fetishistic meister フェティシストが愛する名匠を訪ねて 第3回 【2】 オリジナルフィギュア「T&M」 フィギュア造形師 TETSU氏 私たちの性の営みとその周辺に存在する様々なグッズやアイテム。そうしたモノとヒトにスポットをあて、普段顧みられることのない彼らの素顔と職人の技に迫る連載の第3回。今回お話を伺ったのはフィギュア造形師のTETSU氏。熟女の肉感的なボディを見事に再現した、リアルな造形美の秘密に迫る全3回です! インタビュー・文=安田理央 |
1/4 スケール レジン キット 朝倉裕美 Ver.2 全高 /約38.7cm |
塗装用のエアブラシ。これで肌などを滑らかに表現するのだとか。机の下にはコンプレッサーが。 |
水バケツです。なんとなく懐かしいですね。粘土を加工する際には水分を含ませることも。工具を濡らして使うこともあるとか。 |
こちらはリューター。歯医者さんで見かけるものに似ていますが、使い方もほぼ同じ。ビットと呼ばれる先端を交換して、なめらかに磨いたり、削ったり、穴を開けたり。 |
70歳くらいのおじいちゃんが
「ネットで見たんだけど」って買いに来てくれたんだ。
わざわざこれ買うために来てくれたのかなぁって感激しましたよ。
「ネットで見たんだけど」って買いに来てくれたんだ。
わざわざこれ買うために来てくれたのかなぁって感激しましたよ。
エアブラシはその特性上、どうしても塗料が周囲に広がってしまうため、こうした塗装ブースで作業します。網目の裏にはファンが回っていて、塗料を吸いこんでくれます。
まつげの再現には、メイク用のつけまつげを使用。これを鋏で加工してフィギュアに植毛するのだとか。
普通のオーブントースター。粘土を手早く乾燥させるときに重宝するそうです。
こちらがフィギュアの原型に使われる石粉粘土。TETSUさんが使われているのはソフトタイプだそうです。
それからTETSU氏は「T&M」として「ワンフェス」に参加する。
T:「こういうイベントに行くようになって、恥ずかしくなりましたね。上手い人がごまんといるわけですよ。あたしは安易な考えで作って、オークションでポンと値がついたんで、いい気になってたけど、実際に制作している人たちの作品を見ているうちに、勉強しなくちゃいけないなと、つくづく思いましたね。今は彼ら原型師のすごさを尊敬してますよ。正直言ってオタクとかってバカにしてたんですけど、でも彼らは違いましたね」
とはいえ、作り始めてわずか一年でここまでのレベルに達したのだから、TETSU氏にも尋常ではない才能があったのだろう。
そして熟女フィギュアという、これまで誰も目をつけていないジャンルには、やはりその登場を待ち望んでいた人たちがいたのだ。
T:「『ワンフェス』でね、70歳くらいのおじいちゃんが『ネットで見たんだけど』って買いに来てくれたんだ。わざわざこれ買うために『ワンフェス』まで来てくれたのかなぁって感激しましたよ。買ってくれるお客さんは年齢層が高いですよ。たまに20代、30代もいるけれど、ほどんどは50代、60代かな。ただガレージキットだから、組み立てて、塗装する技術が必要なんですよ。エアブラシとかの機材もいるし。あたしでも作るのに2週間はかかる。制作代行屋さんというのもあって、キレイに作ってくれるんだけど、余計にお金が掛かっちゃうしね。熟女が好きで、なおかつ技術も持っているという人は限られちゃうからね。需要は少ないですよ。欲しいって人は多いだろうけど」
一体3カ月ペースで、現在までに7体を制作。髪型がロングとアップ、さらにヘア有りとパイパンなどのバージョン違いもある。ちなみに熟女にも関わらずパイパンバージョンの方が人気があるとのこと。
(続く)
TETSUさんにフィギュア制作の大まかな流れを教えていただきました。あの肉感的なボディははたしてどうやって作られるのか……順番に観ていきましょう!
粘土は通常、タッパに入れて使います。乾燥しやすいためフタは空けたらすぐ閉めます。 |
何となく丸めていただきました。ここから加工を始めると……。 |
はいこの通り。見事な頭部になりました。 |
こちらはスパチュラ。筋を彫ったり細部を加工する際に使われます。 |
顔の表情づけは非常に細かい作業ですね……。 |
こちらはサンドペーパー。このままでは大きいので小さく切って使います。 |
ピンセットで摘んで丁度よいほど小さくなりました。 |
この状態で表面を滑らかにします。ホントに細かい作業です。 |
※製作工程も明日の更新に続きます!
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取材協力=オリジナルフィギュア「T&M」
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安田理央 エロ系ライター、アダルトメディア研究家、パンク歌手、ほか色々。この夏、ついに四十代に突入ですよ。もう人生の折り返し地点かと思うと感慨深い。主な著作に「エロの敵」「日本縦断フーゾクの旅」「デジハメ娘。」など。趣味は物産展めぐり。でも旅行は苦手。 |
07.09.29更新 |
WEBスナイパー
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