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『私にだってなれる! 夢のナレーター単願希望』
監督=レイク・ベル
販売元=ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日=2014年6月4日
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真魚八重子とターHELL穴トミヤの映画の話にかこつけて【4】
『映画秘宝』や朝日新聞映画欄などで活躍されている映画評論家・真魚八重子さんと、WEBスナイパーの映画レビューでお馴染み・ターHELL穴トミヤさんが、お互いに話したいテーマを持ち寄って映画談義に花を咲かせたら......!? 時には脱線もありでお届けする規格外の対談連載、第4回は「異性から見た、異性が共感してそうな映画」をテーマにマギー・ケアリー監督『私にもできる!イケてる女の10(以上)のこと』、レイク・ベル監督『私にだってなれる! 夢のナレーター単願希望』を取り上げます!
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■普通のコメディ映画なら、父と娘の理解という美談でまとめるところを、こんなイヤな話バラしちゃっていいのかな?って思うくらい、現実味がありました。(真魚)

編 もう1本は『私にだってなれる! 夢のナレーター単願希望』です。

真 面白かった! 監督も主演の人なんだよね。

タ そうなんですよね。僕、観たときは気づいてなかったです。

真 脚本もやってるから彼女の世界だと思うんだけど、父親との関係の悪さが凄い印象に残ってる。

タ 父親が最低なんですよね。

真 普通の父親は、心のどっかで娘のことを気にしてたりするけど、まったくない。娘がナレーターという同業の、凄い大きな仕事に選抜されそうになると、引退したと言ってたのに「じゃあ俺も」って名乗りを上げて、娘のライバルになる。というか娘を超えようとする父親ってどうなの?と。
なんかこの映画からは、娘の父親に対する憎悪みたいなものを感じましたね。最後の最後に再婚した23歳くらいの若い奥さんに、「こんな時くらい娘を応援してやりなさいよ」って言われて、父親はホントは悔しいんだけど、「娘に功労賞を捧げる」って嫁に言わされてる感。娘も(本気じゃないだろうけど、言ってくれたからいいか)って、妥協している感じがあるし。その互いの理解が実ってない余地を残してる演出が、凄いなと思いました。

タ そのシーン好きなんですよ。親父の年下の再婚相手が、声が高くてビッチ系っていうか、頭空っぽで、若くて可愛いだけみたいな感じで登場してくるんですけど。主人公と敵対するのかなって思って観てたら、その人が最後の最後にピシっと決めてくれる。

真 意外に共闘してくれる人だったね。

タ 知恵も深いっていうか、いいこと言ってて。女同士の連帯感みたいのもある。この親父の異常さは......、父殺しって物語の王道パターンじゃないですか。でもそういうのって大抵、息子が父親を超えるところだったのが、これは娘と父親の闘いになってるのが新しいかな。

真 私、よく分かる。うちの父も性格がすごい悪かったから。ホントに頭ごなしになんかさせようとするの。でもこの人の場合は特にひどくて、凄い若い嫁をもらって2人暮らししたいから娘に出ていけって。「今日中にな」みたいに。露骨だよね。

タ (笑)。

真 それとはまた違うけど、うちの父は自分の身の回りの世話をさせるために、ずっとわたしを嫁にもいかせず、手元に置いておこうとしたタイプの人で。ホントにわがままな、娘には娘の人生があるということを考えない父親が存在する、というのをリアルに知っていたから、これは分かるんです。父親の生々しい利己的な部分を、ここまでバラしていいの?ってくらいに......。

タ 世のなかにこんな父親が存在するってことを(笑)。

真 そう、普通のコメディ映画なら、父と娘の理解という美談でまとめるところを、こんなイヤな話バラしちゃっていいのかな?って思うくらい、現実味がありました。

タ この親父役の人がまた、男濃度が高いんですよね。ハゲてて、体毛もメチャクチャ濃い。

真 凄い渋い声で。

↑ハゲてても声にエロスがあればモテる!(ターHELL)

