Photo series by Shirao Ray;turtle shell tombs
連載 写真シリーズ「カミヌクー」
沖縄県に多く見られる墓の形式のひとつ「亀甲墓」。「カミヌクーバカ」とも呼ばれる巨大なそれは、形状から「亀の甲」を意味するだけでなく、母の体を表わしてもいた。――人は生まれ、どこへ還るのか。フォトグラファー・白汚零の写真シリーズ連載全5回、最終回です。
毎年4月の初め、清明(シーミー)祭の季節がやってくる。シーミーとは墓参りのことだが、墓前にて持ち寄った重箱料理を広げている様は独特だ。沖縄の人たちは、つかの間の現世の家より、祖先が眠り、また自分も死後永遠に住むことになる墓にお金をかけると言われる。門中(ムンチュー・男子家系)がお金を出し合い、時には数千万もかけて墓を新築したり改築したりすることがあるそうだ。米軍キャンプ地内に取り残された亀甲墓もあるが、清明祭や納骨の際はその度に米軍に許可を取り内部に入るという。
著者既刊写真集
Photo series by Shirao Ray;turtle shell tombs
写真シリーズ「カミヌクー」
第1回/先祖が宿る子宮
第2回/巨大墓の住民
第3回/ひしめき合う古墓群
第4回/無縁墓にも手を合わせ