The ABLIFE March 2011
実践派マニア・Mみどりが描きだす倒錯エクスタシーの極致
実の母親に人体改造を施され、生ける人形として極限まで「感覚」を削られていく女子高生の壮絶な体験。数十年に亘って自らを責め苛む工夫に情熱を注いできた実践派マゾヒストである著者が、イマジネーションの果てに辿り着いた自虐妄想のリミットとは。「私もこうされてみたい――」という激烈な思いで描かれた、他に類を見ないマニアック嗜虐フィクション! ■指示通りに動く人形
翌日から、麻紀の新しい調教が始まった。後ろ手に枷で拘束され、目隠しに猿轡のまま、シルバーリングの4カ所に電極が取り付けられ、その指示に従って動くように教え込まれた。
鼻中隔は「前に進め」、クリトリスは「停まれ」、左右の乳首は90度、体の向きを変えるように教え込まれた。出来なければ高圧電流が流され、麻紀は自分が流したよだれでベトベトになっている床の上を何度も転げまわった。本来ならば絶叫が響き渡るはずだったが、声帯を切除されている麻紀の口からは、空気が洩れる「すぅー」という音以外なにも聞こえてこなかった。
3日もすると、麻紀は命令通り動けるようになっていた。広い室内で麻紀が一人で、右に行ったり左に行ったり停まったりしているところに静江がやってきた。
「如何ですか、素敵でしょう?」
麻紀は棒状の猿轡を口に噛ませられ、目隠しをされていた。しかも両手は後ろ手に縛られ、両足は60センチに開いた状態でパイプに固定されていた。
「あら、1人でも動けるのね」
「ええ、やってみます?」
看護師のユカが、BOX型の発信機を静江に手渡した。ボタンが菱形に上下左右に並んでいた。左のボタンを押すと、麻紀の体が左に90度向き、右のボタンを押すと右に90度向いた。上のボタンを押すと前に進み、下のボタンを押すと停まった。
「如何ですか?」
「これならば満足ですわ。そういえば、あの子のお腹がずいぶん大きいような気がするのですが」
麻紀はビニールで出来た黒のワンピースを着せられていた。そして母親が来る直前に100ミリリットルの浣腸と2リットルの空気浣腸を施され、そのために下腹部が大きく膨れあがっていた。
「はい、便秘気味でガスがお腹に充満しているようですので、先ほど、浣腸してみました」
ユカはそう言うと、天井から垂れ下がり先端が地上1メートルのところで揺れているロープに、麻紀の両腕をつないだ。麻紀のお腹がグルグル鳴っているのが、静江にも聞こえてきた。
「もう少し、運動しましょうね」
ユカは発信機のボタンを何度も押した。麻紀はしゃがみ込むことが出来ず、足を開いたまま便意と戦いながら、指示通り動いていた。
額からは汗が滴り落ち、閉じられない口からはよだれが次々と床の上に落ちていった。どんなに麻紀が我慢しても浣腸の威力は凄まじく、二度ほど身震いをすると、立ったまま麻紀は汚物を床にぶちまけてしまった。
「ブチッ、ブチブチブチッ」
麻紀は体を前に倒し、何とか汚物から体を守ろうとしたが、大量の空気浣腸が体内の汚物を一気に排泄させてしまった。しかもワンピースが腰に纏いつき、汚物は飛び散ることもなく、すべて麻紀の足元に落ちていった。
「わぁー、臭い! 立ったまま排泄するなんて、あなたは動物と同じね」
大きいほうが出れば当然ながら小も出てしまい、麻紀の足元は黄色い水溜まりになっていた。そして口元からは、止め処もなく涎が流れ落ち、横から見ていると2本の糸が床に繋がっているようにさえ見えた。
「で、如何でしょうか、例の件は……」
ユカは何事もなかったような口調で静江に切り出した。
「ええ、かまいませんわ、麻紀の姿を想像するだけで……とてもハッピーですもの」
「では後ほど院長室でサインを、お願いします」
「麻紀ちゃん、お金の成る木になって頂戴ね」
「それはもう……羞恥心もなくなったでしょうから……お嬢様は、これからは一生懸命に働いて、お母様にお金の心配は一切させないはずですわ」
麻紀には何も聞こえていなかった。そのサインは、麻紀の運命を決定するものだった。
■麻紀の売買契約
地域医療が表看板の木村病院は、裏では臓器売買に手を染めていた。院長の木村健治の趣味と実益を兼ねた商売だった。水田静江がサインをしようとしていたのも、臓器売買そのものの契約書だった。
自分の苦労を理解しない理不尽さ、たとえそれが「反抗期」と一般的に呼ばれ、一過性のものであったとしても、憎しみに取り憑かれた静江にとって、娘が充分な屈辱を与えられ、しかも金の卵になる魅力には勝てなかった。
勿論、公序良俗に違反する契約は無効であったが、お互いに無効と知りつつ契約を交わそうとしていた。
主な契約は、麻紀を20年間有料で木村病院に貸し出すことだった。その間の所有権は、木村健治にあった。そして、麻紀が果実を産む度に、静江には金銭が支払われる契約になっていた。
悪知恵の働く木村は、若い麻紀に出産させることを考えていた。麻紀が産む赤ん坊の臓器売買での一儲けを考えていたのである。
「急な話で申し訳ないのですが、元ヤクザの小指を何とかしてあげたいのですが、協力していただけないでしょうか?」
「それは、もう……喜んで」
「それでは、お嬢さんの両手の指を使わせて頂きたいのですが……」
「どうぞ、どうぞ、御自由にお使いください」
「有難う御座います。お母様の御希望は……」
「そうですねぇー、あまり元気に動き回られても困りますから……どうにか歩ける程度の体にして頂けないでしょうか」