タ どういう映画かというと、ニッチなんですよねテーマが。そこがまず面白くて。

真 映画の予告編のナレーション。

タ そこを巡る話なんですよね。親父が有名な予告編ナレーターで、ほとんどの映画に関わってる。すごい低い声で。

真 セクシーでね。

タ 娘も実はナレーターになりたいんだけど、予告編のナレーションで女の声なんてありえないんだと。そういう業界の歴史があって、親父もそこに一体化してる。「女のお前ができるわけないんだから、さっさと諦めろ」って娘にずっと言い続けて、あげく娘が頑張って頭角を現わしそうになったら、自分が出て行ってつぶそうとする。

真 ほんとひどい話(笑)。

タ この親父も昔、父親から「お前は優秀だけど俺は超えられない」って言われてて、抑圧的なノリをそのまま受け継いで、それを娘にぶつけてる。凄いバックストーリーがありそうです。

真 そこはあんまり掘り下げないんだよね。父親が抱えたものを。

タ 未熟なだけっていう(笑)。どうなんですかね、この親父の嫌さ。クリエイター的な仕事をする人の嫌さっていうのもあると思うんですよね。自分の創りだすものが人生プライオリティーNo.1で、妻より子供より大切っていう。その芸術家っぽい人にありがちなエゴイスティックさと、普遍的なマッチョノリが合体した嫌さなのかなと思って。

真 クリエイターの業は深いよね。こういう父親、いるんじゃないかな。自己表現優先で、子供に愛情持ってない人。嫁はトロフィーワイフだし。

タ このマッチョ親父にまた、友達がいるんですよね、仕事仲間。

真 ちょっと若いヤツがいて、父親はそいつに「あとを譲るよ」とか言ってる。予告編のナレーションの若手で台頭してきてる人なんだけど、娘と彼がお互い同業ってことを知らないで、1回寝ちゃうんですよね。
で、彼は寝た女が、自分がやるはずだった予告編のナレーターになったと知った途端、「盗人だ!」って彼女のことを罵り始める。父親も娘の仕事や、彼が自分の娘と寝たなんて知らないから、「盗人の女がいるんだって?」みたいなこと言ってて。普通、父親なら誰かが娘と寝たとわかったら、男に本心とか色々尋ねてもおかしくないのに、娘に向かって「お前が盗人だったのか!」って。この愛情のなさが凄い。「同業者の仕事を奪うなんて!」ってなってるのが。

↑まず事情を聞けよ!(真魚)

タ (笑)。業界に女の人がいるべきじゃないっていう意識がメチャクチャ強いんですよね。アメリカの甲子園というか、マウンドに女がいてはいけないみたいな。親父と後輩が二人で「そんな生意気な女はヤッちまえばいいんだ。ヤッちまって言うことを聞かせればいいんだ」「そうさヤッちまうさ」みたいな会話をサウナで汗みどろになりながらしてるんだけど、実はそれが自分の娘についての話だったっていう。僕としてはこの場面、親父が復讐されてる演出に見えたんですけど。知らずに、自分の娘を侮辱してるという。

↑サウナで興奮するおとこたち。(ターHELL)

真 でも、侮辱してもなんとも思ってなくない?

タ なんとも思ってないんですかね(笑)。でも一応、気づいたら「お前、俺の娘のことだったのか?」ってうろたえてなかったですか?

