読者投稿不定期連載 北陸在住マニア画家の美少女羞恥緊縛図絵
Specially selected abnormal maniac exhibitionl
北陸在住のマニア絵師が描く背徳的な鉛筆画と掌篇バックストーリー。責められる肉感美女たちの恥じらいと諦観は、どこまでもあいまいで広大深淵なファンタジーを紡ぎだす――
勝手口の前にカブが停まっている時は家に入らないほうがいい。兄がそう教えてくれた。父に客が来ているからだということはわかっていた。私も何度か見てしまったことがあったのだ。カブに乗った男が父のために連れてくるのは、いつも私や兄と同年代の少女だった。別の学校の子だろうと兄は言った。カブの男がどこの誰なのかは私も兄も知らなかったし、父にも聞けなかった。連れてこられる少女は毎回違っているようだった。
その日私は、街に向かって下っていく家の前の坂を、二人乗りして去っていく男と少女を見た。少女はぐったりとしていてまるで眠っているかのようだった。家の中で父が少女に何をしたのか、私はだいたい分かっていた。
目を閉じて男の背中に額をつけて去っていく少女の顔を、私はもう一度よく見てみたいと思った。顔だけではなく、父がいつも少女たちにしているように、柱に縛りつけて体の隅々までをじっくり観察してみたいと思った。そんなことを思ったのは初めてのことだった。
兄に「カブの男と話をするにはどうしたらいいだろう」と言うと兄はひどく怒っていた。怯えてもいるように見えた。あの女たちにも、父にも汚い血が流れていて、母はそのために出て行ったのだと、兄は最後には泣きだした。兄につられて私泣いたが、それでも私はあの少女にもう一度会ってみたいという気持ちを消すことが出来なかった。
父が死んでカブの男が現われなくなってからは手がかりもなくなってしまった。私は時々、坂の途中で立ちどまると振り返って街を見下ろした。兄の言っていた汚れた血が私にも流れているとするならば、どうせ逃れることなどできないのだと思った。
いつか学校を出てひとり立ちした私は少女を見つけ出すことを諦め、父がしていたのと同じことに没入していくことで、あの時の少女の面影を行為の中に追い求めるようになった。兄はそんな私を畏れるようになり、それぞれの道を歩むようになってからは一度も会っていない。
作=魚清
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