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脚本=雪村春童
著者=芽撫純一郎
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Scene08. 8月5日 獣欲


【1】

竜也がモニターを見つめていた。
カウンターの数字によれば、渚が意識を失ってからすでに十数時間が経過している。
感覚的には数分のようにも思え、幾晩も経っているようにも思えた。

軽い眩暈に襲われてこめかみを押さえる。
竜也は渚をこの屋敷に攫ってきて以来、まだ一睡もしていなかった。

渚はベッドの上に移され、手錠で両手だけをベッドの枠に繋がれていた。
ずいきを挿入してある以上、もう大きな抵抗はないはずだと竜二が判断したのだろう。
猿轡もされていない。
ただ、ずいきが抜け落ちないように縄でしっかりと固定されているのが無残だった。
目は閉じたまま、時折、苦しそうに身をよじらせている。

竜也は過去に二人、竜二の作った特製のずいきで錯乱状態に陥った女を見ている。
彼女らは一様に「痒い! 熱い!」と叫び、ペニスであろうと何であろうと、秘部のもどかしさを消してくれる刺激を死に物狂いで欲しがった。
なんでもいいから突っ込んで――と。
もしも両手が自由であれば、自分の手を挿入して、膣壁がボロボロになるまで掻き続けたに違いない。
哀れだった。
竜二は刺激を与えることを条件にして(性交こそしなかったものの)、彼女たちをいいように従わせ、溢れ出る体液を思うままに採取していたのである。

渚も眼を覚ませば、やがてそうした女たちと同じ苦悶を味わうことになるに違いなかった。

「おーい、竜也!」

ふいに階下から竜二の声が聞こえ、竜也の身体が固まった。

「竜也、そろそろずいきを取り出して、あの子の身体拭いといてくれ!」

分かったよ兄さん――答える声がかすれた。
聞こえたのかどうか、竜二は「親父に結婚の報告をしてくるよ」と一方的に言ってガタガタ音を立てている。
外へ出るつもりのようだ。
屋敷の庭には亡父の慰霊碑があり、竜二はしばしば「墓参り」と称して興奮を鎮めに行く。
手を合わせるようなことはしないが、慰霊碑の前でブツブツ呟いている姿を、竜也は何度か目撃していた。
竜二なりに、結婚(実際にはとても結婚と呼べるような形態ではないが)に対してプレッシャーのようなものを感じているのかも知れない。
あるいは、暴走しそうになる自分の衝動を抑えようと苦心でもしているのだろうか――。

やがて玄関の戸を開け閉めする音が聞こえた。
竜二の気配がないというだけで屋敷の中が驚くほど静かになる。

兄がどういうつもりで外に出ようが、そんなことはどうでもいい――竜也は思った。
そして同時に、身の内から湧き上がる震えにカタカタと歯を鳴らした。
これから自分が何をしようとしているのか、それが突然、リアルなイメージとして竜也の脳に飛び込んできたのだった。





(なんだ……いまのは……)

竜也はもう一度、自分がイメージしたはずのものを頭の中でなぞってみる。
自分はこれから地下に下りるだろう。
それは竜二の命令があったからだ。
渚に挿入したままのずいきを抜いて身体を拭いておくようにと。
自分は実行するだろう。
命令には逆らえない。
しかし、そこから先は――何をするのも自由だ。
竜二は今、屋敷にいないのだ。
敷地内にはいるとしても、慰霊碑は高大な敷地の隅にあり、戻ってくるまでには時間がある。
その間に――自分は何をしようと思ったのだろう。

確かな映像を見たはずなのに、どうしても思い出せなかった。
渚と手を取り合って屋敷を抜け出そうとでも思っていたのだろうか。
いや、つい瞬刻前にふいに去来したイメージは、もっと陰惨なものだった気がする。
そもそも竜二が屋敷にいないことが重要なのかどうか――。
イメージの中には竜二も登場していたような気がするのだった。
分からなかった。
しかし、身体はやみくもに急いていた。
とにかく、とにかく動かなければならないと。

視界の隅に、モニターの中で激しくもがく渚の姿が飛びこんできた。
渚は白い裸体を波打たせつつ、秘部を穿ったずいきを抜こうと、太腿をよじり合わせて苦悶していた。
口から泡を吹いている。
目を覚ましたのだ。

竜也はふらつく足取りで泳ぐように部屋を飛び出し、地下へと続く階段を駆け下りた。

【2】

これは……何だ……。

牢内の景色が歪んで見えた。
睡眠不足のせいか、それとも熱があるのだろうか――と最初は思った。
痴漢行為にしか反応しないはずのペニスが、渚の裸体を間近に見ただけで痛いほどに屹立していた。
確かに渚は全裸のまま手錠でベッドに拘束され、下腹部をなまめかしく戒められている。
しかし、モニターでも見続けていたその姿は、痴漢的なエロティシズムを刺激するものではないはずだった。
――それなのに。
渚が全身から発している妖気のような色気のせいなのかも知れなかった。
空気までが粘着性を帯びているように感じられる。