真 一応うろたえるけど、でもその後娘に「お前が盗人なのか!」って言ってたから。

タ どっちにもキレてた感じですかね。

真 最後に4部作のナレーションっていう大きな仕事のオーディションで、自分が落ちたって分かったら泣きながら飛び出していったじゃないですか。

タ (笑)。

↑大人げない、という言葉のまさに体現。 (真魚)

真 普通は「娘に負けたかぁ。お前は俺を超えたな」っていい話にも持っていけるのに、この主演で監督の人は、お父さんが悔しさで泣いて飛び出していくのを、若い再婚相手が「アンタこんなとこで泣いてんじゃないわよ。娘を祝福してやるような心はないの?」って説教する。でもまだ父親は泣き喚いてる。

タ ひどい(笑)。

真 絶対お父さんに対する原体験があるよ。

タ レイク・ベル監督に。 

真 あると思う。じゃないと、こんなに嫌な父親像って描けない。

タ そうすると、この映画の女性的感性は、男だったら美談にもってきそうな父親像への、容赦ないダメ描写にあると。

真 ホントは許してない感じが......。

タ 最後まで(笑)。

真 意外と娘は父親をこんなに憎んでたりするんですよって、隠しきれてないところに女の生々しさがある。あんなに最後の最後まで醜悪に描くのは、手を抜いてないなぁって。で、彼女に恋人ができるんだけど、その恋人がまたキモいんだよね。

タ キモオタ系で。

真 何か喋るとそれを復唱せずにはいられない。今言った何々は何々っていう意味だからねって、いちいち説明しないと気が済まない人。

タ 見直したら「僕の趣味は野球のシミュレーションゲームなんだよ」って言ってて。そう言えば『Knocked Up』でも、家族の中にいるダメ旦那のエピソードがやっぱり......。

真 架空のドラフト。

タ 男たちが一室に集まって「マツイを取る」とか言ってて。アメリカの一番ボンクラな趣味って「球団運営のシミュレーションゲーム」なのかなって、謎のシンクロがありました(笑)。でもいいヤツなんですよね。

真 彼女のために尽くしてくれるし、ミキサーの仕事をしてるから、彼女のオーディション用のナレーションも一生懸命録ってくれる。で、彼女は彼の恋心を知っていて、受け入れるのも割と軽く「私もよ」ってセリフだけで、さらっと恋愛描写をする。
それがやりたいのかな、もしかして。80年代以降の男性が作った青春映画は、恋愛の描写がダラダラ長くて、ちょっと喧嘩しちゃったとか、仲直りするために家の前にラジカセを持ってくるとか......。もうそういうのいらない、重いから。

タ (笑)。

真 告白されたら「私もよ」って走り去りながら言って、それで恋愛エピソードはおしまいっていうのが、それが現代の女性映画かな。

↑さりげないから良いのです。(真魚)

タ 恋愛を引き延ばすでもなく、取っ払うでもなく、入れるんだけどサクッと。

真 そう、なれそめは楽に。

タ そのさじ加減、かなり目から鱗ですね。主人公にお姉さんがいるんですよね。セカンドストーリーでお姉さん夫婦の結婚生活が危機に瀕してっていう展開も同時進行する。

真 どっちの映画もさ、女の子のほうが気のない相手とやるんだよね。ただ性欲のためだけに。男は凄い純情なのに。

タ なるほど。それはやっぱり女の人が観るから、男が理想化されてるのかな。

真 それもあるかもしれない。家でおとなしく待っててくれる、非モテな、でもこちらも嫌いじゃない男がいてほしい。でも、モテる男とも一晩だけやりたい。意外にそういう欲望をぶっちゃけてるのかもしれない。

タ 主人公のお姉さんのとこにも、超ホットな男が出てきて、ヤバいどうしようみたいな感じになるんですよね。その一方で夫は全然モテなさそうな感じ。

真 でも彼にも浮気願望があって、同じフロアの凄いキレイな女の子が、排水溝が壊れちゃったからシャワーを貸して欲しいって言ってきて......。

タ シャワーを貸してどうなったんでしたっけ。

真 貸しただけで終わって、その後は特に何もない。

↑意外にこういうがっつかない男性、多いですよね。(真魚)

タ それで夫婦の関係がこじれるんですよね。

真 夫は家を飛び出しちゃうんだけど、職場に泊まってる。浮気心をそそられた彼女の家に行くんじゃなく。男の人の映画だったらそうなるんじゃないかな。同じフロアのシャワー貸した子の家に行くっていうふうに。

タ チャンス!って(笑)。確かに観ながら、煮え切らないな~と思っていた気がする。

真 職場に泊まるのはリアルで、女の所に行ったら浮気が重く咎められるっていう、社会性の反映なのかもしれない。

■僕のまとめは、「映画の感性は、性差よりボンクラか否かで分けた方がスッキリする!」かな。(ターHELL)

タ ちなみにこれ字幕で観ました? 吹き替えで観ました?

