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The ABLIFE March 2012
窮屈な毎日に縛られて気持ち悪くならないためのゆるやかな処方箋
黒い恥毛の奥深く、まばゆい女陰から迸る黄金色のオシッコを百薬の長と崇める稀代のネクタール(神の酒=おしっこ)愛飲作家が、自由闊達、繊細至極、奇々怪々、博覧強記の知性に加えて、百花繚乱の体験談を交えて読者諸兄からの質問・相談に答える新連載。内容・ジャンルは自由。ネクタール+言葉の免疫で、貴方が今を生きるためのヨスガを紡ぎます。

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Consultation of life to drink delicious urine. For boys and girls.
第31回の受付案件
147、「近所の浪人生に迫られている主婦」
148、「一方的なSEXをする彼」
149、「日本酒に最も合う肴」
150、「怒りっぽい妻との付き合い方」
151、「頭の中で世界旅行」


147、「近所の浪人生に迫られている主婦」
芳野先生こんにちは。私は今年29歳になる女です。相談というのは、今年に入ってからずっと近所の浪人生(男性)から肉体関係を求められており、主人との夫婦生活もないことから、今、揺れている自分がいるということです。結婚してから8年で、子供はいません。その浪人生とは最初は道で会話する程度の関係だったのですが、お中元でもらったお菓子が余っていたことを思い出して一度だけ家にあげてお茶を飲みながら会話したことがあり、その時は何もなかったのですが、以降、彼の私への態度に下心がはっきりと見えるようになり、メールでも口説かれるようになりました。そうなってからは顔を合わせても道で話すだけで家へはあげないようにしているのですが、日に日に揺れている自分がいます。主人との生活は壊したくありませんし、浪人生の彼にとっては遊びに過ぎないということも分かっているので、しっかりしなければと思ってはいるのですが……。長くなってしまってすみません。私なりに今考えていることは3種類あり、そのどれを選んでいいのか分かりません。1つは、私が(主人には何も言わず)自制して浪人生に諦めてもらう道、もう1つは(言葉は選ぶにしても)主人に全てを打ち明ける道、もう1つは、絶対に秘密が保たれる状態を作ってから浪人生に体を許す道です。時間が経てば経つほど冷静な判断ができなくなってしまうような気がしていて、芳野先生にお言葉を頂きたく、メールを遅らせて頂きました。特に、主人に対してこのような相談をすることが主人にとってどうなのかということが分からず、迷いを大きくさせています。まとまりのない文章で申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。(主婦/マリア)

ほかの男に関しては、なんであれ、絶対、御主人に話をしてはいけません。
男は、ほかの女と浮気をしても、妻がほかの男と浮気をすると、逆上してしまう、勝手きわまりない動物なのです。
女よりシットブカイ。
浮気の現場を見つけられても「私は絶対浮気をしていない。男はアナタだけよ」と御主人にシラを切るのが、夫婦円満のヒケツであります。
御主人にナイショで、その「浪人」の若い「肉体」を食べてしまえばよろしい。
新しいものって、何も知らないから、それだけオイシイと思ってしまう。
知ってしまえば、ガッカリするかもネ。
そんなものヨ……。
男女関係なんて、そんなにシンコクにならなくてもいいと思うケド。
さっさとおやり遊ばせ。


148、「一方的なSEXをする彼」
相談させて下さい。彼とのエッチのことなのですが、彼が余りにも一方的で、そのことをどう伝えたらいいのか分からず困っています。彼は愛撫というものをほとんどせず、したとしても胸を少し揉むのと乳首を舐めるくらいで、キスも自分のペースでせわしなく唇を合わせてくる程度。こちらが舌を出してもそれは無視して、また乳首を舐めたりした後、5分も経たないうちに挿入してきます。そして自分勝手に腰を振って、2〜3分でイッてしまいます。早漏ということもあるかも知れませんが、私としてはそれよりもダッチワイフのように扱われていることが嫌で、だんだん彼とのエッチを避けたいと思うようになってきました。それで実際に拒んだりすると、彼は「なんで? なんで?」と心底不思議そうにしています。彼には自分勝手なエッチをしているという自覚がないようなのです。なんとなく、彼とはこのまま終わってしまうような気がするのですが、今後のためにも、こういう男性にはどう気持ちを伝えたらいいのかを教えて頂けないでしょうか。(OL/Lily)

「自分勝手なエッチをしている」
と申しますが、その時、あなたは、彼にどんな「愛撫」をなさっているのでしょうか……。
何もしていないのではありませんか……。

No.24「床上手」
No.26「女性器」
NO.36「オナニー」
No.59「女性からイジってもらうにはどうしたらいいのか」
No.73「もの凄い潮を吹く私」
No.111「何と言ってセックスを断わるか」
No.118「SEXジャンキーになったらどうしよう」
No.124「彼がイラマチオ好きで……」
No.131「処女とバレたくない」
No.137「パイパンの女」
No.143「セックスの最中に淫語を叫ぶ女」
――等、ごらん下さいませ。


149、「日本酒に最も合う肴」
深刻な悩みということではないのですが、芳野先生に是非お聞きしたいことがあります。それは、日本酒に一番合う肴は何かということです。私と妻はにわか日本酒ファンですが、シメサバ&日本酒の組み合わせが最高なのではないかと今のところは考えおります。芳野先生は何だと思われますか?(団体職員/ぼん)

