Goldman presents The Rock'n Roll Ero-Manga
鬼才AV監督・ゴールドマンがお勧めのエロ漫画を熱く語る!
淫語インストラクターにして官能小説家、そしてベテランAV監督であるゴールドマン氏が「ズリネタ」として唯一活用しているモノ、それは「エロ漫画」だった! プロのエロ事師は何故、「エロ漫画」でなければヌケないのか、「エロ漫画」にしかない魅力とは、一体何なのか。ゴールドマン氏が実際にズリネタとして使用している大好物な作品たちについて、編集部がインタビューを敢行。全4回に分けての連載、今回は第2回です!!編 今回取り上げるのは、板場広しさんの『まりこさん人妻欲情視線』。「視線」と書いて「サイン」と読みます。 クロエ出版、真激COMICSですね。前回取り上げた『親密―艶母たちの秘愛相姦』(夢雅COMICS)は母子ものでしたが、板場広しさんのこちらは人妻もの。女性が既婚者というか、傾向としては近いですね。
ゴールドマン(以下「ゴ」) そうですね。これは同じマンションに住んでる、隣の奥さんなのかな。
編 この作品は人妻ものということで、寝取られの要素も入ってます。
ゴ これは大事ですよ、価値観としてはね。フリーの、ただ誰かにセックスして欲しいという女性だと、読んでてもそんなには欲情しないと思う。個人的に人妻とセックスしたいという欲望はないけど、ズリネタに関してはやはり人妻とか、その寝取られ系......。
編 他人のものを......という。
ゴ そうですね。ラジオでもやりましたが、義理の父親に犯されたりというのはズリネタとして、ヌケますよね。
編 その魅力はやはり背徳感だったりするんですか?
ゴ そうなのかな......自分ではそういうことやらないし、日常的にそういう願望がないからかな。リアルではないということが興奮に繋がっていくというような。だからドラマでも殺人事件をよくやるじゃないですか。でも実際に殺人事件って、リアルだったら見たくないですよね、死体とか。そういうのには関わりたくない。でもやはりドラマとか映画だと観ちゃうのはそういうことなのかなと。
編 物語は隣に住んでいる無口な奥さんとの情事が中心ですね。
ゴ 地味で、パッとしない感じだと思っていた隣の奥さんが、ドエロに調教されていくという。この板場さんは、顔は可愛い感じの絵で、他にもっと可愛い作品も描いてるので、ポップな側面を凄く持ってるんですよね。でも実際はイラマチオ描写が凄いので、マニアックな作家だと思います。
編 可愛い絵も描きつつ、えげつないシーンも描くという。
ゴ 咽喉奥まで必ず咥えさせたり、涎ダラダラだったり、あと擬音がね、多すぎて何だかよくわからないくらい(笑)。
編 ゴールドさんから見て、板場さんの絵の魅力はどのあたりでしょう。
ゴ まず女の体がね、巨乳で腰が細いという。ここら辺、なかなか好みの絵は少ないんですよね。
編 まさにゴールドマンさんの好みの女性スタイルですよね。
ゴ そうなんです。やはり趣味なので、他の人が見てどうなのかはわからないけど。
編 まれにスケルトン描写がありますね。
ゴ 最近の作家さんなので、性器の中、膣の中に入ってるペニスもちゃんと描いていて。中出しだと、射精した精子も凄いアップで描いてたりしますよね。
編 ペニスの透明化もありましたね。
ゴ 最近はこういう表現が当たり前になってる印象です。膣内に入ってるけど、穴だけ描いてる。昔はやっぱりありえなかったですよ。
編 AVで言うなら豊田薫さんのCCDを使う作品を観てる印象ですね。
ゴ そこらへんが面白くて、そういう作品を観て育った漫画家さんたちは、さらに外と中を組み合わせて上手に描いている。進化した形ですよね。
■連作と単発、どっちが抜けるのか
編 この作品集は、最初のまりこさんシリーズが5話あって、物語が続いていく感じなんですが......。
ゴ これは珍しく連作なんですよね。
編 板場さんの中では珍しいんですか。