真 字幕しかなかった。

タ DVDだと吹き替えもあるんですよ。

真 吹き替えで観たいなー。

タ 主人公がすごい声芸をかましまくる映画なのに、吹き替え大丈夫かよって思ったら、吹き替えでも超頑張って声芸してるんですよ。

真 吹き替えの人も声芸の人だからね(笑)。

タ だから逆に、もの凄くやり甲斐があったんじゃないかって、この吹き替え。

真 口を慣らす運動とか。

タ そうそう、変な声をずっと出したり。レイク・ベルが『スターウォーズ』の登場人物をロシア人訛りにする芸っていうのがあって、吹き替えでもそれやってたり。あと、主人公がナレーターで食えないから副業で発音を治す仕事してて、喋りの矯正みたいな。それでイングランド訛りの英語とか、カナダ訛りの英語とかいろいろ出てくる。その中に絶対これ日本人だなっていう日本語英語も出てきて、そこも面白かったです。

↑聞いた瞬間「日本の方ですか?」と話しかけたくなる。(ターHELL)

真 女の子映画だから女の子に優しいというか。主人公と対極的な、着飾った男ウケ狙いな女で「ソイのお店知らない?」って話しかけてくる子に、ヒロインは割と冷たく当たってるけど、最後に方言指導する時には彼女もいて。

タ その子は超バカっぽい声なのに、実は弁護士なんですよね。

真 じつはすごくデキる女なのに、声が甘ったるくて甲高い。「著作権の仕事とか、その声のあなたに頼もうとする人はいないから、頑張って発声を変えましょう」って練習し始めるところで終わるのが、女の人に優しい映画だなと。

タ (笑)。

真 彼女に男ウケだけを考えるビッチな役を与えるんじゃなくて、裏のストーリーで著作権を担当する弁護士っていう仕事を与えるところが優しい。

タ キャラを使い捨てないというか、父親の再婚相手もそうですね。

真 うん、肝っ玉母さん的だった。

タ 第一印象の嫌な人のままで終わらない。あと、主人公が訛りをコレクションするのが趣味じゃないですか。それでいつもICレコーダー持ち歩いてて、街で変な訛りを見つけると録音する癖がある。そのときに、なんか黙ったままこっそりICレコーダーを取り出す、その感じが『私にもできる~』の主人公の、黙って手を洗ってるところを見る目と通じてる気がして。内向的女子、内面系女子というか......。

真 観察者ね。

タ 黙って何かを観察してる時の、その目が好きなんです。

真 わたしも文章を書く仕事のせいか、凄い目ざといよ、電車とかで。(前の人、スカートの柄が変だわ)とか。

タ (笑)。

真 あの人の服どうなってるんだろうとか、あの人凄い変な癖があるとか、すぐ気づく。そういう内向的で、観察する人って結構いると思う。

タ 独りの世界を持ってて、独りで楽しんでる。そういう自分の中の世界が、動きだけでにじみ出てくるシーンが凄くよかったですね。どっちも。

真 今までって女子で群れてる映画が多かった。ガールズムービーって言っても3人組とか、チアリーダーで2人が特に仲いいとか。これは基本独りだもんね。

タ その独りの視点で映画を観てるから、こっちもICレコーダーを出した段階で「あっ、録音したいんだな」って分かって、それがギャグとして効いてくるし。フィンガープレイも今それをしたいんだなってあらかじめ分かってるから、手を洗ってる男をオーブリー・プラザがガン見してるだけでウケる。その独りの世界にチャネリングしていける感じが女性的感性っていうか、今回あげた映画に女っぽさを感じた瞬間かもしれないです。

真 女っぽいんじゃなくて、独りでいる時って性差はそんなにないってことじゃない?

