を得た芳一は揺れ始め……。
というのを本筋に、いい年したハゲの中年、芳一がコンビニでバイトしている桃ちゃん(早見あかり)を一方的に好きになっていくのが本作の見所だ。芳一がいつも小銭で苦労するのが新しく、具体的に10円や100円で右往左往する主人公の姿には「小銭映画」という新ジャンルの胎動を感じた。
女子高生の娘がいるくせに早見あかりちゃんに「告白しようかどうしようか……」と悩む芳一の図々しさも含め、おっさん映画としては黒沢清監督の『東京ソナタ』よりずっとリアル。さすが原作が「アサヒ芸能(増刊)」連載なだけはある。
残念だったのは原紗央莉ちゃんの出番があまりなかったことで、準主役級かと思っていたら、脇役くらいだった……。でもまあ肝心のおっぱいは見られたので大OK! むせ返るような原紗央莉ちゃんの色気(ちょっとメイク強すぎな気もしましたが!)も、透き通るような早見あかりちゃんの魅力も堪能できたので大マンゾクだ! また女子高生強盗団として、他のももクロメンバーも総出演している(僕は興味ありませんが)。
映画は全体的にコメディタッチで進み、展開はまさにマンガ、突っ込みどころは沢山ある。それでも骨格としては「今まで自分を抑え続けて来た小市民の彼が、権力を手にしたことで覚醒! このまま欲望を爆発させるのか!と思いきや、自らの意思で再び小市民を選び取る」という「結構、太いものがあるのかなー」と思って観ていたのに、あのオチで台無しじゃねーか! あんなのアリなのかよ! と思ったけど、肝心のおっぱいは見られたから大OK! 直後に流れるエンディングテーマもかっこよくて大マンゾクだ!
エンディングテーマ、その名も『熱い女』は原紗央莉が歌う70年代風歌謡曲。ここに来てやっと監督が日活ニューアクション、東映ポルノなどの、70年代プログラムピクチャー路線を狙っていたのに気がついた。とすると原紗央莉は現代の梶井芽衣子、いや池玲子だろうか! ぜひその路線で原紗央莉ちゃんがもっと大活躍するセクシー作品をバンバン量産して欲しい。ちなみにこの曲は、作詞/この映画の製作会社の社長、作曲/社員ということで、かなりの家庭内手工業というか総動員態勢を感じる。
さらに劇中出て来るコンビニの店内BGMも、なんかリンク・レイみたいな、イカしたインスト・ナンバーなので「監督は相当のガレージマニアなのでは?」とチラシを見ると、本田隆一監督の前作はそのものずばり『GS(グループサウンズ)ワンダーランド』。となると本作は、セクシー女優とアイドルが競演、マンガ原作のアクション映画が登場!のフリをした、その実ガレージマニアの監督がGS歌謡曲好きのおっさんと手を組み、自作GS歌謡曲も詰めこんじゃう! 青春よもう1度的な企画じゃねーのか!という気にもなってくる。とするとこのおじさんたちも結構図々しいのでは……、でも肝心のおっぱいは見られたから大OKだ!
文=ターHELL穴トミヤ
『市民ポリス69』
全国順次公開中
関連リンク
映画『市民ポリス69』公式サイト
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