ゴ 板場さんは1話完結も描いてます。ただ今の流行りとして3、4話連作というのがあるので、どっちもありなんでしょうけどね。個人的には、連作していくとネタが詰まってくる印象があるので、1話完結でいいと思うんです(笑)。
編 なるほど。ゴールドマンさんとしては、連作よりも1話完結でさっぱりしてるほうがいいと。
ゴ 1話で終わるんなら終わっていいと思うんですよ、3話4話となってくると、次のネタをどうしようかな、みたいな部分が見えてきちゃう。
編 今作は周辺の人物たちの展開になりますよね。
ゴ そこらへんがね、僕は何回も読んでるわりには、やはりオナニーをしてしまうので、細かいことはよく把握できてない(笑)。
編 ということは、やはり必要ないということですよね、物語が。
ゴ そうですね(笑)。大まかな、マンションの隣人とか、最初に接吻してるところを目撃したり、そういうところは大事だと思うけど、いざカラミに入ってくるとあまり必要なくなってしまう。
編 それはなんででしょうね(笑)。
ゴ 一回ヤッちゃうと、どうでもよくなることってあるじゃないですか、男の性質として(笑)。最初にヤルまでと、それ以降って全然違うじゃないですか。だから一回体を開いちゃうと、あんまりもう......僕は興味が薄れていくんですよね。
編 それはエロ漫画で言うと......。
ゴ 一回セックスして、スゲエみたいになると、以降もそんなには変わらないじゃないですか、やることも。
編 するとやはり一話完結で、次々と別の好みの女性が出てくるほうがいいと。
ゴ そのほうがいいですよね。これは風俗でも一緒だと思うんです。最初会っていい子だといいけど、2回目3回目になると、やはりなんか、ときめきがなくなってくるんですよ。
編 エロ漫画でもよくある展開だと思うのですが、一人の相手と継続してやることで、どんどんプレイを深めていく、という展開もありますよね。
ゴ 凄く貞淑な、真面目な人妻が犯されて、調教されて堕ちていく、みたいなのはいいと思うし、小説でもそういうのが好きなんです。だけど、今は1話目からハードなセックスシーンを入れないと、読者に納得してもらえないじゃないですか。
編 なるほど、そうですよね。
ゴ だから最初からてんこ盛りなので、その後はそんなに凄い展開がないんですよ。これがフランス書院文庫だと徐々に進んでいって、最後に盛り上がるように作っていけるんでしょうけど、漫画の場合はやはり、一話でヌケる要素がたくさん入ってないと、おそらく次からは載せてもらえないと思うんですよね。
■That's EROMANGA Standard!
編 やはりゴールドマンさんにとっても板場さんは重要な作家なんでしょうか。
ゴ 板場さんはね、僕の中ではみきかずさんのグレードに比べると、半分くらいなんです。
編 半分くらい?
ゴ みきかずさんは孤高の存在で......ホントは凄い好きなんだけど、ただそれがホントにヌケるのかというとそうでもないという。本当に好きな人とはエッチできないとか、あるじゃないですか(笑)。
編 (笑)。
ゴ ちょっとどうでもいい子のほうが付き合いやすかったりするんですよ。板場さんには凄い失礼なことかもしれないけど(笑)、やはり流行作家ですし、抜きやすい要素もあるし、そんなに思い込みも強くなく読めるので。
編 今風の絵ですよね。
ゴ そうですね。
編 先にお借りした3冊の中で、僕はこれが一番面白く読めました。
ゴ 話も面白いし、絵柄もいい。抜きどころも押さえてるし、凄い優秀な人で売れてるのがよく分かります。ただその分、僕には凄い屈折してる世界観があるので、ちょっと弱いなあと思うんです。でも普通の人はこういうのをちゃんと読んで、抜いて欲しいなって思います。
(続く)
『まりこさん人妻欲情視線』(クロエ出版)
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12.12.06更新 |
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