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羞恥の教室 第三部
第十五章 再会 【3】


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小林電人


現実と妄想が欲望のもとに交錯する第3部!
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第十五章 再会

III 沙耶の羞恥4

「いやっ、いやーっ!」

沙耶の悲鳴は、その一瞬後、凄まじい破裂音によって消された。

それまで恥ずかしそうに震えていた沙耶の窄まりが、一気に口を開き、怒濤の如く透明な液体が噴き出した。

その勢いは少しずつ激しさを増し、そして窄まりをさらに押し広げていく。なにしろ3リットルもの浣腸液が押し込められていたのだ。それまで限界を超える腸圧に耐えてきた液体が、一気に出口を目指して噴き出して行く。

「あ、あ、あああ......」

肛門から内臓が飛び出してしまっていくような錯覚に沙耶は襲われていた。

透明だった液体は、やがて濁りを帯び、そして褐色の流動体へと変化していく。

「いやっ、いやぁっ、見ないで!」

成熟した色気をむんむんと発散させる美しい女が羞恥に身をよじりながら、おぞましい排泄姿を観衆の前に晒している。その凄惨なまでの美しさに、場内の全ての人間は息を飲んでいた。ドボドボと大量の流動物が、足下へ置かれた巨大な容器へと落下していく様から、目を背けるものなど一人もいなかった。誰もが血走った視線を、沙耶の肛門へと集中させていた。

長時間の苦痛から解放された快感と同時に、人間として最も恥ずべき姿を大勢の人間の前に晒しているという強烈な羞恥が、沙耶を襲っている。

これまでにも清島には数え切れないほどの浣腸責めを受け、そして複数の人間の前での排泄を強制されたことも何度もあった。しかし、これほどの人数の前で晒しものにされるというのは初めての体験であったし、そして何よりも愛する夫が間近にいるのだ。こんな姿だけは、夫に見られたくなった。

そんな沙耶の思いとは裏腹に3リットルもの浣腸は、いつまでも途切れることのない排泄をもたらしていた。

「ああ、あなた......、見ないで、沙耶のこんな恥ずかしい姿を、見ないで......」

顔を真っ赤にして泣きじゃくる沙耶の言葉も聞こえないかのように、夫である宏之は目を見開いて、妻の開ききった股間を見つめていた。猿轡が噛まされた口からは、低いうなり声が漏れている。それは愛する妻を残虐な目に合わせていることに対する怒りではなく、欲情に耐えかねての呻きのようだった。車椅子に手足を縛り付けられているこの男の股間はブリーフを突き破らんばかりに勃起していた。

あられもない姿勢で拘束台に縛り付けられ、排泄姿を晒すという羞恥に身を焦がしている沙耶には、そんな夫の姿は目に入っていなかったが、そこに夫がいるということ、夫の前で見せてはいけない姿を観客に晒してしまっているという事実だけはわかっていた。

永遠とも思われた沙耶の長い長い排泄も、やがて終わりを迎えた。大きく口を開いていた菊花も、今は再び可憐に窄まっている。真っ赤に充血したつぼみは、フルフルと震え、いまだ液体をにじませていた。

その凄まじい排泄絵図に圧倒されていた観客たちも、ようやく我に帰る。慌てたように司会の男がマイクに向かって口を開いた。

「いやぁ......、これは、すごかったですね。沙耶さん。ずいぶん派手にひりだしましたね」

司会者は、沙耶の足下に置かれた透明プラスティック容器に視線を落とす。そこには茶色い液体がなみなみと満たされていた。大量の浣腸液を使っているために、それほどの悪臭はない。しかし、この醜悪な液体が、目の前の美しい女性の肉体から排泄されたとは、その光景を目の当たりにした今でも信じがたい。

「おや、お尻の穴がヒクヒク震えていますよ。まだ出し足りないんでしょうか? まだ出るんですか、沙耶さん?」

沙耶は汗と涙でぐしゃぐしゃになった顔を肩に埋めて震えるばかりで、司会者の問いかけには答えない。

すると清島が怒鳴った。

「おい、尋ねられてるんだから、ちゃんと答えるんだ。答えられないなら、もっと浣腸してやろうか?」

その言葉に、沙耶はヒッと短い悲鳴を上げ、そして震える声で、答えた。

「も、もうおしまいです......。むさ苦しいものを、お、お見せして、申し訳ありませんでした......。ああ......」

浣腸、そして排泄させられた後、いつも清島に強要されていたおわびの言葉が、自然に口をついて出た。それが自分が心身ともに恥ずかしい奴隷女となってしまった証拠に思えて、沙耶はすすり泣いた。

清島は満足げに笑う。

「ふふふ。それじゃあ、沙耶の汚れた恥ずかしい尻の穴を拭いてやろうな」

清島は沙耶の尻肉をさらに押し開き、丁寧に肛門の汚れをティッシュペーパーで拭っていく。それは沙耶にとっては、たまらなく屈辱的な行為だったが、それでも自然にお礼の言葉を口にする。

