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『S&Mスナイパー』1982年6月号
読者告白手記「私のM体験」
読者告白手記「私のM体験」
初めてSMクラブを訪れる時は誰だって緊張するもの。ましてやプレイ経験がほぼないに等しかったら……。女王様による調教を望んだ或るM男性が、意を決して訪れた某SMクラブ。彼がそこで体験したこととは。『S&Mスナイパー』1982年6月号に掲載された読者告白手記を再編集の上で再掲載いちします。
そして場所を確かめクラブの前まで来たのだったが、その扉を叩くときには一瞬緊張し足が震えた。何しろこのようなクラブは初めてだったし、M体験もほとんどんどないに等しかった。しかし、この数年来一度はプレイをしてみたいと思い続けてきたのだし、折角ここまで来たのだからと思い切って私は扉を押した。
「はい」
中から出て来た女性の顔を見て私は少し落着いた気持ちになれた。優しく、おとなしそうな感じがしたからだった。その女性が私に尋ねた。
「ご経験は? どの様なプレイをお望みですか? ハードですか? ソフトですか?」
「あの、何しろ初めてですのでどんなことをするのかもよく分かりませんが、とにかく宜しくお願いします」
私はその女性の矢次早の質問に惑いながら答えた。
「私でも構いませんか?」とその女性が聞いたとき私は一寸びっくりした。正直言ってこの女性では女王様にそぐわないのではないかと思っていた。しかし相手を選ぶ余裕などなかった。
「はい結構です」
「では服を脱いで待っていて下さい」
私は言われた通り服を脱ぎ、椅子に腰をかけ待っていた。これから何か新しいことが始まるのだという思いでいっぱいだった。
そこへ扉を開けさっきの女性が入ってきた。しかし、すでに彼女は私の女王様となっていた。
その瞳も表も先ほどとはガラリと変わって、威厳を持ち、冷たく私を見ていた。そしてその服装もまた、それにふさわしい黒い服を着用していたのだ。
あまりの変わりようにびっくりして見つめているだけだった私は突然平手打ちを見舞われてしまった。何が何だか訳が分からず呆然としているとさらに又平手打ちがとんできた。
「奴隷がそんな格好で御主人を迎えるかしら、ひざまづいて両手をついて!」
やっと意味がのみこめた私は慌てて椅子から下り、女王様の前にひざまづいた。
「お前もこれから色々な所で様々な経験をしていくのだろうから、私がこれから調教することをよく憶えておきなさい」
ひれ伏している私の頭を足で抑えながら女王様が言った。
「済みません。許して下さい。有難とう御座居ます」
私は初めての経験にかなり興奮し、支離滅裂な返事をしていた。そして、その時すでに私はこの女王様の魅力にとりつかれていた。この方は本当に私を奴隷として飼ってくれるのだと思った。これは未だかつて味わったことのない感覚だった。
私が最初にMに興味を持ったのは高校生の頃である。町の古本屋でSM雑誌を見て買って帰ったのだが、その大半を占めるS的なものにはほんど興味がなかった。はっきり意識したのはその時だったのだが、今から思うと元々そういう傾向があったのだと思う。
確かに小学生の頃、近所の女の子とプロレスごっこなどして遊んで、その妹のような女の子にふざけて組み敷かれた時、しょうべん臭いパンツの下で何となくいい気持ちになったこともあったのだから。
だが、当時は雑誌を読むだけで満足するしかなかった。そしてはじめてMの行為をやってみようと思い、実行に移したのは大学に入ってからのことだった。
その時私は同級生の一人の女性と付き合っていた。理知的で小説好きの彼女ならあるいは私の性癖を理解してくれるかも知れないと思った私は、彼女と会うたびに少しづつ注意深くそういった話を混ぜながらデートをしていた。
そして一カ月後、ホテルの一室で私は彼女に「女王様になって欲しい」と頼んだ。彼女は最初は拒んだが、それでも結局承諾したのは好奇心を動かされたからだったのだろう。
それからは夢のような毎日だった。外で会っている時は普通の男と女のカップルだったが、部屋の中に入ると私は彼女の意思のままに動いた。彼女の靴や上着を脱がせ、ベッドに運び、足を舐めようとした途端、顔を蹴られてしまった。
「ダンスパーティーで汗をかいて汚れているから今日は駄目。でもどうしでもお前がそうしたいのなら、まあいいわ」
