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『S&Mスナイパー』1980年5月号読者投稿嗜虐小説
「セックス・ママ」
作= 武田正人

肉感的な女性教師に屈折した欲望を抱く男子学生が堕ちていく淫虐の奈落。自分はなぜ愛のある普通のセックスができないのか、悩む彼には誰にも言えない衝撃的な秘密があった――。レイプ、調教、倒錯、羞恥、屈辱、排泄……様々なテーマを盛り込みながらアブノーマルな性の世界を瑞々しく描いた力作。『S&Mスナイパー』1980年5月号に掲載された読者投稿小説を、再編集の上で全5回に分けてお届けしています。
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【3】密室の痴戯

空は抜けるように碧く、初夏を思わせる強烈な陽差しは焼きつくようだった。

校門を出てバス通りまで来ると、

「クルマ君」

女の声に呼びとめられた。

振り向くとクラスメートの大塚静乃が追っかけて来た。

「どうしたの。そんなに急いで」
「あなたを追いかけて来たのよ」
「僕に用かい」

、静乃はクスクス笑いながら光生を覗き込んだ。

「なにが可笑しい」
「だって最近のクルマ君ってとても張り切っているんだもの。前のクルマ君とは別人みたい」
「そうかな。自分ではちっとも変わっていないつもりだけど」

そうは言っても光生はギクリとした。

毎日同じ教室で一緒に勉強している静乃の鋭い嗅覚に、由香との関係が感づかれていないかと内心不安になった。

「みんな言ってるのよ。クルマ君は大人びてきたって」
「たとえば……」
「和代ちゃんたらすごいこと言うのよ」
「すごいことって――」
「そんなこと……あたし言えない」

後を向いた静乃の顔がほんのり赤く染まっていた。

「気になるから言ってくれよ」
「そんなに気になる?」

じらすように光生に背を向けていたが、やがて振り向くと下から挑むような眼差しで彼を見つめながら口を開く。

「じゃ、家へ来て。そしたら話したげる」

光生はその時初めて静乃に女を感じた。

そう思ってみれば、制服の開いた胸元からのぞく双つの丘もこんもりと高く、先程から軽く触れ合う肩や腕にもようやく皮下脂肪のついた肉体の滑らかさが感じられた。

時折そよぐ微風に乗って、甘酸っぱい乙女の香が光生の鼻孔をくすぐる。

「いいでしょ」

静乃は彼の返事も聞かずに歩き出していた。

彼女の家はそこから十分足らずの地点にあった。静乃は光生を促がすと二階の自分の部屋へと導いていく。

室内はきちんと整頓されていた。ブックケースの上には動物の縫いぐるみや、可愛い人形が上手に並べられ、淡いピンクのカーテンと共にいかにも女の子の部屋といった華やいだ雰囲気に包まれていた。

「ねえ。先刻の話だけど……」
「先刻の話って?」
「ほら和代君が言ったことさ」
「あのこと? まだ憶えてたの」
「だってそのためにここに来たんだろ」
「クルマ君はそれが聞きたくて、あたしについて来たのね」
「そうさ」
「あたしの魅力にひかれて来たわけじゃないのね」
「……」

光生は針で脇腹を刺されたようにギクリとした。彼女が自分に好意を持っていることは知っていたし、自分も嫌いではなかった。

胸も、腰も、腿も女らしく脂肪が乗り、形のいい唇は触れなばとろけそうなぬめっこさを持っていた。また、彼女の意志を反映してか、ブラウスの胸元は大きくカットされ、ノーブラジャーの白い丘が稜線をくっきりとみせている。だが、光生にとって静乃の肉体は清浄な聖域のように思われてならなかった。

「和代ちゃんはお兄さんがいるでしょ。だから朝起こしに行くらしいの。なかなか起きないので布団をめくると――」

喋り出したもののどういう言葉を使っていいのか逡巡している。

「よく汚れた下着があるらしいの。男の子って、夢を見ながらおねしょみたいのするでしょ」
「夢精?」

静乃の頬がポッと赤く染まっていた。。

「その……その匂いとクルマ君が教室で勉強している時の匂いが一緒なんですって」

今度は光生の頬に紅が差した。

「僕は下着なんか汚していないよ」

その言葉とは裏腹に、光生は胸の高鳴りを抑えられなかった。思い当たる節がないこともない。

あれ以来、由香との爛れた関係は続いているが、周囲に察知されないようにするために機会を作るのに苦労していた。

数日前は職員便所の中だった。光生が先にトイレに潜入し、じっと息をころして待っていると、ほどなく由香の足音が聞こえた。

一番隅の戸をノックする。合図のノックに光生は戸を開ける。

「先生……」
「クルマ君……」

サカリのついた猫が互いに体をこすりつけながら戯れるように、二人は激しく唇を貪り合う。

二人が狂ったように相手の体を求めるたびに、すでにズボンとパンツを足下まですり下げている光生のダラリとしたその部分が由香の腹部にあたった。

「見えるところは強く吸わないで」

由香は壁に背をもたれながら光生に身を委ねていたが、すでに露出された下半身の太腿部あたりから膝頭にかけては愛液と唾液でベトベトに濡れている。教室に出た時キスマークが残っていては不味い。