何もかもが異様だった。

渚は竜也をみとめると、瞳をトロンと潤ませて、「早く……」と言った。
見せつけるように脚を大きく開いて腰を浮かせている。
全身にネットリと脂汗をかいていた。
唇の端に泡が付着し、荒い息のために腹が大きく波打っている。

「早く犯ってよ! 犯りたくて攫ったんでしょ……早く!」

別人のような、ヒステリックな声を上げて竜也を睨みつけた。
頬がブルブルと痙攣している。
ねぇ、お願いよ――と声を震わせ、今度は哀願するような瞳で竜也の目をじっと見つめる。

「あなた、私としたいんでしょ? ねえ……」

言いながら腰を浮かせ、トロトロと垂れ落ちるおびただしい愛液を誇示した。
唇の端が引きつっていて、ゆるんだ笑顔を思わせる。

「あ……あ……」

立ちすくんだままの竜也がかろうじて答えた。
本当に狂ってしまったのかも知れない――そう思うと悲しみに似た感情が染みのように胸に浮かんだ。
それでも尚、竜也のペニスは萎えるどころかますます猛って脈動するのだった。

お……落ち着いて……と、眩暈をこらえ、足を踏み出す。
たちまち、粘着質な空気が全身にまとわりつき、渚の濡れた唇が、汗ばんだ乳房が、ずいきの埋め込まれた秘唇が、ドロドロに溶けた映像となって竜也の脳を侵した。
全身が熱かった。

気が付くと脚がベッドの縁にぶつかっていた。
そして次の瞬間には、竜也は渚の唇に自分の唇を押しつけていたのである。









渚の首を抱え込み、口に舌をこじ入れながら、片手で渚の下腹部の縄を解いていく。
ずいきがドロリとベッドに落ちた。

竜二が渚の秘唇に指を添えた。
信じられないほどに熱く火照り、脈打つように愛液を溢れださせている。

「ふぅあぁぁぁっ」

渚がのけ反り、ベッドの枠に繋がれたままの手錠がガチャガチャとやかましい音を立てた。

「して! もう入れて! 早くぶち込んでよぉっ!」

獣のような、ムンッとするメス臭が渚の全身から立ち上り、わずかに残った竜也の理性を激しく揺さぶる。
危機感がないわけではなかった。
渚と関係を持ったことが竜二に知れればどんな仕打ちが待っているか分からない。
自分も、渚も、本当に殺されてしまう可能性があった。
しかし二人をこの状況に追い込んだのは、ほかならぬ竜二なのだ。
このまま何もしなければ渚は狂死してしまうかも知れない。

だから……だから――。

竜也がブリーフをずり下げて下半身を露出した。
足を引き抜くのももどかしく、下腹を合わせて腰で秘裂の位置を探る。
灼熱のぬかるみが、はち切れんばかりの亀頭を導き、泉の源泉へと竜也を引き込んだ。

「おおおおおおおぉぉっ」

一気に突き入れ、渚の乳房を両手で絞りながら腰を振る。
リズムもなにもない、直情的なストロークが、渚の子宮口を激震させた。
さらに、膨れきった傘が膣壁を貪欲に掻き毟り、抽送のたびに渚を失神寸前まで追い詰めていく。

「ひぃぃあぁぁぁぁぁぁぁっ」

渚が首の血管を浮き上がらせて顔を上げ、絶叫する。
細い手首に手錠が食い込み、血が滲む。
やがて、渚の身体がベッドの上でバウンドし、竜也との結合部から大量の小便が爆発するように噴き出した。

その噴水を押し潰すように、こめかみに青筋を浮き上がらせた竜也が腹を密着させ、尚も小刻みなストロークを繰り出していく。

「渚ちゃん! 渚ちゃん! 渚ちゃん!」

息を弾ませて言い、さらに再び「おおおぉぉぉっ」と雄叫びを上げて全身の筋肉を膨れ上がらせた。
バジュゥッ――と音がして、膣内に発射された精液が結合部の隙間から飛び散った。

「ぎひぃぃぃぃぃぃぃっ」

渚が目を見開き、歯を食いしばって衝撃を受け止めようとする。
が、全身がわなわなと波打ち、焦点を失った黒目がゆっくりと裏返っていく。

「渚ちゃん!」

瞬間、我に返った竜也が腕を伸ばして渚の首を支えた。
渚の黒目が裏返っていったのと同じ速度で戻ってくる。

「た……す……け……て……」

喉を震わせる低い声が渚の口から洩れた。
竜也が頷き、口を開きかけた時である。
上の階でボンッという破裂音が轟いた。

それは竜也の部屋に設置されたモニターのブラウン管が金属バットで叩き割られた音だった。


(続く)

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『生贄おさな妻〜収集家の奴隷〜』

発売中
出演:渚
収録時間:120分
品番:KNSD-03
メーカー:大洋図書
ジャンル:SM・緊縛・凌辱
レーベル:キネマ浪漫
定価:5,040円

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junichirou.jpg 芽撫純一郎 1960年和歌山県生まれ。プロポーラーとして活躍後、セミリタイアして現在は飲食店経営。趣味として、凌辱系エンターテインメントAVの鑑賞と批評、文章作品の創作を行なう。尊敬する人は一休宗純。
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08.10.31更新 | WEBスナイパー  >  官能小説