そう言って女王様は私を見つめた。だが、私たちのプレイはそこ迄だった。鞭で打ったり、縄で縛ったりということも知ってはいたが、そこ迄の苦痛を受けようという気が私のほうになかった。
だが、いったん始めたプレイは一応行きつくところへ行かねば治まらないのも事実だった。ある時私は彼女に小水を飲ましてくれるように頼んでみた。一瞬考えたのち、彼女は「やってみるわ、一寸待ってて」と言い置いてバスルームの中へ入っていった。
「大丈夫よ。ここへおいで」
その声を聞いた時、私は奥歯にじんとくるような痺れる感覚を覚えた。そして私は彼女の指示のまま風呂場のタイルの上に横たわった。
ところが、私の顔の上に彼女が跨ってきた時、今度は私が躊躇した。
「飲むのはまだちょっと抵抗があるから、顔にかけるだけにしてくれませんか?」
「だめ。私はもう決心したんだから飲んで頂戴。全部。こぼさないで!」
たちまち女王様の体から液体が湧き出してくる。その晩はしたたかにウイスキーを飲んでいたため小水特有の豆をいったような匂いよりはアルコールの匂いのほうが強く、飲んで飲めないことはなかった。しかし、大半をこぼしてしまった。
「バカね。飲めないのならはじめから言い出さなけりゃいいのに……」
「次はきっと全部飲んでみせます」
そう答えたが、それ以来何となく会うのが臆却になり、二カ月して高校を卒業すると、それぞれ郷里に帰ったこともあって、彼女とは二度とプレイすることはなかった。ただし、一度口に受けた小水の味はずっと私の中に残っていた。そして、もしかすると又、ここで味わえるかも知れないという期待を抱いてぬこのSMクラブに来たのだった。
「何をぼんやりしてるの。立って!」
女王様の声に私はハッとして我に返った。
「縛るからこちらをお向き!」
立ち上がった私は肩から縄をかけられ手を縛られ、柱にくくりつけられた。
「お前はもうここから永久に出られないかも知れないよ」
「まさか」
滑稽にも私はその時本気で心配してしまった。ここにこのまま閉じこめられたら一休どうなるのか……。
「許して下さい。何でも言うことを聞きます。どうか許して下さい」
その時にはもう女王様の為すがままにするより仕様がなかいと思った。自分がここ迄プレイにのめり込むようになるとは想像していなかったので、そんな自分に少しばかり驚いてもいた。
「いいわよ、その代わり私の鞭を受けられるかしら?」
「はい。嬉んで……」
「では数えなさい」
「一つ、二つ、三つ……七十九、八十」
「よく耐えたわ。痛かった? 初めは苦しいかも知れないけど、だんだん苦痛でなくなるものよ」
しかし実際は苦痛以外の何物でもなかった。そしてそれに耐えるために私は女王様の名前を口の中でつぶやいていた。前に何かで読んだことがあったのだ。
(苦しくなったら私の名前を唱えなさい。そうすれば、苦しみが消えるから)
あれはどこの女王様の言葉だっただろうか。気のせいか幾らか気が楽になったように思えた。
「足を開いいて。これからお前のアヌスを犯す。女を何人も犯してきたのだろう。女の私に犯される気分はどう?」
生まれてはじめて、尻にバイブレーターを入れられた私は、はじめの苦痛が快感に変わりうるということを知った。そして鞭打たれた後、やっと私は縄からも解放された。
「よく耐えたわ。でも今日はお前が初めてだと言うからソフトにしてあげたのよ」
「はい、分っております。有難とう御座居ました」
「じゃ、ついておいで」
女王様がシャワー室のほうへ歩いて行った。
「さあ、ここに寝て。全部飲むのよ、こぼすと承知しないわよ」
この一時間半の経験で私はすっかりM男になりきっていた。こぼしたりするはずがなかった。その飲むということ自体が私を最も興奮させるのであったし、事実、女王様のそれは大変に甘美な味がした。
その後、私は何度か「××」に通って何人かの女王様の調教を受けた。そして女王様一人一人によってこちらの感じ方がかなり変わることに気付いてますます深みにはまったように思える。
ある女王様の時は完全に自分が卑しいもののように思えてくるほどハードな責めが科せられることになり、苦い感覚を味わうことになる。 勿論それを求めに行くのではあるが……。又別の女王様の時は、M「プレイ」をしているという感覚になる。そして奇妙なことにそれも悪くはない。例えて言えばスポーツの後の感じがするのだ。
今のところ、そのどちらも私には好ましい。
文=S・K
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