The
ABLEFE May 2010
窮屈な毎日に縛られて気持ち悪くならないためのゆるやかな処方箋
黒い恥毛の奥深く、まばゆい女陰から迸る黄金色のオシッコを百薬の長と崇める稀代のネクタール(神の酒=おしっこ)愛飲作家が、自由闊達、繊細至極、奇々怪々、博覧強記の知性に加えて、百花繚乱の体験談を交えて読者諸兄からの質問・相談に答える新連載。内容・ジャンルは自由。ネクタール+言葉の免疫で、貴方が今を生きるためのヨスガを紡ぎます。
第9回の受付案件
38、「淫水焼け」
39、「年をとる」
40、「変な癖がある」
41、「怒りの抑え方」
42、「夜這い」
38、「淫水焼け」
セックスをいっぱいすると、「淫水焼け」を起こして男性器が黒くなるというのは本当ですか?(学生/義信)
淫水焼け……ねえ…… 。
朝風呂で、すっかりちぢこまってインモーにかくれてしまっているご隠居をつまみだし、つくづくと見つめてしまいましたヨ。
嗚呼、あわれなる
傷だらけの男根よ
思い女(びと)に噛みつかれた傷あとは
まだ恥垢を滲ませ
食い千切られる恐怖をなつかしむ
思い女の愛咬の傷……
女悦の男根は、一黒、二赤、三白、四紫と、色を論じた俗説があります。
紫は亀頭の色で「紫色雁高」と言えば、古来サイコーの男根の代名詞だそうです。
紫が頭をもたげて玉門をねらっているわけ。
また、色なんて関係ない、小さなフニャフニャマラが、ソンゴクーの如意棒の如く、陰中に入るや、太く硬く長く、自由自在にあばれまわり「あへっ」「死ぬう」と淫水だらだらの女人を失神させるという俗説もあります。
女人の淫水については、膨張した膣壁の発汗作用だとか、膣入り口のバルトリン腺液だとか、子宮頸管(しきゅうけいかん)からでるムコイド溶液だとか、いろいろあってよくわからないそうです。
まあ、お濡れになっていればそれでよろしい。オシッコもおチビリ遊ばしているでしょうし、ネ。
私の知人の童貞が、春画を見ながら、赤銅色のペニスこそ男だと吹き込まれ、由比ガ浜でせっせとやいたと思し召せ。
三白が二赤に……そして火脹れ、活火山。
白くて美しい赤ちゃんのオチンチンも、やがては黒ずんで参ります。
この色素沈着は、遺伝的要因が強く影響しているそうで、個人差がありますから、ペニスの色はそれとりどりで、自分でもどうなるのかよくわからない。
童貞でも黒くなるからご心配なく。
39、「年をとる」
若輩者の私に、ご鞭撻をお願いいたします。先日、40歳の誕生日を迎えた男です。独身のせいか内面は20代の頃とほとんど変わりがないように思えますが、肉体や気力には、はっきりと「老い」を感じています。きっと、先生にも、初めてはっきりと「老い」を感じた時期というものがあったことと存じます。けれど、そこからの人生がまだまだ長いことも事実です。今の先生が、当時(それが40歳くらいの頃かどうかはわかりませんが、初めて「老い」を感じた頃)のご自身に何かアドバイスをするとしたら、何を言いますか? (会社役員/鼎)
老化は自分個人の問題だと思います。
私の老化は私の老化、あなたの老化はあなたの老化。
一般論なんかありません。
老化に原因はありません。
あるのは老化という現象だけです。
生理学的にいうと、生殖年齢を過ぎれば、あとの人生は付録だそうです。
人生、ほとんどフロクじゃないの。
老化は死とほとんど同じで、人生という経過の一部にすぎないでショ。
赤ちゃんは老人になる。あたりまえ。
死ぬことなんか考えないのだから、わざわざ老化を考えなくてもよろしい。
考えなくても自然に老化します。ご安心下さい。
ゆく河の流れは絶えずして しかももとの水にあらず
世の中にある人と栖(すみか)とまたかくのごとし
世の中にある人と栖(すみか)とまたかくのごとし
一年たつと、自分をつくっている分子は、きれいに入れ替わるそうです。
私なんか、もう八十四回弱、入れ替わっていることになる。
同じ自分なんてあるわけがない。
そこで、だ。私が老いを感じたとき――
おフェラしていた彼女に、
「あら、チョビットしかでないわヨ」
といわれたとき――ああ……。
40、「変な癖がある」
