WEB SNIPER's book review
フェティッシュで「おしゃエロ」なつばさワールド!
芸能人という種類の生き物に、まるでキョーミのない自分自身。
特に、モデル出身のタレントとかには、嫌悪感するおぼえてしまう。
しかし、彼女だけは別格だ。
そう、「益若つばさ」という女......。
数年前から、たまに眺めるTVドラマのバラエティ番組で気になっていた存在。
何がどう、どこがどのように気になっていたのかは自分でもよくわからないが、ただ、彼女の中から、ムラムラさせられる"なにか"が放出されていたような気がする。
「益若つばさ」を好きな理由を考えてみた。
1、低身長 150cm
2、なんとなく変態っぽい
3、バツイチ、子もち
まっ、そんな女は世の中にたくさんいるはずなので、そんな理由だけで彼女を好きになったワケではなさそうだ......。
2013年の3月に「アナザースカイ」という番組でロンドンに行った彼女を見て、いつか立派なズリねたになるような仕事をして欲しいな~と願っていたところ、その想いが結実したような、この写真集がリリースされる運びとなった。
「エロじゃなくて、オシャレなのになんかエロい『おしゃエロ』が好き」
「この本を作ろうと思ったのは『お仕事じゃない』売れなくてもいいモノを作りたかったから」
「友達によく言われる言葉。『掴めない』『小悪魔』『クール』『いい人じゃないけど優しい』」
「幼少期かにタロットカードの絵柄、ホラーや毒々しい世界観が好き。エロが好き。やっと言えるようになった」
基本的にこの写真集は、WEBスナイパーがまだ紙の雑誌だった頃のテイストである"90年代に『ビザール』と呼ばれ愛されたフェティシズム"のイメージで貫かれており、プラス、ところどころ彼女のまっすぐな心の想いが短い言葉で刻まれている。
ページをめくると、「目隠し」「くちびる」「レース」「爪」「ガーターストッキング」etc、おそらくは彼女の中でのEROSのキーワードとなるヴィジュアルが、鮮明に目にとびこんでくる。
個人的には、P20~21の妖しい赤のコラージュ、P26~27のコルセット&尻&ワキ&唇に、ひどくドキドキさせられている。
ディテールについては、やはり実際にこの本を手にとって、自分の眼で確かめてもらうのが、唯一の正解だと思えるので、あえて、これ以上は紹介しないでおくことにしよう。
日頃から、ド変態ロードまっしぐらなWEBスナイパー愛読者の皆様からすると、ちょっと喰い足りない感もあるかもしれないが、あくまでファッション業界出身という彼女の立場から考えてみると、これは相当な冒険というか、スリリングな賭けともいえるだろう。
その彼女のステキな勇気を、最大限に讃えてあげたい、パチパチパチパチ......!
とにかく、彼女が驚くほどチャーミングなエロティシズムにあふれているので、自分としては前作『EAT ME!』でも充分オカズになり得るのだが、しかし、彼女にはもしかして、その虚飾のすべてを取り払って、より本源的なエロスをも表現できる可能性があるのでは?と思わせるような、底知れぬエナジーを秘めた魅力的な一冊でした。
まだまだ、新しい未来を無限に切り開いてくれそうな、「益若つばさ」という才能を心から応援していきたい......!!
文=ゴールドマン
『fetish』(光文社)
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ゴールドマン 87年にアートビデオより「電撃バイブマン」で監督デビュー。その後、実験的な作品をリリースするなどAV業界に対して常に挑戦的な姿勢を持ち続ける。中でも89年に発表された60分ワンカットの8ミリビデオ作品「なま」は伝説級。近年はハメ撮りでの言わせ系淫語で独自の世界を展開。20年間で約1500人の女とハメ撮りし、300本以上のハメ撮り作品を制作してきたAV業界の巨頭。