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小林電人、書き下ろし官能羞恥小説の決定版
羞恥の教室 第三部
第十四章 淫獣たちの宴・承前 【5】
著者= 小林電人
現実と妄想が欲望のもとに交錯する第3部!
淫獣たちの手に握られた忍と藤井の運命は!?
第十四章 淫獣たちの宴・承前
V 沙耶の羞恥1
「いらっしゃいませ。ガース様ですね。お連れの方は?」
正装をした初老の男が尋ねる。清島はチラリと自分の斜め後ろでうつむいている沙耶に目をやり、答える。
「俺の奴隷だ。名前は沙耶。連れてくることはネイルさんに伝えてあるはずだが」
「はい、お聞きしております。それでは中へお入り下さい」
清島と沙耶は、男に案内されて邸宅の奥へと入っていく。昭和の香りを色濃く残す造りだった。恐らく建てられた当初は、かなりモダンな設定だったのだろう。
しかし、意外に小さいなと清島は思った。大仰な門や広大な敷地に比べて、この建物はいかにも小規模だ。こんなところで、それほど大がかりなパーティを開くことが出来るのだろうか。
そんな清島の疑問を見透かすようなタイミングで男は大きな本棚の前に立ち、それを右へと動かした。すると、そこに鉄製の扉が現れた。男は扉のボタンをいくつか押し、電子ロックを解錠した。扉の向こうには地下へと続く石の階段があった。
「こんな仕組みか......。ずいぶんと大袈裟なんだな」
清島はたいして驚いてもいないという風を装って呟く。男が答える。
「集まっている皆様が皆様なので、念には念を入れるということで......。まぁ、気分を盛り上げるためという理由もありますが」
「なるほどな......」
3人は階段を下りていった。突き当たりの扉の前で、男は清島に仮面と首輪を渡した。
「ご承知でしょうが、この扉の中では、お互いをニックネーム以外で呼ぶことは禁じられています。あくまでもここは同好の士による社交場です。マナーはお守り下さい」
「わかっているよ」
清島は仮面を付ける。顔の上半分を隠す黒い仮面だった。そして沙耶の首に、革製の赤い首輪を取りつけ、そこからつながる太い鎖を持った。沙耶はこれから何が起こるのか、怯えた表情をしていた。
「ふふふ、沙耶。今日は立派な奴隷ぶりを見せてくれよ。おれに恥をかかせるんじゃないぞ」
「はい......」
沙耶は頷くしかない。もしかしたらここで、長い監禁から解放されるのかもしれない。そんなかすかな望みだけを胸に秘めていた。約束の一年が過ぎようとしている。それだけが根拠だ。もはや、まともな生活に戻れるはずもない身体に汚されてしまっている沙耶だが、そんな希望すらなかったら、気が狂ってしまうだろう。
きっとこのパーティで、自分は恐ろしく恥ずかしい目に合わされるのだろう。それはわかっていた。しかし、解放されることだけを信じて何があっても耐えよう、沙耶はそう心に決めていた。
「それでは今夜はお楽しみ下さい」
扉があいた。そこは大きなホールとなっていた。地上の建物よりも遙かに大きなスペースだ。赤い絨毯が敷き詰められ、天井からは豪華なシャンデリア。ここもまた昭和の妖しいムードに満ちた空間だった。
あちこちのソファには正装して、仮面をつけた男たちが座り、その横や足下には首輪をつけられた女がいた。既に全裸にされた女も多く、薄暗い照明の中で女の白い肌が艶めかしく見え隠れしている。
ホールの中央には大きなステージがあり、その近くの席に清島と沙耶は案内された。ステージ前の特等席だ。
清島と沙耶がソファに座ると、後ろから声をかけられた。振り向くと仮面をつけた山城だった。
「いらっしゃいませ、ガースさん」
「ああ、山......、いや、ネイルさん。想像以上に大がかりなパーティだね」
「ええ。出来るだけ、イメージ通りの秘密パーティというのを再現してみたかったんですよ。ほら、昔の映画やSM小説なんかに出てくるような、ね。こういう大人の遊びは、本気でやらないと面白くないですから。ガースさんも、今夜はなりきって楽しんで下さいよ。いかがわしい小説の登場人物になったつもりでね」
「といっても、客は本当にそれなりの方が多いんだろう?」
「ええ、まぁ、ある程度の地位とお金がある方でなければ、参加はできませんが......。その辺りはあまり詮索しないのがお約束ということで......」
「もちろんわかっているよ」