25歳の女です。なくて七癖、あって八癖、人には多かれ少なかれ誰にでも癖というものがあると思いますが、私の癖はちょっとやっかいで、たとえば電車に乗っている時など、急に、何の前触れもなく、「死ねいっ、死ねいっ」と人に聞こえる大きさの声で言ってしまったり、時には「ペニス!」など、イヤらしい言葉を口走ってしまうこともあります。脈絡なく、TPOをわきまえずに、変なことを言ってしまうという、癖です。この癖のせいで死ぬようなことはありませんが、時々、口走ってしまった後で本当に困ることがあります。芳野先生には、どんな癖がありますか? また、お知り合いの方で、私のような癖を持っている人に会ったことはありますか? 他人の癖を聞いては自分を慰めている私です。差し支えがなければ教えていただけないでしょうか。(看護士/あや)
あなたは、脳に損傷があると思われます。
脳を調べたほうがいい。
このままだと、廃人になります。
他人の癖は、あなたとなんの関係もありません。
ご自愛を――。
41、怒りの抑え方
私は小さなことにこだわりやすい人間で、一旦、怒りに火がつくと、暴力こそ振るいませんが、相手を徹底的に攻撃するような暴言を吐いて、相手が犯した罪(そう呼べるものがあったとして)以上に相手の心を傷つけてしまいがちになります。理性では、そんなことをしても決して事態はいい方向に転がらないと分かっているのですが、一度燃え上がった怒りの炎は、そうでもしない限り消えることがありません。先生はよく「寛容」の大切さを説かれていますね。私のようなタイプは、どうすればその「寛容」を手に入れることができるのでしょうか。怒りの抑え方を教えて下さい。(自営業/U・E)
要するに、すぐ「切れて」しまうタイプなのでしょう。
原因ははっきりしています。
脳の「前頭葉機能」の低下です。
前頭葉にはブレーキが置いてあるのですって。そのブレーキがきかなくなると、すぐ怒ってしまう。切れる。
最近の子どもは、この前頭葉が成長しなくなって……これは社会問題デスゾ。
カッとして人を殺してしまう衝動殺人犯は、すべて前頭葉機能がフツーの人より、はっきりと低下しているそうです。
カッとしてはいけません。
フツーの人になるには、ただただ、ひたすら、努力、辛抱、根性しかないそうです。
あしからず、ご自愛を―― 。
ただし、怒りをおさえて、ノイローゼにならないように。
ほどほどに怒りましょう。ネ。
参考文献
『バカなおとなにならない脳』養老孟司(理論社)2005年4月
42、夜這い
高度成長期の直前くらいまで、日本の田舎にはまだ「夜這い」の風習が残っていたそうですね。こんなにスリリングで、こんなに男の本能を刺激する行為が、共同体の中できちんと認められていたなんて、本当に驚きです。俺は本などで夜這いの話を読むと激しく興奮し、また強い憧れを感じずにはいられません。芳野先生は、夜這いの経験はありますか? 本物の夜這いのスリル、快感、面白さについて、ご存知のことがあったら是非教えて下さい。(無職/ユーイチ)
「わたくし、ヨシノセンセーをうらみます」
「はあ」
「主人は、センセーの小説を読みながら、わたくしに……あのう……指で……モミモミさせるのです」
「すみません」
「顔にまたがれというから……あのう……アソコをお舐めするのかと思ったら……」
「はあ」
「オシッコしてくれ」
「――」
「しゃくにさわって、主人の顔をビショビショにしてやった」
「スミマセン」
「ご主人、外でもお飲みになりますか」
ときくと、
「いえ、妻だけです」
「わたくしが許しませんわ」
「夫婦和合の神酒です」
ヨカッタ、ヨカッタ。
旧家である。誌友(ファン)に招待された。
縁側の孟宗竹の日よけすだれが巻き上げられている。
雨戸も障子も開け放たれ、広い庭から涼風が吹き込む。
「やぶ蚊が多くて」
蚊帳が吊ってあった。
深夜、縁側をそろりと這った。
夜這い星が流れた。
御主人のはだけた股間に、麗夫人の白い指がからまっている。
妻にニギニギされて眠るのが御主人の性癖で、ニギッテサエイレバ安心して眠っている。
ここが問題。
蚊帳に手を忍ばせ、麗夫人の舐めたいような小さな足をそっと触れた。
えいやっと夜這いは足にたどりつき
麗夫人が振り向いた。
寝ていなかったらしい。
蚊帳一重でも夜這いにはきつい邪魔
麗夫人が、そろそろと、四つ這いになり、御主人をニギニギしたまま、ゆかたの裾をまくり、裸の丸々とした輝くようなお尻を、高く持ち上げ、蚊帳の外に突き出したと思し召せ。
月光が雨中の花弁にきらめいた。
翌朝、麗夫人が甘い息でささやいた。
「来ると思っていたわ」
これでも夜這いかしら……。
(続く)
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