「わかりました、何とかしましょう」
別契約で麻紀の左右の角膜を、100万円で木村が買い取る契約書にもお互いサインを交わした。
「お嬢さんは、本当に金の成る木ですなぁー」
しかし、この契約で木村には数千万円の暴利が転がり込むはずだった。小指の整形も角膜移植もすべて闇の仕事だったし、麻紀が産む赤ん坊の臓器売買となるとどれだけ膨大な利益になるのか計算不能だった。
■屈辱の外出
静寂の中で麻紀が目を覚ましたとき、そこには、笑顔の母親の姿があった。足の包帯は目に入らなかったが、両腕の異変にはすぐ気がついた。
「すっ、ううっー」
麻紀の口からは、呼吸する音しか聞こえてこなかった。
麻紀は、両手足の切断手術を受けた。足は、左右とも親指を含めて3本が切断され、腕は左右とも肘から切断され、包帯を巻かれた状態でスポンジの三角台に載っていた。
『今日から、お人形さんになりましょうね』
母親が差し出した紙には、そう書かれてあった。
傷が癒えると、再び調教が始まった。足の指に加えて、腕までも切断された為に体のバランスが取りにくくなった麻紀は、何度となく床に倒れ込んだが、丸2日も経つと指示通りに動けるようになった。
「ちゃんと動けるようになったじゃない」
ユカは、満足げに言った。
高圧電流の脅しに、麻紀は屈していた。
麻紀が指示通りに動けることが確認されると、角膜の摘出手術が行なわれた。代わりに移植された角膜は、明暗が辛うじて分かる程度で目の前10センチにある物体の識別さえ出来なかった。
しかし、そのことを伝える術が麻紀にはなかった。
「お母様、お嬢様を大切に」
「ええ、勿論ですわ。願いが叶ったんですもの」
1日だけ麻紀の外出が許された。静江は、希望通りの体に作り変えられた麻紀を友達の所に連れてゆき、その後、自宅で夫にも見せるつもりだった。
麻紀は、指示通りに動く人形でしかなかった。腰のバッテリーから伸びたコードが、鼻中隔、クリトリス、左右の乳首に嵌め込まれた電極に繋がり、麻紀に指示を与えた。股間はオムツカバーのままで、その膨らみは長いフレアースカートが隠していた。
左右の足には、両側長下肢装具が着けられた。それは大腿部から足首までを2本の金属支柱で挟み込み、何本ものベルトで固定するものだった。膝の継ぎ手は輪止め式(歩行するとき、輪止めをあげると膝が曲げられ、下げると固定できる)になっていて動かせたが、足首は固定式になっていて自由には動かせなかった。さらに両膝を10センチ程の金具で繋がれると、麻紀の行動は著しく制限された。
静江の希望通り、麻紀はかろうじて歩ける程度の体にさせられ、走ったり飛んだりするとこは、不可能だった。
フルカップブラと長袖のブラウスが、胸の電極と左右の腕を隠し、ショートマントを着せられると、麻紀の異常さはすべて隠されてしまった。
猿轡のために麻紀は口を閉じることが出来ず、半開きの口元からは、よだれが流れ落ちていたが、看護師ユカのアドバイスで生理用ナプキンを当て、その上から布で縛り、よだれはすべてナプキンが吸収するように細工がなされた。
さらにファンデーションで額の刺青を隠し、大きなマスクとサングラス、そしてスカーフで顔の刺青をすべて隠した。
腕を肘から切断され、自力では何一つ出来ない麻紀は、すべてを母親に任せるしかなかった。
電車とタクシーに乗せられた。といっても、電車でどこまで乗ったのか全く分からなかった。最近は、ホームにもエレベーターが備えられていて、ヨチヨチ歩きの麻紀でも十分移動は可能だった。
スカートの裾からのぞく麻紀の足首は人目を引いた。何本ものベルトと金属板で足首が固定され、大手術を受けたかのような印象を与えた。他人の視線が麻紀に集まるたびに、静江の頬が緩んだ。
麻紀は親友の香奈の家に連れてゆかれた。
「どう、素敵でしょう!」
「いいわねぇ、動くお人形さんね」
そんな会話も麻紀には聞こえなかった。スカーフ、サングラス、マスク、生理用ナプキンが外され素顔が香奈の母親、森嶋真由美に見せられた。
「素敵な刺青ねぇー。麻紀ちゃんを知っている私でも目をそむけたくなる迫力ね。それに鼻輪もお似合いね」
「有難う。顔の刺青って消し難いらしいのよ」
「つまり、一生ってこと?」
「らしいわ。麻紀は顔に刺青が彫られていることは知らないし、自分で見ることは永遠にないから関係ないけどね」
まじまじと真由美が麻紀の顔を見ている間に、静江はよだれ掛けを麻紀の首に巻きつけ後ろで留めた。
「電話で聞いていたけど、ホント、よくよだれが出るのね」
「これだけがチョットねぇー」
「その姿で外出させるのもいいじゃない。女子高生がよだれ掛けした姿なんて最高にステキよ」
「そうよねぇー、今度やってみようかしら」
麻紀はよだれが流れ落ちているのは分かっていたが、拭うことさえ出来なかった。
「ところで下はどうなっているの?」
「下? こうよ」
静江は、麻紀のスカートをまくって見せた。
「オムツをしているのね、それなら安心ね」
「安心なんだけど、習慣って恐ろしいわよ。なんのためらいもなくお漏らしするようになるのだから」
「そうなの?」
「そうよ、我慢なんて言葉は麻紀にとっては死語なんだもの」
「まぁー」
森嶋真由美は驚きながらも、邪悪な考えが脳裏によぎるのを感じていた。
(続く)
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