「それなら見えないところを吸うよ」

いきなり密毛に覆われた肉裂に唇を押し当てられ、由香は思わず声を上げた。

「ううう……」

激烈な快感に負けまいとして、歯を喰いしばる。倒れ込んでしまいそうになるのをどうにか堪え、光生の頭をしっかりと抱え込むようにして尚を快感を貪る。

由香の密林地帯に密着させられた光生の顔は、豊潤な花蜜でベトベトに濡れていた。生理の前を思わせる軽い恥臭に一層欲情が沸き立つ。

いつ他の教師が入って来るかもしれないスリルと、ぎこちないトイレの中という密閉した状況がそうさせるのか、刺激が刺激を追い、由香は乱れた。

半開きになった恥唇からこぼれる愛の雫は密毛をくぐり抜け、内腿からふくらはぎを伝わって足首に捲きついている花模様のパンティをぐっしょり濡らしていた。

「そ、そんなにいじめちゃいや……おしっこが出そう……」

すでに光生と何回かの交合を経験している由香は大胆な言葉を吐く。

「よし。今やらしてやる」

光生は金隠しの上に由香の腰を下ろさせ、両股を思い切り開かせると、ポケットの中から漏斗を取り出した。そして、彼女の中心部にそれをあてがうと、円形の円周に沿って等間隔にあいた四つの穴に通されている紐を、由香の腰に捲きつけて固定する。

「さあ、おしっこを出して」

光生は嗜虐の戦慄に震えながら漏斗の突出部を凝視する。

朝顔の花を思わせるようなその円形の部分は女体の密毛地帯にぴったりと付着しているが、由香の豊かな黒い茂みはかなりはみ出していた。

「さあ――」

光生に催促され、束の間気を抜いた顔をしていた由香の顔が、再び苦痛に歪んでゆく。漏斗の口から一滴の水分も流れないからだ。

漏斗の穴には紙が埋め込まれており、かなりの水量が放出されないと遮蔽物が溶解しないようになっていた。したがって紙が溶けるまでには相当の時間がかかる。その間、由香は中途半端に尿を出したきり、しばらくの間は我慢していないと、漏斗から溢れた尿で下半身全体を汚してしまうことになるのだ。

苦痛に歪んだ顔や女体のくねりが光生にはたまらなかった。

「ク、ル、マ、ク、ン……は、早く……楽にして……」

目はトロンとして夢遊病者のように視点を失なっていた。膀胱いっぱいに溜まった尿が突破口を得られず、ただ尿道が緊急事態を告げるように激しく脈打っている。由香は、今にも腹部が破裂しないかと慄いた。

その時、あわただしくトイレに駈け込んで来る足音が聞こえた。

二人は一瞬顔を見合わせた。

足音はノックもせず隣のドアを開けて飛び込む。

その人物もよほど切羽詰っていたのだろう、スカートをまくりバンティをずらし、勢いよく放尿する音の激しさからみて、かなりの飛沫が彼女の尻に跳ね返っているはずだ。

その野性的な音から推察して、隣のトイレに入っているのはグラマラスな森野先生だろうと光生は想像した。あの豊満な肉体なら尿の量があれほどあっても不思議はない。

気持よさそうな排泄音は長く続いている。

その飛沫を聞くにつけ由香はますます禁じられた放尿への疼きを募らせていくのだが、遮蔽された穴は一向に開通しない。

「オ、シ……」と言いかけて由香は慌てて言葉を呑む。森野先生がいるのを思い出したからだ。

(オシッコをさせて、早く……)

由香は下腹部に鈍い痛みを感ずるのを懸命に堪えながら、思いの丈をトロンとした淫靡な瞳で光生に訴える。

(苦しみが強いほど、後の満足は大きいんだ)

由香の下腹部の一点を凝視しながら光生は心の中で叫んだ。

由香は歯を喰いしばり、髪を毟り、わずか三センチ足らずの穴に詰められた紙の固りが溶けて流れだすのを今か今かと待っていた。薄暗いトイレの中、由香の白蝋のような体は桜色に染まり、腋の下から噴き出した汗が足下のタイルの上に滴り落ちては四散した。

(目がくらみそう。もう紙を抜いて――)

女の瞳が訴える。

声を出すまいとして必死に耐えている由香の自制力が肉体的苦痛を倍加して、脳髄にまで尿が逆流するのではないかとすら思えてくる。このままでいたらやがて口からも耳からも尿が奔出するのではないか――。

空気が停止して動かないようなトイレの中に、仄かに便臭が立ちこめてきた。森野先生が入っている戸の中からだ。やがて大きな便がヒリ出される時の独特な音が聞こえてきた。あのグラマラスな森野先生の大きなヒップから汚いものが……そう思うと光生のものは一層激しく硬直し、ジッパーの間から屹立するそれは天に向かって尚も高くそそり上がった。

光生は由香の頭を自分の腰の位置まで下げさせると、無言で唇での奉仕を促した。

苦しげに腰を屈めて男の突起に唇を触れようとする由香。その途端、思わず腰部に力が入り、怒濤のように迸るおしっこが漏斗から溢れ出して由香の草むらを濡らした。

「で、出るう……出るう……おしっこが出るうっ……」

森野先生のいることも忘れて歓喜の言葉が由香の唇から洩れた。

体内に欝積していたおびただしい小水は、もはやとめどなく噴出し続け、彼女の下腹部から脚までをぐっしょりと濡らした。

「あ……あ……いいの……気持いい……」

そう呟く唇をふさぐように光生のものが由香の口へねじ込まれ、たちまち爆ぜる。森野先生が慌しげにトイレから出て行くのと、下半身を尿で汚した由香が口から白濁液を溢れさせてトイレの床にへたり込むのはほとんど同時だった。

(続く)

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