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青山正明の世界 第21回


取材・構成・文=ばるぼら


21世紀を迎えてはや幾年、はたして僕たちは旧世紀よりも未来への準備が整っているだろうか。乱脈と積み上げられる情報の波を乗り切るために、かつてないほどの敬愛をもって著者が書き下ろす21世紀の青山正明アーカイヴス!
『BUBKA』1998年1月号/コアマガジン
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『危ない1号』3巻の発売後の青山の目立った活動といえば、江古田フライング・ティーポットでのイベント「フラミンゴ・フォーエバー」(1997年10月19日)への出演、『別冊宝島345 雑誌狂時代!』(1997年11月15日/宝島社)でこれまでの危ない雑誌の歴史を語る永山薫との対談「アンダーグラウンドでいこう!」、『エロ本のほん』(1997年12月20日/ワニマガジン社)へ自分のエロ歴史を書き下ろした「エロ雑誌とオナニーと私」などだろう。

ロフトプラスワンで行なわれた『エロ本のほん』のイベントには出演もしており(1997年12月27日「緊急決定!エロ本サミット開催」)、これが表舞台で名前と姿を現わした最後ではないかと思う。雑誌メディア上でも『BUBKA』1998年1月号の山野一に関するミニコラム「“偉大なるゲスマンガの金字塔” 元「危ない1号」編集長・青山正明氏かく語りき」を最後に、しばらく姿を消す。この『BUBKA』から『危ない1号』4巻(1999年9月20日)までのあいだ、一体何をしていたのかは疑問に残るところだが、何人かに聞いても「連絡が取れなかった」「引きこもって何もしていなかったんじゃ」という答えばかりだった。もちろん4巻の編集はあっただろうが、企画が立てられてから8カ月何もせず、実質2カ月で作られたというから、空白期間は本当に寝てすごしていたのかもしれない。

その『危ない1号』4巻は「青山正明全仕事」と銘打ち、『Hey! Buddy』『Crash』『BACHELOR』誌でのライフ・ワーク的連載「フレッシュ・ペーパー」をまとめた、青山の人生を総括する分厚い一冊だ。もちろん80年代から書き散らした原稿の量は膨大であり、エッセンスを抽出した内容であるが、過去からこの時点までの一貫した態度が見て取れる。プロフィール兼編集後記には「94年11月に日本全国で症例50名前後という眼病疾患、奇病MPPEを患い、失明の恐怖を背負いこんで加速度的に“悟り”の境地へ。本書を最後に“路線変更”を決意……と、まあ、そんなこたぁ、どうでもいいか……」とあり、眼の病気を患ったことへの不安が読み取れる。実際、2000年春に創刊した雑誌『Title』(後期のオシャレ路線を知っている人には判りづらいが、リニューアル前は『サイゾー』に似た妙な雑誌だった)で仕事をする予定があったものの、それを理由に降りてしまったという。

その後も表舞台への登場は断片的だった。清野栄一『地の果てのダンス』(1999年10月15日/メディアワークス)へのレイヴに関するアンケート回答、『創』1999年12月号での軽いインタビュー(パン工場で働いている、との話が出てくる)などだろうか。どちらも明るい未来への希望という印象はなく、何かから逃避しているような、そんな姿勢が透けていた。

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『パンゲア』 山野一
1993年12月10日初版/青林堂

『パンゲア』山野一
『BUBKA』1998年1月号によれば、青山が山野一の作品に最初に触れたのは80年代半ば、山野の最初の単行本『夢の島で逢いましょう』(青林堂)だという。「僕は山野一なる漫画家の才能に完全に惚れてしまった。僕の頭の中では、山野一氏と根本敬氏は、ゲス漫画家の双璧である」。それ以来、大正屋出版時代に編集していたマンガ誌、『エキセントリック』最終号、『危ない1号』でのインタビューなど、何かにつけて仕事をしている。特に『パンゲア』に収録された作品「Closed Magic Circle」(初出はビデオ出版『月刊HEN』1991年11月号)には、そのものズバリ「青山」という名のキャラクターが登場。フリークスと気持ち良さそうにセックスしている。

『地の果てのダンス』 清野栄一
1999年10月15日初版/メディアワークス

『地の果てのダンス』清野栄一
1995年に『デッドエンド・スカイ』で第81回文學界新人賞を受賞した作家による、レイヴ・カルチャーを取り上げた体験的小説(本作以前にも共著で『RAVE TRAVELLER〜踊る旅人』(太田出版)がある)。木村重樹との往復書簡も興味深いが、巻末のアンケートは更に興味深く、アンダーグラウンドなDJ達や近田春夫など著名人に混じって青山正明も回答。曰く「繰り返せば飽きがくるのはパーティーもテクノも同じで、はじめのうちは楽しいことばっかりだったのですが、もうそういうのも飽きてきたというのが現状です。今は、パーティーをオーガナイズしたり音を作ったりするほうに関心は向かってます」。実現していたら、一体どんな音になったのだろうか。

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man.gif ばるぼら ネットワーカー。周辺文化研究家&古雑誌収集家。著書に『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』『ウェブアニメーション大百科』など。なんともいえないミニコミを制作中。

「www.jarchive.org」 http://www.jarchive.org/

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08.08.24更新 | WEBスナイパー  >  天災編集者! 青山正明の世界