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咲きほころぶ踊り子たちの肖像 舞姫爛漫  第1回「牧瀬茜」【4】

写真・文・インタビュー=インベカヲリ★ モデル=牧瀬茜

ストリップ劇場でのストリップショー。黄金時代は過ぎたといえ、根強いファンはいまも劇場に通っています。そして踊り子たちもまた踊り続けているのです。そんな彼女たちの姿を追う「舞姫爛漫」、本日は牧瀬茜さん4回目の掲載です。
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「よい仕事だから頑張りなさい」って
父が言ってくれたんです

カミングアウト

正しい道を清く歩く。牧瀬茜は、ストリッパーの道に進んだことも、きちんと両親に話して承諾を得た。嘘をついたままでは生きられない、というのがその理由だ。

「デビュー3年目ぐらいのときに言いましたね。自分の中で、この仕事は今後も続けていくなって確信を持ったとき。今なら説明できるって思ったんです」

後ろめたさはあった。自分はよくても、家族が白い目で見られてしまうかもしれない。「お宅はどういう教育をしているの?」親戚中から非難を浴びせられる両親の姿が目に浮かんだ。それでも偽りの中で、関係がギクシャクしていくのは嫌だった。勇気を出して両親に報告したとき、返ってきた答えは予想外なものだった。

「父が、『よい仕事だから頑張りなさい』って言ってくれたんですよ。実は父は、若い頃に浅草ロック座でコントの台本を書く仕事をしていたらしいんですね。そんなことまったく知らなかったからビックリしちゃって。当時はどこの劇場でも、ストリップの前座で若手芸人のコントがあったんですよ。父は、コントの台本を書きつつ、踊り子さんの仕事を側で見ていたんでしょうね。どういう職業なのか理解していたみたいです」

娘の頑張る姿に喜んだ父親は、牧瀬茜の出演する劇場まで応援にきたという。

「私の好きなクッキーを差し入れで持ってきてくれて。見た後に『やっぱりよかった。これからも頑張りなさい。もっと活動の幅を広げなさい』って言ってくれて。その一言をきっかけにして、仕事に対してポジティブになれましたね。不思議なことに、自然といろんな話が舞い込むようになったんですよ。漫画の依頼が来たり、コラムの連載が始まったり、たまたまお客さんからカメラをプレゼントされて、踊り子さんを撮るようになったら、劇場に展示しないかって話が来たり、今度は写真の連載も始まったりで」

親の反対で辞めざるを得ない踊り子さんも数多くいる中で、牧瀬茜は両親に認められたことをきっかけに大きく羽ばたいた。自分の意思で決断して生きている今は、昔の自分と大違いだった。




不思議な話

自然の力に流されて生きている、と牧瀬茜は言う。

「目に見えない力ってうのはすごく信じています。自分の力で生きてるんじゃないんだな、みたいなのを感じることがたびたびあるんですよ」

意識しないで生きているとサラっと通り過ぎてしまうことも、しっかりと受け止めていれば、違うものが見えてくる。例えばこんな風に。

「あるとき久しぶりに友人が会いに来たんですよ。本当に久しぶりで、どうして彼女は私に会いに来たんだろう?って。なんの用事もなくフラっと来たから、そのことの意味をずっと考えていたんですね。そしたら雑談の中で、彼女はふいに、整体の先生を探してるっていうんですよ。たまたま少し前に、すごく上手な整体の先生に出会ったばっかりだったんです。ああ、この子はこの情報を求めて会いに来たのかなって。呼ばれて来たんだなって」

偶然の出来事に意味を感じるか感じないか、その差はとても大きい。不思議なパワーに導かれる……、牧瀬茜は確かにそういう人だった。

「一回だけ見たことがあるんですよ。実は仕事辞めようと思っていた時期があって、でもやっぱり続けようと思い直したきっかけの一つがそのことでした。劇場で深夜に一人で、最後の出し物の練習をしようとしていたら、向こうに白いボーっとしたものが、ハッキリ見えるんですよ。私はそっちを直視できないんだけど、『寂しい寂しい、いかないで』みたいな声が、頭の中に入ってくるんです。この人は辞めちゃいけないって言っているのか、それとも自分が寂しいから辞めないでって言っているのかどっちなのかはわからないんですけれど。私、てっきり霊を見ると怖い気分になるのかなって思っていたし、見るのも嫌だなって。でも不思議と怖くはない。その後も平気でもくもくと練習していました」

辞めることは簡単でも、続けることは難しい。たとえ何かの霊に導かれたのだとしても、続けることを選択させられたのは幸運といえる。

(続く)



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Makise Akane x Inbe Kawori★

牧瀬茜
1998年7月1日デビュー。若松劇場所属。愛称は“ガマグチ茜”。9年間というキャリアは踊り子のなかで中堅クラスにあたる。同人誌『ZOWV』誌上にて散文的な詩やエッセイとイラストを、また隔月刊誌『裏ネタJACK(ダイアプレス)』に四コマコミック「性活だより」を連載中。劇場・郡山ミュージックの館内には自身が撮影した作品を常時展示中など、ステージ以外にも活動の場を広げている。
撮影=インベカヲリ★
モデル=牧瀬茜

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牧瀬茜
インベカヲリ★

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インベカヲリ★ インベカヲリ★ 東京生まれ。編集プロダクション、映像制作会社勤務を経てフリー。写真、文筆、映像など多方面で活動中。著書に「取り扱い注意な女たち」。趣味は裁判傍聴。ホームページでは写真作品を随時アップ中。

インベカヲリ★ http://www.inbekawori.com/

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07.11.24更新 | WEBスナイパー  >  インタビュー