「ふふふ。それにしても沙耶さん、ちょっと会わないうちにさらに美しくなられて......。ガースさんの調教の成果でしょうね」
山城は不躾な視線で沙耶の全身を舐め回す。沙耶はじっと唇を噛んでいた。微かに震えている。
「東京から二つの穴にローターを入れっぱなしにしているからな。ずっと生殺し状態だよ。もうイキたくてイキたくてしょうがないってところじゃないかな。なぁ、沙耶」
山城は首輪の鎖をひっぱって顔を上げさせる。
「あ、ああ......。はい......。沙耶は早くイカせてもらいたいです......」
「ふふふ、そうですか。沙耶さんは早くイキたいのですか。でもせっかくですから、この会場にいる皆さんの前でイクところを見せるというのはどうでしょうね」
「!」
山城の言葉に、沙耶は息を飲んだ。この大勢の男女の前で恥ずかしい姿を晒さねばならないのか。思わず、清島に助けを乞う。
「い、いやです。ご主人様、そんなことをさせないで下さい。沙耶はご主人様以外の人には恥ずかしい姿を見られたくありません」
清島はニヤニヤ笑いながら答える。
「すでにおれ以外にも、お前は恥ずかしい姿を晒してるじゃないか。ほら、このネイルさんにも、たっぷり見られてるよなぁ」
「そうですよ。私も沙耶さんのおまんこの奥やら、恥ずかしいものをヒリ出す姿やら、じっくり見せていただいてますよ。今さら恥ずかしがっても無駄というものですよ。ふふふ」
清島は、沙耶を自慢するのが好きだった。これまでにも、監禁先のマンションへ何人もの男女を連れてきては、沙耶が責められる恥ずかしい姿を披露しては悦に入っていたのだ。
「あ、ああ......」
沙耶は絶望に沈み、顔を伏せる。
「こんなに美しい奴隷を持っているなんて、みなさんに羨ましがられますよ、ガースさん。ほとんどの方の席にいる奴隷は、こちらで貸し出したSMクラブの女性ですからね。自分の奴隷を連れてきているのは、何人もいませんよ」
「そうか、そうか。それじゃあ、本物の奴隷の感じっぷりを皆さんに見せてあげないといけないな」
山城は清島の自尊心をくすぐっていく。このパーティは清島をはじめとする数人の接待が目的と言っても過言ではないのだ。
「それでは後ほど。沙耶さん、心の準備をしておいて下さいね。ふふふふ......」
そういって山城は、清島たちの席から離れ、ホールの裏へ行く。そろそろショーが始まる時間なのだ。
「あっ、ああーっ」
幾十にも縄をかけられ、空中に吊られた全裸の女体が赤い蝋燭の洗礼を浴びていた。剥き出しになった女陰にも容赦なく熱蝋が降り注いで行く。その度に女体はビクンビクンと跳ね上がり、悲鳴があがる。
「ふん、悪くはないが、しょせんショーだな。恥じらいというものが感じられない」
ソファの上でふんぞり返りながら、清島は言う。しかし、それでも目はステージから離れない。
「それに女の質が今ひとつだ。あれくらいなら、どこのSMショーでも見られる。どうせ見るなら、お前くらい美しい女じゃないとな。そうだろ、沙耶」
沙耶は時折ステージに目をやっては、見てはいけないものを見てしまったかのように慌てて目を伏せる。これから自分も、あのようにステージの上で、何十人もの好奇の視線を浴びて恥ずかしい姿を晒さなければならないのか。そう考えるだけで、沙耶はこの場から逃げ出したくなる。そんな恥辱には耐えられるわけがない。
しかし、沙耶の首にかけられた首輪の鎖は、清島にガッチリと握られ、席を立つことはできない。いや、いずれにせよ、自分は清島から逃げることなどできないのだ。
沙耶は死刑宣告を待つ囚人のような気分だった。しかし、一年間にわたってM女として調教されてきた沙耶の肉体は、そんな思いとは裏腹に、羞恥への期待に強く疼いていたのだ。何時間もの間、前後の秘奥に微妙な刺激を与えられているため、肉裂はぐっしょりと濡れそぼっている。これ以上の刺激を受けてしまったら......。
沙耶が恐れているのは、大勢の観客の前で辱められることだけではない。それよりも、その辱めによって、自分が感じてしまうことが怖かった。被虐の喜びに燃えてしまい、自分がマゾであることを思い知らされることが何よりも恐ろしいのだ。
「それでは、ここで特別ショータイムです。VIP会員であるガース様の奴隷を披露していただきます」
大きなサングラスをした司会者がアナウンスした。目元を隠していても、彼が10年ほど前にテレビでよく見かけた芸人であることは明白だった。
「さぁ、行くぞ、沙耶」