50歳でサラリーマンをやめてから、30年間朝風呂、朝酒、湯ドーフ(冷奴)でして……。
酒とトーフが私の朝のはじまり。
たまに、馬とくじら。

酒の肴なんて、なんだっていいのです。
手近なところで――

梅干 みそ ゴハン
オセンベ マンジュウ チョコレート

ご自分のお好きなものを肴にして下さい。

酒を飲む人
花ならつぼみ
今日も咲け(酒)咲け
明日も咲け

150、「怒りっぽい妻との付き合い方」
初めまして、5歳の子供を持つ45歳の男です。短気な妻と喧嘩ばかりしていますが、子供の手前もあり、少しずつでも家の中の空気をよくしていきたいと思っています。元々妻は自分でも「わがままな性格」と言っており、実際その通りの自分勝手な人で、穏やかな性格の私とはその点で逆にぴったりくるのですが、子育ての点ではやはり困ります。ささいなことで(たとえば子供から「お腹が空いた」と言われたりすると、ご飯をせっつかれているように感じるらしく)、幼ない息子を怒鳴りつけます。息子はまだ5歳ですから、怒鳴られるだけではどうしたらいいのかが分からず、他のことでも繰り返し妻を怒らせるような言動をしてしまいます。そんな妻を見かねて私が口出しをすることで、夫婦の喧嘩になるという悪循環が続いているのが現状です。ちなみに妻は計画立てた行動はまったくできない人ですが、社交的でエネルギーが強く、普段はとても明るい性格です。どちらかというと引っ込み思案な私からするとまるで「嵐」のような人で、そこに惹かれて結婚したという弱みが私にはあります。この「嵐」のような妻と、子供を挟んでどのように接していくのがいいのか、芳野先生にお伺いしたく、お便りさしあげました。「芳野流人生相談」のことは、生真面目な私の心を自由にしてくれるものとして、いつも楽しく拝読しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。(会社員/如月)

「なんでどなるんだ」
「どなりやすいからよ」
「なんでヒッパタくんだ」
「ヒッパタキやすいからよ」
というのが、私の知人の御夫婦の会話でして……。
とにかく、そのなよなよした美人の奥サマ(人妻はみな美人ですけど)は、口は早いし手も早い。
やられっぱなしの御主人であります。
「社交的」で「明かる」く、なよなよした和的風情にぞっこん参って結婚したらしいから、どなられひっぱたかれても仕方ありません(と思う)。
「『やすい』ということは、それだけ奥サマに愛されているということだよ」
となぐさめましたケド……。

ところで――
ある日、お宅におじゃまして、三人でお酒を飲んでいたと思し召せ。
「とったわね」
と、いきなり、奥サマが、トロリとしたオメメで、私をにらんだんですヨ。
「えっ」
「とったでしょう」
「――」
「わたしのショーツ」
「あ、あ」
その瞬間、頬にピシャッときた。
「いてっ」
「あら、やだ」
奥サマが真っ赤になっている。
「つい、クセがでちゃった。ごめんなさい」
「いえ」
ク、クク……と御主人が笑っている。
「ショーツ、いただいてもよろしいですか」
「知りません」
「もう一度なぐってもいいですから」
「存じません」

No.41「怒りの抑え方」
No.144「無口すぎる主人」
――をごらん下さい。

151、「頭の中で世界旅行」
仕事が忙しく、もう何年も旅行に行っていません。そこで、頭の中でだけいろいろな想像をして世界を旅して回っています。最近考えているのは台湾で、台北から電車で少し田舎に行ったあたりの、迷路のような、それでいて長閑な路地をのんびり歩いている自分を妄想しています。芳野先生は、旅行はお好きでしょうか。今まで行ったことのある場所でよかったところ、あるいは、行ってみたいところについて教えていただけないでしょうか。台湾の後の空想で楽しませて頂きたいと思います。(カメラマン/O・F)

旅の終わり。
「ミラノの人 スタンダール
生まれリ 恋せり 死せり」

スタンダールの墓碑銘
生首。

三島由紀夫
「生者必滅世のならひ 額の皺に在色の髪(中略)さしもに人を悩ませし眼もとの色香消え失せてとほき昔の花ならず(中略)色艶のなき顔色は死人にまがふ蒼白さ(中略)唇は梅干」

フランソワ・ヴィヨン「卒塔婆小町」(『恋人へ送る』所収)より抜粋
著者=フランソワ・ヴィヨン 訳者=矢野目源一訳
発売=昭和8年 出版社=第一書房
渡水復渡水(水を渡りまた水を渡り)
看花環看花(花を見てまた花を見て)
春風 江上路(春風 江上の路)
不覚到君家(覚えずして君が家に到る)

高啓「渡水看花」
君の冥土。

(続く)



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WEBスナイパー編集部「あぶらいふ」係

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芳野眉美 作家・ネクタール愛飲家。1952年、『奇譚クラブ』に高校3年生の時に書いた小説「孤独なFANTASY」が掲載され、デビュー。翌年2月号の「硝子便所」で評価が固まり、以後ネクタール(神の酒=おしっこ)を題材にした小説の元祖として多くのマニア読者に指示される。また「あぶいらいふ」での連載「芳野流神酒譚」で綴られたファンタジックなまでに刺激的な実体験は、数多のファンに衝撃を与えた。現在は『SMマニア』(マイウェイ出版)にて不定期に新作を発表している。
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