special issue for silver week 2011
2011シルバーウィーク特別企画/特集「女性向けAVの現在形」
特集「女性向けAVの現在形」、AVレビュー編――恋人たちのある休日の恋愛模様を、女性が憧れるシチュエーションと4人のタイプの違う男性をメインに展開した、女性が制作した女性のための4つのオムニバスラブストーリー。さらには本編にも活かされているカップルのためのHow toも収録。カップルで学べるAVがここに登場!!内容は4組のカップルのセックス含む生活の1シーンを切り取ったドラマ×4本のほか、女性が知っておきたいセックスのテクニックを解説したもの。テクニックはドラマの中でさりげなく実践されてもいます。エロはエロとしてきっちり楽しみつつ、ついでにセックス上手にもなってしまおうという趣旨ですね。「エロメン三銃士」という、AV業界屈指の高顔面偏差値男優(一徹、ムーミン、月野帯人)が揃って出ているのも売りです。私はもう一人の小田切ジュンくんがいちばん好みでしたけど。
これですね、個人的な意見ですが、最初にテクニックのほうを観たほうがいい気がします。前戯未満(スイッチが入った状態)→前戯→セックスの描写が男性向けに比べると少々まったりしているのですが、じつはそういった部分にこそテクニックが隠されていたりするので、わからないで観ていると「展開遅いなー」と早送りしそうになります。気の長い人はどっちが先でもいいと思います。
テクニックは、「ディープキスは彼から舌を入れてくるまで、自分からしないほうが恥じらいがあっていいでしょう」とか、「女性がリードする場合でもパートナーからのボディタッチを待ちましょう」など、主に心理戦において有用なものが多めの一方で「フェラチオの時はゆっくりと亀頭から始め、徐々にストロークを長くしていきます」など、極めて実践的なものも。後半には男性向けのテクニック講座もあります。
ドラマのほうは理想的なセックスにつながる理想的な男女の生活を提示しようとするあまり、細かい情報や記号が繰り返し前に出てきて、セックスに至るまでがやや冗長になっている感があります。帰宅したキャリアウーマンが英字新聞を読むシーンとか飛ばしてもいいんじゃ……の、わりには二人が出会った経緯などが一切説明されていないのが、何だかもったいなく感じられました。そのへんの物語がないと、今いち感情移入しづらくてねぇ。しかし逆に、「イケメンのエロシーンが見られれば物語なんて自家生産するから大丈夫」という向きにはありかもしれません。
そう、エロシーンはこれでもかというほど描かれています。男性向けAVと比べ、局部や挿入部の大映しはないものの、アングルやカメラワークにはそれほど違いはありません。また、コンドームをつけるシーンが目立つように入っているのも、女の目から見るとポイント高いです。
そのほかの面白い点としては、男優が喋らないことかな。男性向けAVのように「どうなの? 気持ちいいの?」的なことを一切聞かず、黙々とやっている。のけぞったり、息を荒げたりといった反応はありますが、基本的には何も言いません。「言葉攻めって妙に冷める」という女性は多いでしょうから、そんな方におすすめです。うざくないですよ、これは。
それと、女性向けというからには当たり前でしょうが、男優の顔が大映しになるシーンが多い。コラえている顔だったり切なそうな顔だったり、「そうそう、体よりこっちのほうが観たいんだよ!」という顔がそこかしこに出てきます。
結論!「セックスはいいんだけど、最初のドラマももうちょっとちゃんと見たいんだよなぁ」……むかーし男性向けのAVレビューでも同じようなことを書いた記憶がありますが、ある程度のところまで突き進むと、直面する課題はどっちも同じになるってことなんでしょうか。
文=早川舞
『東京恋愛模様 (SILK LABO)』
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