「あ、ありがとうございます、ご主人様......」

言ってから、清島のすぐ横に夫の宏之がいることを思い出す。こんな目に合わされながらも、お礼を言っている自分を、夫はどう思うのだろうか。もう、何もかもが、終わってしまったのだと、沙耶は絶望的な気持ちになる。

「どうだい鈴木君、一年ぶりに会う愛妻の身体は? もっとも君は、沙耶のこんな凄い姿は見たことなかっただろうけどな。ふふふ......」

宏之は身をよじりながら、低い呻き声を上げた。血走った視線は、目の前に広げられた妻の股間から外れることはない。その眼差しは、明らかに正気の人間のものではないことに、沙耶は気づいた。

「あ、あなた......。あなた、どうしたの?」

沙耶は思わず問いかけた。清島が沙耶の耳元に口を寄せて、囁く。

「鈴木君はね、借金取りから逃げ回っているうちに、ちょっと頭がおかしくなってしまったらしいよ。なんでもセックスのことしか考えられない色情狂になってしまったらしいね」
「ひっ、そんな......。あなたっ、宏之さん!」

清島の衝撃的な言葉に、沙耶は冷水を浴びせられたように真っ青になった。

愛妻が姿を消したことを知った宏之は執拗に探し回り、遂に清島と山城が失踪に関わっていることを突き止めた。身の危険を感じた清島は、関係の深い暴力団を使って宏之を拉致監禁し、麻薬漬けにしてしまったのだ。やがて正気を失った宏之は、消えた妻の名を呟きながら、ひたすら自慰にふけるようになっていた。

「ふふふ、愛しい夫との一年ぶりの再会、うれしいだろう? どうだ? 一刻も早くつながりたいだろう」

清島が合図をすると、山城や係員がステージに上がり、沙耶を拘束台から下ろし、そして新たに両手を縛り直した。腕を拘束した革ベルトは天井から伸びた鎖につながれ、沙耶は両腕を高く吊られた立ち縛りのポーズにされる。爪先がなんとか地面に届く高さにまで引き延ばされてしまう。

観客席に向けて立ち縛りで吊された沙耶の背後に、宏之の車椅子が移動された。

「な、何をするの?」
「ふふふ、これから愛しい夫とひさしぶりにセックスさせてやろうというのさ」
「い、いやっ、こんなところでは、いやです!」

夫との愛の営みすらも、見世物にしようとこの恐ろしい男は言うのだ。沙耶は思わず吊されて不自由な身体をよじるが、逃げられるはずもない。

「さぁ、実はこの車椅子の男性は、沙耶さんの元ご主人とのこと。一年前に不慮の事故で身体が不自由になってしまい、セックスが出来なくなったことに不満を持った沙耶さんは、ご主人を捨てて、現在のご主人であるガース様の元で性奴隷となることを選んだそうです。しかし、奇跡的に元のご主人の性機能だけが復活したことがわかり、今、ここで、ひさしぶりの夫婦の営みを行うこととなりました。皆様、拍手で応援して下さい」

司会者の言うことが真っ赤な嘘であり、この夫婦が何らかの企みの犠牲者であろうことは、観客の誰もが気づいていた。しかし、ここに集まっている人間のほとんどが、そうしたダーティな世界とは無縁ではない。それをとがめる者は一人もいなかった。むしろこの哀れな夫婦の悲惨な状況にサディスティックな悦びを感じていた。観客席から、拍手が巻き起こる。

「な、何? 何をするの?」

怯える沙耶の両脇に係員が並び、それぞれ腿を持ち上げた。

「あっ、いやっ」

沙耶は二人に大股開きの格好で高く掲げられてしまった。もはや観客には見慣れたものとなった無毛の肉裂が再び剥き出しになった。

同時に別の係員が車椅子の上の宏之のブリーフを下ろした。たちまち勃起したペニスが勢いよく飛び出した。それほど大きいものではなかったが、固く雄々しく天を向いてそそり立っている。

係員は車椅子を押して宏之の腰部が持ち上げられた沙耶の股間の真下に来るように調整した。

沙耶にも、この男たちが何をしようとしているのかがわかった。

「いやぁ、そんなこと、そんなこと止めて下さい」

泣き叫ぶ沙耶。清島は満足そうに笑う。

「なんだ。せっかく愛しい旦那とセックスさせてやろうというのに。もっと喜んでもらわんとな」
「こんなところではいやです。お願い、ほどいて。せめて夫と二人にさせて」
「ふふふ、そう固いことを言うな。せっかくの記念すべき一年ぶりのセックスだ。みんなに見せてやらないとなぁ」

