女王様・M男動画サイト 1 ミストレスランド 2 本家三行広告 1 イエローキャット
最新記事20件
人気SMクラブ嬢自画撮り写真館│【13】大阪・谷町「谷町秘密倶楽部」もみじさん
人気SMクラブ嬢自画撮り写真館│【12】大阪・谷町「谷町秘密倶楽部」みきさん
「抜けない」ジャンルが楽しめる不思議なエロ本研究――『エロメディア大全』は戦後ウラ出版史のメルクマール/『エロメディア大全』(三才ブックス) 著=安田理央 文=小林昌樹(『近代出版研究』編集長)
絶叫しながらの連続オーガズムに悶絶ケイレン!『チャレンジ!タイマー電マ もも れな』(大洋図書)発売!!
インターネットラジオ番組「安田理央と遠藤遊佐のダメダメ60分」リターンズ!第8回
読者代表変態仮面がイク! 鶯谷「上野Mフェチ・アブノーマル専門店 マニア東京」凛香-Rinka-さん【2】
読者代表変態仮面がイク! 鶯谷「上野Mフェチ・アブノーマル専門店 マニア東京」凛香-Rinka-さん【1】
全身を突っ張らせて叫ぶ激イキ乙女たちのノンストップ・アクション!『チャレンジ!タイマー電マ ひなの なぎさ』(大洋図書)発売!!
WEBスナイパー アーカイブスセレクション  「セックス・ムーヴィー・ブルース 」【5】初体験とエロすぎる女・ぐんにゃりな夜
脳までトロける魔振動にビクンビククンと痙攣するリアル絶頂ドキュメント『チャレンジ!タイマー電マ ゆか らん』(大洋図書)発売!!
読者代表変態仮面がイク! 東京・池袋「踏み活」桜木しおんさん【2】
読者代表変態仮面がイク! 東京・池袋「踏み活」桜木しおんさん【1】
コントロールできない快感の嵐に翻弄される緊迫の絶頂ドキュメント『チャレンジ!タイマー電マ ゆい みいな』(大洋図書)発売!!
WEBスナイパー アーカイブスセレクション  濡木痴夢男の猥褻快楽遺書 【31】私に『シェイム』は難解だ
美しすぎる美淑女が敏感すぎて初回起動から絶頂連発! 「イキすぎてお星さまが見えました...」『チャレンジ!タイマー電マ あん』発売!!
WEBスナイパー アーカイブスセレクション  芳野流人生相談 10代からの飲酒案内【26】
オリジナル同人誌即売会という魂と魂が握手する場の歴史/『コミティア魂 漫画と同人誌の40年』(フィルムアート社) 著=ばるぼら+あらゐけいいち 編=コミティア実行委員会 文=三木学
タイマープログラムに翻弄されっぱなしの連続絶頂連発アクメ!『チャレンジ!タイマー電マ しゅほ まり』(大洋図書)発売!!
WEBスナイパー アーカイブスセレクション  ゴールドマンのロックンロール・エロ漫画【27】『オトナペット』 著者=中山哲学(茜新社)
ふたり揃ってずーっとずーっとイキっぱなしの限界アクメ!『チャレンジ!タイマー電マ さらら まち』(大洋図書)発売!!
アクセスアップ
新刊情報
カテゴリー
特集記事
体験取材記事
お尻の学校
アーカイブス
フォトギャラリー
ニッポンの年中行事
食卓リンガフランカ
御菓子司 なゝた
あぶらいふ
雪村春樹・現代成熟交合
濡木痴夢男の猥褻快楽遺書
芳野流人生相談
官能小説
口中の獄
百鬼女衒とお化け医師
稲荷山デイドリーム
赤い首輪
監禁志願アリス
セックス・ムーヴィー・ブルース
セックス・マイナス・ラヴマシーン
レビュー
美少女ゲームの哲学
現場から遠く離れて
エロティカルパレード・ジャポン
オナニー平和主義!
やる夫がSM風俗に興味を持ったようです
カヲリチャンネル
青山正明の世界
舞姫爛漫
イベントレポート
女性向けAVの現在形
Twitter
web sniper's book review
「自分探し」の果てに辿り着いたもうひとりの私?
今だから書ける痛恨の大失敗、その顛末記。
「私に起きたようなことが、あなたの身にも起きるかどうか、わからない。だけど、私を見て。私から学んで。人は自分に復讐される生き物だということを」(本文より)。作家志望の女性との間に起こった騒動を描き、雑誌『本人』連載中より話題を呼んだ中村うさぎのエッセイ新境地。
 | 
この物語は、「デンパ女」と呼ばれるネット界の有名人に、中村うさぎが「共著を出しませんか」と持ちかけたことから騒動へと繋がる実話である。
本書に登場するその女は、小説家を目指す三十路女・優花ひらり。彼女は自分のホームページで「有名になって川村隆一とテレビに出たい」「自分には才能がある。いつか絶対に有名小説家になってみせる」と息巻いていたようだ。しかし優花ひらりのウォッチャーたちに言わせると、「才能も何もないただのデンパ」。
優花ひらり自身は、自らを「絶世の美人」「元は京大のマドンナ」と話すが、それもウォッチャーたちに言わせると「ただのデブス」。
彼女のHPの掲示板は常に荒れていたが、優花ひらりのすごいところは、ちっともメゲていないところなのだという。