タ そうかも、むしろ内向的か外交的か、っていうか変なこと考えてるかそうじゃないかの差で。だからポイントは、ボンクラかボンクラじゃないか(笑)。

真 ボンクラのほうだよね。ICレコーダーで録ってるって......。

タ 変な訛りを探しながら、独りで勝手に興奮してる(笑)。

真 「虫の声だ!」とか言ってる男の人とか。

タ 一緒ですよね。採集しながら「うお~、きた~!」みたいな。

真 基本的に女性的な映画、女性におすすめ映画をお願いしますって言われると、突き詰めて考えると「性差なんてたいした問題じゃないのにな」っていうとこに行っちゃうんですよ。性差がある映画っていうと、『ブリジット・ジョーンズの日記』とか、女性を売りにしてる映画に戻らざるを得ない。

タ 性差より、性格差のほうがでかいのかな。だからそれこそリスト化するとかコレクションするっていう行動パターンも。

真 本来は男性っぽいって思われてることね。

タ 思われてるけど、実際は性格の問題なのかもしれない。

真 そうだね、性差は関係なく。コレクションする人は女にもいる。

タ 靴コレクターの女性の映画もありましたね。そういうコレクションはまた違うのかな。

真 実際にそういう人はいるよね。衣服にまつわるものは、女性的な趣味でもある。でも性差が関係ないものもあるっていうことですね。

タ 映画における女性のコレクションが、靴から訛りへと進化した。

真 女だからその業界じゃ働けないとか、女の子はそんなハレンチなことはすべきじゃないとか、そういう概念がやっぱりあるからコメディとして成り立ってるんで、まだまだ「女の子映画」ではあるんだと思う。

タ あとどっちも姉妹モノなんですよね、今回あげた2本は。で、姉妹関係はいいんですよ。

真 私は同性の兄弟がいないから分からないけど、一番身近な相談相手で、いいよね姉妹。どっちも助け合ってて。

編 では、まとめていただけますでしょうか。

真 私は、女性誌に聞かれた時に答えられる映画が新しく増えてありがたいって思いました。これらを勧めます、次からは。

タ やった(笑)。いまyahooみたら評価2.67点だけど、多分これからだんだん上がっていきますね。

真 でもなかなかレンタルが置いてない(笑)。

タ 評価9件しかない(笑)。前は近所で借りられたのに、いつのまにかTSUTAYAの棚からほとんど消えてることが分かったので、もう一回盛り返して......。

真 もったいないよね。

タ 超面白いですよね。字幕と吹き替えで2度面白いし。

真 女性におすすめです。

タ 僕のまとめは、「映画の感性は、性差よりボンクラか否かで分けた方がスッキリする!」かな。

編 次回は真魚さんが取り上げる、異性っぽい作品です。
(続く)

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真魚八重子  映写技師や派遣社員を経て、現在は映画著述業。映画秘宝、朝日新聞、ハニカム、キネマ旬報、新潮社『ゴーゴーバンチ』等で執筆。共著に「日本映画は生きている 監督と俳優の美学」(岩波書店)、「厭な映画」(洋泉社)ほか。著書「映画なしでは生きられない」(洋泉社)、「映画系女子がゆく!」(青弓社)も好評発売中。
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ターHELL 穴トミヤ  ライター。マイノリティー・リポーター。ヒーマニスト。PARTYでPARTY中に新聞を出してしまう「フロアー新聞」編集部を主催(1人)。他にミニコミ「気刊ソーサー」を制作しつつヒーマニティー溢れる毎日を送っている。
http://sites.google.com/site/tahellanatomiya/
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