WEB SNIPER's book review
アヌスって本当に気持ちのいい穴なんです
本書は肛門の構造から心理的なケア、アナル攻略の実践手順だけでなくアナル性交においての危険性までを懇切丁寧に解説した知識&実践マニュアルです――。女性著者が肉体的な構造の解説からペニスを挿入するまでのプロセスをじっくりとに追い、アナルセックスの安全な実践方法を入念に説く。イラストを見ながら学べる親切設計の入門書!!内容は「肉体的な肛門周辺の構造」「精神作用による快感の増幅と抵抗」「肛門性感の現実」「実践編~セルフトレーニング」「実践編~アナルマッサージ」「実践編~肛門拡張」「実践編~肛門性交」という構成になっています。
断面図まで紹介しての肛門の医学的な解説からスタートし、アナルセックスに対する不安を解消する方法、そしてアナルセックスが出来るように肛門を拡張する方法を経て、ようやく本格的なアナルセックスへとたどりつきます。本書では、何度も「焦りは禁物」であると語りかけています。内容のほとんどを準備段階の説明に割いているのも、著者のそうしたスタンスの現われでしょう。
そう、アナルセックスは、本来大変危険な行為なのです。私も、アナルプレイに魅せられた者として、AV撮影でも、そしてプライベートでも、数えきれないほどアナルセックスを体験してまいりましたが、その難しさと危険性は思い知らされています。
「慣れてるの」と言う子でも体調によってダメだということも多いですし、なによりもこちらの硬さが十分でないと、上手く挿入することができません。年齢的にその辺に自信がない(笑)私には、なかなかハードルの高い行為であるのも正直なところです。
前ならば、やや柔らかい状態で挿入してから、入れているうちに固くするということも可能なのですが、アナルセックスの場合は、まず挿入することが出来ないのですよね。
AVの撮影において、アナルセックスが出来る女優さんを探すのは、なかなか大変なのですが、面白いのはアナルセックスがオーケーという女優さんは、AVの撮影で初めて体験したという子が多かったりするのです。そして絶対にNGという子ほど、プライベートで体験済みなのです。つまり、プライベートでの体験で痛い目にあってしまったために、恐怖感・嫌悪感を持ってしまったわけです。
何の予備知識もなく、好奇心だけでアナルセックスをしようとすれば、そうした結果となるのは、この本を読めばよくわかるでしょう。
実は、著者のりえ坊(坊、となっていますが女性です)自身が、そうした経験の持ち主であり、未だに幸せなアナルセックスをしたことがないというのです。
アナルセックスを楽しんでいない人が、アナルセックスの入門書を書くのは、どうなんだろうと思う方もいるかもしれませんが、だからこそ本書は、女性のメンタル面を重視した「安全にアナルセックスを楽しむ本」として完成されているとも言えます。
そして何よりも、この本の最大の魅力は、著者の心の叫びである「はじめに」と「あとがき」にあります。アナルセックスへの憧れと欲望がほとばしる熱い文章なのです。
この本がもっとたくさんの男性と女性に読まれるようになれば、不幸な体験によってアナルセックスを拒否する女性は少なくなるのではと、思うのです。
最後に本書で私が一番、頷いた一文を。
「考えてみてください。ほとんどの人がそうでしょうが、パートナーもあなたもアヌスに関しては処女と童貞なのです。ある程度普通のセックスを行なってきて性に関しては自信があるかもしれませんが、未知の領域、未知の快楽であるアナルセックスに関してはあなたは初めてなのです。当たり前に最初から上手くいくはずがないのです」
文=小林電人
『お尻でエッチしたいの ~実践から学ぶアナルセックス入門~』(三和出版)
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