そんな優花ひらりの噂を聞きつけ、ホームページを覗いた中村うさぎであるが、気づけば彼女に目が釘付けとなり、イライラさせられつつも夢中になってしまう。
あげく優花ひらりを取り巻く現象そのものに疑問を感じ、彼女はなぜ反発を食らうのか、なぜ人は自己顕示欲を罰しようとするのか、優花ひらりと自分は何が違うのか、と考えはじめ、加えて自分の周辺にいる有名作家の発言への怒りや、文壇への嫌悪感などがないまぜとなり、自問自答した末に決意してしまう。
「どんな手を使おうと、優花ひらりを、作家デビューさせてみせる!」
ところが優花ひらりは、「デンパ」と揶揄されるほどの女である。
共著を持ちかけた中村うさぎに、
「あの、共著っていうのは、うさぎさんが作家として行き詰まってて、私の名前を利用したいからですか?」
と言ってしまうほどであり、その後も繰り返される非常識な行動・発言により、企画はあっさり頓挫した。しかし自分の行ないが悪かったことを理解できない優花ひらりは、その後もしつこく中村うさぎに付きまとう。優花ひらりの行動は不可解なものばかりで、様々なトラブルを巻き起こすわけだが、本書ではそんな狂人・優花ひらりとのやりとりが中村うさぎ特有の分析能力でもって克明に記されている。

中村うさぎといえば、買い物依存、ホストクラブ通い、美容整形、デリヘル体験など、女性のグロテスクな一面を実体験で書き綴ってきた異色の作家。心の病と真正面から向き合い、どんな痴態をも躊躇なしに表現する怖いものなしの人物だが、本書では自身と同じくらい優花ひらりの愚行も書きまくっている。
作家デビューをさせようとした人物とはいえ素人、それも「デンパ女」と呼ばれるほどの相手に、ここまで書くか!と驚く部分もあるが、しかしこれこそが中村うさぎの流儀なのであろう。書かれて恥ずかしいとは言わせない凄みがある。

『cyzo woman』でのインタビューで、中村うさぎは本書について「これまででいちばん醜悪な作品」と語っているが、それはまさに“闇”や“人間の本質”を知るために、優花ひらりという他者を持ち出してきたことに対して言っているのだと思う。
優花ひらりという人間と接し、狂気の正体を暴こうとすると、いやおうなしに彼女の痛々しさが露出してしまう。その痛々しさを晒すこともまた「醜悪」と言えるだろう。

驚くのは、中村うさぎが優花ひらりを「健常者」として扱いながら問いかけをしているところだ。優花ひらりの一連の行動を読む限り、私は精神病か人格障害を疑わずにいられない。もしも医者なり心理学者なりが優花ひらりに出会ったら、中村うさぎのような分析をせず、もっとアッサリと病名を付けて終わる気がするのだ。
ところが中村うさぎは、優花ひらりを通して、多くの人が持つ醜い感情や、自分との接点を見い出すところから始めている。そして感情移入のとうていできない相手とわかってからも、納得いくまで彼女の内面を分析している。狂人に対してのこのような試みは、作家である中村うさぎだから出来るのであろう。

とはいえ中村うさぎの分析は、狂人・優花ひらりを説明するにはどこか物足りない。読了後も、優花ひらりについて「わかった」という気持ちにはなれない。なんだかモヤモヤしたものが残るのだ。そして実際のところ、優花ひらりをとりまくこの一連の話に、私は興味を抱けなかった。優花ひらりと自分との間に、あまりにも接点がないからである。まったく精神構造の違う人間、あまりにも感情移入ができない相手になると、そもそも関心を持つということが出来ないのだろう。
本の中で中村うさぎは、「狂うこともできなかった」と、買い物依存症であった過去を持ち出して話している。しかし優花ひらりに近づき、狂気に触れることで自分を知ろうとするその姿は、ある意味で、中村うさぎの狂気ではないのかと思えてくる。

文=東京ゆい

『狂人失格』 (太田出版)


著者=中村うさぎ

発売:2010年2月4日
定価:1740円
ISBN-10:4778312031
発行元:太田出版

発行元サイトにて詳細を確認する>>

関連記事

『歌舞伎町で待ってます―風俗嬢れもんの青春物語(メタモル出版)』著者=牧瀬 茜

tokyo_yui.jpg
東京ゆい 他人の人生を覗き見するのが趣味。聞き役なら、愚痴、ぼやき、自慢話、何でもこい。サブカル系と思われることが多いが、実際はサブカルをほとんど知らない。休日は動物と触れ合っていることが多い。
 | 
10.03.11更新 | レビュー  > 
文=東京ゆい |