「あ、ああ......」
得意気に清島が立ち上がり、沙耶の首輪の鎖を引っ張りながらステージへと向かう。会場からは拍手が巻き起こる。
「おお、いい女じゃないか」
「あんな奴隷がいるとは、羨ましいな」
会場のあちこちから、そんな声が聞こえてくる。清島は嬉しくてたまらない。
「ほら、ステージの真ん中に立つんだ」
沙耶をステージの中央に立たせると、清島は首輪の鎖をその後ろから突き出ている鉄柱へと繋いだ。自分はステージ脇に用意されていた椅子にどっかと座る。
犬のように鎖に繋がれた和服姿の美女に場内の視線が集中する。
山城から渡された紙を、司会者が読み上げる。
「ガース様の奴隷であります沙耶さん。年齢は29歳の女盛り。もともとはとある地方の大手企業の社長夫人だったのですが、被虐趣味が高じまして、夫を捨て自らガース様の奴隷となったそうです。性感帯は肛門。好きな責めは浣腸責めです」
「そ、そんなことまで......」
自らのプロフィールまで読み上げられ、沙耶は耳まで真っ赤になった。出自を特定できるほどの情報ではないが、それでも沙耶にとっては自分の正体を全ての観客に知られてしまったような気持ちになる。
「あんな綺麗な顔をしてるのに浣腸好きか。たまらないな」
「ああ、あんな女を一度でいいから、ヒイヒイ言わせてみたいもんだ」
男たちのぎらついた視線が沙耶に集中する。二つの秘奥で蠢いているローターの刺激がさらに大きくなっていくような気がする。
「よし、そこで全部脱ぐんだ、沙耶。お前の恥ずかしい身体を皆さんに見てもらいなさい」
清島が命令した。覚悟していたことではあるが、この熱い視線の中で裸になるなど、沙耶には耐えられない。
しかし、清島の命令は絶対なのだ。逆らうことは出来ない。
「ああ、もうだめ......」
沙耶は目をつぶって、しばらく黙っていたが、やがて諦めたように帯に手をかけ、ゆっくりとほどき始めた。
場内はしんと静まりかえり、和服美女の姿に視線が集中した。衣擦れの音と、沙耶の吐息だけが、響いていた。
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V 沙耶の羞恥1
「いらっしゃいませ。ガース様ですね。お連れの方は?」
正装をした初老の男が尋ねる。清島はチラリと自分の斜め後ろでうつむいている沙耶に目をやり、答える。
「俺の奴隷だ。名前は沙耶。連れてくることはネイルさんに伝えてあるはずだが」
「はい、お聞きしております。それでは中へお入り下さい」
清島と沙耶は、男に案内されて邸宅の奥へと入っていく。昭和の香りを色濃く残す造りだった。恐らく建てられた当初は、かなりモダンな設定だったのだろう。
しかし、意外に小さいなと清島は思った。大仰な門や広大な敷地に比べて、この建物はいかにも小規模だ。こんなところで、それほど大がかりなパーティを開くことが出来るのだろうか。
そんな清島の疑問を見透かすようなタイミングで男は大きな本棚の前に立ち、それを右へと動かした。すると、そこに鉄製の扉が現れた。男は扉のボタンをいくつか押し、電子ロックを解錠した。扉の向こうには地下へと続く石の階段があった。
「こんな仕組みか......。ずいぶんと大袈裟なんだな」
清島はたいして驚いてもいないという風を装って呟く。男が答える。
「集まっている皆様が皆様なので、念には念を入れるということで......。まぁ、気分を盛り上げるためという理由もありますが」
「なるほどな......」
3人は階段を下りていった。突き当たりの扉の前で、男は清島に仮面と首輪を渡した。
「ご承知でしょうが、この扉の中では、お互いをニックネーム以外で呼ぶことは禁じられています。あくまでもここは同好の士による社交場です。マナーはお守り下さい」
「わかっているよ」
清島は仮面を付ける。顔の上半分を隠す黒い仮面だった。そして沙耶の首に、革製の赤い首輪を取りつけ、そこからつながる太い鎖を持った。沙耶はこれから何が起こるのか、怯えた表情をしていた。
「ふふふ、沙耶。今日は立派な奴隷ぶりを見せてくれよ。おれに恥をかかせるんじゃないぞ」
「はい......」
沙耶は頷くしかない。もしかしたらここで、長い監禁から解放されるのかもしれない。そんなかすかな望みだけを胸に秘めていた。約束の一年が過ぎようとしている。それだけが根拠だ。もはや、まともな生活に戻れるはずもない身体に汚されてしまっている沙耶だが、そんな希望すらなかったら、気が狂ってしまうだろう。
