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『S&Mスナイパー』1980年8月号読者投稿小説
「悪魔の微笑」
「悪魔の微笑」
屈辱の排泄、恥辱のデッサンに身をよじって抵抗する美人画学生・静香。身体各部へのフェティシズムを盛り込みながら、徹底的な羞恥責めを遂行するインモラルな行為の行く末は……。『S&Mスナイパー』1980年8月号に掲載された読者投稿小説を、再編集の上で全四回に分けてお届けしています。
「お願い……トイレに行かせて……」
「だめだね。部屋の中でぶちまけてこそ、表情に緊張感も出てくるし、君だって、楽しめるってもんだよ」
利夫は静香を縛った肘かけ椅子の下に、白いビニールのテーブルクロスを敷いた。
「もうだめ……我慢できない……ねえ、お願いだからやめて……お金なら出します……」
「200万だぜ……」
「父に頼んで……なんとか……」
「いい逃れはよせよ。それに、こんどの仕事は財界の大物の依頼なんだ。金だけが目当てってわけじゃないんだ。その財界の大物は顔も広いから、出来のいい絵を売れば評判が評判を呼んで、俺も一生食うに困らない生活ができる。描きたい物を描いてそれが収入に結びつくわけだからこんないい話はないからな」
と利夫は嬉しそうに言った。
「苦しい……た・す・け・て……」
腹が焼けてくように痛んだ。いくら恥ずかしくても、もう、ひと思いに力を抜いてしまうしかない――こう思いかけたときだった。
「そうだ、いいことがある……排泄物は絵具で描かずに、きみの身体から出たやつを、直接キャンバスに塗り付けよう」
静香の背筋を悪寒が走った。
「いやっ、そんな……ひどい……」
「臭いのある絵か……こりゃ受けるぜ……大評判間違いなしだ……」
「あ、あんまりだわ……そんなことされたらわたし、死んじゃう……」
「そうだ、ついでにきみのチリチリヘアーもそのまま利用することにしよう……手間はかかるが……それだけリアルになる」
ここで排泄など、絶対にできない、と静香は必死で押し寄せてくる便意をこらえた。自分の汚物がキャンバスに塗り付けられて大勢の人間に鑑賞されるなど、思っただけでも耐えられない。
「君のアナルは、出したくてビクビクいってるじゃないか。そろそろ出してしまったほうが、身体のためにもいいんじゃないのかな」
「いやっ……わたし……しない……」
脂汗がだらだらと全身を伝わっていくのがわかった。
このまま我慢を続けていたら、腹が裂けてしまいそうな気がした。だからといって……。
「出ちゃう……ああっ……わたし、どうしたらいいの……」
自分のぶざまな姿を描いた絵の前で、人々が寄り集まってしかめっ面をしている光景が、静香の胸裡をよぎった。
“臭いねえ"
“この女が出したんだそうだよ"
“いやだねえ"
“毛も実物だってさあ"
そんな会話が聞こえてくるようだった。金のためには排泄物さえ売り物にする女――わたしはそんな絡印を押されて、これから先、生きて行かなければならないのだろうか……。
静香は途方に暮れてしまう。頭がガンガンして、自分でももう、なにを考えているのかわからなくなってしまった。
「もう……だ……め……」
静香は口を開けて、首を後ろへのけ反らせて呻いた。
「あ、あっちへ行ってて……見・な・い・で……」
「嬉しいだろう……出すときがいちばん気持ちがいいんだよ。よく味わっておきなよ……」
「だめ、見ないでーっ」
シューッと身体から液が迸る音がした。
そして固い塊が、アナルを押し破って、静香の悲鳴をよそにつぎつぎと落下していった。
「できた……これが君の悦びの顔だよ。臭い物をひり出しながら、よがってるところさ。これで思ったような絵が描ける」
と利夫はデッサンを静香に見せた。額に縦皺を寄せたぶざまな表情が描かれていた。
しかし、どう見ても、やはり自分の顔である。今となっては、利夫の並外れた腕前が恨めしかった。
「構図としては、君のアナルを中心に据えて、大勢の人間が浣腸シーンを見物してるようにしようと思うんだ……そして……」
と言いながら利夫は、ペインティングナイフで汚物を掬い取って、気も狂わんばかりに混乱している静香の胸の隆起に、べっとりとなすりつけた。
「ひいーっ」
「伸ばすとかなりざらざらしていて、おもしろいねえ……それにこの艶……これがそのまま活かせれば、申し分ないんだが……」
異臭が静香の鼻を突いた。
自分の排泄物とはいえ、身体に塗りつけられたという気味の悪さとおぞましさで、全身が総毛立った。
利夫はさらに、ペインティングナイフで汚物を掬い上げると、100号キャンバスの中央にすーっとなすり付けた。
「いい……最高だ……絵具ではこれだけの質感を出すことはできないだろう……」
ただ、このまま塗っても剥げ落ちてしまうから、どうやって保存できる絵具に仕上げるかが問題なのだ。ポピーやリンシードオイルでは溶けないだろうし、シッ力チーフで固まらせても、あまり長くはもたないだろう。無理をして亀裂などが入ったら、せっかくの労作が台なしになる――利夫の言葉のひとつひとつが、静香の心を抉り取った。
「さて、最後に君のチリチリヘアをいただこうかね」
カミソリが下腹に当てがわれた。
羞恥のどん底に突き落されて、静香はもう、抵抗する気力もなくしてしまい、涙をボロボロ流しながらジョリジョリという音を聞いていることしかできなかった。
「アナルの廻りにも、短いやつがけっこう生えてるんだね……これもそのまま、絵に植え替えようってんだから、たいへんだよ」
これがビーナスの丘、これがアナルの廻りのやつだ、などと言いながら利夫はカセットテープの空箱に静香の翳りを選り分けて、大切そうにしまった。
「ねっとりした、好きそうな肌だなぁ……これも剥ぎとって、画材にしてやりたいくらいだ」
特別サービスだ、といって利夫は、畳にこぼれているポピーオイルを女体にくまなく塗り付けた。
あまりの残酷な仕打ちに、静香の意識はだんだんに薄れていった。
ねっとりした利夫の手のひらが胸の双丘や内股や秘苑を這い廻るたびに、静香は悪夢と現実の間で、低く動物の唸り声のような声を上げて呻いた。
「気持ちいいだろう……そりゃそうだよな……浣腸してチリチリヘアをきれいに剃り上げておまけにマッサージまでしてやってるんだから……」
君は幸せな女だよ。俺に巡り会わなかったら、君はこんないい思いはできなかったにちがいない。これからもせいぜい可愛がってやるから、浣腸がしてもらいたくなったら、いつでも俺のところに来いよ――利夫のお喋りを、静香は遠い世界の出来事のように聞いていた。
いつまで聞いていても、利夫は悪いことをしたと詫びる様子はなかった。
「でもなぁ……いくら浣腸されたいからってあまり付き纏われると、困るんだよな。俺だって他に慰めてやりたいやつもいるし、君は一応、これで用済みってことになるんだから……」
わたしはもう一生、恋なんかしないだろう。
ひょっとしたら世の中の男という男がみんな嫌いになって、レズビアンになってしまうかもしれないな――静香は遠ざかる意識のなかで、利夫の思惑とはまったく掛け離れたことを考えていた。
文=安曇野香平
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