清島は指先にクリームを取ると、二人の係員によって開かされている沙耶の股間へと手を伸ばした。その指が触れた先は、浣腸と排泄によってふっくらと充血している肛門だった。ゆるゆるとクリームを塗りつける。

敏感になっている窄まりを触れられて、沙耶は呻く。そして、ハッと気がつく。

「ま、まさか......」

清島はニヤリと笑う。

「さぁ、お二人の準備が整ったようです。それでは一年ぶりの感動的な夫婦の契りをご覧下さい」

司会者がそういうと、係員はいきり立った宏之のペニスを持ち、狙いを定めた。沙耶を持ち上げていた二人の係員は、ゆっくりとそこへと下げていく。

ペニスの先端が触れたのは、沙耶の肉裂ではなく、その後ろの窄まりだった。

「いやっ、そこは、そこじゃないっ。お願い、せめて、せめて、前にして!」

思わず沙耶は叫んだ。もちろん夫とは、アナルセックスなどという変態行為をしたことはなかった。夫のペニスの先端が、初めて沙耶の菊花に触れた。沙耶の体重がその部分へとかかる。クリームを塗られた窄まりは、ゆっくりとペニスを受け入れた。

「ああっ、いやっ、だめぇ!」

強烈に締め付ける粘膜の感触に、宏之は呻いた。それは悦びの声だった。

「うぉっ、ううう、うぉー」

猿轡を噛まされた口から獣のような咆吼が漏れる。

係員が沙耶の脚を離す。すると沙耶に体重によって、宏之のペニスは完全に窄まりの中に埋没した。

「あーっ! 宏之さんっ」

一年ぶりに味わう夫のペニス。しかし、それを受け入れている場所は、憎い清島によって開発された恥ずかしい窄まりである。複雑な思いが交錯する。そして同時に強烈な快感も押し寄せてきた。沙耶の意志とは無関係に、肛門がギュウと宏之を締め付けた。

「ングー、ぐぐっ」

ペニスが一瞬膨れあがり、ドッと精を放った。

「ああっ」

大量の精液が沙耶の腸内に迸った。その温かい感触を沙耶は複雑な思いで味わう。

「ふふふ、もう果てたか。それも無理はないな。何しろ沙耶の尻の穴は絶品だからな」

そんな屈辱的な清島の言葉も宏之には聞こえていないようだ。喜悦の表情を浮かべているのが、猿轡越しにもわかる。そして、腰がまだクイクイと動いていた。

「......え? あ、ああ、もう?」

沙耶が驚いたような表情を浮かべた。腸内で、たった今、果てたばかりの宏之のペニスが、再び膨れあがり、先ほどと変わらないほどに勃起してきたのだ。淡泊で、一晩に二度求めてくることのなかった以前の宏之からは考えられないほどの回復力だ。

「んぐ、んぐ」

宏之は再び腰を動かす。車椅子に拘束されているために大きなストロークは取れないのだが、それでも小刻みに激しくピストンしている。ズブズブとペニスが沙耶の窄まりに出入りする。

「ああっ、宏之さん......」

清島に開発されてしまった肛虐の悦びが沙耶を翻弄する。その部分が熱く燃え上がり、官能がジワジワと高まっていく。沙耶も思わず腰をくねらして、より快感を貪ろうとする。

「んぐっ!」

またも、宏之が精を放った。一回目ほどではないが、それでもかなりの量の白濁液が沙耶の腸内に放たれた。

「ああっ」

夫の精液を体内に感じながら、沙耶は荒く息をつく。しかし、その直後、腸内で三度ペニスが膨れあがっていくことに気づく。

「ふふふ、どうやら鈴木君は、まだまだ満足していないみたいだな」

清島が言うまでもなく、宏之は半ば白目を剥き、涎を垂れ流しながら、また腰を動かし始めた。すでにペニスは硬くなっている。

「あっ、あっ、あなた。も、もう......」

清島が沙耶の耳元で囁く。

「鈴木君はね、神経がおかしくなったみたいで、いくら射精しても、すぐに勃起してしまうんだよ。放っておけば死ぬまでやり続けるだろうね。ふふふ、このままお前の尻の穴に射精し続けて死んでいくというのは、どうだろうね。腹上死ならぬ、尻下死というわけだ。ははは」

特殊な麻薬を打ち続けられたことによって、宏之は射精を制御する神経を狂わされていたのだった。

「ああっ、いやっ、お願い。もうやめて、あなたっ、あなたっ!」

沙耶の両腕は天井の鎖から外されたが、そのまま宏之の車椅子に繋がれた。沙耶は肛門に宏之のペニスを挿入されたまま跨った姿勢で固定されてしまった。

そして清島がその車椅子を押して、ステージを去っていった。これから二人は別室で放置されるのだ。

(続く)

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09.01.26更新 | 小説  >  羞恥の教室