毎週土曜日更新! The dancing girls are in full bloom at their best.
咲きほころぶ踊り子たちの肖像 舞姫爛漫 第7回 「金城ちさと」 【4】
写真・文・インタビュー=インベカヲリ★
モデル=金城ちさと
ストリップ劇場でのストリップショー。黄金時代は過ぎたといえ、根強いファンはいまも劇場に通っています。そして踊り子たちもまた踊り続けているのです。そんな彼女たちの姿を追う「舞姫爛漫」、第7回金城ちさとさん、掲載中です!
前で脱ぐことに抵抗はなかったですよ
踊れる場が欲しいって気持ちのほうが強かったから
踊れる場が欲しいって気持ちのほうが強かったから
男と別れてストリップ
劇団をクビになり、ついでに3年間付き合った彼氏と別れた。何もすることがなくなった金城ちさとは、無意識に自分の居場所を探していた。貯金はゼロ。まずはアルバイトをするしかない。
「彼氏とも別れたし、なんでもできるなーって思ってたんです。最初はキャバクラをやってみたけど、なんか好きじゃなくて。ピンク系の求人誌を見てたらヌードモデルっていうのがあって、お客と一対一でスタジオで撮影するみたいな。あ、これならできるかなって」
金城ちさとはヌードモデルになった。仕事はあまりなかったけれど、一対一の仕事は気楽だった。ある日、お客さんから、こんなことを言われた。
「君、カラダが柔らかいねえ。そんなに柔らかかったら、劇場でやってけるね〜」
「劇場ってなんですか?」
「ストリップ劇場だよ。行ったことなあい?」
「ないないない。行きたいです!」
ストリップ……存在は知っていたけど、どんなものかはわからなかった。
「連れてってもらったのがDX歌舞伎町。そのときに出ていたのが御幸奈々姐さんですね。踊りカッコイイし、ベッドショーはエロいし、こんなスゴイ世界があったんだー!! おおースゲー!!って思いましたね」
金城ちさとは、踊りを続けていた。キャラクターショーや劇団を辞めたあとも、自主的にスタジオへ通いレッスンをしていたのだ。ストリップを観たことで踊りたい気持ちは爆発し、すぐに劇場へ電話をかけた。
「人前で脱ぐことに抵抗はなかったですよ。踊れる場が欲しいって気持ちのほうが強かったから。本当に踊りでお金をもらうなら、すっごい上手い人じゃないと舞台に立てないじゃないですか。こう言うと失礼だけど、ここなら私でも踊れるかなっていう気持ちは、正直ちょっとあった。でもデビューしてみたら上手い人がいっぱいいて、自分は下手だーと思いましたね」
驚くのは、彼女が通ってきた道が、まったく無駄になっていないということだ。キャラクターショーで、言葉を出さずに動きで表現することを学び、芝居では表情で気持ちを伝える訓練をしてきた。金城ちさとのストリップには、それら全ての要素が入っている。
(続く)
金城ちさと
新宿TSミュージック所属。2003年08月21日デビュー。小麦色に焼けた肌と親しみやすい笑顔で、タッチショーも行なっている。自身のルーツが沖縄にあることもあり、沖縄地方でお盆の時期に踊られる「エイサー」を演目に取り入れ、ステージ上で大きな太鼓を用いることもある。
香盤情報
諏訪フランス座
7月11日-20日
新宿TSミュージック
8月1日-10日 撮影=インベカヲリ★
モデル=金城ちさと
取材協力=新宿TSミュージック
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インベカヲリ★ 東京生まれ。編集プロダクション、映像制作会社勤務を経てフリー。写真、文筆、映像など多方面で活動中。著書に「取り扱い注意な女たち」。趣味は裁判傍聴。ホームページでは写真作品を随時アップ中。 インベカヲリ★ http://www.inbekawori.com/ |
08.06.28更新 |
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