きっとこのパーティで、自分は恐ろしく恥ずかしい目に合わされるのだろう。それはわかっていた。しかし、解放されることだけを信じて何があっても耐えよう、沙耶はそう心に決めていた。
「それでは今夜はお楽しみ下さい」
扉があいた。そこは大きなホールとなっていた。地上の建物よりも遙かに大きなスペースだ。赤い絨毯が敷き詰められ、天井からは豪華なシャンデリア。ここもまた昭和の妖しいムードに満ちた空間だった。
あちこちのソファには正装して、仮面をつけた男たちが座り、その横や足下には首輪をつけられた女がいた。既に全裸にされた女も多く、薄暗い照明の中で女の白い肌が艶めかしく見え隠れしている。
ホールの中央には大きなステージがあり、その近くの席に清島と沙耶は案内された。ステージ前の特等席だ。
清島と沙耶がソファに座ると、後ろから声をかけられた。振り向くと仮面をつけた山城だった。
「いらっしゃいませ、ガースさん」
「ああ、山......、いや、ネイルさん。想像以上に大がかりなパーティだね」
「ええ。出来るだけ、イメージ通りの秘密パーティというのを再現してみたかったんですよ。ほら、昔の映画やSM小説なんかに出てくるような、ね。こういう大人の遊びは、本気でやらないと面白くないですから。ガースさんも、今夜はなりきって楽しんで下さいよ。いかがわしい小説の登場人物になったつもりでね」
「といっても、客は本当にそれなりの方が多いんだろう?」
「ええ、まぁ、ある程度の地位とお金がある方でなければ、参加はできませんが......。その辺りはあまり詮索しないのがお約束ということで......」
「もちろんわかっているよ」
「ふふふ。それにしても沙耶さん、ちょっと会わないうちにさらに美しくなられて......。ガースさんの調教の成果でしょうね」
山城は不躾な視線で沙耶の全身を舐め回す。沙耶はじっと唇を噛んでいた。微かに震えている。
「東京から二つの穴にローターを入れっぱなしにしているからな。ずっと生殺し状態だよ。もうイキたくてイキたくてしょうがないってところじゃないかな。なぁ、沙耶」
山城は首輪の鎖をひっぱって顔を上げさせる。
「あ、ああ......。はい......。沙耶は早くイカせてもらいたいです......」
「ふふふ、そうですか。沙耶さんは早くイキたいのですか。でもせっかくですから、この会場にいる皆さんの前でイクところを見せるというのはどうでしょうね」
「!」
山城の言葉に、沙耶は息を飲んだ。この大勢の男女の前で恥ずかしい姿を晒さねばならないのか。思わず、清島に助けを乞う。
「い、いやです。ご主人様、そんなことをさせないで下さい。沙耶はご主人様以外の人には恥ずかしい姿を見られたくありません」
清島はニヤニヤ笑いながら答える。
「すでにおれ以外にも、お前は恥ずかしい姿を晒してるじゃないか。ほら、このネイルさんにも、たっぷり見られてるよなぁ」
「そうですよ。私も沙耶さんのおまんこの奥やら、恥ずかしいものをヒリ出す姿やら、じっくり見せていただいてますよ。今さら恥ずかしがっても無駄というものですよ。ふふふ」
清島は、沙耶を自慢するのが好きだった。これまでにも、監禁先のマンションへ何人もの男女を連れてきては、沙耶が責められる恥ずかしい姿を披露しては悦に入っていたのだ。
「あ、ああ......」
沙耶は絶望に沈み、顔を伏せる。
「こんなに美しい奴隷を持っているなんて、みなさんに羨ましがられますよ、ガースさん。ほとんどの方の席にいる奴隷は、こちらで貸し出したSMクラブの女性ですからね。自分の奴隷を連れてきているのは、何人もいませんよ」
「そうか、そうか。それじゃあ、本物の奴隷の感じっぷりを皆さんに見せてあげないといけないな」
山城は清島の自尊心をくすぐっていく。このパーティは清島をはじめとする数人の接待が目的と言っても過言ではないのだ。
「それでは後ほど。沙耶さん、心の準備をしておいて下さいね。ふふふふ......」
そういって山城は、清島たちの席から離れ、ホールの裏へ行く。そろそろショーが始まる時間なのだ。
「あっ、ああーっ」
幾十にも縄をかけられ、空中に吊られた全裸の女体が赤い蝋燭の洗礼を浴びていた。剥き出しになった女陰にも容赦なく熱蝋が降り注いで行く。その度に女体はビクンビクンと跳ね上がり、悲鳴があがる。
「ふん、悪くはないが、しょせんショーだな。恥じらいというものが感じられない」
