読者告白手記 男の人に命令されないと燃えない私 私は多情な悦虐人形 第5回 投稿者=西本加代(仮名・28歳) 田上さんは私のお尻の方から手を差入れて秘所をまさぐるのです。 |
アヌス感度が最高
田上さんは、私を抱いてくださるときもありましたけど、どちらかと言えは、緊縛をたのしむことか多かったのです。
「加代のからだは、まるで緊縛のためにあるみたいだな。
白い肌に残った縄の跡がたまらないんじゃ、ワンにはな……。
それに、日本的な顔立ちがいいぞ。
だか、な、加代のいちばんいいところは、その風情なんじゃ……」
私が恥ずかしくなるくらい、田上さんは褒めてくれるのでした……。
田上さんに緊縛の快感を教えられながらも、私は植木さんとの木曜日のデートは欠かしませんでした。
植木さんにスパンキングをされると、何だか、子供のころへかえったような気になって、田上さんにはない歓びを感じるのです。
お二人とも、私に他の男がいるのかどうか、一度も訊いたことがありません。
何にでもよく気がつくお二人のこと、ひょっとするとうすうすご存知だったのかも知れませんね。
もちろん私はお二人の愛を失いたくなかったので黙っていました。
そうこうするうち、三番目の男の人が私の前に現われたのです。
その人は華岡さんといって、美術学校に通っている学生さんです。
知り合ったのは私の住んでいるマンションの近くにある喫茶店です。
華岡さんはそこでアルバイトをしていたのです。
その喫茶店に毎日のようにコーヒーを飲みに行くうち、何となく口をきくようになったのです。
華岡さんは画学生らしく、ちょっと変わったところのある人です。
「あなた、水商売でしょう。
ボクには分かるんだなア。
一見、シッカリしているように見えるけど、その実、ものすごくダラしない、というか、自立できない弱さを、ボクはビンビン感じるんだな」
私が、
「どう、調子は?」
って、初めて口をきいたときの返事がこれなんです。
「そして、あなたは、ふつうのセックスができない人だなア。
よおく顔を見せて……ウーン、あなたアヌスの感度がいいでしょう。
天才のボクにはよおくわかるんだなア」
っていうのが、その次に出てきたセリフなんです。
何だか、自分を見透されているようで、ちょっと気味が悪い、と思いました。
でも、口車にのってしまった感じで、
「アヌス……!?」
と訊き返すと、
「そう、アヌス!ケツの穴のことですよ。
このケツの穴こそ、人間の快楽の原点なんだなア」
って、わけのわからないことを言ったんです。
この会話が真っ昼間、お客さんのいる時間に交されたんですから、今思い出しても恥ずかしくなってしまいます。
でも、華岡さんが言うと、ちっともイヤ味じゃないんです。
まわりのお客さんもクスクス笑って、私たちのやりとりに耳を傾けていたみたいです。
たった一人、華岡さんの敵対者がいました。
それはもちろん喫茶店のマスター。
マスターに叱られても華岡さんは悪びれる様子もなく、そのとき、私、デートの約束もさせられてしまったんです。
喫茶店で“変人”って呼ばれている彼らしく、デートの待ち合わせは、新宿駅東口の公衆トイレの前……。
「ボクは、日常会話で笑いものになり、タブーになり、忌み嫌われているクソとケツの穴を大事にして生きていきたい!」
っていうのが、その理由なんですって。
何か他にもいろいろなことをむずかしい言葉で説明してくれたけど、私にはチンプンカンプン。
でも、私、そんな華岡さんの、今まで知り合った人たちとはぜんぜん違った、奇妙な性格にグイグイ引き寄せられてしまったんです。
(続く)
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