special issue for silver week 2011
2011シルバーウィーク特別企画/特集「女性向けAVの現在形」
特集「女性向けAVの現在形」、AVレビュー編――一緒にいるだけでときめいてカラダと心が落ち着く、そんなサプリのような素敵なカレに癒されたいと彼方、騙されたと思って観てみませんか? 純真無垢な甘えん坊のカレや、生意気だけど本当はきちんと自分を見てくれているカレなど、様々なタイプのカレが仕事で疲れた彼方を癒す“‘年下男子”のオムニバスドラマです。 最初に登場するのはムーミン君演じる「甘えん坊な年下のカレ」。出版社勤務のライターの莉子(園田ユリア)と、ラブラブの休日を過ごす画家の悠馬(ムーミン)という設定で、寝起きから「チューしてくんないと起きない(ハート)」みたいな甘えっぷりを披露。キッチンへ行くのも、歯みがきに行くのも犬のようにあとをついてきて甘えまくり、おっぱいに顔を埋めてきます。たぶんこのへんでチューの回数が50回を越えたのではないかと思われるくらいチューしてます。
一緒にお風呂に入っていると、だんだんスイッチが入ってきてしまう2人。悠馬が莉子をバスタブの縁に座らせ、指入れながらクンニし始めます。感じてしまった莉子が、お返しをしようと悠馬を座らせると、すでにビンビンのモノがにょっきり……。「なんで笑ってるの?」「だってカワイイんだもん、反応が」なんて言いつつ、続きはベッドで昼下がりのラブラブセックスへとなだれ込みます。
甘えん坊の悠馬はベッドでも甘えん坊。「入れてよ」とおねだりしてきます。莉子が騎乗位でゆっくり挿入し、動き始め、だんだん快感に夢中になり、大胆な腰遣いになっていきます。悠馬もそれを見てたまらなくなったのか、正常位で激しく腰を遣ってきます。
女性向けAVで男性向けと違うのは、こういうシーンで快感をこらえる男の顔を映すこと。気持ち良くてたまらない、っていう顔を撮ってあるんですね。なんとなくこういうの見慣れてないんで、急に観ちゃうとなんだか恥ずかしくて思わず目をそらしてしまいそうになるんですが、確かにちょっと、薄目を開けて観たくなるもんでは、ありますよねぇ……。
2話目はだらしないOLの香織(倉木みお)と、しっかり者の颯太(月野帯人)の同棲カップル。酔っぱらっては服のまま寝てしまい、朝は寝坊していつも朝食は作ってもらうばっかり。しかも颯太の作るオムレツは絶品。そんな幸せな状況の中で香織は「なんでこんなしっかり者のイイ男が、私なんかとつきあってくれてるんだろう?」と不安を感じ始めます。
ある日、仕事のミスで落ち込んでいた香織は、いつものように優しくしてくれる颯太に「あたしのほうが年上なのに、全然ダメだね、ごめんね」とつい本音をポロリ。すると颯太は「なんで謝るの? いいんだよ、香織さんはオレの前でだけダメでいて」。あ、あの……ごめん泣いてもいいですか? 架空のセリフとはいえ泣かずにいられない! 画面が涙でかすんで思わず一時停止ボタンを押して涙を拭きました。こんなキザセリフに泣かされるなんて、どんだけ簡単な女なんだ!と思いますけど、心が求めてるんですよね、ウソでもいいから優しいセリフを……。
優しく服を脱がせ、月明かりの中でしっとりとしたセックス。キスしながら男性器を愛撫したり、コンドームをつけるシーンがあったり、激しすぎない普通の恋人同士のセックスが描かれます。「チューして」と甘えたり、「好きだよ」「あたしも」……パンパンパンパン! みたいな感じで盛り上がっておりました。
3話目は仕事も家庭も、とがんばったのにバツイチになってしまったキャリアウーマン・佐々木遥(森ななこ)と、見た目はカッコいいのに口の悪〜い部下の佐藤(一徹)の2人。会社でボーッとしている遥を見ては「離婚ボケですか?」「怒るとシワ増えますよ」とキツ〜い一言を投げてくる佐藤だが、何を思ったか遥を食事に誘ってくる。一瞬ドキドキした遥だったが、仕事が山積みで結局残業することに。一人で黙々と仕事をしていると、佐藤がビールを差し入れてきて「佐々木さん人に仕事振るのヘタすぎですよ」とさらにダメ出し。「佐々木さん、一人で突っ走るし、夢中になると周りが見えなくなるし、要領悪いし……そんなだからダンナさんに逃げられちゃうんですよ?」と、キツいながらも「あれっ? もしかしてすごく観察してる?」と思える、なんかこうラブの気配がする一言が。シルクラボはほんとこういう、ありそうでないようなかゆいところに手が届くキザなセリフを出してくるのが上手い!
酔っぱらった遥をおぶって家まで送った佐藤は、強引に家に上がり込み、2人はいい雰囲気に。つい気を許して本音を語る遥に「僕は本気ですよ」と真剣に迫ります。それまで抑えていた思いが溢れたかのように、キスしながらもどかしげにネクタイを外す佐藤。これが萌えポイントなんですよね、血を吐きそうなほどよくわかります! 普段は部下のクセに、ベッドでは(ソファですけど)意外に強引で恥ずかしがっても許してくれず、ネチっこく責めていくのがたまりません。
……と、見終えてみると、なんということでしょう。すっかり仕事の疲れが年下のカレで癒された気分になっているではないですか! もっと「こんな年下のカレがいるといいよな! うちにはそんなもんいねーよ!」とやさぐれた気分になるかと予想してたんですが、全然キュンと来ちゃって「私の佐藤は、佐藤はどこにいるの!?」と夜の街をさまよい歩いてしまいそうです。ホントうまい具合に、仕事ですさんだ女のハートの淋しさを愛とセックスで埋める内容になっているんですよね。仕事に疲れている女性の皆さんはだまされたと思って観てみてください。案外リフレッシュして「こんな恋が待ってるかもしれないし、爪でも塗って明日もがんばろう!」って思えるかもしれないですよ!
文=雨宮まみ
『恋するサプリ ─年下のカレ─ (SILK LABO)』
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SILH LABO
雨宮まみ エロ本を中心に活躍中のエロ・AVライター。1976年生まれ。2000年ワイレア出版入社、投稿系エロ雑誌の編集に携わる。2002年フリーライターとして独立。主にAV誌を中心に取材やレビューなどの執筆活動を続けている。また、弟に向けてAVを紹介するという形式のAVレビュー系ブログ「弟よ!」も話題に。
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