ソファの上でふんぞり返りながら、清島は言う。しかし、それでも目はステージから離れない。
「それに女の質が今ひとつだ。あれくらいなら、どこのSMショーでも見られる。どうせ見るなら、お前くらい美しい女じゃないとな。そうだろ、沙耶」
沙耶は時折ステージに目をやっては、見てはいけないものを見てしまったかのように慌てて目を伏せる。これから自分も、あのようにステージの上で、何十人もの好奇の視線を浴びて恥ずかしい姿を晒さなければならないのか。そう考えるだけで、沙耶はこの場から逃げ出したくなる。そんな恥辱には耐えられるわけがない。
しかし、沙耶の首にかけられた首輪の鎖は、清島にガッチリと握られ、席を立つことはできない。いや、いずれにせよ、自分は清島から逃げることなどできないのだ。
沙耶は死刑宣告を待つ囚人のような気分だった。しかし、一年間にわたってM女として調教されてきた沙耶の肉体は、そんな思いとは裏腹に、羞恥への期待に強く疼いていたのだ。何時間もの間、前後の秘奥に微妙な刺激を与えられているため、肉裂はぐっしょりと濡れそぼっている。これ以上の刺激を受けてしまったら......。
沙耶が恐れているのは、大勢の観客の前で辱められることだけではない。それよりも、その辱めによって、自分が感じてしまうことが怖かった。被虐の喜びに燃えてしまい、自分がマゾであることを思い知らされることが何よりも恐ろしいのだ。
「それでは、ここで特別ショータイムです。VIP会員であるガース様の奴隷を披露していただきます」
大きなサングラスをした司会者がアナウンスした。目元を隠していても、彼が10年ほど前にテレビでよく見かけた芸人であることは明白だった。
「さぁ、行くぞ、沙耶」
「あ、ああ......」
得意気に清島が立ち上がり、沙耶の首輪の鎖を引っ張りながらステージへと向かう。会場からは拍手が巻き起こる。
「おお、いい女じゃないか」
「あんな奴隷がいるとは、羨ましいな」
会場のあちこちから、そんな声が聞こえてくる。清島は嬉しくてたまらない。
「ほら、ステージの真ん中に立つんだ」
沙耶をステージの中央に立たせると、清島は首輪の鎖をその後ろから突き出ている鉄柱へと繋いだ。自分はステージ脇に用意されていた椅子にどっかと座る。
犬のように鎖に繋がれた和服姿の美女に場内の視線が集中する。
山城から渡された紙を、司会者が読み上げる。
「ガース様の奴隷であります沙耶さん。年齢は29歳の女盛り。もともとはとある地方の大手企業の社長夫人だったのですが、被虐趣味が高じまして、夫を捨て自らガース様の奴隷となったそうです。性感帯は肛門。好きな責めは浣腸責めです」
「そ、そんなことまで......」
自らのプロフィールまで読み上げられ、沙耶は耳まで真っ赤になった。出自を特定できるほどの情報ではないが、それでも沙耶にとっては自分の正体を全ての観客に知られてしまったような気持ちになる。
「あんな綺麗な顔をしてるのに浣腸好きか。たまらないな」
「ああ、あんな女を一度でいいから、ヒイヒイ言わせてみたいもんだ」
男たちのぎらついた視線が沙耶に集中する。二つの秘奥で蠢いているローターの刺激がさらに大きくなっていくような気がする。
「よし、そこで全部脱ぐんだ、沙耶。お前の恥ずかしい身体を皆さんに見てもらいなさい」
清島が命令した。覚悟していたことではあるが、この熱い視線の中で裸になるなど、沙耶には耐えられない。
しかし、清島の命令は絶対なのだ。逆らうことは出来ない。
「ああ、もうだめ......」
沙耶は目をつぶって、しばらく黙っていたが、やがて諦めたように帯に手をかけ、ゆっくりとほどき始めた。
場内はしんと静まりかえり、和服美女の姿に視線が集中した。衣擦れの音と、沙耶の吐息だけが、響いていた。
(続く)
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著者=小林電人 長年夢見ていた自分の「理想のSMビデオ」を自主制作したことがきっかけで、AV&SM業界のはじっこに首をつっこむことになった都内在住の40代自営業。 「羞恥の教室」をモチーフにした自主制作DVD最新作「1年S組 仲村忍 セーラー服肛門調教」が完成しました! 藤井と忍のアナル調教の模様を実写で再現しています。購入ご希望の方はhttp://denjin.5.dtiblog.com/blog-entry-136.htmlをご覧下さい。 |